2021/12/12 のログ
ご案内:「第一教室棟 食堂」に桃田舞子さんが現れました。
桃田舞子 >  
疲れた表情でカレーうどんを目の前にしている。
私は、あっちゃんの………
芥子風菖蒲委員の負傷を契機に落第街の………
   ・・・
違う。歓楽街の警邏に志望し、着任している。

でも、目立った活躍どころか。
私は日々起きる残酷な事件の後始末に精神を擦り減らしている。

同じ人間が殺し合うことに。
私の心は軋んでいるのかも知れない。

食欲は起きない。
カレーうどんを前に箸を握ったまま止まっている。

桃田舞子 >  
私は風紀委員として……責任を果たすべきだから…
ちゃんとご飯を食べて………
この後、脚甲をつけて……刀を持って…………

また、あの街へ行く。

それを考えただけで気分が落ち込む。
大好きだったカレーうどんが。
今はあんまり好ましい食べ物に見えなくなっていた。

私の……仲間や一般住民を守りたいという意思は…
間違っていたのかな……おばあちゃん…

桃田舞子 >  
そもそも私がするべきことと、したいことってなんだったんだろう。
ただのモブが、ヒーロー気取りで警邏なんてしてていいのかな。

気力を振り絞ってうどんを一口食べる。
味は何も変わっていないし、温かいままなのに。
あまり美味しいとは思わなかった。

あっちゃんが入院した時に、私は多分ダスクスレイを捕まえたいって思ったんだと思う。
でも、実際にあいつの起こした事件の形跡を調べたらわかる。
私なんかではあいつには到底敵わない。

でも、本当に私はあいつに勝ちたいって思っていたのかな……

ご案内:「第一教室棟 食堂」に幣美奈穂さんが現れました。
幣美奈穂 >  
「なにうつむいてられるのですか?
 はい、カレーコロッケ、おまけなのです」

お料理欲、芋煮会の時期が過ぎたその欲求を、学食のお手伝いで消化している美奈穂です。
巫女服に割烹着、三角頭巾といういでたちでして。
菜箸で摘まみあげたコロッケをおまけとしてカレーうどんの上に乗せるのです。

「お食事、美味しく食べないといけませんの!」

土日祝日は風紀委員お休みデー、ついでに毎日定時上がりな風紀委員4年目。
そんな美奈穂、せっかくの和風だしを利かせたカレーうどんを美味しそうに頂いていない舞子様に、
ちょっと不満なお顔です。
カレーうどん、あつあつで食べるべきだと思うのです!

桃田舞子 >  
突如、声をかけられて。
私の思考は中断される。

「あっ……えっと…」

コロッケ……彼女が言うに、カレーコロッケが私のカレーうどんに載せられる。

「あ、ありがとうございます……?」

思い出せ。思考の靄を晴らせ。
彼女は確か……

「幣美奈穂………先輩」

小さいけど、風紀の四年生。私の先輩に当たる人。
すらっとした印象を受けるのに、背の小さい。
ソプラノボイスで……私を心配してくれている…

なにか。なにか言わなきゃ。なにか。

幣美奈穂 >  
「ほらほら、早く頂きませんとおうどんがびろーんなっちゃいますわよ?」

早く食べてくださいませ、と。
刻んだ青ネギの入った器を次は手に取りまして、それをトングでたっぷり挟みます。
カレーうどんに青ネギたっぷり、結構いけるのでは?派なのです。
隙を見せれば乗せる勢いです。
本人はわんこそばにお蕎麦を入れる如くと思っておりますが、素早くないですので簡単に防げますけど。

「桃田様、お元気出さないと。
 ほらっ!、風紀委員会は元気が大事ですわ!
 たくさんたーんと食べて元気一杯になってくださいませ!」

先輩呼びされまして、傍目にも判るぱぁ~っとした陽の雰囲気です。
風紀委員として、日頃は部署のお仕事もなく色々お手伝いとかしてたり、
今の時期だと委員会本庁のロビーの窓際の隅っこで、周囲の野良にゃんこさんたちと一緒に日向ぼっこしてたりしますけれど。
そんな風紀委員なのです。

桃田舞子 >  
「はい……」

青ネギをトッピングされる。
これ以上、まごついていたら食べきれない量をトッピングされるかも知れない。
不思議とそんな危機感を抱いて、カレーうどんを食べ始めた。

温かい。美味しい。はずだ。多分。

「あの」

食べながら、おずおずと聞いた。
どうして。どうして……

「私の名前、知っているんですか?」

どうして。モブなんかの名前を。

幣美奈穂 >  
山盛り刻み青ネギ、IN。
満足げな笑顔でうんうんっと頷く美奈穂なのです。
そして、お葱の入った器を置きましたら、次の器、天かすです!
天かすも悪くありませんわよね!
そう、次は大匙の木匙で天かすを乗せる隙を伺っている様子を見せるのです。

