2020/09/11 のログ
ご案内:「第一教室棟 屋上」に干田恭支さんが現れました。
干田恭支 >  
「すぅ……すぅ……ううん」

鈍い雲が空を覆う、そんな放課後の屋上
生活委員会見習い干田恭支はベンチの一つに寝転んで寝息を立てている。
今日の委員会活動はオフだった。
折角だから校舎内を散策しようとあちこち見て回った後、屋上に来てベンチに寝そべってみたら、これが案外寝心地が良く。

「うぅん……もぉ食えないっすよ……」

そのままぐっすりである。
今にも降り出しそうな暗雲の下、呑気に寝言をむにゃむにゃする男子生徒がひとり。

干田恭支 >  
すやすやすうすう、鼾もかかずに静かに寝ている恭支。
寝台代わりのベンチの下にはゴミの入った袋がある。
寝る前に屋上にあったゴミを目につく範囲で拾ったものだった。

「うぅん……生活委員の基礎は清掃……」

夢の中で説教でもされ始めたのか、安らかだった寝顔がわずかに歪む。
……歪むが、不快感や嫌悪感という悪感情では無く、純粋に反省の色だ。

「うっす……今後気を付けます……さーせん……っした……。」

うーんうーん、魘されながらも午睡は続行。
昼間は授業、放課後は委員会活動。
そして日没後は裏常世渋谷と一日をフルに回しているためか疲れも知らず知らずの内に蓄積していたのだろう。

ご案内:「第一教室棟 屋上」に阿須賀 冬織さんが現れました。
阿須賀 冬織 > 「んー……屋上来たのはいいけど…やっぱ雨降りそうだなぁ……。」

屋上へとつながる扉を開けて空を見上げる。鈍い雲が覆うそれは今にも雨が降り出しそうだ。
雨が降ったらすぐに帰るかなんて考えながらベンチの方へと。

「……寝てるなぁ。しかも結構ぐっすり。」

ベンチは一人の男子生徒に占領されていた。
魘されているのか気持ちよさそうとは表現できないがそれでもそれなりに眠りは深いのだろうか。
聞き取りにくいが寝言がぶつぶつと聞こえる。

目に留まるのはベンチの下のごみ袋。公園で会った先輩と同じなのだろうかと思ってみると、腕には生活委員の腕章が。
……これってもしかして仕事中なのでは? だとしたら起こすのがいいのだろうか……?
少し悩んでから、声をかけてみることにした。

「……おーい。寝てるみたいだけど、その…大丈夫か?」

干田恭支 >  
「ほがっ!?……ああ、いやサボってないっす!
 そもそも今日はオフで……ぁ?」

声を掛けられればすぐに飛び起きる。
寝付きは良いしどこでも寝られるが、どうやらその眠りはあまり深くならないらしい。
寝惚け眼を擦りながら、不思議そうに辺りを見回すと声の主らしい男子生徒を見つけて。

「あぁ……えっと、おはよう?」

まだちょっと寝惚けている。

阿須賀 冬織 > どうやら思ってたよりも深くなかったらしい。そこまで大きい声ではなくとも目覚めさせるには十分だったようだ。

「あー……おはよう。その、ごめん。仕事中じゃなかったんだな。」

跳び起きた彼と目が合った。言葉的にどうやらオフだった模様。
やっちゃったと気まずくなり、指で頬を掻きながら謝る。
……起こしてしまったものは仕方がないので、とりあえず相手の意識がはっきりするまで待つとしようか。

干田恭支 >  
「……夢、かぁ。
 生活委員の庁舎なんて行ってなかったんだ。」

ぽつりと呟くと、気が抜けたのかそのまま大欠伸。
大きく両の腕を空へと伸ばし、んんんん、と伸びをして。
ふぅ、と一息ついてから改めて傍らの生徒へと目を向ける。

「ああ、気にしないで。こんなとこで寝てた俺も俺だから。
 それに腕章外し忘れてたのも悪いし……
 うわ、いつの間にかすっげえ雲。起こしてくれてありがとね、雨降るまで起きなかったかも。」

意識が覚醒すると共に良く喋る。
黒と灰、色の異なる双眸があちこち向けられ、最終的ににっこりと細められた。

阿須賀 冬織 > 「ん、まあならよかった。
あー、雨はまあ確かにもうちょっとしたら降りそうな雰囲気だなあ。」

どうやらそこまで気にしてないようなのでよかったと一安心。
それからチラッとゴミ袋の方を見て、

「仕事じゃねーってのに熱心なもんだな。」

職業柄と言うものなのだろうか?
自分はごみを捨てない程度の良識はあるけど、拾うほどでもない。
どうやら完全に目が覚めたようなので感心しながら話しかける。

干田恭支 >  
「ああ、これ?いやあ、つい癖になっててさ、委員会の仕事。
 さすがに屋上まで来て捨てられてくゴミなんて小さくて軽いのばかりだからそこまで苦じゃないし。」

目についた範囲だけだから、もっと真剣に探せば集まりそうな気もするのだが。
恭支本人も言った通り、今日は委員会活動は休みだ。休みの時は休め、と先輩に言われているのである。
だから、あくまで気になった範囲だけゴミを個人的に回収したといったところ。

