2021/01/03 のログ
ご案内:「科学実験室」にアメリアさんが現れました。
アメリア > ゴリゴリゴリ、と擦る音が響く。
すり鉢の中には多種の草と少しの液が入っており、自然の匂いを醸しながら混ぜられている。

「……これ、ダメかしら?
うーん、やっぱり外見だけ似ててもだめよね。
でも、元の世界のなんて手に入らないし……」

明らかに嗅いだことのない匂い。
本来であればもう少し薬品臭くなるはずだが、どうにもそれを上回る自然の匂いが強い。

アメリア > 仕方なし、とりあえずこのまま継続してフラスコと火を用意する。
ぱたぱたと部屋の隅に置かれているフラスコやらなんやらを取り出し、ぱたぱたとすり鉢まで戻り。

「少しずつ入れて……。
水ももう少し加えて……」

フラスコに材料を入れると、過熱を始める。

ご案内:「科学実験室」に照月奏詩さんが現れました。
照月奏詩 >  
 所用で学校に寄った帰りだった。通りかかった教室の前。ふと嗅いだこともない臭いを感じる。
 見れば科学実験室。一瞬色々とした思考が頭をよぎる。
 ただの実験? だとしてもこんな臭いはしないはず。一瞬足を止めてしまったが中に人がいるのを確認すれば思わずというか。反射的に体が動いていた。

「お、おいなんかすごい臭いしてるが大丈夫か!?」

 扉をガラッと勢いよく開けてそんな事を言いながら教室に入る。
 全身にビリビリと紫電が走っている。もし万が一ヤバいガスだったりした場合に最低限中の人物を救助できるように。一種の防御服のような物だ。
 だがはたから見れば体がバチバチと電気に覆われている変な人である

アメリア > 「あら、誰かが来るなんて珍しいわね。
あんまり近寄ったら鼻に来るから近寄らないほうが良いわよ」

扉があいたのと、人が来ていることをみて注意だけ言っておき。
さっきから鼻の奥がピリピリするため、どうにも体に毒っぽい感じがする。
蒸発をしている液の加熱を止め、冷めるのを待つ。

ついでに、廃棄用に用意しておいた土の箱を近くに持ってくる。
どうかんがえてもこれは失敗だ。

照月奏詩 >  
「ああ、そうだろうなって思ってる。だから臭いはともかくガス?自体は能力で防御させてもらってんだよ」

 その辺は問題ないと言いながら。
 一瞬落ち着いている様子を見て思わず普通に返してしまったが。
 少しの間をおいてそっちにツカツカと歩み寄っていく。

「にしても……ホント何の薬品だそれ。なんか嗅いだことない臭いなんだが。なんかの植物……にしては少し違うような気もするし。でも科学的な薬品って感じじゃないよな?」

 そういいながら近寄るが。興味より心配の方が大きい。
 近寄る理由も最悪いきなり倒れた際に支える為の保険だ。
 もっとも表向きに心配だから~などと言うと自信をもって実験をしている様子を見るに逆効果そうなので言わないが。 

アメリア > 冷めたフラスコを持って、念のため匂いを仰いで嗅いでみるが。

「ケホッ。
うわ、なにこれひど……」

おそらく毒。
少なくとも飲みたくなるものではないため、用意した廃棄用の土に流す。

「薬品はちょっと特別なモノ。
そこらへんで売ってるものじゃなくて自分で作ったの、科学かはわからないけれど。
植物はそこの青垣山に生えてる草。
薬草って言われてるモノを片っ端から抜いてきての」

この草は失敗、と呟きながら自分のノートに何かを描きこむ。
ノートにはそれぞれ一ページごとにその薬草の事と実験結果が記載されているようだ。
別の机には、分厚い薬草辞典も置いてある。

照月奏詩 >  
「うわぁ……」

 説明を聞いて思わず顔が引きつる。
 あんな場所の植物など何が生えているかもわからない。その場所の薬草をかたっぱしから集めてきたなど。何が起きてもおかしくない。
 んーと少し考えてから。

「まぁあれだ。次の実験開始少し待て」

 それだけ行くと準備室側へ向かう。それからガサガサと何かをしていて。あったあったなどと言いながら戻ってくる。
 手にはマスク。

「初対面からこんな事言うのもなんだが……どんな効果が起こるかわからない実験するならもう少し色々と気使え。最低限このくらいはした方が良いぞ。毒か何かもわからないんだからよ」

 と言いながらそれを差し出す。ホントはこんな市販のようなマスクではなくもっとしっかりとした実験用マスクを使ってほしい所だが、残念ながら見つけられなかった。
 
「ま、それはそれとして。少し見学していってもいいか。こういう実験とかあんまり見たことなくて少し興味あってな」

アメリア > マスクを差し出されれば、そういえばと思う。
気にしたことがなかったために今までつけてなかったが。

「ん、どうも。
見学はご自由に。
でも何が起こっても知らないし、助けることも出来ないからね?」

それで良ければ、と机に置いてあるポーチからまた草を取り出し。

「はい、っと」

片手で草を握りしめて錬成。
バチィ、と電気が飛ぶが、草は一瞬で乾燥される。
それを先ほどとは別のすり鉢に入れてやはりゴリゴリゴリと音を立てて磨り潰す。

照月奏詩 >  
「その辺はご安心を。防御能力だけは自信あるから。今この部屋がガス爆発しても俺一人は無事だぜ」

 それじゃ意味ないけどと笑う。
 実際そんな事態になりそうになれば即座に彼女をかばう姿勢に入るが。彼女も慣れている様子だしそもそもが元が薬草だ。そんなことは起きないはずである。

