2020/06/22 のログ
ご案内:「第一教室棟 教室」に雨見風菜さんが現れました。
■雨見風菜 > 「おはようございます」
朝、登校時間。
雨見風菜はいつもどおりの時間に教室に入ってくる。
生徒が集まりだす時間である。
クラスメイトから三々五々、挨拶が返ってくる。
■女生徒 > 「おはようビッチ」
目付きの悪い少女が挨拶を返す。
これでも風菜とは友人関係を持っている少女だ。
「そういやあんた、あのアフロとあったんだって?
ええと、なんだっけ、ダーティローズだったか潰したの」
■雨見風菜 > 「英治さん、ですね。確かに会いました」
何人かが耳をそばだててる気がする。
実際問題、全裸案件で女性からは距離を置かれている話題のアフロだ。
そりゃあ何があったか聞きたくはなるだろう。
■女生徒 > 「……なんかガッカリしてね?
え、何。あんたがガッカリするって何事よ」
風菜の本性を知っている彼女は、何の目的で会いに行ったのかはなんとなく予想はついている。
だがそれでも、風菜の態度には少し驚いた。
■雨見風菜 > 「その。
露出仲間として仲良くしようとしたんですけど……」
耳をそばだてていた男子生徒が一人、飲みかけていた水を吹き出す。
向かいにいた男子生徒が思いっきりひっかぶり、彼は謝る羽目になったのだがソレは別の話。
「その、脱ぐ途中で逃げられちゃいまして」
■女生徒 > 興味津々に聞いていた友人。
だがその顛末を聞ききると。
「……ぶあっはっはっはっは!!」
大笑い。
「ちょ、マジ!?
あんな場面で裸になっておいて、風菜の裸には逃げ出すとかなにそれ面白いっ!!」
自分の膝を叩く有様だ。
■雨見風菜 > 「笑いすぎですよ、もう……」
風菜の本性を知る何人かのクラスメイトも笑いをこらえている。
「何がいけなかったんでしょう」
■女生徒 > 「何がってそりゃ、あんたの同類じゃないってことじゃん。
ひー、お腹痛い」
笑いの並も引いてきた。
友人は体制を立て直して。
「いやー、あんたの同類じゃないならそうそう警戒することもないね。
毒を制するには毒、あー面白」
■雨見風菜 > 「……え、そうなんですか?」
当の本人は鳩が豆鉄砲を食ったような顔だ。
「だ、誰が毒ですか。もう」
■女生徒 > 「じゃあ変態には変態をぶつけるって言ったほうがいい?」
机に肘を突く。
「まあ風紀だしそんな趣味持ってたらヤバいっしょやっぱ。
いやー面白いもん聞けたわ」
■雨見風菜 > 「そちらならまだ」
いいのかそれで。
「うーん、残念です」
そうして、授業前の時間は過ぎていくのであった……
ご案内:「第一教室棟 教室」から雨見風菜さんが去りました。
ご案内:「第一教室棟 第21教室」に不凋花 ひぐれさんが現れました。
■不凋花 ひぐれ > 異能の影響があまりに強すぎる影響で、他の生徒とのコミュケーションに難ありとされる生徒向けに開放されている特殊学級。間借りしている教室で今日の授業を終えると、担当の先生が帰るのを他所に、不凋花ひぐれはぐっと伸びをしてやおら溜息をついた。
頭に飾った簪はほのかに揺れ、腰に巻いた鈴がちろちろと心地良い音を鳴らす。
ぐい、っと机の袖に置いた刀を手に、鞘に重心を掛けて立ち上がると、欠伸をひとつ噛み締めた。
■不凋花 ひぐれ > ろくに目が見えず、音に敏感で、人と距離を取らなければならない都合上、この教室は彼女一人の為に用意されている。同じような『難あり』は隣あった教室にいるらしく、自習的な課題を黙々と済ませる時もあれば、先生が交代しながら教えに来ることもある。
今日も例に漏れず、教師一人に生徒一人のマンツーマンという実に贅沢な使い方をやってのけてみせつつ六時間分の授業を終えての放課後タイムと相成った。
帰ったら課題に予習を進めなければならない。しかしそれは帰るまでは適応されない事柄である。
今一度大きく伸びをした後、彼女は力を抜いてぽすんと椅子に着席した。鞘を軸に掌を置きながら、顎を引いて瞑目する。
■不凋花 ひぐれ > 校舎の外からは生徒達の笑い声が聞こえる。梅雨のじめじめした季節感も吹き飛ばす程の快活さが飛び込んでくる。
良いなあとは思わない。出来る事出来ない事は各々決まっているのだから。こうして適した環境を得られるだけ実に十分ではないか。
「……」
ちりん、と身じろぎした所為で鈴が鳴る。目を閉じたままふと視線を上に向けると、教室の電気が眩しく輝いていた。思わず目を細めてすぐに瞼を下ろす。
夏が近づき太陽はまだまだ沈まない時間帯。明かりはこれだけでも十分そうなものだが……。
勢いよく飛び跳ねるように立ち上がり、鞘でバランスを取りながら軽快な足取りで教室の電気のスイッチを探す。
確か、そう、教室の前側にあったはず。よたよたと室内であることも相まって大分危なっかし気な足取りで歩む。
■不凋花 ひぐれ > 1分という絶妙に長い時間を格闘して恐る恐るスイッチのある場所壁に手をつく。でっぱりのある部分をパチンと押すと、閉じた視界が僅かばかり暗くなった気がする。消灯したことで夕焼け空は如実に窓から光を取り込み、教室の一部は橙色に包まれた。
「……は」
一仕事を終えたような感慨を以って、彼女は自分の席へと戻る。
■不凋花 ひぐれ > しばしぼぅっとしていたら程よく暗がりが強まって来た。
自分の持ち物を確認する。とはいえ教科書以外は分かりやすい物体しか入れないようにしているから判別は容易い。バッグに詰め込み、鞄を片手に、杖代わりの刀をもう片方の手に装備したら準備完了。
また明日もよろしくお願いします。彼女は誰もいない教室に礼をすると、からんからん、しゃらんしゃらんと廊下を歩いて行くのだった。
ご案内:「第一教室棟 第21教室」から不凋花 ひぐれさんが去りました。