2021/02/07 のログ
ご案内:「第一教室棟 保健室」にラピスさんが現れました。
ご案内:「第一教室棟 保健室」にセレネさんが現れました。
■ラピス > 新年が明けたと思ったら、早いものでもう二月。一ヶ月経った実感がまるでない。
とは言え、カレンダーには真実しか記載されていない。何処に行ったの一月。
――閑話休題、今日もへっぽこ教師は平常運行。頭に猫を乗せて、保健室だ。
「そう言えば、先生は色々お薬作らなきゃなんですよねー」
最近安請負してばっかなんだよなー、とかのんびり思考をこね回しつつ、手慰みにコロコロ。
ぽけーっと手元で転がす瓶は、過日のハロウィンで悪戯用に作った動物仮装薬。
生やしたい動物をイメージしながら飲むと、耳と尻尾がぴょいと出来上がる代物。
これは、ハロウィンの仮装をより精巧に行うための、一種のジョークグッズなのだが。
「……これ、色々応用効きそうな気がするんですけどねー」
耳と尻尾を生やすだけだが、肉体に干渉して、変身を行わせる薬である。
これって逆に、人型以外の種族を人型にすることも出来るよね、とかなんとか。
――動物仮装役の解除用に作ったあれ、思った以上に凄い何かなのでは?
「――まぁ、実験したこと無いんであれですけどね」
クロに飲ませてみるのも、ちょっち踏ん切りつかないよねー、とかもだもだ。
のんきなへっぽこ教師がグダグダとするだけの時間が、ゆるりと過ぎる。
■セレネ > 「ラピスちゃーん、こんにちは。」
病弱でもないのに最早常連になっている、保健室の扉を開けてご挨拶。
いつもは独りだが今回は飼い猫も一緒だ。
青目を瞬かせ、腕の中から小さく鳴いて白仔猫も一人と一匹に挨拶するだろう。
「アルミナも連れてきたので、良ければクロちゃんと遊ばせたいなって思ってるのですけど宜しいですか?
――あら、その手に持っている薬は…?」
扉を閉め、中に入りながら見つけた彼女の手元にある薬。
気になって手元を覗き込むように見てしまう。
薬に興味があるのは、己も医者の端くれ故。
色の違う瞳が四つ、彼女と薬瓶に注がれる。
■ラピス > あふあふ、長閑な雰囲気に欠伸が漏れる。頭上のこにゃんこがふなぁと鳴く。
日曜日の午後のアンニュイな感じやばくね?と内心で独りごちていると戸が開く。
やってきたのは、常連になりつつある仲良しさん。やっほー、と手を上げて。
「やぁ、セレネちゃん。こんにちはですよー」
頭上のクロも、なぅー、と右前足を上げてご挨拶。最近出来る様になったらしい。
ずるんちょ、とへっぽこ教師の頭からずり落ちて、宙を蹴るようにすたっと着地。
それから、なふなふ、と彼女に伴ってやってきた家族の猫を呼んでいた。
「んぅ、最近のクロは器用に下りられるようになりましたねぇ。
うぃ、どぞどぞ。お薬に悪戯さえしなければ大丈夫ですよん。
――あぁ、これはハロウィンの時に耳と尻尾生やした時のアレです」
少女が猫耳尻尾を生やした時に使ったお薬、ということで彼女にひょいと差し出して。
興味あるんでしょー?と言いたげに、むふーと笑ってみせた。
■セレネ > 保健室の主とその飼い猫からの挨拶を受け、微笑ましい気持ちを抱きながら、
前足を挙げた後頭の上からずり落ち華麗にジャンプをして床に着地した様子を見て蒼を瞬かせる。
「クロちゃん、そんな器用な事が出来るようになったのです?凄いですね。」
そして白仔猫を呼んでいるのだと気づけばそっと彼女を腕の中から床に下ろし。
下りた仔猫は黒仔猫の元へと歩いて行く。
「仔猫達も順調にすくすく育っているようで安心しました。
駆け回って薬瓶割ったりしたら大変ですからね…
まぁ、アルミナやクロちゃんに限っては大丈夫だと思うのですけれど。
