2020/06/28 のログ
ご案内:「第一教室棟 保健室」に朝宮 小春さんが現れました。
朝宮 小春 > 夢を見ている。
書き上げられた研究論文を目に通す夢だ。

姉の論文を眺めれば、自分のそれよりも純粋に完成度が高く。仮説の切り口もまた鋭く。着実に一つ、着実に一つと分かることが増えていく。

妹の論文を眺めれば、狂気に満ちたその視点は8割は破綻しているのだが、のこり2割は驚くような発見に満ちていく。

そして母の論文を眺めれば、この二人の母であることがよくわかる、狂気的高次元の狂気と理性の融合。
倫理観を投げ捨てたような恐ろしい人体実験を当然のように記載してでも、新発見を積み重ねる人の形をした化け物。

どれを見ても、己の才覚の無さをただただ実感する。
この人たちには敵わない。
どこまでいっても。

どこまでいっても。

朝宮 小春 > 「………っふ、ふー……っ、ふー……っ……」

汗だくになって飛び起きる。疲労で少しばかり休憩をもらったのだが、どうやらすっかり眠っていたらしい。
1時間か2時間か、慌てて時計を見て起き上がろうとして、ずっしりと鉛のように体が重いことに気が付く。
頬が濡れていて、ぐしぐしと眼鏡を取って白衣で顔を拭いた。

「………ふー。」

一息、ゆっくりと吐き出しつつ。頬をぺち、っと叩く。
過去のトラウマはトラウマ。今やるべきところはまた別にある。
切り替えろ、と自分を叱咤しつつ。

朝宮 小春 > 切り替え大事。

「……よしっ!」

頬を強くぱち、っと叩いて眼鏡をかけ直せば、白衣を改めて羽織る。
これはそれでも逃げない自分の証。
しばらくトラウマに怯えて羽織ることも拒絶していた衣服。

「がんばろっ…!」

小さく拳をきゅ、っと握って、保健室から出ていく女。

ご案内:「第一教室棟 保健室」から朝宮 小春さんが去りました。
ご案内:「第一教室棟 廊下」に修世 光奈さんが現れました。
修世 光奈 > 「…ここにもあった。名前だけ…もー…名前以外にも情報欲しいんだけどなー」

などと愚痴を零しながらも、人気の少ない廊下にしゃがみこむ姿は楽しそうだ。
廊下の隅、見つかりにくい…消されにくい場所に小さく、落書きを見つける。

それは、今探している相手の名前。
容姿も何もかもわからない不気味な依頼だけれど、何故だか忌避感はなかった。

むしろ、この名前を随所で見かける度に、もっと頑張らなきゃ、という思いに駆られるのだ。
見つけて、声をかけなければと。
そんな強い思いが湧いてくるのもまた、不思議で怖くはあるのだが。
あくまで探すのは学園内や学生通りだけだ。

裏路地などに近寄らなければ、そうそう危険があるようには光奈には思えなかった。

「…うーん。ここ、かぁ………中々難しいなあ、隙を見れば誰でも書けそう。
そもそもこれを書いたのが本人でないって可能性もあるし…」

ぶつぶつと呟きながらその落書きを指でなぞる。
七不思議のような、怪談のような、姿の見えない誰か。
クラスメイトに聞いてみても、先生に聞いてみても、名前以上の答えは得られなかった。
ただ、名前が消されずに学園側に残っているということは、『居る』ということだ。

本人なのか、本人を何らかの方法で騙っているのかはわからない。
けれど、落書きやテストの切れ端に…この名前が『更新』されていっていることからも、書いている誰かは実在している。

「どーこーにーいーるのーかーなー…。ふふ♪」

先の見えない探し物。
だというのに、光奈は楽しそうに。
不審者ぽくはあるが、落書きをなぞり続けてくすくす笑う。

修世 光奈 > 「さてと、次に行ってみよっか」

落書きがあった場所を携帯のメモに残す。
これで、動線が少しでもわかれば色々と策も立てることができる。

楽し気にとん、と立ち上がりその場を後にしよう

ご案内:「第一教室棟 廊下」から修世 光奈さんが去りました。