2019/04/18 のログ
ご案内:「ロビー」にセシルさんが現れました。
■セシル > 放課後。
ロビーの自販機に力なく吸い寄せられていく細身の人影が一つ。
(普段ならブラックのコーヒーにするところだが、どうしようか…)
自販機の前で、骨ばった指が指すべき場所を探して宙を彷徨う。
■セシル > 新学期が始まった。
ということは、当然ながら新しい授業で、新しい内容の学習が始まっているということであり…当然ながら、その理解度を確認するための新たな課題が出るということである。
細身の人影…セシルは先ほどまでそれと格闘しており、休息を求めてロビーに立ち寄ったのだった。
(…今日は、甘いものが良いな)
甘味料が添加されたコーヒー飲料のボタンを押して購入し、手に取った。
■セシル > ロビーの椅子に腰掛けて、コーヒー飲料に口をつける。
…最初の数秒は、慣れない甘みに少し眉を動かしたが…
(…たまには悪くないか)
甘さそのものに嫌悪感があるわけではないので、その表情はすぐに和らぐ。容量の半分くらいを一気に飲んでしまってから口元から容器を離し、
「………。」
深く、柔らかい息を吐いた。
■セシル > (機械の操作に慣れてきたと思ったら、今度は内容が複雑になってきたからなぁ…)
こちらほど機械技術の発達していない世界から飛ばされてきたセシルは、この学園都市に根を張る覚悟をした際、まず「コンピュータを使えるようになる」という課題にぶち当たった。
今はレポート作成の基本的な操作にはそこまで苦労しなくなったが、より高度になるその内容に苦しめられている状況らしい。
(…まあ、前進出来ていると思えば悪くはないか)
そう考えて自分を慰め、またコーヒー飲料に口をつけた。
(………やはり、いつものコーヒーで良かったか?)
わずかに後悔をしつつ。
■セシル > コーヒー飲料を飲み終えると、空になった容器をゴミ箱に放り込む。
(甘い飲み物は、よほど疲れていないと量を持て余すな…覚えておこう)
そんなことを考え、勉強に戻ろうとしていると…新年度だからか、不安げに教室棟を歩いている様子の生徒が見えた。
「どうかしたか?」
セシルは、勉強のことを一旦頭の片隅によけ、その生徒に声をかけに行った。
ご案内:「ロビー」からセシルさんが去りました。