…あぁ、あの時の!へぇ、これがその薬な訳ですか。」
差し出された小さな手に乗っている薬瓶。
その笑顔に可愛さがあり、つい頭を撫でようとしてしまいつつ。
「……ちょっと、この薬を使って悪戯――いや、反応を見てみたい人が居るのですけれど。
まぁ、私自身も気になりますし…ちょっと、頂いても構いませんか?」
ソワソワ、ワクワク。
最近面白い反応を返してくれる人と友人になったので、彼に盛ってみるのも楽しそうだ。
勿論、用法容量はきちんと守るつもりだけれど。
■ラピス > 家族猫たる白の子猫が近寄ると、クロはぺふぺふと肉球でスキンシップ。
なふなふ。元気ー?とでも言いたげな雰囲気で、普段は見せない気安い感じ。
家族相手だとハードル低いんだねー、というのが如実にわかる。
「ん、最近は落ちる時にスピードをコントロール出来る様になったみたいですね。
相変わらず何をどうやってるのかは知りませんけど。鑑定すれば分かりはしますが」
実害無さそうだから、疲れるし放置気味、というのがへっぽこ教師の談。
黒のこにゃんこは元気にすくすく成長中。餌もたっぷり食べるようになったとか。
「まぁ、アルミナちゃんより、うちのクロが内弁慶のやんちゃっ子なので。
ふふ、これが例のアレですよ。ちなみに、耳と尻尾以外に習性も多少は引きずられます」
猫の耳と尻尾を生やした時は、なんとなく動くものを見ると追いかけたい気分になった。
あれは恐らく、変質した分だけ猫本来の習性や特徴も獲得しているからなのだろう。
伸びた手には、撫でろよぅ、と言わんばかりに待ち状態。へいへい、ばっちこいやー。
「――ほぅ、悪戯。そういう事なら、元に戻す薬とセットでニ本ずつあげましょう。
一セットは悪戯用、もう一セットはセレネちゃんが使う用ってことで、どーです?」
用法用量は単純。仮装薬を一本飲んだら、耳と尻尾が生える。解除薬を一本飲んだら戻る。
計って使うのとか面倒だよね、という理由から、瓶一本を一回分にしたらしい。
という訳で、と愛用のトランクから、青と紫の薬瓶を二本ずつ取り出してプレゼント。
青が仮装薬、紫が解除薬だ。間違えたらどうなるかって?耳と尻尾が生えたまま保健室までご案内だ。
■セレネ > ピンクのぷにぷに肉球でスキンシップされる白仔猫。
基本的に無口な白仔猫は、鳴く代わりに尻尾でアピール。
誰に対してもこんな感じで、ある意味マイペースなのかも。
「見る度にラピスちゃんの頭の上に乗ってますしね。
大きくなると大変そうですが。」
まぁ確かに害がないのなら無理に知る必要もないだろう。
他の仔猫達についても、特に何も聞かないのは健康という証でもあるだろうし。
「あら、クロちゃんは内弁慶なのですね。意外…。
ふむふむ。成程?」
変化した動物に少し寄ってしまうのか。
そしてなでなでを待機しているような雰囲気を感じれば、そのまま手を頭の上に置いてぽふぽふ。
柔らかな髪質で触り心地が良いと感じた。
「それは有難いですね。
薬のお代は…そうだなぁ…そろそろバレンタインですしチョコレートケーキでも今度焼いて持ってきますね。」
トランクから二本ずつ、薬を渡される。
青が仮装、紫が解除。きちんと覚えておかねば。
瓶の色も綺麗で、何かの入れ物にしたいくらい。
部屋に戻るまでうっかり割らないように気をつけないとな。
■ラピス > なふなふ。黒のこにゃんこは一頻りてしてしして満足すると、ぴょんと飛びついて戯れ始める。
最近覚えたテクニックの応用か、必要以上の重さをかけないように、ぽみゅん、と乗っかけ。
それから、なふー、とずり落ちるように転がってを何度も繰り返していたり。
