2020/08/20 のログ
ご案内:「第二教室棟 職員室」にヨキさんが現れました。
■ヨキ > 午後の職員室。
夏休み中であっても、ヨキは職務のために欠かさず出勤を続けていた。
今は事務仕事中の、ささやかな休憩時間。
机上には飲み掛けの麦茶とノートパソコン、それに図面がいくつか。
腕を組んでオフィスチェアに深く座り、静かに眠っている。
「……………………、」
置かれている図面は、どうやら学生街にあるギャラリーの見取り図らしい。
搬入経路、作品設置図、など細々とした書き込みが見受けられる。
■ヨキ > スマートフォンで設定したアラームが鳴る数分前、ふとした拍子に目が醒める。
「……んあ」
目覚めるたび、気にするのは口元。よし。ヨダレは垂らしていない。
大きく伸びをして、湯呑に残った麦茶を飲み干す。
“職員室”と書かれた備品のやかんから、次の麦茶を注ぎ入れる。
他に仕事をしている者もほとんど居ない、静かな時間。
廊下の奥では生徒たちの明るい声が遠く聞こえて、居心地のいい仕事場だ。
■ヨキ > 広げられた図面は、近々予定している個展のためのもの。
四年前に大々的に行ったときよりも規模は小さいが、作品に懸ける意欲には変わりがない。
美術教師と金工作家。その両立のために、ヨキは美術部の顧問を辞退してきた。
ゆえに、いつだって成功が不可欠なのだ。
会場が小さくなったとは言え、その代わり小品の展示数が多い。
陳列の方法も、什器の準備も手抜かりは許されない。
人気がないことを確かめてから、大欠伸。
「…………。くぁ……」
■ヨキ > 肩や首のストレッチ。
柔軟性に気を使っている関節は柔らかく動くが、それでもデスクワークの疲労は重なるもの。
心地よさそうに息を吐いて、気を取り直す。
「……よし。引き続き頑張るとしよう」
教師としての務めも、作家としての目標も。
ヨキが止まることはない。いつだって。
ご案内:「第二教室棟 職員室」からヨキさんが去りました。