2020/07/16 のログ
ラピス > 「ん、先生は死ぬ気無いですよー。長生きして見守る気満々ですから。
 鳳さんが先生のせいで泣くのもねぇ。嬉し涙ならば良いのですけれど」

一応これでも教師だ。生徒だけでは厳しい時は、力添えをするのが役目。
だからいつまでも平和なままでは居られないかもしれないが、それでも死ぬ気は毛頭ない。
彼女が頑張っている理由の中には、自分の平和も命も含まれているのだろうから。

「他の先生だととやかく聞かれるでしょうし、面倒がないのは良いことですから。
 ただでさえ鳳さんは無茶しやすそうですから、しっかり気をつけてくださいね。
 ――そういうのは、本当に大変な怪我の治療を遅らせるから、よろしくないのですが。
 まぁ、うん。お仕置きに下剤でも飲ませてあげれば良いんじゃないですかね……」

保健室はあくまで必要とする人のための場所だ。怪我でも病気でも心の疲れでも。
へっぽこ教師もお喋りに勤しんだりはするが、急患にはきっちり対応するのだ。

「あら、先生はいつだって、鳳さんを見守ってますし、心配だってしてますよ?
 それが先生というものです。先に生きて、教え導き、見守る存在なのですよ。
 ――さて、それじゃ、鳳さんが持ってきてくれた梨、剥きましょうか。食べるでしょう?」

彼女が是と言うならば、しょりしょりとナイフで梨の皮を剥き、四等分にする。
種をささっと取り除いて、楊枝を挿せば準備完了。後はシャクシャク食べるのみ。
会話で喉も少々乾いたものだから、果物の汁気がなんとも心地よい。
後はそのまま、彼女と由無し事を話しつつ、のんびり過ごしたのだとか。
或いは、数学を教えたりしたのかもしれないが、その詳細は二人のみ知ることだった――。

ご案内:「第一教室棟 保健室」から鳳 悠樹さんが去りました。
ご案内:「第一教室棟 保健室」からラピスさんが去りました。
ご案内:「第一教室棟 ロビー」に藤巳陽菜さんが現れました。
藤巳陽菜 > ロビーに置かれた机の上にぐだーと体を伸ばしている。
蛇の下半身も同じように伸ばしているのでちょうどカタカナのコのような形になっている。

試験週間が始まって今はそれの終盤。
今の陽菜の様子を見れば試験の出来は何となく察することができるだろう。

「多いのよ…多いのよ教科が…。」

恨むならリモート受講できるの多めにすれば自分の時間で好きなように取れるじゃん!
とか思っていた4月の自分を恨むのだ…。

藤巳陽菜 > ギリギリまで睡眠時間を削った代償に人間だったころと比べて体力が大幅に増している陽菜の身体も微かな眠気を覚えていた。

「明日はたしか…土曜日…だったはずだから今日は早めに寝て明日がんばるのもあり…。」

確実に直前になる前にがんばっていた方がよいと思うのだけどやりたいこととやるべき事がおおいのでそこまでたどり着くことができない…。
そして、前日に無理をして眠気で実力を発揮できずに終わる。
負の連鎖!!

藤巳陽菜 > …ぐだっと手を伸ばしたままスマホで月曜にある試験を確認すれば月曜日は一日異能の制御の試験。
これは特に事前に勉強することはない。
今までつけていた異能の様子について書いてあるレポートを出して色んな測定をするだけで終わる。

そう考えるとだいぶ気は楽になった。

実質後は最終日の試験を残すのみ!

藤巳陽菜 > 「そうと決まれば気は楽ね…。」

ググっと上体を伸ばして、机を持って蛇体も伸ばす。

「んん…!ふう。じゃあ、がんばりましょう。」

そう、気合を入れて去っていった陽菜が今日はまだ木曜日であることに気が付くのは寝る直前の事であった。

ご案内:「第一教室棟 ロビー」から藤巳陽菜さんが去りました。
ご案内:「第一教室棟 保健室」にラピスさんが現れました。
ラピス > 今日も今日とて、へっぽこ教師は保健室の住人だった。
とは言え、今日は備品の補充や治療の当番ではなく、完璧な私用で訪れた次第。
貰い物の梨をダメにしない様に、料理をするべくやってきたのだ。
主に熱中症時の飲み物や冷蔵保存が必要な薬剤用の冷蔵庫に、しかと詰め込んだ沢山の梨。
貰ったついでに沢山食べては貰ったのだが、それでもたっぷり、どっさりだ。

「さてと、実際に手を動かすには若干量が多すぎるんですよねぇ」

引っ張り出した梨は、十個近く残っている。このまま剥いて食べるだけだと飽きそうな気配。
故に今日は色々持ち込んだのだ。砂糖にスパイスに白ワインに――と調理用の諸々を。
作るのは梨のコンポート。うまいこと出来たら、応用もしてみるつもりだった。

ラピス > まずテーブルの上に拡げるのは、一枚の大きな紙。そこには青いインクで方陣が描かれている。
次いで、ひょい、ひょい、ひょい、と皿の上に梨を置いて、紙の上に並べる。
並べるのは等間隔の円形で、方陣の外周を描くような雰囲気だ。
次いで、真ん中には他の材料。砂糖やらレモンやらをひょいひょいとつっこむ。
最終的に全てが方陣の中に収まっている状態になれば問題ない。

