2020/08/15 のログ
ご案内:「第二教室棟 屋上」にオダ・エルネストさんが現れました。
■オダ・エルネスト >
夏の夜はクソ。
それはどうにも精霊の加護のあつい常世島でも同じようだ。
こういう日は昔から、故郷に居た頃から決まって風と遊べ、というのが定番っだ。
――風に乗り、風と踊る。
《大変容》の後に異世界の資源を得て生まれたこの遊びは様々な呼び方があるが
「ウィンド・サーフィンにはいい夜だ」
今日は、新月も近い三日月で空の宝石の輝きもよく見える。
風の魔石を利用した《エアリアル・ドライブ》を装着したサーフボードを手に、こんな夜中の屋上に来てしまった。
「風向き良し」
ボード裏から表に少しだけ顔出すようにプルタブのジュース缶のような《エアリアル・ドライブ》を少し奥へと差し込めば、カチリとハマる音と共に緑色の魔力光が灯り始める。
■オダ・エルネスト >
「先ずは試運転だ」
なんだかんだで『乗る』のは久しぶりだ。 祖国で大学に通ってた頃はハマって毎日乗ってた気がするが、もう何ヶ月と乗ってなかった。
風と語らうのは久し――ああ、いや、先日も『助けて』もらってる。
魔術士、魔法使いにとって四大属性とは、身近だ。
少し助走を漬けるようにして、跳躍する。
屋上のフェンスを超えてしまうような、常人ではあり得ない跳躍――更に『空』を蹴る。
空気が破裂する音と共に男は空高くに上がり、
横から風に合わせてボードを構え、その上に立つ。
緩い風に今、『乗った』。
青い燐光が《エアリアル・ドライブ》から漏れる。
「……なるほど、常世島はいい風だな」
目をよく凝らせば、精霊が見えそうな程に、この島は恵まれている。
風と軽く戯れるように、迫る風を使って登る――リッピングという上昇技で高度を上げて。
他の校舎も見下ろせるような高さまで一度上がってから階段でも下るような気楽さで一度屋上まで戻る。
「よっと……。
いや、ちょっと気持ちよすぎるな。 気前がいいな、ここの精霊たちは」
欲しい風を気前よくくれる。
精霊たちの好意にちょっと興奮してくるな、とニヤけ面を浮かべてしまう。
■オダ・エルネスト >
都合よく屋上に強い風が吹いてくれるのは、向こうからダンスのお誘いって事か。
「いいだろう、この私について来いとは、な!」
少し助走して中空にボードを置けば水の上に浮くかのようで、バランスを取りながらその上へと飛び乗る。
慣れたものだ。
空へと上がったかと思えば襲い来るような突風――!
こうして周囲の精霊たちが活発になるのも《エアリアル・ドライブ》の漏らす魔力の影響だ。
この輝きは精霊たちにとっては甘味のようなもので機嫌が良くなる。
しかし、青年の目には精霊の起こす風が視えている!
吹き迫る風という波の最下部発生する直前の場所をターンする!