「ん、そうなんですよねー、でっかくなったら重いから首がヤバそう。
だからまぁ、小さい間は乗っけててあげようかなー、とか思ってます」
頭上に乗り切らなくなるまでは、長く見積もっても一年ほどだろうか。
掌に乗りそうだった子が、ずっしり来るまで結構早いらしいから。
まぁ、そんな感じですくすく育つのは、健やかな証だからそれで良いのだろう。
「ですよん。初対面の人が相手だと、先生の頭上で固まりますし。
後の注意点は……そうそう、変身したい生き物の事は調べておいたほうが良いかと」
習性を引きずるということは、思っても見なかった特性等に当たる場面があるということ。
犬耳と尻尾を生やしてから臭いの強いものと対面するとか、絶対大変ななにかである。
他にも色々、種によって特徴は違うものだから、とアドバイス。食性とか、発情期とか。
なお、へっぽこ教師は久々のなでなでを満喫中。どやぁ。
「ほほう、チョコレートケーキ。良いですねー。是非頂きましょう。
……で、本命チョコはどうするんです?作って渡すんです?渡しちゃうんです?」
色恋に縁のない無敵教師は、意中の相手が居るらしい彼女にによによと問いかける。
うっかり見かけてしまったら生暖かい目で応援しよう、とかそんなことすら考えていた。
■セレネ > 白仔猫は黒仔猫から飛びついて戯れられ、ちょっとビックリしたのか毛を逆立てた。
急にやるなと言うように尻尾で床をぺちぺちして不服の意を示す。
同じ事を何度もやって遊んでいるのを、青目に呆れたような感情を乗せてされるがままになっていた。
「クロちゃんもそうですが、頭の上に乗りたがる子多いみたいですね。
話を聞く限りだと茶トラの子も飼い主さんの頭の上に乗ってるみたいですし。」
拾った頃は皆あんなに小さかったのに。
生き物というのは成長が早いものだ。
「そうなのですね。借りてきた猫ちゃんみたいになるのか…。
調べる…あぁ、何かあったら大変ですしねぇ…成程。」
下手をすると手が付けられない事になる可能性もある訳だ。
盛る時期等も考えないといけないなと思う。
撫でられてドヤ顔しているのも可愛らしい。
ついでにもちもちほっぺも堪能してしまおう。
「え、ほ、本命ですか?
…あー…勿論作って渡すつもりではありますが。
あの人ああ見えて結構モテてそうですし…渡されているチョコが多かったらやめておこうかな、とか考えてたりします。
消費するのも大変ですからね。」
片想い中の人について聞かれれば、苦笑しながら答える。
「…ちょっと、ご相談というか。聞いて欲しい事があるんですけど、良いですか?」
なんて、言い難そうに問いかけてみた。
■ラピス > ふなぅー。不服の様子には、ごめんよぅ、と言いたげに鳴きながらも、じゃれ合いは止めない。
遊ぼうよー、と誘っている様子なのだが、白の子猫はその気がなさげ。されるがままだ。
その内、わかったよー、と言いたげに鳴くと、白猫の隣に転んと丸くなる。お揃い、らしい。
「ん、ですねー。ポケットや鞄の中は嫌らしいです。頭がいいのだとか。
なんでなんですかね?主人の上に乗っかれば自分は主人より上だ、とか?」
小さいなりにマウント取ってる系なのかしら、なんて。
その内すくすく大きくなって乗っかれなくなるのに、ふむり。
「ですねー。その分、身内だって認めたらダダ甘ですけど、あの子。
うぃ、まぁ、その辺りで困ったことになったら速やかに先生までー」
経口摂取以外の薬も当然用意済み。注射用とかがその類。
麻酔吹き矢の容量で、薬仕込んで発射すれば、治せるらしい。
ほっぺたはもっちもち。マシュマロ感触だ。
「くふふ、それなら敢えてチョコレートじゃないものを送るのはいかがです?
