2020/08/11 のログ
ご案内:「第一教室棟 ロビー」に窮戯さんが現れました。
窮戯 >  
夏季休暇、と言うけれど…

「別に先生が休めるわけではないのねぇ」

ピ、と自販機のボタンを押す
カラカラと氷の落ちる音、続いて液体の流れる音…

アイスコーヒーを取り出し、適当なロビーのテーブルへと腰掛ける

──この女教師、夏の始まりに突然この島に現れたにも関わらず、
周りの人間は何も違和感を覚えず、まるで元々そこにイたかのように接している
前から、数年前から、此処で教鞭を執っていたかのように

窮戯 >  
生徒たちも不思議に思わずこの女の講義に顔を出し、履修する
この先生の講義は難しく、試験の採点も厳しい
そういう先生だと"皆が知っている"

「にしても、少し厳しくしすぎたかしら」

トントン、と指先でテーブルを叩きながら
悩ましげに黒い狐尾がゆらりと揺れる

「補講の生徒の数が多すぎるのも問題ね。来期は少しだけ、手加減してあげなきゃ」

クス、とルージュの引かれた口元に笑みを讃える

──狐にとって、人間社会に溶け込むことは造作もない
それが悪い狐ならば、尚の事
正しい意味で『尻尾を出さない』なんて、簡単なことなのだ

ご案内:「第一教室棟 ロビー」に東山 正治さんが現れました。
東山 正治 > 「先生に見惚れちゃって試験にならなかったんじゃないんですかねェ?」

くつくつと漏れる笑い声にとぼけたような声音が窮戯の背後から聞こえる。
振り返ればそこには目に濃い隈を作った法学教師がいた。
ゆったりとした足取りで対面する位置へと行けば、当然のように椅子へと腰を下ろす。

「どうも?ハハ、受けてくれる生徒がいるだけいいんじゃないですかねェ?
 ホラ、俺の担当教科"ニッチ"だからさァ、そもそも作るテストの数とか少ねェのよ。」

「ま、俺はその分楽出来ていいんだけどね。
 ホラ、寝不足だし。ちょっとでも寝ときたいなァ~、ってね。」

わざとらしく、両手を広げて肩を竦めてみせた。

窮戯 >  
夏季休校中でなければ此処も大勢の生徒がいたのだろうけれど、
今は閑散として、補講や学園に用事のある生徒が時折姿を見せる程度

別に職員室で一服してもいいのだけど、なんとなく今日はロビーを選んだ
ついでに旧友に挨拶がてら、保健室に顔を出してやろうかとも思ったがやめておいた

「補講だけでなく来期のことも考えておかないと。先生って大変ね」

女の担当する講義は歴史と化学、その中でも専攻するのは毒学である
薬学とは表裏一体、意外と受講する生徒は多かった、が
受けた生徒の7割ほどが単位保留…補講に通っている

毒を扱う
それは非常に厳しく、難しく、危険な行為
されど真に人体を理解し薬学を修めるには必要なもの
それに対し厳しくスパルタ気味な講義は、理に適う
生半可で知識を持って良いものではないのだ