これから吹き荒れる風となる直前の空気の上を弄ぶように滑る。
ウィンド・サーフィンとは通常のサーフィンと違って難しいのは波が物理的に見えない点だ。
しかし、
「私は、君たちが視えているぞ!」
はっはっはっはっはっと大笑いをしているこの青年の目には風が視えている。
四大属性魔術を収めし大魔導士でも彼がその気になれば、このように不可視の自然すら視ることが出来る。
大抵のウィンド・サーファーは空気や感覚で感じているだけであるが、その事を彼はあまり理解していない。
これも自然に『挑み続けて』勝手に得てしまった技能なだけである。
幾つもの彼を飲み込もうとする波を躱し、上へ下へと時に重力などないかと思わせるように、風の渦にすら乗ってみせる。
この魔力の輝きは、遠くからも見ることが出来るかも知れない。
ご案内:「第二教室棟 屋上」にジャムさんが現れました。
■オダ・エルネスト >
迫る風の波は大きい、これは――いいな。
海で言えばグリーンルームとも言われる波の中に入って乗るアレ――チューブライディングが出来る環境があることに気づいてしまった。
ウィンド・サーファーの間ではこの風の波の中を風のバージンロードと呼ぶ。
この島の風は最高じゃないかと思わずワイシャツのボタンを外してしまいたくなった。
熱い夏の夜に最高の風だ。
――身体も夏になる、とはこういうことだなと笑ってしまう。
長い風の波の中を走り抜けるより前に次の波を求めて、波のフェンスを飛び越えて更に高みへ。
次の波から次の波へ――リッピング。
ボードをコントロールし、弧を描き風の波を煽るようにする――カット・バック。
そして、空気を引き裂くようにして落ちるように高速で高度を下げる――フォール・ターン。
この高速連続技は一つ一つは大した技ではないは状況と技を繋げる技量がなければ成し得ない超高難易度技術。
青年のように空高くから行う一連の技を人々はこう呼ぶ。
フォーリングダウン
―― 天墜流星一滴 。
■ジャム > へんてこな時間に目が覚めてしまった。
寝苦しい夜に、自室のベッド上で右ロール、左ロール、とごろごろすること1時間弱。
とうとう諦め、夜のお散歩に出る事に。
外の空気は熱気を帯びたままだけど、ひとけの少なさは気持ちいい。黒尻尾をゆるゆる、揺らしながら学校の近くを歩いていると何か瞬くのが見えた。重力圏に引かれる星のように興味を引かれると、登った屋上の上には青い燐光がたなびいていた。エアリアル・ドライブから漏れるそれはちょうど、自分には海から寄せる波か、ウミネコの飛ぶ波打ち際にも見えて。
「……っ!」
流れ星が落ちてきたのかと思った。
実際には見えない色の波に乗って、ボードを伴って降りてきた人影だったのだけれど。
急激に高度を下げた人影が自分にぶつかりそうな気がした。
ぎゅっと瞳瞑って一歩後ろへ。
それからおそるおそる、流れ星の正体を知ろうと片目ずつ瞼を上げ。
■オダ・エルネスト >
まさか、人がいるとは思ってなかったが故に青年も『風』も驚き制御する。
ぶわっと波が広がるように少し目をあけた少女の前に魔力の燐光が流れているのが視えただろう。
すぐ近くで地面に足をつける音。
「驚かせてしまったようですまない。
こんな時間に人が居るとは思わなくてね」
そこに居たのは日本人っぽくはない顔立ちの男。
制服姿にスケボーを少し大きくしたようなボードを手にしたクソダサい文字の書かれたTシャツの見える青年だ。
■ジャム > 「……きれい……!」
彼が風を制御すると、ようやく認識が現実に追いつく。
星が人だとわかる。ボードの上に乗っている。ボード裏からプルタブじみた形が突き出している場所から漏れた燐光は夏の夜に幻想的で、思わずそう呟いて。
「あは!……普通は寝てる時間だもんね。
僕のほうこそ邪魔してごめんなさい。
目が冴えちゃって、お散歩してたらキラキラが空を飛んでたから。気になってここまで来たんだ」
相手の言い分もっとも。笑い声たてつつ、ペコリとお辞儀をして。ここに至るまでの説明しつつも、魔力の燐光残るボードに興味しんしんとチラチラ覗き込む。
「お兄さんが空飛んでるのって、異能のちから?
それともー、僕には見えないけど夜空に友達が居て、その人と仲が良いの?」
空にかすかに残った淡い光を掴もうと手を伸ばしつつ、首をこてんと傾げ。
■オダ・エルネスト >
少女の言葉に反応するように優しい風が少女の髪をくすぐるだろう。
獣耳の少女の言葉を聞いて一つ頷いて青年は微笑む。
「なるほどな、この島ではそれほど有名でもないようだから。
これは『ウィンド・サーフィン』というスポーツの一種……とも言えるものだ」
興味を持ってもらったのが嬉しいのもあって青年は上機嫌のようだ。
「それに邪魔ということはない。
スポーツというからには見てくれる人が居なければこっそり一人でやる練習と変わらない」
ボードはよく見ればまだ《エアリアル・ドライブ》はハメ込まれたままで飛んでいたときほどではないが、
僅かに魔力の燐光を漏らし続けている。
「飛んでいたことに関しては、どちらかと言えばこの魔道具のお陰だ。
そしてあのように綺麗に魅せれたのはこの島にいる精霊たちが元気で気前がいいからだな」
そのように答えて、魔道具という際にはボードをよく見えるようにした。
使い込まれてるようにも見えるそれは、なんとなく汚いというよりは骨董品というような渋みの方があるかも知れない。
「ああ、遅れたが私はオダ。 オダ・エルネストだ。
風に導かれた縁だ。 良ければ君の名を教えてくれないか?」
そう名乗るとボードを左の脇に抱えて、右手を握手を求めるように伸ばした。
■ジャム > 不意に涼しげな風が短い横髪を揺らし。
そちらを振り返った。誰もいないけど、ふっと微笑みかける。
その風が吹いた方向へ。
「へー!へーー!