ほら、チョコレートを消化する間につまみたくなるような、しょっぱからいやつ。
手作りのおせんべいに少しだけバレンタインのチョコを添えるとかもありでは?」
などと適当なアイデアを放り投げると、何やら相談が返ってきた。ふむり。
「あー、まぁ、お力になれるかはわかりませんが、それでもよければ、どぞー」
聴くだけならただですしねー、のほほん。
■セレネ > 家の中でも遊ぶ事は殆どしない大人しい子故か、じゃれられてもどうすれば良いのかわかってないようで。
そのうち黒仔猫はじゃれつくのをやめて隣に丸くなった。
どうせやるなら日向ぼっこが良いと、陽の当たる所に移動して黒仔猫を呼ぶ。
こっちで一緒に寝ようよ、と言うように。
「頭の上からだと色々景色を見られて楽しいから…とか?
実際のところどうなのかは本人に聞いてみないと分かりませんけれど。
猫ちゃん達も喋れれば、もっと意思疎通も図りやすいのですがね。」
時々、何を考えているのか分からない時がある。
…もしかして私に似たのかしら。
「甘えてくれるのも可愛いではないですか。
えぇ、そうします。」
薬を仕込もうと思っている人は男性だから、力ではまず勝てないし。
有事の際はと頭の隅にでも覚えておこう。
もちもちのほっぺはずっと触って居たくなる程だ。
魅惑のほっぺだと思う。
「おせんべいを手作り…和菓子、というかそっちの方はまだ手を付けた事がないのですよね。
作るのだったら一度試作してみないとなぁ…。」
焦がしたりしたら大変だし、と。
そして己の相談事についてはOKを貰えた。
「有難う御座います。
…最近、ちょっと自信がなくなって来た、というか。
何をしてもあの人を呆れさせてばかりで、空回りしてしまっていて。
私は彼の笑顔が見たいだけなのですけど…あんまり笑ってくれないなぁ、と。」
私が駄目なだけかもしれませんけどね、なんて自嘲の笑みを浮かべたりして。
■ラピス > 遊びたいけど乗り気じゃないなら仕方ないなー、というのがクロの見解らしい。
白の子猫に付き合って、日向ぼっこしよう。気分を切り替えて一緒に窓辺へ。
外は寒くとも、中は空調も効いていて程々に温かい。日差しが挿せばポカポカだ。
「ほむ、そうですねぇ……お喋りが出来る様になる、は一つ案がありますけどね。
こう、変身を元に戻す薬は、変身していない状態に戻す、じゃなくて、人にする、なので。
だから、理論的には、解除薬を他の動物が飲むと人型になるかもかも、なんて」
実証実験もしてないから、理論だけが先行してるんですけどねー、とか。
それが出来たら、そこの黒白にゃんこも人型になれるのでは疑惑である。
「ん、まぁ、甘えてくれるのは素敵ですから良いんですけどねー。
大きくなってもダダ甘だとちょっと困っちゃうかもですが……」
いつかは親離れしないと、とかなんとか言いつつも、案外子離れできないかも、とか。
もっちりもっちり。極上感触のほっぺで誰も彼もを魅了しよう。そうしよう。
「ん、それなら、作ってきたら食べちゃいますよ。先生、おやつ大好きなので」
むふー、暗に協力しますよ、と示しつつ、彼女の相談には首を傾げて。
「んー、正直、その辺りはどうにもアドバイスはしにくい部分ですからねー。
ただ、セレネちゃんは遠慮しいなので、その辺りちゃんと伝えてますかね。
セレネちゃんの言う空回りってのが、何処から何処までかも確認しないとですし。
笑ってくれ!と直球に言うのもあれですが、心の中は言葉にしないと見えませんよ?」
それでもダメだった感じです?と彼女を見上げてみる。
■セレネ > 暖かいのが好きな白仔猫はこの時期は特に日向ぼっこをしたがる。
くるりと小さく丸くなれば、白のおまんじゅうの出来上がり。
「…へぇ、そうなのですね?
