2020/10/01 のログ
ご案内:「第一教室棟 ロビー」に伊都波 凛霞さんが現れました。
■伊都波 凛霞 >
講義が終わり、下校の時間
風紀委員本庁に顔を出して、今日は事務仕事…その隙間となった放課後の時間
少女はまじまじと、普段はあまり見ないロビーの掲示板とにらめっこしていた
■伊都波 凛霞 >
目にしているのは学生アパート等の入居者情報だ
後継者問題も『一応』のカタがついたし、もう18歳
一旦親元を離れて暮らすのも良い経験になるだろう、と一念発起
風紀委員の仕事をするにも実家の位置がやや辺鄙、というのもあって…
「…此処だと、ちょっと家賃が高いかなあ……」
こうやって新居を探しているのだ
学生半分、風紀のお仕事半分…
危険手当含む給料が出ているとはいえ高額というわけでもない
■伊都波 凛霞 >
「お部屋は、狭くても大丈夫だろうけど……」
寮となると、色々と制約が出てくる
せっかく勇気を出して提言し、受け入れてもらえた、彼との新生活
少しくらい狭っ苦しくても、気儘に生活できる場がいいかな…なんて思っていた
そう、せっかく受け入れてもらえた……
「…えへ」
思い出したら顔がにやけた
ご案内:「第一教室棟 ロビー」に雨見風菜さんが現れました。
■雨見風菜 > (あら、あれは凛霞さん)
授業が終わり、後は帰宅するだけの風菜。
ロビーにて、何やらにやけた顔の彼女を見つけた。
「凛霞さん、授業お疲れさまでした。
なにかいいことありました?」
そう、声をかけてみよう。
■伊都波 凛霞 >
声をかけられ、おっと…と顔を引き締める
──という程でもなく、いつもの柔和な笑みの表情へと戻す
いけないいけない公衆の面前で、緩んでいる
「あ、こんにちわ雨見さん」
振り向いて、にこやかに挨拶を返す
彼女とはいつぶりだろう?
夏前にプールの清掃のボランティアに参加していたことは覚えている
清楚な見た目に違わず奉仕の精神がある生徒なのだろう…なんて勝手な印象を持っている
「ええ。少し新しい生活に踏み出してみよう、なんて思ってて。
それに胸踊る…なんて言ったところ、ですかね」
子供っぽいかな?なんて笑ったりしながら、ちらりと視線を掲示板の入居者募集中広告に向けて
■雨見風菜 > 声をかければ、凛霞の顔がにやけから柔和な笑みに引き締まる。
緩んでいたのは間違いないが、別に緩ませるときは緩ませてもいいじゃないかと思うのが風菜だ。
「新しい生活……寮ではなくて、ですか。
もしかして、どなたかと一緒に?」
彼女の噂……幼馴染の青年に甘えていた、を先もって聞いていたから、なんとなしにそう訊いてみる。
以前に会話したのは夏前のプール清掃のときだっただろう。
風紀委員で、古武術の心得が有るとか。
そういえばマディファちゃんが負けたことを嬉しそうに語ってたっけ、と思い返す。
そうして凛霞の視線が広告に向かったのを見逃さない。
見逃さなかったが、今は何も言わない。
■伊都波 凛霞 >
「うん。まぁ…そんなところで」
どなたかと一緒にと問われれば、やや気恥ずかしげにはにかんで肯定の言葉を返す
「風紀委員のお給料なんかをもらってるとはいえ、学生生活と半々だから。
そんなにお高いマンションなんかは家賃の問題もあって、ね。選ぶのがなかなか大変」
言いつつ、視線を向けた先
掲示板に貼り付けられた入居者募集中のアパートやマンションの広告
それらは教員向けのものもあって、それなりに学生の身分では厳しいものもある
立地や広さ、備品などが良いものは当然のようにお高いのである
■雨見風菜 > 肯定はしているが、ぼやかされた回答。
これはきっと、単純に仲がいいというだけの相手ではなさそうだ。
「もしかして、噂の幼馴染さんですか?
