2020/10/05 のログ
ご案内:「第一教室棟 教室」に羽月 柊さんが現れました。
羽月 柊 >  
まばらに生徒の集まる教室。
興味があるならば、彼の姿を見る事が出来るだろう。
小さな白い竜を二匹両肩に連れた、紫髪に桃眼の男が、教卓の前へ立つ。


「…では、授業を始めよう。」

静かな声が、教室へと響いた。

選択授業式、魔術学。
そういう名目で、この教室はこれから使われる。

「まずは、この『魔術学』の選択科目を取ってくれたことへ感謝を。
 知っているモノも居るかもしれないが、俺は羽月 柊(はづき しゅう)。

 この夏に教師になった研究者だ。専攻は『魔術』『異世界』『竜語』になる。
 その他に妖精学や精霊学なども、分からなければ聞くと良い。」

チョークを握るのは学生以来な気がする。
まさか自分が教える側に立つとは、と思いながら、自分の名前を黒板に記した。

軽い自己紹介を交える。
今日以前に話した顔見知りの生徒もいるが、そうでないモノもいるだろうと。


両肩の小竜が飛び立ち、男の左右へと。

「彼らは俺の相棒たちであり、竜語の教師でもある。
 紅い角がフェリア、蒼い角がセイルだ。」

傍らの小竜の紹介をし、キュイキュイと彼らも鳴く。


「今日は授業として初回でもある。
 小難しい事は抜きに、魔術に関する雑学や私見だけに留めようと思う。

 ノートを取りたいモノは好きにしてくれて構わん。」

論文発表やらで、人前に立つのは多少は慣れている。
慣れているとしても、普段とは少し雰囲気が違うとは思いながら。

羽月 柊 >  
黒板に書いた名前を消し、
『魔術』と『魔法』の文字を書く。

「俺が教えるのは、『魔術』だ。

 《大変容》の後、古くから秘匿されてきた魔術という知識は、
 今やごく一般のモノとなって久しい。」

そう言いながら、魔術の文字の方に〇を書いて強調する。
チョークの独特な匂いを懐かしいと思いながら、指が僅かに白くなる。


「『魔術』と『魔法』の違いは様々に述べられているが、

 俺から見た違いとしては、
 『魔術』は旧時代の科学と同じく、理を知ることで奇跡を顕現させる、
 おおよそ"誰でも"扱うことが出来る"技術"の一つだ。

 反して、『魔法』はそういった理屈を無視した超常の力のうちの一つ。
 こちらに関しては才能や生来備わっているタイプのモノが多い。」

要するに…と、言葉を続ける。

「俺の授業では、向き不向きはあるかもしれんが、
 そうした誰でも扱える技術として、魔術を教えていくつもりだ。
 もちろん、そこに生来の魔力のあるなしも関係は無い。」

普段はここまで口にはしない。
ただただ頭の中で捏ねているだけの理論の一つ。

生徒たちの中には、ひとかけらも魔術の使えない生徒もいるかもしれない。
以前にそういった生徒にも、声をかけたことがあるからだ。

故に、本当に基礎の基礎から話している。


チョークを利き手から離し、パチンと指を鳴らすと、
そこに小さな光の球を出して見せる。

ご案内:「第一教室棟 教室」に芥芽あるさんが現れました。
芥芽ある > 【「はい、皆さんおはようございます! 芥芽あるです!
  今日の私は……授業見学の先生です!」】(ここまで自己紹介)

芥芽ある >  
後学のために授業見学をしろっていうのは、よく言われてたので暇があればいきなさい、と送り出され……
あれ、つまりこれ、私の暇がないっていうことですよね?
ちょっとまっていただきたいのですけれど、どうかしら。

ただでさえ、暇なんてあってないようなものだというのにこの仕打……
やはり、ブラック!ブラックだわ……ッ

「……あら、羽月先生の授業???」

はい、前言撤回!きちんと居住まいを正して聴講します!
なになに、魔術と魔法の違い、と……
ああ、なるほど。
技術に裏打ちされたものと、才能っぽいやつということですね。

私ってそういう方面弱いし、きっちり聞いて学んで帰りましょうね。

「……ということは、私も魔術、使えるかしら……」


たまーに、なにかそういう講義をしているような気がしないでもないけれど。
なんかその場の勢いというか、何か、こう、ノリ、みたいな感じでやってるから、実際何言っているのかをちゃんと意識できてることは少なかったりする。

「わぁ、きれい……」

光の球を眺めながら小さくつぶやく