──と、声をかけられそちらへ視線を向ける
ああ、この男は──そう

「あら先生。お疲れ様ね。
 ──ちゃんと寝たほうが良いわよ?
 なんであれ、先生が生徒に『出来ない姿』は、なるべく見せてはいけないものでしょう」

ふふふ、と笑みを深めながら、言葉を返す
対面に座った男は、同僚の一人。公安委員に所属する、法学教師だ

「"先生"の容姿に気を取られて勉学が身につかないようでは、どのみち単位はあげられないわ」

そう言って口元へとアイスコーヒーのカップを運ぶ

東山 正治 >  
ちゃんと寝た方が良い。
そんな事を言われたらそれこそわざとらしく首をかしげてみせた。

「難しい事言うねェ、窮戯先生。……あ、今って一応プライベートでもいい?
 先生って呼ぶの、堅苦しいから窮戯ちゃんでいいかな?ソッチの方が俺は楽だし。」

「俺の事も『正治ちゃぁ~ん♡』って呼んでくれていいからさ。」

徐々に口調を崩していくが、とぼけた調子は崩さない。
さりげなくここに来る前に翼を授けてくれるエナジードリンクをコト、とテーブルに置いた。

「公安委員会と二足草鞋履いちゃってるしさぁ。
 ……って言っても、基本は書類仕事なんだけどね?
 ホラ、大人ってそう言う縁の下の力持ちじゃん?ここだと。」

「俺って生徒思いだからさァ~、ついついどっちでも世話焼きたくなっちゃうワケよ。」

教師の辛い所だよなァ
なんて言いながら思いきり背もたれに持たれた。

「まぁまぁ、窮戯ちゃん。
 俺、仕事に関しては真面目だから安心してよ。……ハハ。」

薄ら笑いを浮かべて、後頭部に手を組んだ。

「窮戯ちゃんみたいな美人相手に、難しい事言うなァ~。
 授業内容"キツかった"らさァ、思わずそう言うのに逃避しちゃわない?」

「思春期……って、思ったけど、この話題もしかして"セクハラ"になっちゃう?」

窮戯 >  
「忙しい中で、しっかりと余暇を作り万全の体調を整えて見せるのも
 大人として、先生として生徒に生活の規範を示す役割でしょお?」

「ふふふ。私も今は休憩中。構わないわよ。正治ちゃん?」

そう返す狐の表情は愉しげに見える
こういう先生もいるのね、と。とても興味深い

「そんなコトで逃避しちゃう生徒に『毒学』の単位はあげられないわね」

歴史に関してはどのみち暗記ばかり、厳しくしたところでしょうがない部分がある

「あら、この程度のことでセクハラだなんだと騒ぐような小娘に見られてるのかしら…」

東山 正治 >  
「そんな意地悪言わないでよ、窮戯ちゃぁん。
 ホラァ、昨日も二時間しか寝てなくてさァ
 バッドブル飲んでないと健康じゃいられないねェ。」

困っちゃうよねェ、とテーブルに置いたエナドリを取り
軽く開ければ口へと傾けた。
さながら、その言動は見た目も相まって立派なカフェイン中毒者の姿だ。

「お、いいね。美人の"ちゃん"づけ。凄い"クる"ね。」

思わずサムズアップ。
親父臭いぞ、コイツ。

「あ、コレも"セクハラ"かな……?
 ハハ、何処をどう見ても大人の教師だけどさ
 女って『怖い』じゃない?"口は災いの元"っていうし、結構気を付けてんのよ。」

「怖いよねェ、軽く呪われることだってあるらしいよォ?」

やだやだ、と首を振ってみせた。
何処となく淀んだ瞳が、窮戯を見やる。

「『毒学』ね。俺が言えた立場じゃないけどさ、多すぎだよねェ、教科。
 やらせてくれるだけマシだけど。というかソレさァ、『薬学』の間違いじゃないの?
 窮戯ちゃんを悪く言う気は無いけど、仮にも学び舎で『毒』って、中々恐ろしい事教えるよなァ。」

窮戯 >  
「貴方、そういうキャラだったのね」

調子の軽い東山に対してさも愉しげにクスクスと笑い続ける

「生徒はいつだって先生を見てるのよ?油断や隙は見せちゃダメ。
 それで、女が怖い…?ふふふ。それはそう、男は臆病に生きたほうが上手く回るもの。
 それをさせないのが自尊心…正治ちゃんにも、そういうのあるでショ?」

長い髪を指先で弄びながら、そんな言葉を交して

「ン~…文字や言葉のイメージは、この島の言語ではしょうがないのよねぇ。
 薬学と毒学は似て非なるもの。そうね、陰と陽ってところだけど…
 本来はどちらかを修めるだけでは不十分。陰陽合わせて極めればこそ、薬学も活きるのよ」

