2019/02/15 のログ
ご案内:「保健室」に白鈴秋さんが現れました。
■白鈴秋 > 授業などが終わった放課後。訓練に向かう前に何時ものように時間つぶし……なのだが今日は屋上へは向かっていない。
理由は色々とあるが、1番の理由は腕の負傷である。訓練の前に包帯を替えようと保健室へと向かったということである。
「失礼します」
一応誰かいた場合に備え挨拶をするとガラッと扉を開ける。時間が時間だからか人は見当たらない。ベッドにカーテンを閉めたまま横になっているなどならば話は別だが。
さて、使用履歴のノートに包帯と書くと包帯を取り出し服を脱ぎシャツ姿になり自分の包帯を取る。
古傷と思われる傷跡が彼方此方にあるが、その中のひとつ。まだ真新しい傷に包帯を巻き始める。
それからしばらく巻いているが……。
「チッ、やっぱり一人じゃ巻きにくいな」
しかも場所が場所。右腕である。胴体などならば問題ないが、腕となると結果的に片手で巻くことになる。
故にかなり汚いというよりほぼ巻けていない状態になる。苦い顔をするともう一度解き巻きなおす。
ご案内:「保健室」にジャムさんが現れました。
■ジャム > 「痛たた……。居残り実技試験で膝擦りむいちゃったよ……。
一応手当しておこうかな。……えっとー、保健室ってここだったっけ。――お邪魔しまーす!」
大半の生徒が既に筆記や実技の試験を終える頃。
日程の手違いから追加で受ける事になった半獣人は運悪く怪我をしてしまった。
歩けないほど深刻なわけじゃないし、血は既に止まってるけれど。ひりつく膝は放置しておけば痕が残ってしまいそう。そういうわけで向かった先の保健室を元気よく開け、先の人と同じく声かけ。
「うーん。保健の先生は居ないのかな。
じゃあ、勝手にお薬使わせてもらおうかな……。って、あ、こんにちは!
えっとー。キミも怪我人?僕が巻いてあげよっか」
と、シャツ姿の相手を認めるとにこやかに挨拶して。
なにやら包帯を片手に苦闘してる様子に近づくと、その布の帯を巻きつけるの手伝おうかと両手伸ばし。
■白鈴秋 > ガラッという音で思わずとっさに身構えてしまうが。入って来た姿を見てなんだ同じ学生かと自身の包帯へと向ける。
だが、そう声をかけられるとそちらを少しだけ見て。
「……そうだな、悪い任せても良いか。どうにも時間がかかりそうだ」
家みたいに時間も数も好きなだけ使えるのなら話は別だが、学校のをあまりに使いすぎるわけには行かない。
彼女に包帯を指し出し、自身はまきやすいように腕を軽く持ち上げる。二の腕の辺りにまだ新しい傷が見えるだろう。
「お前は足か。薬の位置はわかるか?」
その間に少しだけ見えた膝の傷を見てから質問を返した。自慢にもならないが、結構ここの薬や包帯を拝借しているので場所は把握してしまっている。
■ジャム > 「うんっ、任せて!
……うわー……キミの身体って傷だらけなんだね。
悪の組織と戦ってるの?それとも、素手でオーガの巣に飛び込んで全員ボコボコにして帰ってきたとか」
任せてもらえると獣耳ぴこぴこ揺らして頷き。
二の腕あたりの真新しい傷を始め、シャツの隙間からちらりと覗く古傷を見て軽口叩き。叩きつつ、目つきは真剣に彼のしなやかな腕に隙間なく清潔な布をあてて巻きつけていく。
近くにあったハサミで端っこに切れ込み入れたら、二股のそれでぎゅっと包帯を結んで固定させる。
「あは、すりむいちゃって。
ううん、保健室に来たことあんまりないからお薬の棚のことよくわからないや。教えてもらっていい?」
処置終えつつも、何やらこの部屋について物知りらしい口ぶりの彼を頼ろうと。
■白鈴秋 > 「悪の組織……」
言われて復唱し、少し考える。
そういわれていればそういう事になるのだろうか。実際は自分の知りたい事を知るため、そして風紀が回りきれない場所などを攻撃したりしているが。そういわれてみればそうなる。
少しだけ笑い。
「まぁ、近いようなものだ」
とそう答えた。態々全部を話す必要は無いだろうし、話して無駄に色々と心配させるのもあれだ。
巻いてもらえば、軽く動かす、結構良い感じだ。
「すまない、助かった。それで薬だが……擦り傷なら」
立ち上がり棚の所へ向かうと、薬を取り出す。
「これで良い。結構染みるが効果はあるぞ」
綿花も一緒に持っていき机の上に、それに消毒液をしみこませる。
そしてピンセットでそれを摘んだ。
「ほら、足だせ。包帯の礼ってのもあれだが。処置くらいしてやるから」
■ジャム > 「そっかー、じゃあ人知れず毎日何かと誰かと戦ってるんだね!誰かを守ったりー、何かを主張したり!
