2021/10/11 のログ
ご案内:「第一教室棟 廊下」に深見 透悟さんが現れました。
■深見 透悟 > 時は夕刻、黄昏時。
黄昏は誰そ彼に由来し、夕暮れのなか相手の輪郭が朧気で判断が付きにくい時合いという意味から成っているといかいないとか。
『つまり正体不明が跳梁跋扈するには持って来いの時間ってワケだヒャッハァー!!』
既に生徒は粗方下校してしまった時間帯。
昼間は適当な教室でうたた寝していた幽霊もにわかに活気づき始める。今夜はオールで墓場で運動会だ!
『そういや墓場って近所にあんのかな。
何かそれっぽいのがあるって聞いたけど、何処にあるのこまでは聞かんかったなー……行かんけど。』
そもそも埋葬されてねえんだ俺、と独り呟くのはもはや馴れっこいつもの姿。平常運転というやつだ。
■深見 透悟 > 『しっかしまー、何て言うんでしょうね。非常に暇であります。
適当に居残りしてる奴脅かして回っても良いんだけど、生憎みんな真面目に帰ってるし。』
ふらふら。廊下の中空を漂いながら散策する幽霊。
誰かを驚かすために幽霊になったわけでもないし、
幽霊になったからといって誰かを驚かさなければならないわけでもないが、
せっかく幽霊になったのだから誰ぞ驚かせてみたい。そんな心境。
『ついでに誰も居ないと思って迂闊に着替え中の子とか居たら言う事なしだよね。
え?ゲームやファンタジーじゃないんだからそんな奴居ない?そんなぁー』
肉体を離れた所為か色々と正直にも見えるが、幽霊になる前からこいつはこんな調子だった。
文字通り生来のものである。他の幽霊さんの矜持の為にこれだけははっきりさせておこう。
■深見 透悟 > 『そもそもの話よ。
もしやすると幽霊、怪現象としての知名度が高くないんとちゃうか俺。
こうしちゃ居られねぇ、ニュービーゴーストとして一旗揚げにゃ!』
こいつはコトだぜ!とばかりに何か思い立ち行動を開始する幽霊。
そもそも幽霊としての知名度を上げるとは何なのか。
『まずはあれだろ、幽霊と言えばヒュ~~~~ドロドロドロドロってやつだろ。
あれがあれば百パー幽霊だって分かるしな。先人の知啓に乾杯!
でも俺楽器弾けねえ!死んだ!……あ、死んでるわ。』
計画その1、実行前に破綻!
■深見 透悟 > 『フッ、灯台下暗しとはまさにこの事。
しかァーし、こんなことで挫ける俺ではない!
楽器がダメでも俺には自慢の喉がある。』
幽霊なのにどこから声出してるんだっていう疑問はひとまず置いておく。
自信満々に胸を張って(見えないが)、幽霊は廊下の端まで移動し始めた。
一つのエリア内なら結界でも張られていない限りは移動し放題である。エリアを越えた移動は単独だとちょっと疲れる。
『よし、ここから一気におどろおどろしい声を上げながら右往左往すれば噂になる……はず!
そうしたら無軌道な若者が肝試しと称して群がってくるって言う寸法よ。天才か。』
皮算用にも程があるのはこの際置いておこう。
『よっしゃ、いくぜ。
……あ~~~~~ああ~~~~~~~~~~』
クリスタルキングかターザンか。
おどろおどろしいには程遠い奇声を上げながら、幽霊は廊下を爆進中。
■深見 透悟 > 『ふぅっ、これくらいやっとけば明日には教室のトレンド掻っ攫ってるだろ!
……って、おFu○k!!!誰も見ちゃいねえ!!』
この場合不可視な存在なので誰も聞いちゃいねえ、が正解。
更に言えば誰も居合わせちゃいねえ、が完璧な解答。
奇声を上げながら廊下を数往復した幽霊は流石にバテたのか、ぐったりとやや掠れ気味の声でぼやく。
『やっぱさ~、誰か通り掛かってくれねえと困るなー。
生者あっての死者って感じするじゃん?何事もさあ。
いや他所に注目集まってる気配はしてんだけどなー、時空超えて。』
廊下の隅でいじけ虫になりながら明後日の方を睨む幽霊。
恨めしや、と自然とそれっぽいセリフが口をついて出たり。
■深見 透悟 > 『くっそ、今日の所はこれくらいで勘弁しといたるわ!
だが忘れるな、俺は何度でも現れる、何度でもな!
フハーッハハハハハ!』
廊下に木霊する珍妙な笑い声は、小さな溜息と共に消える。
その後はしん、と静まり返ったいつもの放課後の廊下だったという──
ご案内:「第一教室棟 廊下」から深見 透悟さんが去りました。
ご案内:「第一教室棟 廊下」に阿須賀 冬織さんが現れました。
■阿須賀 冬織 > 「ん、何か聞こえたか……?」
風が気持ちいい季節になってきて、屋上で寝転んでいたら辺りが暗くなりかけていた。
流石にこれ以上は涼しいというより寒いと表現するほうがよくなってくる時間帯だ。
「んー、気のせいか。っと、流石にそろそろ帰んないとな。」
下の方から何やら笑い声が聞こえた気がしたが、気のせいかと思い直して屋上を後にして。
明日の授業の用意なんだったっけな、とか考えつつ一人で廊下を歩く。
■阿須賀 冬織 > 「……最近幽霊とか噂だし、どっかで会ったりしねーかな。雰囲気的には出てきてもおかしくねーけど。」
幸運な事?に、何かそういったモノに出会うこともなく。
今度夜の学校探索でもしてみるか、なんて呑気に考えながらそのまま彼は校舎を後にした。
ご案内:「第一教室棟 廊下」から阿須賀 冬織さんが去りました。