2022/12/22 のログ
ご案内:「第一教室棟 屋上」に追影切人さんが現れました。
■追影切人 > 「くぁ……あーークソが、補習多すぎだろうがよ…。」
12月某日、放課後ともなれば何時の間にやら今の季節は日が落ちるのも早い。
しかも、屋上とあらばそれなりに風も吹きぬける訳で寒い筈だが、男は気だるさが勝るのか意に介した様子は無く。
思い切り欠伸を噛み殺しながら伸びを一つ。次いで首をゴキゴキと盛大に鳴らす。
元々、成績なんて下から数えた方が早いレベルで追試や補習なんて日常茶飯事だ。
よくもまぁ、今まで進級出来たものだと思う。そもそも、進級して卒業しても未来なんて男にはさしてピンと来ないが。
「――夜は警備やって、深夜にクリスマスシーズンの警備強化の打ち合わせだっけか?面倒臭ぇなぁ。」
と、口ではぼやいてはいるが何だかんだ任された仕事はきっちりこなす男ではある。
■追影切人 > ふと、携帯端末にメッセージが入る。億劫そうに端末を取り出して片手で操作。
「……準一級ぅ?…あーーまぁ、主導したのは奴だから妥当か。まーだ独房入りしてんのかね。」
まぁ、それを承知でアイツもやらかしたんだから、己がどうこう言う事は無いし思う事も無い。
他のメッセージも幾つか流し読みしてから、再び携帯端末を懐に放り込むように戻して。
「――しっかし、クリスマスやら大晦日やら何やら…何が楽しいのか未だによくわっかんねーな…。」
それより、強敵と斬り合いする方が遥かに充実して楽しいと思うが、それはこの男がアレなだけだ。
季節柄、夜の帳が下りるのも早く気が付けば周囲は暗くなってきている。
まだ、警備の仕事までは時間もあるので相変わらず屋上のベンチの一角に体を預けてだらだらと過ごす。
■追影切人 > そもそも、誰にどんな感情を抱いても、何かに楽しみを見出せても、最終的に男の感情や思いは全て――【斬る】事に帰結してしまう。
特異な精神構造、というより生まれ付いての破綻者で本人もそれはとっくに理解している。
性格の矯正や洗脳などでどうにかなるものでもない。それが男の『在り方』なのだから。
(…ま、そんなのが普通に暮らせてる辺りが何とも言えねーんだがよ。)
普通の暮らしは退屈だ。嫌だとか刺激が無いだとか、そういうのも多少無いでもないが…満たされるものが無い。
結局、本当の意味で学生生活に馴染む事は無理なんだろう、とは前々から思っていた事だ。
「…それでダラダラ暮らしてんだから、牙を抜かれたっつぅか刃も錆び付くってもんだわな…。」
欠伸をもう一度噛み殺して、夜空へと隻眼を向ける。…ここだろうが落第街だろうがスラムだろうが。
広いか狭いかだけで空の景色なんて何処も変わり映えなんてしないものだ。