2019/02/04 のログ
ご案内:「教室」にヨキさんが現れました。
ご案内:「教室」からヨキさんが去りました。
ご案内:「購買部」にセシルさんが現れました。
セシル > 放課後。
期末試験前のレポート作成作業の合間に、セシルは購買部を訪れた。

(体を動かさずとも、それなりに腹は空くものだな…)

彫りの深い顔立ちが思案がちに見える心の奥では、こんなことを考えていたりする。
彷徨っているのは、軽食やお菓子のコーナーだ。

セシル > 彷徨っているうちに、ふと、他のお菓子類に比べてチョコレート系の陳列の主張が強いのに気づく。

(…そう言えば、そろそろか)

バレンタインデー。この学園都市や、この近くにあるという島国では「主に女性が男性にチョコレートを渡すイベント」として認知されているという行事。
他の文化圏ではまた事情が変わるらしいが、故郷に類似した風習もなく(セシルの故郷では、この手の甘味は非常に贅沢な嗜好品であった)、この学園を卒業後にはここで教師になることを目指すセシルにとってはそこはあまり関係ない。

セシル > (今年は試験期間の中にはまっているし、そんなに数が多くないと良いんだが…少なくとも在学生には私の態度は知られつつあると思うし)

整った中性的な容姿。女性としては低めの声。誠実な態度の中に、時には甘美にもとれる優しい言葉が付いてくる。
そのため、学園にはセシルを「憧れの王子様」のようにみなす女生徒が無視出来ない程度にはいるのだ。
…過去3年、このイベントの度に顕名でチョコレートをくれた者にお礼と、謝罪と断りの手紙を手書きで書き続けてぐったりしていた程度には。

セシル > 進路を定めてからは、その達成のために学業に比重をおき、長期休業期間以外はあまり警邏にも回っていない。
おまけに地声で話す機会が増えたりして「男ではない」ということが分かりやすくなっているし…まあ、順当にいけば今年は減るだろう。

(ハガネに何かを贈るのは…期末が片付いてからで良いだろう。お互い、混雑した状況はさほど好きではないし)

大事な友人の存在を思い浮かべながら、足を止めてチョコレート系の陳列を眺める。
…もっとも、大事な友人への特別な贈り物を購買部で調達する気はセシルにはないので、あくまでイメージ作りなのだが。

セシル > そうして散々チョコレート系の陳列を眺めておいて、セシルは特に何も手に取らず、サンドイッチのコーナーに移動していく。
ミックスサンドとパックの牛乳を取ってレジに並ぶと、自分の挙動に対して特に何の感慨もないかのように、すたすたと購買部を後にしていくのだった。

ご案内:「購買部」からセシルさんが去りました。