2019/05/01 のログ
ご案内:「食堂」に佐藤重斗さんが現れました。
佐藤重斗 > ある春の日の昼休み。俺は食堂で何を食べようか迷っていた。

「財布の中身は360円…。これでどの様に腹を満たすというのか…。」

普通に考えれば一番安い素うどんだろうか。しかしそれでは面白くない。
A定食のおかずなしでも頼んでみようか…。
どちらにしろここに居ては迷惑になる。もう誰か奢ってくれないだろうか。

佐藤重斗 > こんなことなら昨日中古のゲームを買わなければ良かった。
でも仕方ないじゃない。欲しかったんだもん。
……キモイ。やめよう。

「そういえば晩飯の金を残しておかないと…。」

晩飯の買い物の分も考えると昼飯にはいくら使えるのだろうか。
これは明日にでも依頼を受けて金を稼がないと餓死してしまう。
地面に万札落ちていないかなぁ。

「これ、昼抜きかもわからんね…。」

佐藤重斗 > 計算が終わった。やはり昼飯は抜かないといけないようだ。
確か食堂は水は飲み放題だったはずだ。何とか腹を膨らませよう。

「…ん?待てよ。……閃いた。」

この食堂で大量に水を汲んで持ち帰れば水道代が浮くのではないだろうか。
もしかして俺は天才なのかもしれない。
そうと決まれば何か大きな容器を探して来よう。

ご案内:「食堂」に花ヶ江 紗枝さんが現れました。
花ヶ江 紗枝 >   
「……ふぅ」

そんな食堂の片隅で黙々と匙を口元に運ぶ姿があった。
真剣な様子で食事をしているその人物は
程なくして食べ終わると口元を軽くぬぐい、小さく吐息を零す。
目の前にはかなり赤い麻婆豆腐が乗っていた皿。
これは注文時に1から10で辛さを選べるもので
時折罰ゲームなどにも使われる人気メニュー。
お茶碗の大きさで辛さが分かるというそれは
普通の人が口に含んだとたん目を白黒させるような8辛。
一部辛党から絶賛指示されているそれをぺろりと平らげ
何やら物憂げな、浮かない表情を浮かべてもう一つため息を零す。

「……」

どうやら味覚は戻っていない様子。
自慢ではないが普段なら3辛でも涙目になる程辛いものは得意ではない。
だというのに今日目の前に現れたこれをぺろりと平らげても
舌に感覚は伝わってこなかった。

「……体温は上がっているのよねぇ」

少し汗ばんではいる体に窮屈さを覚え、胸元を少し緩めて手で扇ぎつつ
食堂をゆっくりと見渡す。
幸いにも休日の食堂は一定の時間以外はほとんど人がいない。
おかげで後輩に見つかる事無くこうしてひっそりと食事を取る事が出来るのだけれど……

「あら?」

その分不審な動きをしている人物は目につくわけで。
ピッチャーの側で何やらうろうろしている姿をしばらく眺めた後立ち上がりゆっくりとした歩調でそちらへと歩き出して。