最近、この学園に戻ってきたっていう」
と切り込んでいく。
流れで惚気けられるならそれはそれで受け止める気は満々だ。
いや寧ろそれが聞きたいのかも知れない。
「学生通りやその周辺は高いですもんね」
風菜も、時たま両親が移住できるようになったときのために住宅情報を見ていたりはするが。
やはり高い、この一言に尽きる。
日本の都会よりも高いのではないかと思うこともしばしば。
しかしながら、異能が発現した人々を受け入れる最先端である以上は仕方ないと割り切っては居る。
■伊都波 凛霞 >
「噂!?」
急に噂の幼馴染なんて言葉が出てくればやや狼狽した様子
あからさまに表情に出るあたり、件の幼馴染というのは少女の心情を簡単に揺らすことの出来る存在らしい
「まさにその、最近学園に戻ってきた幼馴染のことだけど…なんで知ってるの~?」
わたわたしている
惚気けるというよりも取り乱してしまっていた
噂になるようなこと、何かしたっけ…!なんてそわそわが収まらない
思い当たるとすればうっかり廊下で彼に抱きついてしまったアレだろうか……
いやでも噂になるなんてほどでは…?わからない
「そ、ソウデスネ…なので少しくらい部屋が狭くてもいいかななんて…
今は青垣山の中腹から通ってるので、なかなか風紀委員の仕事のことも考えると遠くって…」
■雨見風菜 > 目に見えるくらいに狼狽えた、間違いないようだ。
「私の周りでは結構噂になってまして。
抱きついて二人だけの世界を形成してたとか」
まるでめでたいこととでも言うような笑顔で。
まあ、風菜自身はそれを目撃した友人からの情報なのだが。
そして、その相手は……何の確証もないけど、もしかしたら神社で出会った彼かもという薄っすらとした勘がある。
「青垣山……?
え、彼処って……いえ、失礼しました」
人が住めるのか、と問いかけて。
実際に住んでいる彼女に失礼じゃないかと思い直す。
しかしながら怪異の彷徨く危険地帯であるというのは聞いたことは有るが……
■伊都波 凛霞 >
「え、あ、や、ええっと…」
二人だけの世界だとか言われてしまうとどうしようもない
確かに衆目の中でそんなことをやってしまった気がする…
でも一部とはいえ噂なんかになってしまっているなんて想定外だ
──そもそも自分はそんな噂とは縁がないものだと思っていたし
「ええと…でも、はい……その彼で合ってマス……」
ぷしゅう、と白い煙でも頭から登りそうな表情だった
それから青垣山に住んでいる、という言葉に疑問を持ったような彼女へと、気を取り直して向き直る
問いかけこそされなかったけれど、なんとなく言いたいこともわかる
「そういう家なの。その幼馴染の彼の家も退魔の家柄。
わざわざ怪異犇めく山の中に自宅立てるなんて真似までしたのは私の父様くらいだろうけどね…」
苦笑を浮かべて
そりゃあ学園から遠いわけである
■雨見風菜 > 風菜は知っている。
凛霞の、きっと自分では忌むべき過去の話を。
それでもなお、こう乙女な反応を返してくるということは。
「ふふ、そんなにもその彼氏さんが好きなんですね。
きっと素敵な方なんでしょう、どんな方なんですか?」
凛霞の過去も受け入れるほどに、とは口には出さない。
そこを掘り返す趣味は、風菜にはない。
他人の痴態は、自分から喋りたいことだけで十分だろう。
青垣山に住んでいることに、彼女から言及されれば。
「なるほど、大変そうですね……。
たしかに危険地帯に住めば、対策相手には困らないんでしょうけど」
一般家庭で良かった、とは思った。
いや、今現在両親が二人揃って海外……日本から見て……に稼ぎに行くのは一般とは言わないのかもしれないけど。
■伊都波 凛霞 >
「…そりゃあ、もちろん」
問われた言葉にふわっとした笑みで答える姿には、先程までの狼狽した様子は見られない
「ずっと隣にいたくなる、不思議な男の子、かなー……
あ、当然私の見立てでは平均以上のイケメンですね」
冗談交じりに言葉を続ける様子は、惚気というよりもなんだか得意げだった
…とはいえちゃんと自制も効くもので
「そういうこと聞かれちゃうと自慢が止まんなくなっちゃうから、このへんにしとこ。恥ずかしいもん」
頬を爪先で小さく掻いて、ここまで!とその話を終える
「そんなこともあって、いい加減親元から離れてもいいかなー、なんてね…」
許嫁、というわけではないものの…幼馴染が帰ってきたことも大きな転機の一つだ
■雨見風菜 > 「ずっと隣にいたくなる……凛霞さん、ぞっこんなんですね。
平均以上のイケメン。
この学園、そういう男性多いような気が」
