2021/01/01 のログ
■ラピス > ずぞ、ずぞぞ、ずぞぞぞ。寒空の下で食べるお蕎麦のなんと美味しいことか。
夢中で蕎麦をかっくらい、はふー、と息を吐けば、真っ白の靄が消えていく。
時折箸休めのように、小松菜やら鴨団子やらを摘んで、ただひたすら静かに食べる。
ただそれだけ。一人で、孤独で――なんか、そんな感じのテレビドラマやってた気がする。
「――ん、ごちそうさまでしたー!」
ともあれ、そばを食い終われば、遠くでごいんと鐘の音。本物かどうかは知らない。
風物詩というやつだ。その真贋など関係ないだろう。百八つを聴けば、年が変わる。
ぽちりとスマホを付けて、カウントダウン。十から始めて、一つずつ――。
「……あけましておめでとうございまーす。なんちゃって。
皆の家を巡る訳にも行きませんし、今日の所はここから。
今年もよろしくおねがいしますねー、みなさーん!」
それなりに声を出しても、学園の屋上から聞こえることもないだろう。
一頻りの挨拶を闇に投げると、後はお片付け。ササッと全てをトランクに詰め込んで。
後は虹の尾を空にたなびかせて、寮の自室へと帰っていこう。迎えた新年、良い年になることを願って――。
ご案内:「第一教室棟 屋上」からラピスさんが去りました。