2020/12/26 のログ
雨見風菜 > 「さあ、どうなんでしょう」

完全にまたやると見抜かれているのをくすくすと笑ってごまかす。
と、そこで聞き覚えのある名前。

「あら、セレネさんの……そんな事もあったんですねえ」

そういえば彼女は元医者なんだったっけか。
ならラピス先生と交流があってもおかしくない。
猫二匹の、距離を置いたままのやり取りは本当可愛らしい。

「なかなか怪我をすることもないんですよね。
 お料理だってそんな羽目になるほど経験がないわけでもないですし。
 魔術は、この学園でも色々教えてくれますしね」

言って、『物体収納』していたトナカイの角のカチューシャを出してきて着ける。
ラピス先生のサンタ衣装に合わせたかたちだ。

ラピス > 「まぁ、先生は注意しましたから、見逃したわけじゃないですしー」

などと不良教師っぽい言い訳を残して、へっぽこ教師はくすくす笑う。
行儀は悪いかもしれないが、それだけならば特に気にはしないのだ。
ちゃんとする時にちゃんとしていればいいかなぁ、なんて。適当気質だ。

「うぃ、セレネちゃんとは大の仲良しさんですからねー。
 この子もセレネちゃんから譲り受けまして、はい。良い子です。
 っとと、名乗っておきましょうかね。ラピスと申します。薬学の先生です」

なふ。黒のこにゃんこは、良い子と言われて自慢げだった。
それは、久方ぶりに会う姉か妹に、格好つけたいのかもしれない。

「おや、怪我しないのは良いことですからね。
 お料理も慣れてしまえば、手など切らずに出来るものですが……。
 ――うや、トナカイさんです?ふふ、クリスマスの風物詩ですねー?」

じぃ、と頭上にカチューシャを乗せる彼女を見る。
サンタ衣装の少女に、トナカイカチューシャの彼女。
あとは――足りないものはない気がするが、はてさて。

それじゃ、折角だからお茶を――と思った所で、へっぽこ教師の携帯が鳴る。
むむぅ、と不服そうに携帯を取ると、そこには悲しいかな、お呼び出しのメールが。

「……おっと、先生はちょいと呼ばれてしまいましたので、行ってきますねー?
 おふたりとも、そこのケーキとお茶はご自由に食べて良いので、どぞどぞー」

それからへっぽこ教師は、サンタ服のままお呼び出しで職員室へ。
同僚に『サンタコスですか!』と娘やら孫やらの様に扱われたのは秘密だ――。

ご案内:「第一教室棟 保健室」からラピスさんが去りました。
火光雷鳥 > 「…俺はまぁ、ラピス先生も注意した事ですから何も言う事はないっすねー…。」

不良教師っぽい先生の言葉に、これまた苦笑を浮かべつつ。
まぁ、少年もそこまで堅物ではないので口煩く言う気は全然無いのだけど。

「ほほぅ…あ、俺は1年の火光雷鳥っす。島に来てまだ3ヶ月かそこらの新参ですがよろしくお願いします。」

と、自己紹介が遅れていた事に気付いて、先生の名乗りにこちらも慌てて名乗りつつ改めて会釈を軽く一つ。
そして、茶トラ仔猫も何処となく上機嫌そうだ。久々に兄弟姉妹と会えたからなんだろうか。

「料理かぁ…一応、人並みに自炊はしますけど、やっぱりレトルトとかコンビニに頼る事も多いなぁ。」

意外とこう見えて自炊はするのだが、矢張り面倒臭い時は手早く済ませたくなる。
そして、何故かトナカイに扮した先輩に…え?俺はどうすればいいの?という顔。
そもそも、そんな便利な能力も技能も魔術も無いのである。

「とと、了解っす。取り敢えずサンタコスから着替えた方がいいっすよーー。」

と、どうやらお呼ばれしたらしいラピス先生を苦笑気味に軽く手を挙げて見送る。
「あ、手当てありがとうございました!」と、お礼を述べておくのも忘れない。
さて――…。

「さて、じゃあ俺も用件は済んだので――…あ、お茶とケーキは折角だから少しだけ貰って行こうかな。」

先生も勧めてくれていたし。「先輩はどうします?」と、確認を取ってみつつ。

「しっかし、俺も便利な魔術とか異能が使えればなぁ…。」

と、少し愚痴っぽく零しながらも、少しだけお茶とケーキをご馳走になってから、先輩に挨拶をして今夜は寮に戻るだろう。

雨見風菜 > あはは、と笑ってまた誤魔化す。
見た目は清楚なだけにたちが悪い。

「まあ、レトルトやコンビニに頼るのも良いんじゃないでしょうか。
 技術は楽をするために発達するものですし。
 もちろん、その分お金はかかりますが」

手間のかかる料理が惣菜として提供されるのもありがたい話。
その程度作れと言うなら自分で一度作ってみるべき。

「あら、残念です。
 いってらっしゃい、先生」

そうして呼び出されて行ってしまったラピスを見送り。
雷鳥からももう帰るのだと言われれば。

「そうでしたか。
 じゃあ、私も少し貰って、この場はお開きですね」

名残惜しいな、と言わんばかりに。
とはいえ人には人の都合があるのだから仕方ない。
雷鳥の愚痴には人によって魔術の向き不向きがあるとフォローして、風菜もその場を後にするのであった。

ご案内:「第一教室棟 保健室」から火光雷鳥さんが去りました。
ご案内:「第一教室棟 保健室」から雨見風菜さんが去りました。