2020/10/07 のログ
ご案内:「第二教室棟 屋上」に日下 葵さんが現れました。
日下 葵 > 秋空の午後。

昼食を食べ終えた学生たちは午後の講義へ行き、
空きコマの学生はその時間を利用してくつろいでいるような屋上。
少しにぎやかな空間で、一人ベンチに腰掛ける姿が一つ。
火のついてない煙草を咥えて、ぼーっとしていた。

「退屈ですねえ」

秋の青色の中に、ポツンと浮かんだ雲。
風に流される様子を眺めながらベンチの背もたれに体重を預けて、足を組んだ。>

日下 葵 > 夏の様相はもはやどこにもなくて、
身体全体を包むような鬱陶しい暑さもなくて、とても過ごしやすい。
時折吹き抜ける風は、半袖では少し肌寒いくらいだった。
それでも、日の当たる場所は暖かくて、
昼寝をするにはちょうどいいくらいに心地よい。

「ふあー……」

思わず欠伸が出た。
咥えていた煙草を落とさないように一度持ち替えると、
ポケットからライターを取り出した。
煙草の先を覆うようにしたところで、ハッとして周りを見た。
周囲にはまだ学生が沢山いる。

「少し気が引けますか」

そういって、咥えていた煙草を箱に戻す。
少し口許がさみしい、そんなことを感じながら、
再び視線を空に戻した>

日下 葵 > 「っと、いけませんねえ。
 こういう天気の日はついつい眠気に負けそうになってしまって」

しばらくぼーっとしていたら、かくんと船を漕いでしまっていた。
目的もなくただ無為に時間を過ごしているといつもこうだ。
今日はもう講義はないし、警邏のシフトもない。
だからこのまま帰ってもいいのだが、なんだかまだ帰りたくない気分だった。

「そういえば転移魔法の調整をしてもらわないといけませんねえ」

先日、裏常世渋谷に運悪く迷い込んでしまったとき、
首のチョーカーや、四肢に巻いたリボンの転移魔法が機能しなかった。
おかげで本当に死にかけたわけで、
それに関しては新たに何かしらの対策をしなければならなかった。

「魔術に詳しい人とかいませんかねえ」

今使っているのは既製品。
位相のズレた空間から実空間への転移は要求される魔法の水準が上がる。
そうなると、既製品だけでは対応が難しい。

うーん、と考え事をして>

日下 葵 > 「ひとまずは、風紀委員の知り合いと上司に相談しますか」

気付けば、周囲に学生はほとんどいなかった。
皆講義に行くか、帰るかしたのだろう。

それを確認してから、さっきまで咥えていた煙草を取り出して火をつける。
ぷかぷかと紫煙を上らせて、
帰りに風紀委員会の本庁に立ち寄ろうなんて。

たぶん誰かしら魔法に詳しい人材を紹介してくれるだろう。
そんな期待を胸に煙草を吹かして、吸い終われば屋上から降りていくのだった>

ご案内:「第二教室棟 屋上」から日下 葵さんが去りました。