言ってしまえば女子だってレベルが高いわけだが。
今会話しているこの二人だって当然のこと。
「あら、残念。
もっと惚気けてもらっても良かったのに、聞いてて楽しそうですもの」
とはいえ流石に無理に食い下がる気はないのだけど。
結局、噂の彼の情報は曖昧なままだった。
「そうですね、そういうのも良いかも知れません。
それに、親がいるとイイコトもしにくいですしね」
風菜をきちんと知るものからすれば、相変わらず清楚な面して爆弾を投げるものだと感想が出るだろう。
直接言ってないだけまだマシでは有るが、マシでしか無い。
■伊都波 凛霞 >
「その上での平均値よりも上なの!っと……」
この島にはイケメンが多い、その上で見ても更にと言いかけ、自制
いけないいけない、単なる惚気になってしまう
「や、だめデス。わたしの精神が耐えられなくなるから…」
酸いも甘いも経験して大人になったと思っていたのに、
ついつい浮ついた気持ちになってしまう
「ベツに、不純なコトをするために同棲するわけじゃないですからね?」
イイコト、なんてボカシても言いたいことは伝わってくる
親がいるとそういうことをしづらい、のは同意せざるをえないけれど…
というか、こんなコトを言うようなキャラだったんだ…と少々驚く
■雨見風菜 > 力説する彼女の姿は、上級生でありながら微笑ましい。
その姿は、やはり彼女もまた同じ年頃の少女なのだと実感するくらいで。
「良いですね、そんなに力説できる彼氏さん。
まだまだ早いかも知れませんが、お幸せに、ですよ。
……偶に惚気けてもらっても私は構わないんですけどね?」
まあ、今この場ではこれ以上の惚気は期待できそうにない。
ギブアップが出てしまっている以上。
「でも、愛する人とひとつ屋根の下なら。
勢い余って……なんて、ありうることですし」
自分が愛する誰かを作ることはないが。
なにせ、誰とでもするような女なのだし。
そんな本音はおくびにも出さず、愛し合うなら当然と言わんばかりにぼやかして。
■伊都波 凛霞 >
別に惚気けても構わないという風菜
気持ちはわかる、凛霞も他人のコイバナ大好き勢だからだ
でも自分がする、となるとそれはまた別の話
自制自制、自分のメンタルを恥ずかしさから守るためである
「ん…そうだね。自然なコト、だとは思う。
でもそれを目的にすると卑しくなる。だからそれは、おまけ。
不純異性交友を目的に同棲なんて、風紀委員が風紀を乱してどうするのって話だもん」
…なんか、あんまりそういうコトきにする風紀委員いなさそうだけど…そこはそれ、建前は大事
■雨見風菜 > 「ええ、それは確かに。
……ですが、愛し合う男女、不純でもないと思うんですけれどもね。
どうにも、言葉の意味が広すぎる気がします」
実際問題、セックスを目的にしてしまえば爛れた生活にしかなるまい。
一応は学生である以上、学生らしく勉学に携わるべきだろう。
……それを口に出していないとはいえ、風菜が言えた義理ではないが。
そして、不純異性交遊。
同年代の、年頃の男女の交際が果たして何故不純なのか。
もしかしたら親世代の大きなお世話かなぁ、と風菜には思えてならないのであった。
■伊都波 凛霞 >
「社会的に責任を負えない年齢、という意味では此処、常世の島では一概に言えない部分だろうけど」
彼女の言い分も理解は出来る
社会の中で責任を果たせない年齢の人間がそういった行為に及ぶのは不純と見做される
自己責任の果たせない間柄に存在するあらゆる事故や問題を避けるための基準なのだ
「それはそれで無秩序というわけにもいかないし、一定の規律は定まっているべきだと思う」
それで何も起こらなければ大きなお世話で済む
では、起こった場合は?そこに一生の後悔が残るだろう
大きなお世話、というのも何も起こらなかった前提の結果論なのである
「愛し合うこと自体は不純でもなんでもないと思うよ。
身の丈に合った交際をしていれば、きっとそれは不純でもなんでもない。
……っていうのが風紀委員としての意見かな」
結論を濁すのは、風紀委員ではない彼女自身としての別の結論も持っているということだろう
■雨見風菜 > 言葉の裏で本当に言いたいことは、風菜も読み取った。
風菜自身、ある時点から無縁だったからすっかりと忘れてしまっていたが。
「あー、そっか、そうでしたね。
起きた結果に対する責任、ここなら兎も角……ですしね」
妊娠。
勉学に励みながら育児ができるのなら兎も角、二者択一になってしまうだろう。
そのうえで、どちらを選んだとしても。