空を飛ぶスポーツかあ。かっこいい!
初めて知った。お兄さんの世界じゃ人気のあるジャンルなのかな。
……そっか!良かった。それじゃあ、もしお兄さんがウインドサーフィンの大会に出る時があれば見に行くよ。応援しに行く!」
ふわっと広がって揺れる尻尾。
より興味を持って、しゃがみこむと今も燐光を放つボードに顔を近づける。炉の入った小さな船みたいだ。
小さくとも、海原渡るよな。
観客いてこそのスポーツ。そう聞けばぴこぴこと耳を揺らして笑みかける。
「そうなんだ。お兄さんには精霊さんが見えるんだね。
僕には見えなくてー。でも、なんだかさっき髪を撫でてくれた気がするよ。精霊さんと親しいお兄さんが近くに居るからご機嫌なのかも。
……このボードも長年の相棒って感じー。きっと随分練習してきたんだろうね。お兄さんに懐いてる」
羨ましそうな声音を上げる。半獣の感受性では彼らの存在を感じても目視も使役もできず、ライドを通じて会話もできないから。それでも、相手の近くなら相手を通して、何やら意思疎通めいた事ができそうで周囲を見回し。差し出されたボードをじっと眺めて、ぽつり。
「僕はジャム、一年だよ!
――僕も教えてほしい事がふたつあって。
オダのシャツ、それ何ってかいてあるの?
それと……。ね。そのボードって1人乗り?僕を乗せて……2人乗りってできないかな?」
嬉しそうに自分の手先を彼の握手と絡めて笑顔綻ばせる。
ついでに質問を重ね、なんか微妙なシャツの意味と。
あと、波乗りならぬ空乗りに、自分も一緒に乗れないかと上目遣い。
■オダ・エルネスト >
「はっはっはっ!残念ながら私でもウィンド・サーフィンのプロにはなれなかったのだ。
私の世界というよりは国かな。
アメリカ、という国なのだがそこでは結構嗜む者が多くてね、私のように」
この世界の常世学園の外についての授業を少しでも触れたことがあれば、聞いたことがあるかも知れない名称。
「だが、君の言うように私もぼんやりとだが精霊が見えるくらいには好かれている。
風の精霊たちは自由気ままで褒められるとやる気になる時もあるし、今はこのボードの《エアリアル・ドライブ》があるから余計にそういう気質が出やすい。
彼らは君が『きれい』と言ってくれたことに褒められたと感じたのだろうね」
喉を鳴らして笑うと改めて少女に笑みを向けて、
握手した手を握りながら。
「ああ、このシャツの文字か?