「さて、準備は完了、ですね――それじゃ、早速錬金ですよぅ!」

紙の端、方陣が見える部分に手を置くと、そのまま魔力を注ぎ込む。
徐々に淡い青色に光り始める方陣。まず始めるのは机上の隔離だ。
周囲に余計な被害が出ないように、しっかりと方陣の中と外を分断。
次いで、方陣の中でそれぞれの素材が溶けるように消えて――。

「……とぅっ!」

十分な量の魔力を注いでから手を離すと、皿に収まるのは艷やかな梨のコンポート。
中央に置かれていた素材はすべて消費され、素材を入れていた容器だけが残る。
ふわん、と立ち上る甘い匂いは、ほんのりと酒精の風情を残した、大人っぽいものだった。

ラピス > 出来上がったのは、表面が砂糖でてりってりの、果肉ジュクジュクなコンポート。
フォークの側面を身に押し付けると、シロップ漬けの桃の缶詰のようにストンと入る。
今回は白ワインを使ったから、梨本来の白色がそのままだ。それをそのまま、口に運ぶ。

「はむっ――んふ、舌で潰せて、染みてた甘いおつゆがじゅわーっと……!」

広がる幸せ。香りも梨特有の香りに甘さと大人のフレグランスが足された素敵なもの。
こく、と飲み込むなら、レモンの爽やかさがほんのり舌に残って、淡く消えていく。

ラピス > 出来上がったコンポートは、その内の十皿分は、大皿にある程度纏めてから冷蔵庫に再格納。
『貰い物の梨で作ったコンポートです。自由につまんでください ラピス』と伝言メモも用意。
これで、休憩に来た先生や生徒達におすそ分けとか出来ればなぁ、といった所か。
手を付けた一皿は、このままへっぽこ教師のおやつ。残りの数皿は差し入れ用だ。
汚れた皿を方陣の真ん中において魔力を通せば、綺麗な皿とラッピング用の道具が出る。

「後はこれで装飾して、適当に配りに行きましょうか」

ふふり、と鼻歌交じりにラッピング。廃棄可能な皿に蓋して、青いリボンと袋でささっと。
飯テロ教師ラピスによるおやつおすそ分けの準備は完了だった。

ラピス > そんなこんなで出来上がったおやつの包み。中身はお洒落っぽくミントも添えてみた。
これで帰り際に各所に寄って、置いてくればいいだけ。実に楽な仕事である。

「さってっと、後は……保健室だと一服できないんですよねぇ」

魔力を使った後だからか、手持ちの巻煙草が吸いたくなってくる。
とは言え、室内で吸えば布やら何やらに煙が染みて匂いがつく。
甘い系の芳香だが、人が沢山居れば嫌う者も居るだろう。

「うや、我慢ですねー……それじゃ、お片付けしましょうか」

机上に拡げた方陣の紙を丁寧に折りたたみ、ポケットに仕舞う。
錬金術の補助として用意したそれは、今回もしっかり役目を果たした。
次使うのはいつかしら、などとポヤポヤ考えながら、皿をしまい込む。

ラピス > お片付けが終わったならば、後は配りに向かうだけ。
用意しておいた紙袋にからの容器を詰め込んで。
次いで、ラッピングしたいくつかのコンポートを持って。

「それじゃ、行きましょう!」

扉を開けて、てってってっ。
へっぽこ少女は夜の校舎に消えていく――。

ご案内:「第一教室棟 保健室」からラピスさんが去りました。
ご案内:「第一教室棟 屋上」に天月九郎さんが現れました。
天月九郎 > その日の試験の日程を終えた昼下がり。
屋上のベンチの上で空を見上げる少年が居た。
いや正確に言えば真っ白に燃え尽き天を仰ぐ抜け殻がそこにあった。

「無事かな…俺の夏休みは……」
半開きの口から魂がまろびでるかのように弱い考えが言葉となってあふれてくる。
自分は勉強が出来るほうではない、だから頑張った、とても頑張って勉強した。
こういう時に限って発売される新作ゲームの誘惑に耐えて頑張った。
だが担当教師はヤマを張るといった行為が嫌いらしく応用問題が大量にぶつけられたのだ。
大量に押し付けられたタスクに脳髄は加熱しのぼせた様に思考が焦点を失いうつろな瞳をどこというでもなくぼんやりとさまよわせて。

天月九郎 > たとえば現国、漢字の書き取りは漢字に直した上で例文を書けという問題がぶつけられた。
そこはまあテキストには例文も載っているので漢字さえ思い出せればなんとかなった。
というか漫画とかゲームで文章に触れる機会が多いとその辺はなんとでもなる。
漆黒の意思で引き金を絞るとか少々方向性が偏っているがふざけたわけではないのでセーフだろう。

問題は文章を理解出来ているかを試す設問だ。
ただ漫然と読むだけではなく何を指しているのか、何を伝えたいのか問いかけてくる問題だった。

設問 > 問5
メロスは妹の結婚式から帰る際にどういう道を選んだのか服がボロボロになっていきほとんど裸といった姿でした。
そんな丸腰で丸出し寸前の成人男性を襲おうとした山賊達の気持ちを考えてみましょう。

天月九郎 > 「わかんねえよ!メロスの何を狙ってたんだよあいつら!」

むしろ判りたくない、何を考えさせようとしてるんだあのアラサー女教師!

ご案内:「第一教室棟 屋上」に日月 輝さんが現れました。