2020/07/04 のログ
ご案内:「特別授業 『今からわかる!予習いらずの大「地球」展Ⅱ』」におこんさんが現れました。
おこん > というわけで授業じゃよ。
今博物館でやっとる「大「地球」展Ⅱ」、おぬしらも見に行くといいんじゃよ。
そんでね、今回話をするのは”凪”の期間である、20世紀末から21世紀の初め頃の話じゃよ。

人類文明が大きく革新を迎えたタイミングでは、色んなことがあったんじゃよね。
例えばじゃなー、ほれ、これじゃな。
(でん。 フリップを立てて生徒たちに見せる。
 電柱の上に立つ、五芒星を描いた手袋を身に着けた軍服姿の男が映っていた。)

これは20世紀初頭に東京で起こった、帝都破壊を企む男じゃよ。
強大な魔術で平将門のちからを呼び寄せようとしとったんじゃなー。
まあこんな感じでじゃな、国々にいろんな事件が起こっとったんじゃよねー。

あ、なんかあったらどんどん質問していいんじゃよ。 そのために話しとるわけじゃし。
(じゃあ次にいくね、と生徒たちに声をかけてからごそごそ。
 次の資料を準備するんじゃよ。)

おこん > こんな感じで、魔術というのは古来から存在しとったけど、
実際には世の中に認められておらんかったわけなんじゃよね。

結局この東京破壊の件についても、大規模な魔術的隠蔽が施されて市民に本当の頃は隠されておった。
で、まあ少し時代は飛ぶが、これじゃな。 人間の大戦争があったタイミングの話じゃ。
この時代になると、アナログの「ビデオ」ができたわけで、動画としての記録ができるようになったんじゃよねー。
それじゃあ流すんじゃよ。
(スクリーンに映し出されたのは、モノクロで描かれた戦争である。
 荒野を何両もの戦車たちが向かい、敵の車両に砲撃を行っている。
 映っている一両が前に出たかと思えば、まるで折り紙か何かのように形が変わる。
 パーツがスライド、折りたたまれ、伸長し、展開して…一瞬のうちに巨大な人型に変化したのだ。
 カメラに向かって小さく手を振った鋼鉄の巨人は、そのまま敵の方へと駆け出していく…。)

これは異邦人の話じゃな。 古来、妖怪や精霊、悪魔と呼ばれたものの中には異邦人もだいぶおったじゃろう。
まあ、今の映像に出ていたのはマシンの姿に擬態する機械生命体といったところだったんじゃろうねえ。
こういったものを見抜いたり、見出したり…仲間にするなんていうのも、異能や魔術をもつものの大事な仕事だったんじゃよ。
more than meets the eye…裏に隠されたもの、というやつじゃな。
(じゃあ次にいくんじゃよ、とうなずいてから、資料をごそごそする。)

おこん > そんで、このあとは文明にコンピュータが一般化していくわけなんじゃよね。
これは特に魔術に強い影響を与えたんじゃよ。 今までアナログで出来たことを、
マシンで行えるようになった…。 俗にいうデジタル・トランスフォーメーションというやつじゃな。
その名だたるものがこれじゃよ。
(モニターに映るのは、小手のようなハンドヘルドコンピュータと、それにつながったゴーグルである。
 ごそごそと取り出したそれを、実際に自分で身につけて見せる。)

委細はワシも知らぬが、1980年代後半…パーソナルコンピューターが流行り始めた時代に、
ある天才高校生が作り出したのが『悪魔召喚プログラム』だと言われておる。
即ち、悪魔召喚するに必要な祭儀をコード化し、どこでも、いつでも、自在に、好きな悪魔を呼べるようにしたというわけじゃ。
例えばじゃな…。 こんな感じじゃよ。
(ゴーグルをかぶって、ハンドヘルドコンピュータをぽちぽちつつく。
 あっという間に目の前にピクシーが”呼び出された”。)

魔術というのは実利を求める。 正確、迅速に、場所も取らずに必要な召喚を行使できる…。
こんな便利なものを取り込まぬわけがなかった、というわけなんじゃよねー。
悪魔召喚だけではないが、他にも色々あるぞ。
コレは傘型の召喚器、メリケンサック型、銃型、あとは…これは銃型に似とるけれど、
己の異能を起動するためのキーとして使われていたアイテムじゃな。自分の頭を”撃つ”んじゃそうじゃよ。
(次々と映し出されていく道具の数々を見ながら解説を続けていく。)

おこん > まあ要するに、魔術も異能も、コンピュータの登場によって一気にレベルが上がったんじゃよね。
構築、分析、解析…今まで実績であったものが、データとして読めるようになったことから、
すごーい勢いで進化したわけなんじゃよ。 まあ、そのあと<大変容>が起こったのは周知の通りじゃな。

まー、ワシも長生きしとるけど、人類というのはすごいものなんじゃよね。
最初はただ畏れていた相手に対して、リサーチをし、研究をし、理解できるレベルにまで分析しつくしてしまうわけじゃから。
人類文明というのはそうやって発展してきたっちゅうことなんじゃなー。
この辺りのことを理解した上で大変容と魔術大戦について博物館で学ぶと、よりわかりやすいと思うんじゃよ。
そんじゃあ今日の特別授業は終わりじゃよー。 かいさんかいさん!
(しみじみ、といった調子で語ってから立ち上がるのでした。)

ご案内:「特別授業 『今からわかる!予習いらずの大「地球」展Ⅱ』」からおこんさんが去りました。