その後の人生に大きな影を落とすのは間違いない。
「私には考えが足りてませんでしたね。
……風紀委員として、ですか。
なら、そうではない凛霞さん個人の意見としては?」
最後の一言を聞き逃さず尋ねる。
■伊都波 凛霞 >
「んー…責任能力は学生といえど個人で大きく違うものかな、とも思うから」
付き合っていた彼女を妊娠させてしまって、逃げてしまう男子生徒もいれば
男子生徒が受け入れるにも関わらず、まだ子供なんて生みたくないと堕胎を選ぶ女生徒もいるだろう
精神的、経済的に未成熟…それが学生間における不純異性交遊の禁止に繋がる
もちろんそれだけではないが
「問題が起こった時に周りに迷惑を一切かけず、後悔もしないなら、という前提で」
「相手への信頼と自己責任。それもお互いがそうじゃないといけない
「それができるなら、…っていうのが個人的な意見かな」
律儀にそう答える様子は、風紀委員としての姿ではないにしろ真面目な優等生タイプ、という印象を崩さないものである
■雨見風菜 > 凛霞の言葉に聞き入って。
責任をとって働こうとする男子、責任を取らず逃げようとする男子。
母性から生むことを決心する女子、まだ母になりたくないと堕胎する女子。
その選択は、確かに個人個人の自由では有るが。
「そうですね。
妊娠って、一人だけの問題ではないですし」
今となっては、通常の妊娠は風菜には無縁ではあるとはいえ。
お互いがお互いを信頼し、起きることについて話し合った上で責任を取る。
そうでなくては、まともな育児なんて夢のまた夢だろう。
そしてそれこそが、不純異性交遊と言われる原因にもなるのか、と。
「一つ、勉強になりました」
■伊都波 凛霞 >
勉強になった、と言葉にする風菜ににっこりと笑う
「もちろん色んな意見、考え方があると思うけれど、ね」
ただ無意味に縛り付けるようなものなんて
歴史上にはいくつかあっても長く残ったりはしないもの
続いているものにはそれ相応の理由があるものだ
「ま、そんなわけでそういう目的ではないのデス…」
なんか色々と理屈を捏ねて男子との同棲を正統化したような流れになってしまってやや恥ずかしい
■雨見風菜 > 「そうですね。
ルールは手段であって、目的ではないわけですし」
なにかを守りたいから、ルールが作られる。
ルールのために、目的が発生するのではない。
「はい、重々承知しました」
最初からそんな目的とは思ってはいなかったけど。
恥ずかしくなって尻すぼみになった気がした彼女にちょっと悪い気もした。
■伊都波 凛霞 >
「でも何か意外、雨見さんってプール清掃のボランティアに参加したり、真面目ーってイメージだったから」
普通にそういう話もするんだね、と笑う
やっぱり誰かの印象なんて、ちょっと話した程度じゃわからないものだ
さて、時間を見れば、そろそろ本庁に向かう時間が近くなっていて
「と…あんまりのんびりしてらんないや。
──良かったらまたお話しようね、雨見さん」
■雨見風菜 > 「あんまり私自身では真面目とは思っては居ないんですけれどもね」
笑顔で返す。
とはいえ、自認でしか無く他人から見ればそうなのかも知れない、とは考える。
「そうなんですか。
はい、またお喋りしましょう、凛霞さん」
実のところ、風菜自身も凛霞とはまた喋りたいと思っていたし。
なんなら彼女の彼氏の話だってまた聞きたいところだ。
■伊都波 凛霞 >
一見清楚に見える彼女
その実、見た目通り…というわけにはいかないくせ者…なのかもしれない
そういうのも、場所が違ったり状況が違ったり
お話を重ねていくことできっと見えていくのだろう
普通の人がそうであるように、思っていた通りの人じゃない…というのは
凛霞にとっても好奇心を刺激するものの一つ
「それじゃ、またね雨見さん」
にこやかに手を振ってお別れし、少々小走りに学園のロビーを後にするのでした
■雨見風菜 > 清楚に振る舞うその奥、表層の印象とはかけ離れた風菜の奥底。
果たしてそれを知れば凛霞はどう反応するのだろうか。
これから暴かれていくのかどうかは、風菜の対応次第にはなっていくだろう。
しかしながら風菜自身、そのギャップも自分自身であると自認しているし。
何ならそのギャップを見た他人の反応を楽しみにしている節も有る。
……とはいえ、自分が凛霞の好奇心を刺激しているとは思っても居ないが。
小走りにロビーを後にする凛霞に、手を振り返して見送るのであった。
ご案内:「第一教室棟 ロビー」から雨見風菜さんが去りました。
ご案内:「第一教室棟 ロビー」から伊都波 凛霞さんが去りました。