ふむ…それは是非とも試してみたいものですが…。」
人で試しても問題ないのなら、恐らく動物にも大丈夫だと思うが。
試しに飲ませてみます?なんて首を傾げる。
何かあればすぐに処置出来るだろうし。
「アルミナはいつも控えめなので、私としてはちょっと羨ましいかも…。
なんて言ったら、彼女が悲しみそうですけれど。」
無いもの強請りなのかしら、なんて。
暫くもっちりほっぺを堪能すれば、名残惜しいけど手を離す。
このままだとずっと触って居そうだから。
「消費してくれる人が居るのは有難いですね。
では、チョコレートケーキと一緒に持って行きますね?」
後で作り方を調べておかないといけないな、と思いつつ。
「伝えては、いませんけれど…。
でも、多分何を言っても呆れさせてしまいそうなので。
それならいっそ、何もせず何も言わない方が良いかなって思うのです。
一緒に居て楽しくないのなら、居る意味はありませんし…。
彼と一緒に居る時より、友人と一緒にいる方が楽しかったりしますし。」
蒼を伏せた後、
「…だから、諦めようかな、と…。」
■ラピス > 白の子猫が白饅頭に、黒の子猫が黒饅頭に。窓際がふわふわである。
「んー、まぁ、試してみるのもありっちゃありですけども。
それで人に変わってしまった後で、元に戻せるかっていうと微妙ですよ?
仮装薬がイメージに沿うってことは、猫に戻らない可能性が出てきますし」
ふわふわな二つの饅頭が、人型が良いと決め込んだら元に戻せなくなる。
そうなると、あのふわふわが頭上に乗ることはなくなる。それはなんとも寂しい。
だから踏ん切りがつかない、というのもあってか、実験できないのだとか。
「ふふ、控えめなりに甘えてるのかもですよ。好きにさせるのも甘やかしの一種ですし。
案外、普段から甘えてるのかもしれませんからねー。表に出そうとしないだけで」
それか、彼女が寝ている時などに擦りついていたりするのかも、なんて。
一挙手一投足の全てを見張っているわけじゃないから、案外あり得るかもしれない。
「わぁい、これでおやつが二つに増えましたね、役得ってやつです」
ぐっ、やったぜ。このへっぽこ教師は食い気が旺盛だった。
「んー、先生は恋愛経験ねーので、なんとも言えないですが……。
ただ、先生だったら、どうせ行き着く先が一緒なら全部ぶちまけてから諦めますよぅ。
私はこんだけ真剣に想ってたんだ!それだけは知っといてね!って面倒なことします。
でも、それで後悔なく吹っ切ることが出来るなら、その方が良いんじゃないかなーって。
何も言わずにフェードアウトして、その後うじうじする位なら、爆発しちゃった方が楽かと」
彼氏いない歴=年齢なへっぽこ教師のエビデンスがない回答である。
ただ、どうせなら全部根こそぎ打ち明けちゃえばいいじゃない、人間だもの、なんて。
「諦めないなら頑張ればいいし、諦めるならよりよく諦められる方向を目指すべきです。
何かしらの迷いや悩みに対面した時は、まず自分の位置を把握して、どう転ぶか選ぶのが良い」
そんなもんじゃねーですかね、といつも通りに答えてみる。
■セレネ > 色の違う饅頭に思わず笑みが零れた。
後で写メっておこう。
「…それは、確かにそうですね。
あの子達が人のままが良いと思ったらどうしようもないですし…。」
成程、それもそうかと納得。
それに人になれば一応の戸籍も必要になるだろうし。
「普段から甘えている…その可能性もあるのか…そっか。
まぁ、彼女がそれで良いなら私も良いのですが。」
ベッドに入るといつの間にか一緒に布団の中に潜り込んでいたり、とかがあるので
もしかしたらそういうのかもしれないなと。
「流石に、私は打ち明ける勇気はないですねぇ…。
確かに、貴女の言う通り後悔しない方が良いです、が。」
その後気まずくなりそうだから言いたくない、というのが本音。
己は少なくとも人間ではないのだけれど。閑話休題。
「……。」
相手の言う事は尤もで、理解はできる。