すごいや、ヒーローだ!」
彼の事情はそう浅いものでもない様子だった。
けれども深く察することなく、また事情に立ち入る事も今はまだせずに。自分の思い浮かべる勝手なイメージに彼を当てはめ、にぱーっと笑顔ほころばせる。
「どういたしまして!
へぇぇー、そのお薬なんだ。……キミって保健委員ってやつ?染みるとか、効果についても詳しいけどさ。
――うん、よろしくドクター!
こういう感じの怪我なんだけど……」
迷うことなく棚から薬を取り出す彼をちょっと尊敬するよに見上げて。置き場所から効能まで詳しい理由を知りたがり。
手際よく消毒液を用意する様を見守って。
お言葉に甘えて、そのあたりにある椅子を持ってきて座り。彼へそっとプリーツスカートから太腿と膝小僧を覗かせ。
ざらっとした地面にこすりつけてしまったよな傷面を見せる。
■白鈴秋 > 「んな大層な物じゃねぇよ、自己満足でやってるだけだ」
ヒーローなんていわれるほどの物でもないため少しだけ笑うとそういう。
彼女は何の疑いも無くそういったのだろうと考えると少し騙しているみたいで心苦しくもなる。
「いや、ただ単によく使うから覚えちまっただけだ……そろそろ請求されねぇか不安なんだがな」
冗談のようにそう言うと治療を始める。
少しだけ顔をしかめ。
「……結構手痛くやったな。思いっきりすりむいてんじゃねぇか」
と消毒液で軽くふき取ると違う綿花に薬をしみこませる。
ふと見て。
「じゃあ今からいくが。結構染みるが動かすなよ」
一応そう注意をしておいてから薬を塗る。治療中に蹴り上げられましたなど色々と洒落にならない。しかも見る限り相手は獣人。この距離で反応しきれる自信などない。
■ジャム > 「そうなんだ。怖いねー。いつかキミの部屋のポストにずらずらって文字と数字の並んだ請求書が届いて、全部合計したら顔真っ青になっちゃうぐらいの金額になってたりして。
そしてキミは返済を許してもらうためにヒーローから保健委員に転職、と!」
冗談を冗談にして返して、見せた怪我への感想にへにゃりと獣耳ふせる。
「半獣の異邦人用の運動テストって言われて、実技試験でがんばりすぎちゃって。ジャンプして、着地で失敗したー」
そう、怪我の顛末を説明して後ろ頭に手をやり。
「ん、わかったよ。大丈夫だって僕子供じゃないしー、あっ!……んっ……、ぁぁ、……ぁっ……、あうう……!」
平気だと言わんばかりに笑むが、ぴくんと全身強張らせて息詰まらせる。ぶるぶる尻尾震わせつつ、傷に染み入る薬剤に涙目。跳ね上がりそうな脚を必死でがまん。彼の厚意を仇で返したくはないから。
■白鈴秋 > 「そうなったら恐ろしいな。薬はかなり高いから本当に転職になりかねねぇよ」
彼女の冗談に笑って返すが、本当にそうなると一気に貧乏になりかねない。
いっそ治癒の魔具でも作ったほうが早いかもしれないと本気で思い始めるが、そのレベルの代物を作ろうとすれば余裕で家が建つ。結局は拝借生活を続けるしかなかろう。
「ああ、なるほどな。どうしても同じ計りじゃはかり切れねぇから……試験の結果は大丈夫だったか?」
少し見上げるようにし問う。怪我するほどがんばったのに落第となっては色々といたたまれないだろう。
さて、だが本格的に治療が始まると少し笑ってしまう。
「この薬本当に染みるからな……ほら、これでよし」
薬を塗り終わり、大きな絆創膏を貼る。
綿花などをキッチリ始末して。
「無理に動かしたりしなけりゃ数日で傷もふさがるし跡はのこらねぇと思う。すぐに治療しに来たしな」
■ジャム > 彼、彼を含めての一家が魔具作成においての先駆者だとはまだ知らずに。からからと肩を揺らして冗談に笑い合うのみで。
「うん!着地は下手だったけど、飛び石から飛び石に移動するジャンプテストは今日試験受けた人のうちで一番の成績だったみたい!」
怪我の甲斐があってか。好成績だったことを満面の笑顔で伝えて。
「ひぁ、はあっ……、ぁあぅ……、膝が焼けちゃうよおおぉ……!……んひ、……ぁっ、……はぁぁ……。
――はーっ、……、はぁっ……。これで、痕残らないで済む?……良かったー……」
小さな子供みたいに唇引き結んで耐え、やがてちゃんと処置をしてもらえたら全身で息をし。ほっと胸撫で下ろし。
「たぶん、僕ひとりだったら手当できなかったと思うー。
お薬してくれて、ありがと!
……そろそろ、ここを出ようかな。僕はジャムだよ。キミの名前、教えてもらっていい?」
絆創膏で覆われた膝も誇らしげに手でなぞり。
椅子から立ち上がれば笑顔でお礼告げ、相手の名前を強請り。