もちろん薬学に統合されている部分もあるけれど、と続けるように口にする
要するに、それだけでは足りない部分もある…ということなのだろう

東山 正治 >  
「一体俺の事、どういうキャラだと思ってたの?
 目に隈を付けた、コワーイおじさんキャラ?まさか……。」

勘弁してよ、と右手を振ってみせた。ナイナイ。

「ハハ、耳が痛い限りで。結構気ィ使ってるんだけどねェ?
 ……俺が振ったのもあるけどさァ、窮戯ちゃんが言うとシャレになんないねェ。
 経験豊富と言うか、さ。"大人の女性"?それこそ、男を知ってる感じの……。」

百戦錬磨、怖い話だ。
とはいえ、実際見た目だけで言えばその美貌に間違いはなく
説得力もある、同時に何とも言えないむず痒さも。
少しばかり引きつった笑みを浮かべては、テーブルに肘を置いた。

「成る程ね、ちょっと表沙汰じゃ言えないけど
 此の学園じゃ"OK"ってワケね。でもさァ、窮戯ちゃん。
 一応、俺法学教師だからさァ、あんまり派手なことしちゃダメだよォ?
 公安委員会とかもあるしさ、俺同僚に手錠かけたくないからねェ?」

喉を潤す様に、エナドリを再度口の中へ傾けて

「そいや、窮戯ちゃんはさァ。そう言う事いうなら、結構遊びにも堪能だったり?
 ホラ、歓楽街とか渋谷とかさ、あの辺とかよく行くの?」

窮戯 >  
ゆっくりと、脚を組み直す
男が相手でも圧倒的に見下ろすその身長でやられるとなかなか迫力がある

「私がこのビジュアルで男も知らない生娘だったら、さすがにドン引きでしょお…?」

口元にその長い指先をあてて、そう返す

「それとも正治ちゃんはその風貌でチェリボーイなのかしらぁ?」

ふふふ、笑みが深まる
誂うような、蠱惑的な笑み

「あら心外。
 学園で許可されている以上のコトは教えないわよ?
 派手なコト…って、例えばどんな?」

笑みはその顔に讃えたまま、逆に問いかける
この男性教諭が果たして自分のことをどう思って、どう見ているのか…
さて、正直に答えてくれるだろうか

「いいえ?私はこの学園で教鞭を執ってるだけで十分楽しいもの」

付き合えと言われれば吝かでもないけど、と付け加えて

東山 正治 >  
自分も身長だけで言えばそれなりだと思っていたが
座高でこの差、中々迫力がある。
相変わらず口元はおどけたように笑みを浮かべていた。

「案外ギャップってのに男はそそられると思うんだよねぇ、窮戯ちゃん。
 男ってさ、そう言うのに結構惹かれるんだよ。」

蠱惑的で、煽情的で、生徒に人気が高いのもよくわかる。
それに惹かれるように見上げる東山も少しばかり、上半身を乗り出す。

「……ああ、いやいや、ホラ、ちょっとそう言うの過敏になっちゃうクセでさァ……
 気を悪くしたなら謝るよ、窮戯ちゃん。たださァ、この島って広い上に、危ない事も多くてさァ……。」

エナドリの缶をコトン、とテーブルにおいた。
近づけるだけ、顔を近づけていく。

「結構危ない場所も多いワケ。ああ、よかったよかった。
 アッチの方は生徒でもいけるけど、危険が潜んでる事も多くてねェ。
 学園でも、結構バカやからす奴は多いんだよ。……生徒も、"教師"もねェ、窮戯ちゃん。」