実はよく分からないのだが『いい街つくろ キャバクラ 学園』とのことだ。
『キャバクラ』という和製横文字には詳しくないのでな恐らく『愛と平和』という意味ではないか考察している」
真剣な顔でそんな考えを述べて、一度手を離す。
「二人乗りは、出来るが先程のような技はあんまりできないぞ。
それと、私の絶技を体験すれば癖になってしまっても知らないぞ?」
本来、二人乗りは自転車と違って超危険な競技だが、
割と無茶してもフォローできるくらいは魔導士してるのでなんとかなります、たぶんという気持ちで青年は応える。
ボードを落とすように手放すと床にぶつかることなく地面の近くで浮いた。
そして、難なくその上に立つ。
「何事もチャレンジしたくなるその、心の輝きは素晴らしい。
さ、先ずは乗ってみようかジャム?」
そう言って今度は両手を少女の方へ向けた。
■ジャム > 「アメリカ!……人は皆背が高くて、フレンドリーで自由な国だね!お兄さんみたいに!」
授業で聞いた事のある国の名前が出ると、かじったどこか偏った知識をひけらかし。どことなく彼の気質がよくでてるお国柄思い出せば、なんとなく一致を見てからから笑う。
「やっぱり精霊さんだったんだ!じゃあもっと褒めちゃう!……みんないつもありがとね!みんなが居るから、風見鶏がぐるぐる回るよ!おでこに熱い熱がこもらずに済むよ!揺られて、木の枝もよく育つよ!あは!」
先程撫でた風が自分の言葉による反応だと教えてもらうと、今も周囲に居るはずの精霊にそう呼びかけて笑いかける。
「素敵な意味の言葉だね。ケーキ屋さんのお店の名前にちょうどいいかも。
放課後とかさ、友達にこうやって声かけるの。
今日キャバクラ寄って行こって!」
真顔の彼の考察に感心顔で頷くと、
半獣人の脳にしっかり単語登録された。
後々問題になりそうな展開の気配を残しつつ。
「乗れたらいい!あとー、へへ。クセになったらオダに責任とってもらうー!
――僕、新しいものがあるとドキドキして試したくなるんだー!ありがと!それじゃぁお邪魔しまーす!……精霊さん、よろしくね!仲良くしようねー!」
相手の返事にひまわりが咲く勢いで笑顔綻ばせ。
手慣れた様子でボードに立つ相手を眩しそうに見上げ。
おそるおそる片足を。もう片足をひょいと乗せ。相手の両手に掴まろうと。彼と彼を取り巻く精霊さんたちの領域へ。精霊さんへの挨拶も交えて。
■オダ・エルネスト >
少女が称える言葉を投げかければ感謝を伝えるように少女の周りで軽い風が吹く。
そんな様子を微笑ましく眺めた。
「ケーキ屋さんか、いいな。
クラっと来るよう甘いケーキなどあればキャバクラという言葉によく合うかも知れんな
『ラブ&ピース』と同じ意味であれば普段から親しい相手に投げかける言葉にしてもいいかも知れんな」
今更ながらそういう風にせっかくの言葉を使っていなかったなと思わされた。
「はっはっは、いいだろう!
私は一人の責任を取れないような狭量ではない、任せて身を委ねるがよい」
少女の手を握り、ボードにしっかり乗っても少し揺れるだけでボードはしっかりとそこに浮いている。
どうやらいたずら好きの風の精霊ではあるが、あれだけ褒め殺されれば素直に協力的になるようだ。
「ジャム……腰に片手を失礼する」
そう告げれば、握っていた片手を離して細い腰へと腕を回す。
「問題なければ、軽く風に乗ってみようか。 精霊たちも今は優しいようだからな」
そう言って、顔を下に向けて少女の顔を見る。
言葉はないが、問題ないかと確認するように見つめた。
■ジャム > 「うん!任せたよー。
オダのこと信じた!オダの空、オダの見てる世界。僕にも教えて!――ぅわあぁぁ……!浮いてるよ!僕、浮かんでる!
空に近づいたよ!」
会ったばかりだけど、彼に身にまかせても大丈夫。
自分も、精霊さんもそう太鼓判を押してる気がする。
彼の大きな手を握って身体を持ち上げたら、まるでマジックのショーに居るみたいだ。自重が足につくのに、重力からは開放されている。その感覚に、ぴーんっ、獣耳を大きく跳ねさせて興奮する。
「良いよ、ありがと。
ふふ。紳士だね、オダ!
おけー!いつでも!覚悟も準備もできてるよ!
