2020/12/03 のログ
ご案内:「第一教室棟 保健室」に火光雷鳥さんが現れました。
火光雷鳥 > 「――――ん…。」

目が覚めたらそこは病室――じゃなかった、保健室だ。
何で俺は寝てるんだ?…と、数秒記憶を探って直ぐに思い当たった。
ああ、そうだ…確か授業中に例の謎の頭痛に襲われてそのままダウンしたのだった。
自力で保健室まで来た覚えは無いので、どうやら先生かクラスメートが運んでくれたらしい。

「…最近、地味に頻度が上がってるなこの頭痛…やっぱ俺の脳が何かアレなのと関係あるのかね。」

ゆっくりと上半身を起こす…もう頭痛は幸い引いているが、それでもまだ僅かに頭の奥が疼くような感覚が続いている。
前に念の為に医者にも見て貰ったが、診断結果は『異常無し』…なんだそれは、と思ったものだが。

(まぁ、医者の言う事が全て正しいって訳でもねーけど、異常無しって結果ならしょうがねぇのかな…。)

本当、この島に来てからおかしな事ばかりが身の上に降りかかっている気がする。
別に被害妄想とかではないと思いたい。変な場所に迷い込んだり、謎の頭痛に襲われたり記憶が飛んだり…。

「……流石に、親に話す訳にもいかんしなぁ。」

呟いて仕切りのカーテンを開く…外はすっかり夕暮れだ。
どうやらかなりの時間寝込んでいたらしい…自分以外に体調不良、またはサボりで寝込んでいる生徒は居ないようだ。
保険医も席を外しているらしく、誰の姿も見えない…自分だけのようで。

「あーー…もうこんな時間かよ。バイトとか入れてないのが幸いだったなぁ。」

火光雷鳥 > 「…まぁ、起きた事はしょうがねーし…頭痛薬とかもあんま効かないっぽいし、どうしたもんかね…。」

そもそも、自分の脳内が具体的にどういう異常が発生しているのかさっぱり分からない。
自覚症状、と言えるのはそれこそ最近頻発するようになった頭痛と、後はたまーに記憶が飛んでるくらいだが。
こう、小魚の骨が喉元で引っ掛かっているような、何とも言えないもどかしさと違和感。

「…まぁ、考えても俺にゃ分からんし。」

思考放棄、というか判断材料が少なすぎて考察も出来やしない。そもそも自称凡人にそこまでの推理力は無いんだけど。
ベッドに座り込んだ姿勢のまま、軽く目元を解しながら溜息…一つ確かなのは。

「…まぁ、要するに…だ。俺自身も自覚できてねぇ『何か』があるっていうのは分かる。」

現状、それが何なのかがサッパリなんだが。まぁ分かってもサッパリな気がするけども。

???? > 『――この鈍さはもしかしてわざとなのか?矮小な身らしく、少しは《門》の自覚を持て小僧。
…まったく、久方ぶりに繋がった門がこの体たらくでは話にならんな…。』

唐突に――前触れも何も無く、ただ一言…重苦しい誰かの声が脳内に直接響いた。

火光雷鳥 > 「―――は?」

え、何?何なの今の!?慌てて周囲を見渡すが誰も居ない。
むしろ、今のよく分からん声は頭の中から直接聞こえてきたような気がする!

(え?テレパシーとかいうやつ?え、どういう事?むしろ俺が《門》って何!?
あと、ナチュラルに上から目線だなこんちくしょう!!)

取り敢えず、「お前誰だよ!!」と、叫んでみるが反応は無い…いかん、これではただのイタい奴では?

「…まさか、幻聴まで聞こえるようになってしまったのか……疲れてんのかなぁ、俺。」

と、いうかこれ…俺の脳内がアレなのと関係があるのだろうか?分からん!幻聴だったらヤバいが、幻聴じゃなくてもヤバい。

「…どっちにしろ駄目じゃねーか!!」

頭を抱えた。ちょっと色々ありすぎて凡人には処理が難しい!シングルタスクには優しくして欲しい!

火光雷鳥 > 「…あーくっそ、でも取り敢えず俺の頭の中に誰か居るっつーのは多分間違いじゃない…幻覚じゃなければ。」

ただ、そんなアレな異常があればこの島の医者なら気付かない筈は無い――意図的に『隠した』?

「なーんて、漫画の読み過ぎだよなぁ。……いや、これどーすりゃいいのよ。」

また唐突にあの重苦しい、いかにもヤバそうな奴の声が聞こえてきたら怖い。正体は気になるが。
飯の最中とかおトイレタイムで聞こえてきたら心底ビビる自信がある!!

「…しかし、《門》…ねぇ。自覚、とか言われても困るんだけどな。」

ちょっと発火能力があるだけの凡人の筈がよく分からん事になりつつある。
…おかしいな、平凡な一般学生を目指している筈が斜め上に突き進んでいる気がする。

火光雷鳥 > 「…しかたねぇ、今度《門》について調べてみっか。」

どうやら、自分自身に関わりがある事らしい。小難しいのは苦手だが…あの『声』が自分をそう評したならば。

(いや、そもそも新手の幻聴かもしれねーけど…ま、でも気になるまま放置ってのはな)

それに、自分自身の事をちゃんと知っておかなくては気持ち悪い気もする。
別に大それた出自も経歴も無いし、能力は大したことないし、魔術も使えないが…。

「うっし!ちょいと恥ずかしいが『自分探し』ってやつだな。今度図書館の本でも漁ってみっか!」

気を取り直して努めて明るい独り言を漏らしながら立ち上がる。
体の調子は何とか戻っているようだ。一応、保険医さん宛てに書置きを遺しておきつつ、保健室を後にしよう。

ご案内:「第一教室棟 保健室」から火光雷鳥さんが去りました。