2021/12/27 のログ
■シャルトリーズ・ユニヴェル >
「どうしてこんなことに……こんな筈では~~!!!」
頭を抱えて震えているのはシャルトリーズ・ユニヴェル。
この常世学園に籍を置く教師の一人である。
全く足が届いていない椅子をくるくると回転させながら、
何やら呟き続けている。
「完璧なメッセージを送れていたはず……!
皆さんのハートをばきゅんと射止めるメッセージを
送れていた筈なのに~……!
こんな、こんな真逆ッ……!!」
普段の柔らかな声は何処へやら、呪詛の混じったそれは
何だかちょっとコワイ感じである。
さて、彼女のデスク上に置かれた端末に表示されているのは、
クリスマスデートの為に複数名の男子へ送信したメッセージなのであるが……
■シャルトリーズ・ユニヴェル >
――――――――――――――――
【名前を入れる】さんへ
貴方のハートをばっちり射止めちゃうシャルトリーズさんですよ!
クリスマス、私とデートしませんか?
貴方だけのシャルトリーズになりたい……です!
時間は
13:00~15:00→すぐる君用
16:00~18:00→こてつ君用
19:00~21:00→山岸君用
22:00~→アルバレスト君用(本命タイム)
で、どうでしょうか?
お返事、待ってます
貴方だけのシャルトリーズより
――――――――――――――――
■シャルトリーズ・ユニヴェル >
「メモ用の文章をそのまま送ってしまいました~~!!?」
職員室の床をごろごろ転がるシャルトリーズ。
めちゃくちゃ迷惑である!
待っていたのは、敗北ッ……!
圧倒的、敗北ッ……!
溢れ出る呪詛ッ……! 当然のしっぺ返しッ……!
■シャルトリーズ・ユニヴェル >
『もうメッセージ送ってくるのやめてください』
『そういう女だとは思ってたわ』
『うわ、マジでショックです……信じてたのに……』
『(ショックを表す絵文字)』
端末に次々と送られてくる男子たちからのメッセージを見て、
がんがんと頭を机に打ち付けるシャルトリーズ。
「……私の……最高に充実した……
イケメンたちとのクリスマス……どこ……」
魂がふわふわと抜けていく様が目に見えるようである。
……これは一教師の、悲しき聖夜の物語である。
ご案内:「第一教室棟 職員室」からシャルトリーズ・ユニヴェルさんが去りました。