2022/01/15 のログ
伊都波 凛霞 >  
妹は───

頑張り屋で
健気で
家族思いで
物怖じはするけど、芯は通っていて
大きな目標を立てても邁進することが出来る
天才と凡才なんて揶揄された時期もあったけど今は違う

まったくなんて見る目のない男子達…あの健気な可愛さがわからんのか!?
控えめで超可愛いだろうが

「(おっといけない…)」

ヒートアップしすぎた内なる自分に落ち着けと言い聞かせる

ご案内:「第一教室棟 廊下」にディトナスレインさんが現れました。
ディトナスレイン > 「他人の家庭の話で楽しむのはナンセンスですよ」
抑揚のない、それでいて凛とした声が下世話な話に興じる男子生徒たちに降りかかる。

『なんだコイツ...変なカッコしてるけど学外のヤツか?』
『ちげぇよ!こいつは今日入学してきたばっかの....確か...名前は...』

「ディトナスレインです」
アンドロイド仕立ての強化聴覚。
彼女の耳は、100m先の画鋲が落ちた音さえ逃さない。
当然、男子のひそひそ話などは言うまでもない。
「伊都波さんを侮辱するのはやめてください。
同校の仲間を馬鹿にするのは無益なことですよ」
ディトナスレインは今日この学校に転校してきたばかり。
朝起きると寝床にしている研究所のポストに学生証と同学年のクラスの写真付き名簿が投函されていた。
故に彼女は、伊都波悠薇という生徒の存在を知っている。

伊都波 凛霞 >  
「え…」

何やら嗜めるような言葉が聞こえてきて、後ろを振り返る
細かいことはわからないが、どうやら男子達を注意したらしい

『別に侮辱とかバカにしてるつもりじゃねえし』
『誰でもするだろこんな話』

男子生徒達は注意が不服だったようで、不機嫌そうに食い下がっていた

所詮ただの陰口みたいなものと自分もスルーするつもりだったけれど…

「あの、彼らもそんなつもりで言っていたわけじゃないだろうし」

少し迷ったけれど、トラブルに発展しないよう一応の助け舟
話題の人物そのものからのフォローは彼らにとっても意外だったようで、なんだかバツの悪そうな顔をしていた

ディトナスレイン > 「いえ、他人とその家族の優劣を嗤うのはどういうつもりであっても許容すべきではありません」
本人からの男子たちへの予想外の助け舟に少々戸惑いはあったものの、淡々と自分の意思を貴方に告げる

『知るかよ、てか今日転校してきたばっかのお前に関係ねぇだろ』
と、そこでひときわ柄の悪そうな男子が声を上げる
有名人である貴方が側にいても、彼はそんなことすら気にせず不機嫌そうな顔を見せる
体格が良く、頭髪が金色に染め上げられたプロレスラーのようでもあった
『ちょっとまずいんじゃない?流石に女に手出すのは...』
取り巻きの男子生徒は焦ったように宥めるが、調子に乗った転校生を懲らしめようと息巻く彼の耳には届いていない

「....どうやら『お話』ではあなた方を止めることはできないらしい...」
残念そうにそう呟くと、ゴスロリ風の衣装に身を包んだ機械人形は宙を舞い軽々と体格の良い男子のすぐ後ろに着地する
体操競技の技名で表すのならば、男子の背丈を飛び越すほどのロンダート、と言ったところだろうか

『⁉︎』
取り巻きの男たちも含め彼女以外の全員が一瞬驚嘆したその直後、彼女の細い腕が空いた口が塞がらずにいる男の太い首に絡みつく
裸絞め。チョークスリーパーとも呼ばれるいわゆる首絞めのような格好
その体勢を極めて数秒もしないうちに、体格の良い男子生徒は抵抗する間も無く力なく気絶した

「殺してはいません
ただ失神しただけですよ」
彼女がそう言い終わらないうちに、取り巻きの男子生徒たちは一目散に逃げていった
「.....」
やりきれない思いを胸に、力の抜けたそれこそ100キロはありそうな男子の身体をゆっくりと廊下の床に安置して

「お気になさらず
計算上ではあと数分で目が覚めるように調整しましたから」
サラリとそう言い放つ彼女の言葉は機械的でありつつも、貴方を気遣うように柔らかなものだった

伊都波 凛霞 >  
「ちょ、ちょっと待って───あぁ…」

反抗的だった男子生徒も問題だったのだろうけれど
あれよあれよいう間に鮮やかな締め技で男子生徒はオトされ
廊下だったこともありちょっとした騒ぎとして周りへと伝搬する
もうひとりの生徒も…うん、そりゃあ逃げるよね