「それにしても、こんな天気悪くなってきてるのにどうして屋上に?
 俺は天気悪くなる前に来て、そのまま寝ちゃったんだけど。
 あ、俺見ての通り生活委員で1年の干田恭支。よく字で書くと千田と間違われるけど、干田(かんだ)ね。君は?」

ベンチに座り直しながら、特に思う所なく聞いてみる。
いきなり質問をぶつけるのもぶしつけかな、と思い自己紹介もそっと添えて。

阿須賀 冬織 > 「あー、確かにわざわざ屋上でゴミ捨てる奴なんてあんまりいないか。」

チラッと見た範囲に目立つごみは見当たらない。

「んー、まあ言うなら俺も癖って感じ? 特に意味もないけど授業終わったら屋上行くのが習慣みたいになってて。
流石に今日は雨降りそうだしすぐ帰るつもりだけどな。
…ん、俺は一年の阿須賀冬織。冬に織るな。委員会とか部活だとかは特にやってねえけどまあよろしく。」

ここにきて少したち、よくいく場所というのも出来てきた。屋上はまたその一つである。昼休みや放課後なんかにはよく訪れる。
自己紹介を返し、隣いいかと聞いて横に腰掛けようとする。こちらとしては一人でボーっとするより話し相手がいたほうが楽しい。

干田恭支 >  
「そういうこと。
 まあ、山の方から葉っぱが飛んできたりとかするから、定期的に清掃には入るんだけどさ。」

時期も時期なので、まだ今はゴミも葉も少ない方。
これから秋も深まって、落葉が始まれば加速度的に清掃の負担も増す。そう聞いている。

「ああ、同じ一年だったんだ。冬織ね、よろしく。
 部活も委員会もしないで、放課後はぶらついてるだけ……?
 えっと……モラトリアム真っ最中、とかそんな感じ?」

怪訝そうな顔で相手の顔を覗きこむ。
この学園に於いては、どこにも所属しない生徒の方が多いという話は確かに聞くが。
隣に座っても良いかと訊ねられれば、笑顔で了承する。

「うーん……、何かやりたい事とか無いの?部活でも、委員会でも。」

阿須賀 冬織 > 「んー、まあそうなるかなあ。いやぁ、改めて見つめるとちょっとどうかとも思えてくるなあ。」

そう聞かれるとまあ確かにぶらついてるだけとしか言えない。
覗き込んだ顔はどこかばつが悪そうな表情をしているだろうか。
どうしてもそういったものは時間やら行動が制限される印象があるのであまりやりたいとは思わない。
精々時間の融通が利きやすいバイトを入れる程度だろうか。うむ、まごうことなきモラトリアムだ。

「やりたいことねえ……。んー、無くはないけど…部活や委員会はあんまりかなあ。」

無くはないといったものの……今の日常を守りたいってのはちょっと話題と違う気がするので
何よりなんだか恥ずかしいのでとりあえず濁しておく。まあ隠し通すほどのものではないのだが。

「そういう恭支はなんで生活委員を?」

干田恭支 > 「人それぞれだとは思うけどさ、何かしてる方が何もしてないより発見はあるもんだよ。」

新しい出会いとかもあるし、見識も広がるし、至れり尽くせりなんだけどなと恭支は思う。
だが、それに興味の無い者が居る、そしてそれが多数派であるということも重々承知している。

「ふうん、無くはないんだ。それなら良いんだ。」

あるのなら、それでいい。仔細は問わない。
ただ漠然と日々を過ごすのは、流石に味気なさ過ぎると思っただけだったから。

「ん?俺?
 中学の時から、掃除とか雑務とか、そういうことしてたから。
 その延長と……すっごい仕事の出来る先輩が居たから、かなあ。」

いわゆる一目惚れってやつ、と真面目な顔で言い放つ。

阿須賀 冬織 > 「あー……。まあその。今やりたいことが落ち着いたら考えてみるかなあ。」

確かにまあ、もっといろいろなことに目を向けるのもいいのかなとは思う。
その前に守れるだけの余裕を持つのが先だけど。

「あー、ここに来る前もそういうのやってたのか。んでまあ仕事のできる先輩と。
……ほーん。一目惚れねえ。」

そういう言葉が出るとどうしても顔が少しニヤついてしまうのは仕方がないことだろうか。

干田恭支 >  
「急げとは言わないけど、何もしてなくても時間は確実に過ぎるからさ。
 あれをしたらとか、これが終わったら、とか……そういう風に思ってるうちに出来なくなってくかもよ?」

うーん、と再度大きく伸びをして。
機会を待ってる間に機会を失うのはやっぱ嫌だよね、と吐息混じりに呟いた。

「そうそうそう、そのパ……先輩凄いんだよ。
 誰も見てないし、褒めてくれるわけでもないのに淡々と空き教室の掃除しててさ!
 生活委員入ってから知ったけど、しかも清掃も無駄が無いし作業もひとつひとつが早いし、ホント憧れなんだ……」

冬織のニヤつきを真正面から打ち崩しに掛かる恭支。
一目惚れしたのは仕事の腕前。先輩個人のパーソナルデータなんて一つも出てこなかった。