2020/09/06 のログ
■キッド >
「好きに呼べばいいけど、アンタの中で何に納得したんだ……?」
キッドは訝しんだ(n度目)
まァ自信がある事はいい事だ。
絵の才能はともかく、何かが始まろうとしているのは間違いない。
「アー……オダ、アンタ一体……、……!」
優れた芸術家は芸術品に命を宿すという。
その結晶体めいた絵はまるで脈動するかのように
オダの鉛筆に応えるように──────!
■キッド > ~30分経過~
「…………」
……まだ完成しているようには見えない。
■キッド > ~1時間経過~
「…………」
煙草の煙を吐きだした。
オダは何故かポーズを決めている……。
■キッド > ~2時間経過~
「…………」
■食堂のおばちゃん > 「アンタ等、もう店じまいだよ」
■キッド >
「ア、ハイ。おい、オダ、もう終わりだぞ」
帰るぞ、と肩を揺さぶっておく。
■オダ > 【時間:0】
仕上げようとしても仕上がらない。
神の創造物を超える芸術を認めない神の妨害か。
冒涜的な事を……。
神に反逆仕る、と
握った鉛筆が不自然に折れる事、数度。
斬魔の一筆、と
走らせた鉛筆も折れる事、数度。
それでもこの神話創造を――……。
「……な、に?」
終わり? 何を、食堂の窓の外はもう暗い。
どうやら、このエリアの食堂は夜間営業をしていないようだ。
なんか、急に現実帰ってきてしまった。
「……私の、芸術が」
"輝く"ことが出来なかった……。
新世界に超越も物語を語ることも出来なかった……。
「少年……課題作品とは、制限時間の中で作り上げるものだ。
私は、今日帰るまでこの芸術を完成させるつもりだった。
芸術の神は、私を見捨てたのだ……」
いつの間にか照明も消された天井を虚ろな目で見た。
■キッド >
「お、おう……」
何だか想像以上にダメージを受けている。
まぁ言動はともかく、言動はともかく(TAKE2)
ある意味何事もにも全力であり、熱量は確かなようだ。
作品の出来栄えはともかく。
ふぅ、と静かに煙を吐きだし、とんとん、と慰めるようにオダの肩を数回叩いた。
「なんだ、誰もが初めから出来たわけじゃねェ。
先輩の芸術家も、多くの挫折を繰り返して"今"があるんじゃねェか?
神が見捨てた、よりかは、此れもまだ挑戦の内なんだろうよ」
知らんけど。
少なくとも、自分の言う事に間違いはないはずだ。
芸術家に限らず、人生とはそう言う事の連続だ。
此処で折れるには余りにも早い。
ふ、と口角を吊り上げて、食堂の入り口を親指で指す。
「まぁ、行こうぜ?俺は風紀の仕事があるから長く付き合えねェが…一杯くらいは付き合うさ」
自販機で。
■オダ > 「……」
少年の言葉を受けて、手を顎にあてて逡巡する。
一番の失費は買ったばかりのデッサン用鉛筆の損失だ。
ぶっちゃけうつろな目で考えていたのはその金額について。
安いっちゃ安い買い物なんだが、無駄に失費させられた気がして
親しい友人が落第街でボロボロになってしまったかのようにショックだ。
死な安。
死んでなきゃ損失した鉛筆イコールな価値。
「なるほど、分かった。
いつかいい作品が描けたら君にプレゼントしよう。
今日は付き合ってくれたこと感謝する」
一杯付き合ってくれるならば少し気分転換な雑談に興じるのもまた新たなる輝きとの出会いと言える。
「いつか、今日付き合ってくれた礼として君の似顔絵を描こうじゃないか」
―――どうだ、嬉しいだろう。
そう言わんばかりのドヤ顔で後片付けして、立ち上がる。
まさか、はじめて鉛筆を握ったその日にファンが生まれるとは思っていなかったが、
才能があふれる己が恐ろしいものだ。
■キッド >
鉛筆喪失に対して抱く感情がでかすぎない?
キッドはきっと知る由もないが、この文章を見ている大よその人間は思うだろう。多分。
「おう。……ん?」
あれ、なんだかこれおかしい事になってないか。
何だか変な受け容れ方されてないか。
間違いなく善意な気もするが、何かがおかしい…。
シンキングフェイスキッド。
「……まぁいいか。とにかく、行こうぜ。期待しないで待ってるよ」
────そのうちキッドは、考えるのを止めた。
とりあえずオダを連れてその辺の自販機で一杯
今日も好きなミックスジュースをキメて風紀委員会本庁へと赴こう…。
ご案内:「第一教室棟 食堂」からキッドさんが去りました。
ご案内:「第一教室棟 食堂」からオダさんが去りました。