やっちゃったものは仕方ないので、とりあえず気絶した男子の安否を確認
確かに彼女の言う通り、命に別状はなさそうだったが…

「…彼らも誰かを傷つけてやろうなんて意思はなかったんじゃないかなって思うけど……」

他愛もない陰口
聞こえているなんて思っていなかったかもしれない

自分に投げかけられる言葉に気遣うような雰囲気を感じたからこそ、少しだけ物憂げに

「数分とはいえ廊下だもん。こんなところに置いていけないし…保健室に連れて行かなきゃね」

ディトナスレイン > 「_____優しい人ですね」
自分の家族を侮辱されて、なおその相手を気遣えるなんて....
聖母のような貴方の優しさに思わず目を細め

「すみません、少々調子に乗りすぎました」
貴方に物憂げな表情をさせたのが気がかりだったのか
無機質な表情で素直に頭を下げる

「では、私が」
貴方の返答を待たずに倒れ込んだ男子生徒を背におぶる
普通の女子生徒ならばあまりにも危ういこの光景
機械人形である彼女にとっては、大した重さでもないらしい

伊都波 凛霞 >  
優しい人、と言われれば苦笑を返す
別に優しいわけじゃない、内心はムッとしていたのも事実

「いいよぉ頭なんか下げなくったって。
 貴方の言うことは間違ってないわけだし…」

それに激昂した男子生徒側に大きな非はある
まあ、言い方を考えたりすればああはならなかったとも思う、けど

悪気がないコト、に対して
罰や断罪なんかは不要で、ちくと言うだけで理解できる人は、理解する

世の中の人同士の大半のいざこざは無意識のうちに相手を傷つけ起こるもの
それに気づくだけで直せる者も、きっと多い
この学園都市では若人が社会を担うとはいえ、
そういった経験や精神が未成熟な生徒が多いのは当然といえば当然だと思っていた

「(なんか、何するにしても目立つ子だなあ…)」

早速と男子生徒をおぶる彼女を見て思う

「じゃあ保健室まで…って場所わかんないよね、案内するね」

転入してきたばかりって言っていたし…
とりあえず事情説明するためにも保健室まで同行しようと、共に歩きはじめるが

「(め、目立つ……)」

どうあっても周りの視線を集める状況の二人だった

ディトナスレイン > 「そう言って頂けると、助かります」
ギギギ、と錆びた金属の擦れるような音が響きそうなほどぎこちなくはにかむ
人と接するのに慣れていないせいかどうしても硬くなる部分が彼女にはあったのだ

『この世界は、ちょっとしたいざこざから大きな戦争にまで発展したこともある。いいかいイトナ、君はそんないざこざを見て見ぬふりをしてはいけないよ。きちんとどっちが悪いのかを見極めて、仲直りさせてあげるんだ』
____貴方のその優しい声と昔聞いたことのある懐かしい声が重なって聞こえた____

保健室に男子生徒を送り届ける道中に、機械人形は独白する
ちなみに、重さを感じていないため、声色はあくまでも平静

「____実は風紀委員に入りたくて。今日みたいに校内の悪を罰したらなれるんじゃないかと思い...」
言い訳がましくなったのが恥ずかしいのか、少々俯き気味になっている

それでも周囲からの奇異の目には気づいているものの、それを苦にしていないかのように振る舞って

伊都波 凛霞 >  
彼女の向ける不慣れな笑み
それは好意を伝えようという想いが感じられて
むしろスムーズな笑みなんかよりもずっと、わかりやすかった

さて保健室までの道中、彼女は風紀委員に入りたいのだと言葉を向ける
好奇心たっぷりの周囲の視線はこの際気にしないようにしよう
彼女が気にしていなさそうな以上、自分が気にしすぎてもなんだかアレ

「風紀委員はちゃんとした志願をすれば、特に問題さえなければなれるよ」

苦笑してそう応える
校内の悪…まぁ、いるにはいるのだろうけど
今背負われている男子が悪判定とされたと考えると…うん、学内の相当の数の生徒が絞め落とされそうだ
この子も転校してきたばかりの子にちくと諭されてムッとなっただけ、だっただろうし

「でも、学業と両立するのも大変だし、
 一般の生徒より危険な目に遭うことも多いし、同時に自分以外の誰かを危険に晒すこともあるよ」

歩を進めながら、自分が風紀委員になってからあったいろいろを思い返しながら言葉を紡いで

「恨まれることも、多いしね。
 うーん…そのヘンを考えてもやっていけるなら、なのかな…」

別に自分が誰かを採用する立場でもないので、なんだけど

ディトナスレイン > (「伊都波 凛霞....風紀委員だったのですね...」)
風紀委員のなり方を教えてくれた貴方のことを脳内で検索すると、今更ながらも風紀委員の一員であることが分かった

