2021/10/19 のログ
ご案内:「第一教室棟 教室」に深見 透悟さんが現れました。
深見 透悟 > 『今日はー、なーにを、しーよぉーかーなー
 はーい、憑依について少し真面目に考えてみようとおもーう!』

夜の常世学園、数多ある教室の一つ。
適当な机にガラクタを並べながら、今日は普段より真面目さ5厘増しくらいの幽霊。

『イェリンさんは普通の物、無機物より有機物の方が憑依はし易いんじゃないかーみたいなコト言ってたけど。
 そもそも憑依を試したの自体がボールペンが初だったし、いろいろと試してみましょーってことで。』

夕方から今まで、廊下や空き教室に置き去りにされてた物を拾い集めてきたのだった。

深見 透悟 > 『いえーい、今回の実験に使うイカレた奴らを紹介するぜ!
 まずシャーペン!こないだのボールペンの事を考えたら結果見えてる気がしないでもない!
 続いてサッカーボール!なんで廊下に転がってたんだお前!
 更にトマト!料理研究部の冷蔵庫からのエントリーだ!
 そして何処からか脱走して廊下の片隅で震えてたハムスター!……え?ハムスター?
 そしてボーカルはこの俺、深見透悟だぜセンキュー!!』

そんな物を拾い集めてくるんじゃない、と叱責してくれる良識ある人間は残念ながら下校済み。
がらんとした教室はロックフェスの熱気に包まれそうな、そうでもないような。

『ていうかハムちゃんどっから逃げて来たんだろうな。』

ほんとそれな。

深見 透悟 > 『んー、俺としてはボール、トマト、シャーペン、ハムちゃんの順に成功度高そうなんだけど。
 こないだボールペンが指先しか入らなかったのは、俺がそう思ってたからそうなった、って可能性が無きにしも非ず……
 イェリンさんも言ってたしな、実体が無いから精神的な在り方に引っ張られる、って』

実際にその通りなのかは分からない。もしかしたら掛け値なく指先だけしか憑依出来ないのかもしれない。
だから実験する。失敗することが分かるだけでも今回は収穫なのだ。
むしろ失敗は前提として集めて来たふしもあるので、暴走幽霊は最初からブレーキを若干破壊してお送りします。

『となると、逆にハムちゃんから試して失敗を重ねてく方が順当?
 でも生き物への憑依って大丈夫なの?ハムちゃんに悪影響出ないかな?
 幽霊の先輩たちに訊いた方が良さげりおん?』

適当に拾って来た箱の中に収めた新聞紙の中でスヤスヤと眠るゴールデンハムスターを眺めながら、実験とは別の方面で心配している幽霊。
万一この小さな命に何かあれば大変だ。自分は死んでいるけれど、だからといって他の誰かに死なれてしまう事に抵抗が無いわけではない。
むしろあってたまるか。

深見 透悟 > 『あ~~~~、それにしてもハムちゃんめっちゃ可愛い~
 これはキュンですわー、癒し。めっちゃ癒し。
 こんなにちいっちゃいのに生きてるんだもんなあ。』

丸まって眠っているハムスターを眺めているうちに段々と絆されてきている幽霊。
はたから見ればシャーペンとサッカーボールとトマトとハムスターが並んでいるだけのシュールな光景だが、
更にそこに癒され顔の男子幽霊が居るという輪をかけてシュールな状況。

『生まれ変わるときはこういうちいちゃくて可愛い生き物になる~』

そしてどうにかなれーって言う~ と緩み切った顔でのたまっている。
姿が見えなくて良かった瞬間だった、とこの時を振り返って幽霊は思ったとか、思わなかったとか。

深見 透悟 > 『いやいやいや、ハムちゃんに見惚れてる場合じゃない。
 憑依だよ憑依。でもハムちゃんに何かあったら嫌だな~……』

透明な指先で眠っているハムスターに触れるか触れないかの距離をつんつんとつついてみる。
触れてもすり抜けてしまうだけなのと、気持ち良さそうに寝ているのを邪魔したくないのとで触れられないが、幽霊は至って満足げ。
ふあああ、と気の抜けた声を上げながらハムスターを愛で続ける。

『ハムちゃんどこから来たんだろうね~ 喋れたらおうちも分かるのにな~』

猫なで声ならぬハム撫で声。
こんなにもハムスターに骨抜きにされてるのは、生前ネズミをペットとして飼ってた経験があったから。