コン、と缶を叩いた。
机全体が軽く揺れる。

東山 正治 >  
 
「──────何か、心当たりなァい?」

東山 正治 >  
覗き込む虚の瞳。
そこには"初めから何もない"。
深淵が深淵を覗き込むように、窮戯の瞳を覗き込む。

窮戯 >  
「ギャップ?ふふふ。そういうのもわかるけど、残念」

私にはそういうのはないわね。と笑う

「別に、そんなことで不機嫌になったりはしないわよ?
 この島に不穏が多いのはちゃあんと、わかっているもの」

「正治ちゃんの立場なら、そういう見方をしちゃってもしょうがないのよねぇ」

「フフ…。心当たり。あったほうが正治ちゃんは嬉しい?
 それとも、そんなのあるわけないじゃない…なんて軽々しく否定するほうが、楽で良い。かしら?」

覗き込むような視線を見下ろしながら、紅いルージュの引かれた唇の端が少しだけ吊り上がる
この男は今何を眼にして、何を考えているのか…──興味が尽きない

東山 正治 >  
「──────……。」

張り付けた笑顔は微塵も崩れない。
虚の瞳はひたすらに何かを知ろうと"覗き込む"。
何かをずっと、疑い続けている。それはきっと、窮戯だけではない。
闇から闇へ。"疑い続けるものが、『違和感』を感じ取らないはずも無い"。

しかし、東山も馬鹿な男では無かった。
場所はそれなりに弁える男。
ふぅ、と吐息を吐いて上半身をひっこめた。

「さぁね、どっちが嬉しいと思う?」

質問を質問で返せば、席を立ちあがる。

「ていうかさァ、窮戯ちゃん。ソレ、『心当たりが在る』って言ってるようなモンじゃない?
 やだなァ、言葉の綾だよォ?あんまり真に受けると、折角の美貌が台無しだ。」

残っていたエナドリを飲み干せば、無造作に缶を放り投げた。

「じゃあさ、今度遊ぼうよ。窮戯ちゃん。
 "大人同士"、わかる所があると楽しいと思うよ?
 ホラ、俺がチェリーボーイかどうかさ、ちょっとみてみたくない?」

「……是非とも、窮戯ちゃんの"可愛い所"みたいからさ。」

「じゃ、また後で……。」

東山は軽く手を振って、そのばに去っていく。
窮戯以外に残るのは、屑籠に勢いよく落ちた缶と

東山 正治 > ──────誰にも気づかれる事無く、息絶え跡形もなく消えた缶底の盗聴器だけだ。
ご案内:「第一教室棟 ロビー」から東山 正治さんが去りました。
窮戯 >  
「さあ…?心当たりなんてなくても質問の意図が気になるなら、こういう言葉も出る、かも、ね…?」

言葉を交わす狐はどこまでも愉しげで、どこまでもその"奥"を見せなかった

立ち上がる男に、あらもう休憩は終わりなの?と言った顔
口ぶりや調子の割に勤勉なのかしら、とその背中を見送る

「──フフ」

小さな笑いが漏れる

「残念ね正治ちゃん」

「私、あんまりチェリーは好きじゃないしそこに興味もないの」

赤い瞳が細まり、独り言を終えた唇をぺろりと赤い舌が舐る

「あーあ…おなか空いたわね…。
 午後の仕事を終えたらどこかで食事かしら…」

自身もまた立ち上がり、空になった紙コップを屑籠へと
黒い尻尾をゆらゆらと揺らしながら、黒い狐はその場を去った

ご案内:「第一教室棟 ロビー」から窮戯さんが去りました。
ご案内:「第一教室棟 ロビー」にパンプさんが現れました。
パンプ > (色々とあったが学生として無事登録された魔物、今日は学生として初めての授業だった。無一文だったということで援助という形でまず教材や鞄を受け取り、それを使って授業に参加したのは良いのだが、来たばかりの魔物に内容が十分に理解できるはずもなかった。)

………?

(とりあえず聞き取りはできたので、そのままノートへとペンを使って書き写そうと試みたわけだが、出来上がったのは歪み放題の文字らしきものの羅列。はて、と言いたげに首を傾げるよう南瓜が傾く。)

パンプ > (基本中の基本となる文字の読みと書きができていない。それが分かっただけでも、と捉えることもできるかもしれない。しかし、そのままで放置しておくことは魔物にとって望ましいことではない。ここについて知るために、この問題は解決するべきだと魔物も判断したのか、ノートを閉じる。)

………。

(もらったばかりの鞄へとノートをしまうと、今度は学生証を取り出す。パンプと記入された名前欄と魔物の姿が写った写真の貼られたそれをまじまじと眺める。これがあれば、先日教えてもらった図書館へ入れるのだろうかと考えていた。)