2021/11/08 のログ
ご案内:「第一教室棟 屋上」に深見 透悟さんが現れました。
■深見 透悟 > 「いやー働いた働いた。一生分の土いじりしたわー
俺ってば農家に生まれなくて良かったー、ぜってー向いてねえ!!」
夜の屋上の床に大の字に転がるテディベアあり
言うまでもなく絶賛憑依中の透悟だ。いつになく満足気である
昨夜常世公園にてひぃひぃ言いながら土人形を作り、明け方前におおまかな土台は完成、
テディベアの体でどうにかこうにか蓄えた魔力を使い、細かい容姿などの調整を行って、日の出とともに完成を迎えたのである
「ぱっと見死体だけど、とりあえず人の来なさそうな植え込みに放り込んであるから見つかったりはしないっしょ
なんかそういう噂話もニュースも聞かんかったし。やっぱ俺ってば天才が溢れ出てんなー死してなお天才か」
完成した土塊ボディは今言ったように公園の片隅の植え込みの陰に安置して、生徒たちが登校し始めまえに居候先に帰宅
夕方過ぎまで爆睡して、今に至る。生活リズムは完全に夜型だ。だって幽霊だからね!
「後で様子見に行かなきゃなー……ま、その前に今日は今日でやる事があるっ!」
■深見 透悟 > 「新たなボディに移行するためにも、リリィからは一旦出ないとなー……何だかんだで1週間くらい入ってる気がするし
出方さえ分かれば、土塊ボディもリリィボディも両方使えるしいざとなったら幽霊にもなれるし、これはもはや最強では?
天才で最強とかもう無敵だな?無敵時間さん!?」
突然アパレルブランドの名前を叫びながら身を起こすテディベア
はたから見れば異様だが、これがもはや通常運行。独りでも喋り倒すのが深見透悟という幽霊である
大抵の人間には見えない&触れられないため、どうしても喋る事が存在証明みたいになる部分が多いから仕方ない
「それにまあ、リリィ以外にも取り憑けるものは多い方が良いってルリエルさんも言ってたし?
人間相手はまだ怖いけど……どのみちリリィから出られなきゃどーにもならんっ!」
ベンチによじ登るとぺたんと座り
さてさてどうやって試していこうかと考え始める
■深見 透悟 > 「やっぱ気張ってみるのが一番かなぁ
体から抜け出すイメージ……幽体離脱ってやつな
俺ってば幽霊だけど幽体離脱なんてした事ねえから分かんねえってばよ」
誰か幽体離脱得意な人知らんー?と辺りを見回してみるけれど、まあそんな都合のいい人物が居るはずもなく
まあとりあえずやってみよー、って事で目を瞑って精神統一
魔術が使えたんだから感覚としては近いだろうと踏んで
「ふぬぬぬぬぬ……!!!」
夜の屋上、ベンチに腰掛けて気張るテディベアの姿あり
寒空の下で何やってんだろ、と心の片隅で思う自分を必死に無視しつつがんばる透悟
■深見 透悟 > 「ふんぬぬぬぬぬぎぎぎぎ……!!!!」
子供でも生むんじゃないかってくらい気合を入れて息むクマ
テディベアの体にある魂を、外へ外へと押し出す、あるいは引き出すイメージを維持するのは思ったよりも重労働
ちょっとでもイメージが崩れれば集中も霧散しそうで、ギリギリの綱渡りだがなんとなーく体から何か出そうな感覚が来て
「これまでに会った人たちに、また別の姿で会うために……!」
今日までに常世島で出会った人たちの姿が頭を過ぎる
気のせいか女性が多い気がしたし、気のせいかグラマラスな人が多かった気がする
ふかふかのもちもちで柔らかさの暴力のような……
「あふん」
いい感じだった幽体離脱、見事に集中が切れた
俺の馬鹿!!!!とベンチに四つ這いになり自分を罵倒するテディベア
■深見 透悟 > 「良い感じに来てたのに!!俺の馬鹿!スケベ!!!」
ベンチを拳で叩いてみるも、ぽふんぽふんと気の抜ける効果音が響くだけ
それがまた一層自身の不甲斐無さを語るようで良い知れない感情に包まれる
ちょっとだけテディベアのままでも良いかも、と考えてしまった自分が愚かしい
「くそっ!!!くそっ!!!何で俺はッ……俺はぁぁぁぁッ!!!」
夜の屋上、ベンチに拳を打ち据えながら慟哭するテディベアあり
■深見 透悟 > 「くっ……そぉぉぅ!!!
こうなりゃ意地でも今日中に幽体離脱を成功させてやる
去れ、煩悩よ!!……いや、煩悩ごと離脱したるわい!」
ひときわ強くベンチに拳を振り下ろしたのち、四つん這いで戦慄くテディベア
世にもみっともない姿を晒したのが、誰も居ない屋上で良かったと密かに安堵しつつ
「うおおおおおっ!飛び出せ、俺の魂ッ!!」
その後気合を入れては雑念で失敗する事数回。
もういい加減諦めよう、次でダメなら今日はダメな日だわ、とネガティブに気持ちが傾いたところで
透悟は1週間ぶりにテディベアからの脱出に成功したのだった
ご案内:「第一教室棟 屋上」から深見 透悟さんが去りました。