どう言えば良いか分からず口を閉ざしてしまった。
■ラピス > もこもこ、もふもふ。窓辺がカワイイ。小さな幸せが二つだ。
「まぁ、異世界と繋がってて魔術もある世の中ですから、受け入れるのは楽そうですけどね。
人のままが良いって言うなら人のまま付き合うのも手ではありますけれど、ふむり」
その辺りはあの子にゃんこたち次第ですしー、とチラリ。
もふもふ。やはりあのままのほうが良いのではとも思う。悩ましい。
「仲良し同士でいいですねー。うちのクロなんかはべったりですけど。
アルミナちゃんもきっと、セレネちゃんのこと好きだから平気ですって」
ちらっと彼女を見る辺り、心当たりはあるらしい。
なるほどなるほど、それは良いことだ。多分。
「まぁ、そうだとは思いましたけれど、ね。うーにゅ。
この手の話は先生も経験値が無いから上手い案はないのです。
勇気が出ないなら、勇気の代わりに薬を使う、とかは出来ますけどね」
自白剤を応用すれば、思いを全て吐露する薬も出来なくは無さそうだし。
とは言え、それに頼るかどうかは彼女次第。やろうと思えば、出来なくはない、とだけ。
「……いつからその辺りを考えてたのかは知りませんが、寝かしとく程に沈みますよ。そういうの」
悩みを寝かしておいても、解決するわけではない。自体が重くなる場合が殆どだ。
だから、彼女に言えることはこのくらい。何事も、動くのは早めが良い。ありきたりな話だ。
■セレネ > 二匹とも愛情たっぷり受けて育っているので毛並みがツヤツヤだ。
陽の光を受けて照っている。色素の薄い己にはやや眩しいくらい。
「どうするかはあの子達に決めさせないとですね。
あの子達自身の身体ですし、人と猫だと生き方も変わってきますから。」
ただ、猫だと人ほど長く生きられない。
いずれは来てしまう別れを考えると、少しでも長い方が嬉しくはある。
どうするのかなぁ、と思いつつ。
「クロちゃんも寝る時はくっついてくるのです?
まぁ、好きじゃなかったらとっくに離れていっているでしょうし、ね。」
比較的似た気質だし見た目も似ているからかもしれない。
「…あぁ…自白剤は勘弁を…。
私、人に何かを言う事が昔から苦手で…。
信頼している人なら言えるのですけど、ね。」
基本的には必要以上の事は話したくない主義なので。
「実はちょっと前から…。
話せる人がいなかったですし、そっとフェードアウトするつもりだったのですけど…。」
彼女に話す辺り、どうすれば良いのか己でも分からなかったのだろう。
少し、気分が軽くなった気がした。
■ラピス > 子猫二匹の日向ぼっこを見ていると、自分も日向ぼっこしたくなってくる。
そろそろ日も斜めになってきた頃合いだが、それでもまだ暖かいのだろうか。
「ですねぇ。とは言え、どう決めさせるのかって感じですけど。
言葉は通じませんからねぇ。うーにゅ、次の課題かもしれない」
こにゃんこを人型にしたらどうなるだろうか。研究テーマには十分すぎる。
だが、愛情を注いで育てた子猫を使うのはなんとなく気が引ける。
――愛情を注いでなければ使う、というわけでもないのだけれど。
「クロはよくお腹の上に乗っかりやがるのですよ。こう、どでん、と。
お陰で、クロより早く目が覚めると、起こすのも何だから動けないのです」
平日はそれでもどかしちゃうんですけどねー、と苦笑い。
休日は、乗っかられたらそのままにして楽しんでいるらしい。
「……その理論で行くと、セレネちゃんは好きな人を信頼してないことになりますねぇ。
あぁ、言葉の端を絡め取った意地悪とかではなく、事実ベースでそうなのかなぁ、と」
信頼している人には言える。なら、言えないのは信頼していない証拠。
端的な事実だが、そこに気づいているのかしら、と敢えて言葉にしてみる。
「そして、先生は信頼されているようですね、ふふり。
とりあえず、少しでも後悔が少ない方向探せば良いんじゃないですかね」
