2020/12/05 のログ
セレネ > 「――あの子達は一度捨てられてますからねぇ。
臆病になるのも無理はないでしょう。」

誰かに対して、適切な距離の取り方が分からない。
その気持ちは分かるから。誇らしげな感じで鳴く仔猫に、クスクスと微笑まし気に。

「夏と比べて過ごしやすくはなっているので、少しずつ慣れる様に頑張りますよ。」

本当の理由ではないにせよ、全くの嘘ではない。
あまり彼女に迷惑はかけたくない、というのは今まででも一貫している。
一度やらかした手前猶更だ。

「耐性がつくと厄介ですし、長く服用しないように心がけるつもりです。」

本当に必要になった時に効かない、となれば困るのは自身だ。
…しかし眠れない。眠りたくない、というのが適切かもしれない。
この時期は特に、思い出してしまうから。

「え、うぅ…それは、困りましたね…。」

己が出来る事はそう多くない。
クリスマスケーキでも作って持ってくるべきか。いや、彼女の事ならそれも想定していそうだ。
どうするのが良いか、悩む。

ラピス > 「まぁ、先生はクロを捨てたりしないので、安心してほしいものです。
 ふふ、お前は先生がずぅっと面倒見てやりますから安心しやがれですよー」

頭上のこにゃんこをポフポフ。こにゃんこは満足そうに鳴く。
人の言葉が分かっているのか、中々利口な猫だと思う。

「あぁ、暑いの嫌いなんでしたっけ。後は強い日差しとか。
 冬は冬で気温が冷えるだけで日差しは気をつけないとですよん?」

くすくす。あの時作った日焼け止めは、今でもいい感じに売れ筋だ。
薬局などに卸してるわけではないから、大抵おやつと交換になるわけだが。
小瓶一本でケーキを食べられる素敵なアイテムだ。もっと流行れ。流行れ。

「ですねー。いっそへとへとになるまで体動かしたりしたらどうです?
 もうすぐクリスマスですから、こう、予行演習的な感じで、とか」

何のかは言わない。そこまで野暮天でも下世話でもないのだ。
とは言え、からかってその反応を見たいと思う程度には意地悪なのだけれど。

「ま、それなら、今日結論出さなくてもいいので、宿題ってことで。
 それじゃ、そこ座ってくださいな。本格的に症状見て、材料決めるんで」

さてさて、それじゃ、そろそろ真面目に診察しよう。
そこからは、幾つか質問して、軽く触診して、薬の方針を決めることになる。
調薬されたものは、翌日彼女の手元に届くことになるだろう――。

セレネ > 「良かったね、クロちゃん。」

彼女に託して良かったと、本当に思う。
己が飼っている白仔猫もそうだが、案外利口なのだ。

「えぇ、暑いのも日差しも駄目です。
ですねぇ…冬でも日焼けしますから。」

だから日傘と日焼け止めは欠かせない。色素が薄く肌が弱い己には辛いのだ。

「よ、予行演習…?」

何のかな、と蒼を瞬かせてみた。少し顔が引き攣っているので全く分かっていない訳ではないのだけれど。

「――はぁい、分かりました。」

問診と触診は素直に受け、隠せる所はやんわりと隠しつつ。
後日薬が届く事に有難さと共、出された宿題に暫く頭を悩ませる事になるだろう。

ご案内:「第一教室棟 保健室」からラピスさんが去りました。
ご案内:「第一教室棟 保健室」からセレネさんが去りました。