「なるほど、通りで....
っと、志願すれば良いのですね
記憶しておきます...」
問題なければ、という一文に彼女は客観的に見て引っかかりそうだが、そんなこと微塵も気にしていないご様子

「学業との両立、ですか
それに危険な目にも遭うと...」
貴方の話を熱心に聴き続ける彼女だが、『自分以外の誰かを危険に晒すかも』と言う話が聞こえてくると、その表情が少しだけ曇る
まるで、彼女自身にそんな経験があったかのように

「.....恨まれることもある、と
なるほど...やはり大変なお仕事なのですね、風紀委員というものは」
おおかた予想はしていたつもりだった
しかし、現風紀委員の貴方に言われるのと、自分の頭の中だけで予想していたのとでは、その重みに天と地ほどの認知の差があった

伊都波 凛霞 >  
「警察機構みたいなものだからね。
 今言った問題がなければ、っていうのも素行とかそういう部分を見られたりするかも」

大変なお仕事である、と改めて認識したらしい彼女には柔和な笑みを向ける

「どうして風紀委員になりたいのかはわからないけど、
 自分のやりたいことを整理してみて、それにそぐう委員会とか部活を選ぶのがいいんじゃないかな?」

少なくとも悪を断罪するだけ、が風紀委員というわけでもない
校内の無用な争いや騒ぎを避けたり、秩序と風紀の維持に邁進しなければならない
時には生徒から疎ましく見られても…というのが辛いところだけど

少しは先輩っぽいこと言えたかな?なんて思っていると、保健室に到着

「すいませーん、3年の伊都波です」

保険教諭が出てくるとこれこれしかじか
なるべく貴女に悪い印象をもたれないようにとところどころをぼかしつつ説明していた

ディトナスレイン > 「素行...その部分が問題ですね...」
知能を司る部分が破損し、修理してそれほど経っていない
彼女が善悪の対して極端な判断を下すことしかできない理由も、生徒でごった返す廊下で男子を絞め落とすなどの素っ頓狂な行為をおこなってしまう理由もこの事実に集約していた

「そうですね
私もここにきてまだ短いので、いろんなところを見て回ろうと思います」
先輩である貴方のアドバイスを素直に受け入れる

そうこうしてるうちに保健室に着いた
自分が悪い印象を持たれないようにところどころぼかしながら保健教論と話す貴方を、機械人形はただ見つめていた

伊都波 凛霞 >  
それじゃベッドに寝かせて、と保険教諭の促す言葉に従うよう貴女に言いつつ

「うん。校内での暴力行為とか、そういうコトに発展しないように気を使うのも大事だね」

行いを非難するでなく、素行に不安を持つらしい彼女へとそう告げる
言ってもきかない人はいるから、難しいけどねと苦笑しながら付け加えて

「あ…自己紹介してなかった!」

「3年の伊都波凛霞。えっと、妹のことは知ってる…のかな?」

諸々が済めばそんな他愛のない自己紹介と、妹と仲良くしてあげてね、と笑顔を向けるのだった

ディトナスレイン > 赤ん坊をベッドに寝させるが如く軽々とした手つきで、機械人形は男子生徒をベッドに置く

「争いを未然に防ぐ...ということですね」
噛み締めるように、ゆっくりと貴方の言葉を噛み砕いて理解する
彼女自身はまだ思い出せない
自分がそのコンセプトに基づき作られたということを

「伊都波先輩ですね
悠薇さんとは同じ学年です
...とは言えまだ喋ったこともありませんが...」

「私の名前はディトナスレイン
縮めてDSと呼んでください」

妹と仲良くしてあげてね、そう笑顔を向けた貴方に返すように
了解、と一言
その顔は先ほどのぎこちない笑顔に比べて穏やかになっていた

伊都波 凛霞 >  
まだ話したことはないという彼女
それでもいい、同じ学年だったらいずれは出会うかもしれない
それだけで凛霞は満足げに満面の笑みを浮かべた

「それじゃ、DSさん」

「あんまり乱暴なことしちゃダメだよー」

噛みしめるように理解の様子を見せた彼女
最後に見せてくれた穏やかな表情も含め、なんとなくだけど今後は大丈夫な気がして一安心
それじゃあ、と手を振って

学園は絶賛試験期間、どこか慌ただしい廊下へと歩き去るのでした

ディトナスレイン > 「ええ、気をつけます」
貴方の言葉にそう返し、ぱたぱたと手を振り返す

「....そういえば試験期間中でしたね
私も家に帰りますか」
彼女はもう1人の自分が待つ研究所へと早足で戻るのだった

ご案内:「第一教室棟 廊下」から伊都波 凛霞さんが去りました。
ご案内:「第一教室棟 廊下」からディトナスレインさんが去りました。