大したアドバイスも出来ないなら、話を聞くにとどめておく。
それで、少しでも彼女が楽になったらそれでいい。そんなもんだ。
■セレネ > 今の時期は陽が傾くのが早い。そろそろ窓辺が冷えてくる時間帯だ。
彼らが起きる前に、とスマホを取り出して一枚パシャリ。
うん、可愛い写真が撮れた。
「まだまだ問題は山積みって事ですね。」
仔猫も一つの命だから、尊重すべきであるけれど。
「今は大丈夫ですが、大きくなるとそれも大変そうですね。
ラピスちゃんが潰れてしまいそうで。」
己は胸のせいもあり、仰向けで寝られないからちょっと羨ましい。
お腹も触り心地が良さそうだと思った。
「――あぁ…そうなのでしょうね。
他の男性の友人達と比べても、信頼度は少なくとも彼らの方が上かと。」
彼女から事実を述べられれば、言われて初めて気付いたと蒼を瞬かせた。
「それはそうですよ。今の所貴女にしか私の”名前”、教えてませんからね。」
彼女には最大級の信頼を置いている。
そこは自信持っても良いんじゃない?なんて微笑んでみたりして。
そして後悔が少ない方を、と言われれば頷くだけに留めておく。
■ラピス > すぴー、すぴー。窓際で眠っている二匹は、斜陽に照らされている。
若干赤らんだ光が指す中、しかしまだぬくぬくと暖かいのか起きる様子はない。
もう少ししたら、起こしてやらないとなぁ、なんて暢気の眺めつつ。
「ですねぇ。いずれ、人の形にしてかわいがってやりたくはありますが」
へっぽこ教師も一応は魔術の使い手。猫は使い魔に丁度いいのだ。
クロが望むなら、己の使い魔としてたっぷりこき使ってやる予定。
代わりにもふもふふかふか可愛がるから、報酬としては十分なはずだ。
「ですねー、もぎゅってなる前に卒業してほしいものです。
セレネちゃんは素敵なお餅があるから、寝る時は横向きですかね」
たわわん。あのお餅はきっと自分のほっぺと同じかそれ以上のマシュマロなはず。
口に出すとセクハラおじさんな気がしてきたので、喉元でステイだ。
「やっぱり。セレネちゃんからしたら、悪戯しに行く相手の方が信頼度高そうです。
だとしたら、それは諦めるなんてものじゃなくて、もっと単純に、勘違いか思い込みなのかも。
思慕の感情は、そういう事も良くありますからねぇ。実際どうかはセレネちゃんしかわかりませんが」
初めて気づいたのなら、そういうことなのかもしれない。
単に事実から持ち出せる類推だけを口にすると、うむーと首を傾げて。
「まぁ、信頼出来ない相手を好きになった時に、信頼したいかどうかじゃないですかね。
そこが割と面倒だなとか想ってしまうなら、その関係は恋や愛じゃなくするべきかと。
――なるほど、それじゃ、先生がセレネちゃんとらぶらぶすれば解決じゃないですか!」
完璧な解決策、とドヤ顔冗談を投げておく。へっぽこらしさもしっかりアピールだ。
■セレネ > 己だと陽で肌が焼けてしまうから、日向ぼっこが出来ない。
だから少し仔猫達が羨ましくも思うのだ。
まぁ己は太陽より月の方が相性も良いのだけれど。
「人になったら可愛い服着せたりとか美味しいものも一緒に食べられますしね。
新しい娘が出来たようで、それはそれで楽しそうだなぁ。」
目の前の相手がまさか飼い猫をこき使う予定だとは思っていない。
でもこの子達の人の姿がどんなものか、見てみたい気もする。
「大きくなってもお腹の上に乗られたままなら、睡眠に支障が出そうですしね。
そうですよ、横向きじゃないと肺が圧迫されて呼吸が難しくなるので…。」
マシュマロなお餅ではあるものの、悩みは尽きないのが困りもの。
「――…確かに、その可能性も出てきました。
本当に好きなら…多分こんな事ではめげないでしょうし、ね。」
顔色を伺って付き合うなんて、そんなのは多分恋ではない…のかもしれない。
「まぁ、元々彼に明確に『好き』とは伝えてませんでしたし…。
凡そ察されてはいるのでしょうけどね。
