2022/10/19 のログ
ご案内:「第一教室棟 屋上」に深見 透悟さんが現れました。
深見 透悟 > 今日び幽霊が生徒だなんて珍しくも無いだろうと思っていたけれど、案外と浸透はしていないらしく。自己紹介で幽霊ですと言っただけで変人扱いを始めとして病院の紹介までされる今日この頃。
秋の夜風が身に沁みる校舎の屋上にて、深見透悟は小さなくしゃみを一発、響かせた。

「っしょーい、あーくそ、誰か俺の噂をしてるんじゃなくて単純に寒いんだこれ。」

ベンチにテディベアを座らせ、自分はといえばそのベンチの背に腰掛けている。
制服姿もだいぶ板について来たが如何せん未だ夏服。ちょっとばかり夜風は厳しかったり。

「ま、お化けは病気も何にもないって日本古来の諺にもあるし大丈夫だろ!オールオーケー!」

何がオーケーなのかは分からないけれど、いつも通りのテンションで、自称元幽霊はそこに居た。

深見 透悟 > 「そういえばまもなく世間はハロウィンに染まるわけだけども。
 実際幽霊としてどんな顔してハロウィンに参加すれば良いんだろうな。去年はリリィの中に入ってたけど。けども。
 今年もテディベアの仮装ですーっつってリリィの中に入ってるかあ?」

本物の幽霊がハロウィンで仮装するという事実は何だか奇妙な気がしない事もないが、現実はそんなもんである。
実際のところハロウィンパーティーに本職の方が紛れ込むといった現象は各地で起きているとかいないとかという話も小耳に挟んだ透悟だったが、いやそれでもどうよと悩む程度にはみみっちぃのだ。

「はーあ、俺の他にもハロウィン仮装に悩んでる幽霊居ねえかなぁ!」

独りで悩み続けていても、発想が斜め上に飛んで行く自覚はある。
全身タイツにカボチャを被って反省を促す踊りとか、若干時代遅れ感があってもやっちゃうかもしれない。
そんな痴態を披露する事も已む無しと思う前に、せめて悩みを共有する仲間が欲しかった。もう生きてても良いから。

深見 透悟 > 「あんまり悩んでもしゃーないし、去年のハロウィンを振り返ってみよっと。」

ほわんほわんほわん……
思い返してみれば、ハロウィンの仮装をしている人と出会ったのは一度きり。確か悪魔だか淫魔だか、そんな感じのコスプレに身を包んだ少女だった。
その後なんやかんやあって仮の住まいとして部屋を宛がって貰ったりしたが、それはあくまでテディベアとしてである。
人間の生徒としては今はしっかり男子寮に部屋を取っている。

「とはいえテディベアとして使うにはデカ過ぎるベッドとか、何かとでっかかったよなあ……」

部屋の鍵は未だに持ち続けているので、帰ろうと思えば帰れる。
というか、テディベアの姿で帰って、就寝したフリをして幽体になって部屋を出、人の姿にチェンジし猟に帰るという手順を踏んだりしている。
正直面倒だと思った事も一度や二度ではない、が。

「まあ、あんまり迷惑掛けちゃうのも……な?」

ベンチに腰掛けたままのテディベア『リリィ』に声を掛けるが、当然の様に返事は無い。