2021/01/16 のログ
■ラピス > 「ですです。それぞれにあった治療を施さないといけませんから、やりがいありますよー」
へっぽこ教師からすれば、腕の振るい甲斐があるという程度にしか思っていない。
種族が違おうが何が異なろうが、保健室に来たら皆平等に患者。それが教師のモットーだ。
だから、今この場では彼女が友人であり、悩みを持つなら患者でもあることになる。
「まぁ、見た目も重要ですけれどね。明らかに子供っぽい子が迷ってたら手を差し伸べないとですし。
きっと、良いのですよ。見かけで判断しても、間違った時にそれをしっかり正せれば」
誰しも第一印象は見た目が優先される。内面はより密接な関係にならねばわからないのだ。
だから、見た目で判断することそのものは、間違っていないのではないかと思っている。
見た目と中身で相違があったらその時修正すればいいよね、なんて適当なのかもしれないが。
「ふふ、助けてもらってるのは、陽菜ちゃんに助けるだけの価値や魅力があるからです。
ですから、周りに感謝をするのも大事ですが、自分を認めてあげるのも大切ですよん?」
彼女の雰囲気からなんとなく自己評価が低そうだなぁなんて勝手に合点してのお節介。
ちびちび。紅茶を飲みながらなんとなく満足げなへっぽこ教師であった。
「――さて、それじゃ薬は用立てるとして、次は何のお話しましょうか。
共通の友人ってことで、セレネちゃんのお話とかー、ふふふふふ」
まだまだ時間はたっぷりある。ケーキも紅茶も同じくだ。
だから、今日は彼女とたっぷり語り明かすとしよう。満足するまで、飽きるまで。
そうしてお互いをよく知って、より仲良くなって別れるのだ。
出会いというのは良いものだ。改めてそう思ったのだとか――。
■藤巳陽菜 > 「見かけで判断しても、間違った時にそれ正せれば……。
そうですね!ちゃんと中身で判断出来たらそれで……。」
知らない相手の事なんてそれこそ見た目でしか分からないのだから。
初めは見た目でもいい。
それからちゃんとわかっていければ……分かっていってもらえればいい。
「そんな事……ありがとうございます。」
そんなことないですという言葉を飲み込んで…。
自分を認めてあげる。
「セレネさんのお話ですか?私セレネさんについてももっとしりたいです!」
空になったカップに新しい紅茶を注いで話の花が広がっていく。
こうして二人のお茶会はケーキがなくなるまで……なくなってもまだ続いたという。
ご案内:「第一教室棟 保健室」から藤巳陽菜さんが去りました。
ご案内:「第一教室棟 保健室」からラピスさんが去りました。
ご案内:「第一教室棟 屋上」に火光雷鳥さんが現れました。
■火光雷鳥 > 「うぉっ!?さっむ…!?」
屋上の扉を押し開けて一歩出てみれば。ただでさえ寒い季節、しかも夜で風も多少吹いている。
何で土曜日の夜に学園に足を運んでいるのかといえば、ぶっちゃけ魔術方面の授業で補習を受けたからである。
「くそー…補習後の開放感に浸るつもりが、むしろ頭が冷えた気分になるな。」
と、言いつつも取り敢えず屋上を軽くぶらりと歩く。流石にこの時間帯だと寛いでいる人影も無いようだ。
(…どうせなら自販機でホットドリンクの類でも買っておくんだったなぁ)
今から校内に戻ってロビーとか辺りで買って来るべきだろうか?でも、何かそれはそれで面倒だ。
まぁ、あまり長居しなければ風邪も惹かんだろう、という訳で飲み物を買いに行くのは諦めた。
「しっかし、去年の今頃は確か病院から退院した時期だったっけか?
……で。今は一人親元を離れてとんでもねー島で一人暮らし、と。人生判らんもんだな。」
まぁ、1年間の入院生活に比べたら今の方が全然マシなのだけれど。
…何度か危険な場所に迷い込んだり、訳わからん存在が頭の中に居たりと割とやべー気はするが。
■火光雷鳥 > 「しっかし、配達のバイトもそろそろチャリだときつくなってきたな…原付の免許くらい取るかなぁ。」
一応、こつこつ貯金はしているし教習所に通う資金くらいはある、と思う。
問題はこの島に教習所とかそういうのあったっけ?という事だが多分あったと思う。
その辺り、ロクに調べて無いから帰ったら調べておこう。
魔術や異能で気軽に空を飛べる身ではないので、徒歩や自転車以外の現実的な移動手段が欲しい所。
「…いや、他にも調べ物とか自衛訓練とかやらなきゃならん事が地味に多い気がしてきたぞ?」
自衛や魔術の訓練は師匠的存在の友人に今度頼むとして、問題は調べ物の方だろう。
自分なりに図書館などに通い詰めて『門』に関する資料を漁ってはみた、が。
「…英語とかよく判らん言語で書かれてるの何とかならねーもんかな…翻訳版を俺は希望したい!」
あと、資料だからそもそもある程度の事前知識が無いといかんのが困りモノ。
もっと初歩的な所から一つずつ調べていくしかないだろう。気の遠くなるような話だが。
まぁ、自称凡人だからそういうのが丁度いいだろう。屋上を歩き回るのは止めて、ベンチの一つに腰を下ろす。
「――くっ!?キンキンに冷えてやがるっ…!!」
ケツがとても冷たい。そりゃそうだろう。でも我慢する。異能で暖めたりはこの前自爆したから控えるとする。
■火光雷鳥 > 「取り敢えず、異能の制御と自衛訓練が最優先かねぇ。『門』については気長にやるしかねーし。
原付免許はまぁ、調べてみてから決めるとして…後は…。」
補習は乗り切った。猫の世話も今のところは順調。むしろ癒される!
魔術に付いては、取り敢えず友人から貰ったリングで毎日地道に使いこなす練習も積んでいる。
「あとは――……まぁ、頭の中の不審人物?は、今の段階ではどうにもならねーし…。」
そもそもいきなり喋るわ、こっちとまともに意志の疎通しようとしないわ、偶に喋ったと思ったらこちらを煽ってくる始末だ。
(…くそぅ、うちの親父とは別ベクトルでむかつくな!)
ベンチに座って寛ぎつつもこめかみがぴくぴくしていた。父親は親というより生涯の宿敵である。
■火光雷鳥 > 「まぁ、あれもこれも一気にやると中途半端になっちまうし、同時進行にしてもゆっくりだなぁ。」
正直認めたくないけど、異能が目覚めた時点でもう凡人からは外れている。
けれど、精神性は別に変わった訳ではない。良くも悪くも年齢相応なれば。
なんで、あれもこれも器用に取り組むなんて真似は荷が重過ぎる。
「――ま、俺は俺のペースでどうにかこうにかやってくしかねーよな、って。」
空を仰ぎ見る。中々にこの島から見る星空も悪くないもんだなぁ、とぼんやり思う。
まぁ、夜のクソ寒い屋上でセンチメンタル気取っても自分には似合わない。
でも、ほら、年頃だからそういう感傷に浸りたい時もあるのだ。分かって欲しい。
■火光雷鳥 > 「っくしょい!!…うん、流石に冷えてきたから引き上げよう。ヒメに餌もやんねーと。」
ぼんやり夜空を見上げていたが、自分のくしゃみで我に返るともそもそ立ち上がる。
取り敢えず、寝る前に教習所のあれこれとか調べとくかぁ、とか思いながら屋上を後にするのだった。
ご案内:「第一教室棟 屋上」から火光雷鳥さんが去りました。