風の国に僕のこと、連れてって!」
自分が落ちないように配慮する前に、かけてくれる声に嬉しそうに頷いて。
振り向きながら見上げ、親指を立てて白い八重歯浮かす。
きゅ、と腰にかかった相手の手の甲に自分の手を重ね。
■オダ・エルネスト >
一瞬足元で風が吹いたかと思えば乗っているボートから魔力の燐光が巻き上がった。
「どこまでだって連れて行こう!……と言えれば、格好が付くが
私に出来るのは精々君と夜空の輝きになるくらいさ」
初々しい反応というのもあって、自分がウィンド・サーフィンをはじめた頃のことを思い出し、優しげな表情を浮かべた。
そして、風が吹いたと言うことは、ボードは風に乗り始める……。
「怖かったらちゃんと言うんだぞ?」
少女の反応に頷き返しつつ、最後に念押しのように言うが早いか。
ボードが、空へと流れ始める。
徐々に速度はあがる。
波に乗ろうとすれば自然とその波に追いつかれないような速度に徐々に加速してしまう。
本来ならば無茶苦茶と言われるような二人乗り。
けれど、体重を合わせるようにしていれば不可能ではないし、メインで動かすほうが相手の重心をコントールしていれば……
ボードは波に揺さぶられるが、二人同じような姿勢であるのに、二人の向かいに誰かがいるかのようにステップを踏むように揺れて、旋回する。
そこまで派手に動き回っているわけでないのに魔力の燐光は芸術的に舞う。
こんなのは精霊たちが機嫌がいいと感じる時でもあまりない。
決して青年に卓越した技術がある訳ではないが、この時このボードは『風』に見守られているようだった。
「ははっ! 凄いな滅多に見れる景色じゃない」
思わず感嘆の声を青年があげるくらいには珍しいことだった。
■ジャム > 「ひゅー!オダが言うとキマってる!
じゃあじゃあー!オダは僕の、星の王子様ー!
――大丈夫!怖くないよ。精霊さんも居るし!
わーい、動いてる!浮かんでる!夜空近づいたー……!」
よく知らない国だけれど、アメリカンな台詞だと思った。
相手の言い回しに小さく唇笛吹いてほんのり頬を興奮気味に赤くし。足元にふわり、制服のプリーツスカートが揺れるまわりに広がる燐光の中ではたはたはた!尻尾が大きく揺らされる。
「あははっ!オダってすごい!速いよ!馬よりも車よりもー!
精霊さんが空の道を開いてくれてるみたい!楽しい!
ウインドサーフィンって楽しいー!」
ほとんどが彼のボードコントロールと、エアリアルドライブによるものだろう。
けれども、自分には精霊と彼が自分の手を引いて、空いた片手で空路を魔法のように広げていってくれているように思える。風受けて膨らむ獣耳をフルフル揺らし、伸びてたなびく黒尻尾を相手の腕に絡ませて。弾む声音が夜空に響く。
次第に慣れてきたら、自分も彼らに加わって。3者で踊るように風と空に舞い。
「僕も同じ台詞を言うとこだったー!
――このまま島の端まで!行っちゃう?行っちゃう?……行っちゃおー!」
自分が鳥にでもならない限り、見れなかった風景が眼下にも広がる。
ちらばる街灯の散らばる宝石色に瞳を細めてから振り返り相手を見上げ。
――もっと先まで。もっと遠く。喜色に上擦った声でウインドサーフィンを一緒に楽しむひとときはその夜、続いたことと――。
ご案内:「第二教室棟 屋上」からジャムさんが去りました。
■オダ・エルネスト >
声高らかに笑いながら、
「よし、任せたまえ」
なんて調子に乗った挙げ句本当に一度島の端くらいまで近づいてから
《エアリアル・ドライブ》の魔力残量がヤバいことに気がついて
少女は終始楽しんでもらえたようで良かったが……
青年はいつ堕ちるからなぁと先ほどとは違う意味で笑顔を浮かべていた。
しかし、精霊魔術関連は精霊がどれだけ力を貸してくれるかで消費魔力量が大幅に変わる魔術。
恐ろしいことに学園地区に折り返してくるまで《エアリアル・ドライブ》は稼働し続けた。
ウィンド・サーフィン用ボード!
ボードに取り付ける《エアリアル・ドライブ》!
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ご案内:「第二教室棟 屋上」からオダ・エルネストさんが去りました。