「おにぎり、入れても美味しいそうですわ?」

食べますか?
サービスしますわ、とそんなお顔で尋ねるのですけれど。
でも、知っているかと尋ねられまして、「――?」ときょとんとして小首を傾げさせます。

「ほら、委員会のロビーでお仕事お出かけしますの、見かけましたもの」

当たり前のように、にこりと花咲く笑顔でお答え致します。

桃田舞子 >  
「いえ……これ以上のトッピングはさすがに食べきれないので…」

食べる。食べる。食べてみれば、不思議と。
味もわかる。
カレーコロッケカレーうどんなんて、珍妙な食べ物になってしまったけど。
美味しい。温かい。ネギが香り高いのも良い。

「……そんな理由でモブの名前も覚えているんですか?」

困ったように、それでいてぎこちなく笑って。
うどんを食べながらになってしまうけど。
先輩と私は確かに話している。

幣美奈穂 >  
「・・そうですの?
 お腹、頑張ればおにぎり1個ぐらいとか・・」

休みの日にやっていた炊き出しの芋煮会の後遺症。
沢山の方に食べて頂いていたので、少々まだ食べさせたりない奉仕精神の暴走なのです。
食べさせたい年頃なのです。

「?
 茂部さんっておられましたかしら?」

モブと言われても、それが人のお名前と思ってしまい。
表情に「?」と浮かべまして、また首をちょこりと傾げさせてしまうのです。

元気がない時、お腹いっぱい食べれば元気も出て来るものです。
それが美味しければさらによし。
表情が優れないご様子・・もっと食べて頂かないと!、と。
何故か心で思っている美奈穂なのです。

桃田舞子 >  
「いえ本当にもうギリギリなんで……!!」

初孫にミカンを勧めるおばあちゃんのノリでおにぎりを積もうとしてくる。
慌ててカレーコロッケカレーうどんを食べる。
これ以上まごついていたら本当に色んなものを盛られる!!

「違います、モブっていうのは……」

視線を下げて、カレーうどんを食べながら。

「脇役のことを言うんです、私みたいな……」

脇役。端役。モブ。有象無象。一山いくらの雑魚風紀。
多分、私はそんな役回りだ。

自分の人生を生きている人には。わからない。モブのことは。
そんないじけた感傷を人にぶつけたことに、私はこの数時間後…
彼女と別れた後に気付いた。

幣美奈穂 >  
想像された通り、美奈穂はおばあちゃんっ子なのである。
本人は小食なのに、人に食べさせるのは大好き。

「あっ、それなら。
 おやつにおにぎりもっていきますかしら?
 ほら、委員活動してたら途中で小腹が空いちゃうかもしれませんし・・」

なんと、中身は梅干しのとおかかのと鮭の3つ、ご用意できます。

「茂部さんっていのは・・?」

視線を下げられますので、そのお顔を追いかけるようにしまして。
上半身ごとくにゃりと身体を曲げさせるのです。

「――脇役さんなのですか?
 なんの脇役さんなのですかしら?」

美奈穂はテレビとか見ないのですが、桃田様、委員会活動以外に部活動で演劇とかもしてるのでしょう。
あっ、死体役とか、通行人役とか、そういうので下積みしているのかもしれません。
ドラマ好きなお友達のえっちゃんが、そういうのを教えてくれたりします。