「うわ、便利な能力。それで今握りつぶした薬草はどんな効果のある薬草なんだ?」

 辞典を調べればわかる事だが。そもそも辞典の見方などわかるわけがないわけで。
 それに仮にわかっていたとしても分厚い薬草辞典の上に能力で色々と短縮できるらしい。探しているうちに実験が終わりそうである。

アメリア > 「あら、便利な能力。
異能ってやつかしら」

ゴリゴリゴォリ。
当人としては、自分ひとり吹き飛んで見学者が生きてればそれはいいので間違いないのだが。
まずそもそも、そんなことはおこらないようにはしたい。

「擦り傷に効果のある薬草……と似てるけど本当にそうなのかはよくわかんない」

磨り潰された薬草(不明)に少しずつ薬品を加えながら話す。
実際、辞典を片手に収集をしたがどうにも似た草が多く、素人の人間では見分け付かないためだ。

照月奏詩 >  
「そういうこと。今俺に電気走ってるだろ。これがそのままバリアになるんだよ」

 手に電気が集まった状態で加熱用のバーナーの上に手をやるが全く火傷をしていないし色の変化もない。当然本人は涼しい顔。
 その後の言葉を聞けば目を細めて。

「よくわからないって!? ……なんというかこう……あれだ……」

 すごく言いにくそう。少しだけ唸る。
 言葉を考えて考えてから。

「……色々と大胆な科学者なんだな」

 思いついた言葉の中で1番優しい言い方にかみ砕いてそう発言した。

アメリア > 「へぇー……そんな簡単に電気が使えるって不思議な力ね。
それこそ魔法のようなものじゃない。」

とはいえ、こっちの世界に来てから電気が簡単に起こせるということに驚きを隠せないのだが。
火にあたっているように見えるが、我慢強いわけではないのだろう。
皮膚も焦げているようには見えないし。

「科学者かはわからないけれど。
でも何の知識もないのだから仕方ないわ。
知識があって、今使っているモノが何かわかっていたら私も適切な手順でやるけれど。
解らない以上は慎重に、けどとにかく手を動かして実験してみるしかないわ」

すり鉢からフラスコに移し、また加熱を行なう。
ポコポコとフラスコ内で泡立ちながら、少し薬品臭いにおいを醸し出す。

照月奏詩 >  
「魔法みたいか。俺もそう思う。けどこれ正確に電気って訳じゃなくて。なんていうんだろうなエネルギーが電気みたいに見えるってだけなんだよ」

 そう電気に”見える”だけで電気ではないのである。今説明した通りエネルギーが可視化されたことで一種電気に見えるだけなのだ。
 それから話を聞けば少しだけ首をひねって。

「ああ、違う世界から来た奴だったか。それなら確かにそうするしかないよな」

 正直それでもしっかり調べてから実験を行うべきだとか。色々と言いたい事はある。
 けれどもおそらくそんなこと言われなくとも彼女がわかっている事だろうし。わざわざ言わない。

「でもよ。なんかそこまでして作りたい薬とかあるのか? いやまぁ俺みたいに単純な興味心って言われたら納得するしかないけどよ」

 泡立つフラスコを見ている。いざというときに危険を感知できるように臭いは防護を貫通するようにしているため臭いで顔をしかめる。

アメリア > 「別に、どうしても作りたいわけじゃないわ。
今作ってるのは傷のポーションだけど、こんなの作らなくてもこっちの世界にはもっとすごい塗り薬とか、薬とかあるし」

特別悪い匂いはしない。
マスクを外し、再度匂いを嗅いでも鼻の奥は痛くならず。

「ただ、生えてる草とかが違っていても私の持っている知識が通用するってことを確認してるだけなの」

フラスコへの加熱を止め、土に、布に、他の草に、そして最後は自分の皮膚に少量落とす。
皮膚に痛みは走らず、匂いも過激な匂いではない。
多少薬品臭いが。

「それでもし通用することが確認できれば、それは何かの役に立つかもしれないし。
錬金術師として、歩みを止めたくないだけよ」

照月奏詩 >  
「錬金術……なるほどな。つまりプライドとか向上心とかそういうことか」

 それならば気持ちは少しわかるかもしれない。
 ましてや違う世界に来て一人になったのなら猶更焦る事だろう。
 なにせそれ以外今持っている物が何もないのだから。

「立派なもんだな……じゃ、最終実験」

 袖をまくる。少しだけケガをしているのが見てわかるだろう。
 それを見せれば加田らを覆っていたバリアを一旦止める。

「傷を治す薬。なんだろ、それなら丁度さっき練習中にケガを少しだけしちゃってな。治験なんてしてみたいわけだが」

 触れてしまえば最悪薬だけを防御―拒絶―してしまえば毒が体に入ることはない。
 逆に問題が起こらないようであれば儲けものだ。
 どうだいと言いたげに彼女を見ていた。

 

アメリア > 「……責任は取らないわよ」

ちょっと眉を顰めて彼を見る。
ほんとは自分の指なりを切って試そうと思ったが。

スポイトでほんの少しだけ薬品を吸い取り、彼の怪我部分に垂らす。
もしその怪我が内部的なモノであれば変化は何もないが。
外傷があって血が出ているならば、――熱さや痛みはなく――皮膚を焼くような音と匂いで血を止めるだろう。