2020/09/22 のログ
ご案内:「第一教室棟 ロビー」にジャムさんが現れました。
ジャム > 「追試終わったー!」

放課後もやや遅めの、体育会系クラブが1年に球拾いとか後片付けを命じるぐらいの時間。がらんとひとけのないロビーじゅうに響き渡る声の主は小さな人影。
異邦人は両手をぐっと持ち上げて日頃の不徳の致すところへのペナルティとして課せられた小テストを終えた事を祝う。

「つかれたーつかれたー喉乾いた!
そしてここに僕のオアシス、自販機ー!
何か飲んでから帰ろー」

適当にリズムつけながら尻尾をぱたぱた。
故郷の世界には決して無かった自動湧き水生成器たる自販機の前に立つとごそごそ懐探り手探り。
硬貨取り出せば冷たいキャラメル缶を選択。
間もなく落下する缶を拾い上げ。

誰も居ないのを良い事に机の上にひょいと飛び乗る。
のみならず、仰向けに寝そべるお行儀の悪さで追試終えた開放感に浸り。火照ったおでこにキャラメルペット缶押し当てて涼を取っている。机からはみだした足、ぶらぶら。

ジャム > 寝そべったままペット缶のキャップを外して口つけて。飲み物が一気に流れ込んで、慌てて上半身起こしながら容器を両手で支えた。
こくこくと喉鳴らして飲み干すキャラメルは冷たくて美味しい。これが常世の味か、と目元が幸せそうに緩められる。

机の端に陽光落とす窓からの西日。ロビーはオレンジ色に包まれて床はキラキラ眩しいぐらいだ。
この光景、故郷でもどこかで見たような。
それがどこだったか思い出そうとしているうちに缶はからっぽになり。
きっと今は思い出す必要が無いのだろう。
くずかごの口に空きペット缶を放り込み。

「ごちそうさまでしたー!」

いつもヒエヒエだったりホカホカだったりする飲み物を黙って提供してくれる自販機を撫でると自室に向かって一直線。ロビーを出るなり暗くなりかけるグラウンドを横切っていく異邦人の姿――。

ご案内:「第一教室棟 ロビー」からジャムさんが去りました。
ご案内:「第一教室棟 教室」に水無月 斬鬼丸さんが現れました。
水無月 斬鬼丸 > 穏やかな午前中の日差し。
窓から入ってくるものはすっかり夏らしさを潜め穏やか。
そんな中、水無月斬鬼丸は授業を受けている。

そう、ふつうに、ふつうの
授業を受けているのだ。
この学園において何という稀有な姿か。
数学の授業だぞ。

少し前まで、勉強とか授業とか退屈なものだと思っていたのだが
この島の日常に付き合っていると、こういうものがむしろ心休まる。
退屈なのは変わりないが、激動よりは、本来自分はこちらのほうが性に合っている。

水無月 斬鬼丸 > 外を眺めれば秋雲と広い広い学校の敷地。
そこから見る風景は、かつて自分が本土で見た…と記憶にあるものと同じような
いたって平凡な…ここに来るまでは平凡だった風景。
ここのところ走り回りすぎていたような…
そして、自分の身の回りの変化がありすぎたような…
おかげさまでこんな景色を懐かしむなんて
まるで晩年を迎えた老人のようだ。

視線を前へと移せば、新たな公式がボードに書かれている。
ノートに書き写しとこ。

水無月 斬鬼丸 > 書き写したところで終わりのチャイム。
何事もなく、授業が終わった。
これまでサボりが多かった自分だが
これからはフェイとの生活もある…将来をかんがえれば
授業を真面目に受けて、まともに稼げる…身の危険のない仕事につけるようになるべきだろう。

彼女の『安心』になるのであれば。
そして、『金をもっているバカ』になるためには。
刺激がない生活はフェイには退屈かもしれないが…

「……」

真面目に将来とか考え出すと、なんだか恥ずかしくなってくる。
未来のことなど誰にもわからないだろうに。
自分がフラレて終わる可能性だってあるのだから。

「んぅーー」

多くの生徒が席をたち移動を始めるなか、大きく伸びをする。

水無月 斬鬼丸 > このあとどうしようか。
お昼はカレーでも食べようか。
久しぶりにゲーセンにでも行こうか。

精神的老化が始まったとあっては、さすがにこんなじじむさい事考えてられない。
もっと若者らしく遊ばなければ。
最近はお金貯めることばっか考えてたし
久々にパーッと使っちゃうか?

…とはいえ、いい感じのご飯はフェイと一緒に行きたい。
せっかくフェイもスラムから出てきたんだから。

水無月 斬鬼丸 > 「っとと…」

このまま色々考えていたら、次の授業の生徒たちが入ってきそうだ。
慌てて荷物をかばんにぶち込んでたちあがる。
今日は自分のとってる授業はもうない。

潜り込んで勝手に授業を受けることもできるだろうが
そこまでやる気は流石にない。

水無月 斬鬼丸 > 一通り落ち着いて、学生らしい毎日にもどった
そんな感じはしなくもない。
心配事は妹くらいなものだ。

ならば、深く思い悩むのも今は必要ないだろう。
昼はカレーにしよう。
カツカレー。
学食ではないところで。

帰りはゲーセンに寄ろう。
そうと決まれば足取りも軽い。

「~♪」

軽く鼻歌をうたいながら教室をあとにする。

ご案内:「第一教室棟 教室」から水無月 斬鬼丸さんが去りました。