桃田舞子 >  
「い、いえ……落………」
「……歓楽街の警邏中におにぎりは食べられないので…」

落第街なんて街は存在しない。
だから、歓楽街の一部治安の悪い地域の警邏。
それが今の私の仕事だ。

返答に、思わず笑ってしまった。
想像以上にピュアな先輩だった。

「いえ、なんでもないです」

そう言ってカレーコロッケの一部を解いてつゆになじませる。
私は少なくともコロッケそばの時はこうする。

「……先輩は、自分が役立たずかもって思ったら」
「どういう風にメンタルを切り替えていますか」

幣美奈穂 >  
「――えっ!?
 歓楽街だと、見回り中に食べちゃだめなのですの!?」

がーんと、お目め大きくしましてびっくりしてしまいます。
商店街とかだと、よく頂きますのに!
――ごくりっ、歓楽街の見回り、厳しい世界のようです。

「じゃ、じゃあ。もっときちんと食べませんと・・」

ラップで包んだおにぎりを1個、両手で持ってそわそわします。
その視線、桃田様の服装・・ぽけっとに。
そこに入れようとしているのがよく判る雰囲気です。

「お役に立てますように頑張りますわ?
 何かは判りませんが・・何かでお役に立てなくても、
 探しましたら他の事でお役に立てると思いますの」

お目めぱちぱちとします。
そして応えは「頑張る」なのです。
頑張れば、出来る事を見つけれると思っているのです。

桃田舞子 >  
「本土の話になってしまいますが」
「先輩は巡視中の警察官がおにぎりを食べながら歩いていたらどう思います?」
「水を飲むな、何も口にするなという話ではありませんが」
「法の守護者には相応の振る舞いが求められる……と、私は思っています」

風紀の先輩に言うのは、間違っているのかも知れない。
そもそも今の私になにか正しいことがあるのかはわからない。

「いえ、本当にこれ食べたらお腹いっぱいになりますから!」

慌ててそれを制止する。
彼女と話していると、いじけている心がどこかに飛び去ってしまう。
そう感じる。

「そうですか……」

私の『頑張る』は間違っているのかも知れない。
少なくとも、真面目にやっていれば交通部の仕事はちゃんとできていた。
落第街に行って、パトロールなんて…私には分不相応の高望み、なのかも。

幣美奈穂 >  
ふむふむっ。
真剣な表情で、こくこくと頷きながらたとえ話を聞くのです。
そして聞き終わると、同意するように強く頷きます。

「そうですわね。
 歩き食いはよくありませんわ。
 きちんと座っていただくべきだと思いますの」

立ち食いや歩き食い、美奈穂は出来ない子です。
頂いたら、座れるところを探してから頂いてます。

「そう・・?
 ほら、もしかしたら、歩いている最中にお腹を空かせました、
 わんこさんやにゃんこさんと出会うかもしれませんし・・。
 あっ、わんこさんやにゃんこさんのおやつの方がいいかしら?」

ご飯よりそっちのほうが良かったですかしら~。
自信はいつも動物さん用のおやつを用意していたので盲点でした!
あちゃ~という感じの表情です。
お荷物、まだ風紀委員会においたままです!

「はいっ。頑張ったら、出来る事がいろいろありますの。
 あと、頑張ったらあとで、自分にご褒美おやつとか頂いたりしますわ」

ご褒美おやつ、大事です。うんうん。

桃田舞子 >  
「そういう話でしたっけ……」

いや、確かに。座って休憩しながらおにぎりを食べていたら何も言われないかも。
そうじゃない!? そういう話!? どっち!?
混乱真っ只中。

「……歓楽街の一部治安の悪い地域にいる犬は野犬とは呼ばれませんか…?」
「それに野良猫野良犬に餌をあげるのは長期的に見て…」

長期的。ふふ、私が言うのか。
長期的。面白い。

私にそれを言う資格はない。

「頑張ったら……」

じゃあ頑張らないと。
カレーコロッケカレーうどんを食べ終えて。
両手を合わせてごちそうさまでした、と言い。

「それでは、私は頑張ってきますね」
「トッピング、美味しかったです。ごちそうさまでした、先輩」

そう言って装備を取りに風紀の拠点に歩き出す。
先輩のような人が笑っていられるために。
あっちゃんみたいな人の負担を少しでも減らすために。

私は。

幣美奈穂 >  
「だって、お行儀悪いですし・・。
 あと、お口動かして、脚を動かして、味わって楽しむとか難しいですし・・」

そういうお話ですわよね?
と、まっすぐに桃田様の目を見る美奈穂なのでした。

「野良のわんこさんですけど、いい子多いですわ?
 ――薄味とかお野菜多めとかでお薬混ぜたりもしてあげてますけど。
 商店街とかのにゃんこさんたちも、常世祭でまんまるになっちゃいました・・」

換毛もすっかり終えているのも合わせて、本当にまんまるに見える子も増えたのです。
長期的に・・もっと運動させませんと・・!

「そうです、頑張ればいいのです!」

と、ごちそう様というのに、空の器を見まして。
そこに次は何を入れるべきかとちょっと考えてしまった美奈穂ですけれど。

「あっ、はい! 頑張ってくださいませ」

歩き出した桃田様を見送りますと、食器を持っていき、机を綺麗にふきふきと。
今日は学食のお手伝いなのです。
――落第街の騒乱とか、まるで知らない、平和な美奈穂なのでした。

ご案内:「第一教室棟 食堂」から桃田舞子さんが去りました。
ご案内:「第一教室棟 食堂」から幣美奈穂さんが去りました。