…信頼したいか、と聞かれると…多分、私と彼だと性格も合わなさそうな気がするので…。
――あら、仮にラピスちゃんとラブラブするのならもう少し身長が大きくなってからが良いですねぇ。」
今だとただの仲が良い姉妹、に見えてしまうだろうしなんて、
ドヤ顔のジョークにはそう返しておいた。
■ラピス > 白い子猫はともかく、黒い子猫は大分熱を集めやすいような気もする。
窓辺の二つの饅頭は、しかし温度は黒い子猫のほうがホカホカなのではないか。
付き合いで日向ぼっこしていたはずが、熟睡モードっぽいのでもう少し置いておく。
「ですです。うちのクロは男の子だから、どんな感じの子になるんでしょうかね。
まぁ、あまりやんちゃでどたばたしなきゃ、わりかし何でも良いですが……」
それより、この背格好に恋愛経験無しで子持ちの方があれなのでは、とかなんとか。
その内、時間で直る薬が出来たら、試しに使ってみるのもありかもしれない。
「まぁ、そしたら横に転がして一緒に寝るのが限界ですねぇ。
ふふ、お餅を持つ者の悩みですね。先生には分かりかねますが」
何せこのぺったんこですし。えぇ。ぺったんこ。
「憧れを恋慕と間違えるパターンもありますからね。
一度距離をとって、関係性を見つめ直してみるのもよいかと」
案外、ありきたりであたりまえなことでも気づけない時はある。
だから、今はそれらを目の前に提示しておこう。選択肢はあるのだと。
「イベントが有っても進展がないようですからねぇ。クリスマスとか。
それで先を望もうってのも中々厳しそうですし、良いんじゃないですか?
……うーにゅ、それだと単純に100年単位で後になりそうですねぇ。長寿なので」
成長、遅いんですよねー、と嘆息しつつ、伸びを一つ。
くすくすと笑い合えば、彼女の調子も戻った頃合いだろう。
それならばよし、と席を立って、そろそろ子にゃんこを起こすとしよう。
いくら空調が効いていても、窓辺はそれなりに冷えるのだから。
「さて、それじゃ、子にゃんこにおやつもあげなきゃですし、お茶はいかがです?
この間節分で使った豆撒き用の豆が余ったので、蜂蜜漬けにしたやつがあるんですが」
此処から先は平常運行、ということでゆったりお茶会に移行だ。
夕飯前だから軽く一杯だけ。こにゃんこと一緒にのんびりとした時間を過ごすのだった――。
■セレネ > 黒ですからね、太陽光集めやすいよね。
熱中症にならないか少し不安になった。
「黒髪で金の目の男の子かぁ…絶対可愛いですね。
アルミナの場合は私とあまり変わらなくなりそうなので、実子と思われそうですが。」
私も白いし、蒼目だし、なんて。
時間で戻る薬が出来た時にはきっと己も欲しがるだろう事。
「猫ちゃん温かいですし、湯たんぽ代わりにもなりそうですね。
…えぇ、もう本当に。合う服を探すのも大変ですし。」
分けられるなら分けてあげたいくらいですよ、と苦笑して。
「そう、です…ね。冷静になれば見える事もあるでしょうし。」
恋愛経験豊富、という訳ではないから猶更気付かなかったのかもしれない。
もしくは絶賛傷心中なせいかも。心の傷は未だ癒えないままだ。
「…クリスマスは一緒に祝いたかったのですが、お仕事忙しいとかで断念しまして。
だから、うん。…そういうのもあって厳しいかな、と。
――あら、私も長寿ですよー?まぁ死の概念があるかは分かりませんけれど…。」
成長が遅いならそれをゆっくり眺めるのも一興だろう。
彼女のお陰で心が軽くなった気がして、話して良かったと感じた。
「えぇ是非。寒いので暖まってから外に出たいですし。
蜂蜜があるなら、ジャムと混ぜて舐めながら飲みたいです。
私いつもそのやり方で紅茶を飲んでいるので。」
所謂本場のロシアンティーの飲み方だ。
少しだけなら大丈夫、と起こした仔猫を膝の上に乗せながら
二人と二匹で楽しく談笑するだろう。
ご案内:「第一教室棟 保健室」からラピスさんが去りました。
ご案内:「第一教室棟 保健室」からセレネさんが去りました。