2020/10/26 のログ
ご案内:「第二教室棟 屋上」に鞘師華奈さんが現れました。
ご案内:「第二教室棟 屋上」にアールマティさんが現れました。
鞘師華奈 > 先日の公安第四教室の反省会(も兼ねた打ち上げ会)の席において、新たなツーマンセルを組む事になった。
その少女――アンドロイド、というのが正しいのだろうが彼女が学園に足を運んだ事が無い、というのを聞いて今回は彼女を連れて学園施設を軽く案内をしている。

「――で、ここが定番と言えば定番だけど屋上だね。生徒や教師の憩いの場…の一つかな。まぁ今の季節は夜とかは冷え込んでくるけど。
私もちょくちょくここで一服したりしているよ。さっき案内した第一教室棟もそうだったけど、この後に案内する第三教室棟も基本的に作りはあまり変わらない。」

と、後ろを軽く振り返り新たな相棒であるアンドロイド――アールマティに告げながら屋上へと出る。
今日は少々吹き抜ける風は強いが、それでも肌寒いというほど強くも無い。

アールマティ >  
「定番、とは」

ちょこちょこと後ろをついてくる少女――――アールマティは素朴な疑問を聞きながら周囲を見る。

彼女の社会勉強も兼ねて学内を案内する事になったが……実際にやってみると、それなりに苦労を感じたかもしれないだろう。
表情は変わらないが、見ている向きはきょろきょろと変わり、時折急に単独行動をしようとする。
その先で何があったかと言われれば、貴方にとっては当然なものを「未確認物体」と言って観察したり……口調と裏腹に彼女の行動の基本は、幼児のそれに見えなくもないだろう。
お陰様で、ここまでくるのに随分と時間がかかったかもしれない。

「北西からの北風を検知。風速3.3m/s、気温14℃
 10月の平均気温を下回っています。
 人間感覚で……『やや寒い』といった所でしょうか」

大丈夫ですか?と、相手……華奈の方を見て尋ねる。
彼女は基本的に話をするとき、じっと相手の目を見る。
視線をぴたっと合わせて瞬きもしないため、まるで人形のように感じるかもしれない。

鞘師華奈 > (…ボスはよく彼女と平然とコンビを組めたなぁ…)

先ほど、第一教室棟を案内したのだが少しでも目を離すとまるで好奇心の塊の子供みたいにあっちにフラフラこっちにフラフラ。
一度だけ完全に見失ったりもして慌てて探しに戻ったりもしたりと、実は地味に大変だった。
とはいえ、そういう気疲れはあまり顔には出さずに根気強く案内を続けている。
彼女は学園を訪れるのはそもそも初めてだし、あれもこれも彼女にとっては未知数であろう。
まぁ、学園の構造や施設概要を知っておくのは無駄にならないし、今回の学園案内はちゃんと意味があると思ってはいるが。

「うーん、まぁこのくらいの寒さは私は慣れてるけど確かに長袖じゃないと肌寒いかもしれないね」

じっ、とこちらの目を見つめて尋ねてくるアルマに私は大丈夫だよ、と笑顔を返す。
実際着込んでいるのは長袖でスーツなので、このくらいの気温ならまだコートやマフラーは必要ない。

じっと見つめられるのも最初はやや戸惑ったが、もうそれも慣れた。しかし…。

「そういえば、アルマのそのボディって君の力、というか機能で元の用意されたボディから形質変化させてあるんだっけ?見た目本当に人間と変わらないけど…。」

とはいえ、確か首元など一部にはロボと分かるパーツが丸分かりなのもあり、首に赤いマフラーを巻いている、とはボスや彼女自身から聞いているが。

アールマティ >  
「はい。
 ベースとなったボディでは活動に制限が生じると判断、周囲にあった記録媒体に存在したイラストデータから外観を模倣しました。
 再現可能部位に限界があり、一部はベースボディのままですが」

そういいながらマフラーを外せば、首部分は機械パーツがむき出しになっており彼女が本当に人間ではなく機械であることが分かるだろう。
ここには他に人もいない為、見せても問題ないと判断したようだ。

「形質変化によって感触は再現されていますが、あくまで模倣の為体組織は金属とプラスチック、炭素繊維が基本になっています。
 とはいえ、状態意地の為有機質を外部から定期的に補給していますが」

有機質……つまるところ有機物だ。
言ってしまえば動物や植物のような、炭水化物や糖質、脂質…つまり食べ物の事だろうか。

鞘師華奈 > 「――外観の模倣は凄いけど、まぁ確かに精密に人体を再現しようとすると結構難しいみたいだしね。
まぁ、一部だけならまだいいんじゃないかな。拝見した感じ、殆ど見た目だけなら私達とそう変わらないしさ。」

髪の毛や肌の色に付いては、そもそも異邦人も普通に居る島だから個性として特に問題ないし。
彼女が自らマフラーを外したのは、他に人目が無いから大丈夫だと判断したからなのだろう。
まじまじと首部分の機械パーツを眺める。そういう部分を見ると改めて彼女がアンドロイドなのだなぁ、と納得してしまうが。

「成程ね。けど、それって無機物と有機物のハイブリッドみたいな感じになるのかな。
それだけでも、アルマの形質変化の機能はかなり凄いと私は思うけどねぇ。」

話しながら、彼女から多少距離を開いてから煙草の箱を取り出す。アルマに一度視線を戻して、「喫煙しても?」と、一応は断りを入れながら。

「それで、さっきの話だけど――つまり食べ物の摂取は一定の量は定期的にしているって事だよね?
じゃあ、好み――あーアルマからみて興味深い味、あるいは構成成分の食べ物は何かあるかな?」

少し言い回しが婉曲的になったが、要するに人で言えば「好きな食べ物は何ですか?」というやつだ。

アールマティ >  
「ありがとうございます。
 事実、この世界の文明レベルよりも高度なテクノロジーの行使を行っていると当機は推測しています。
 現状、当機の内部機構の解析は出来ていませんが。
 当機の解析が進めば常世島の技術レベルが大幅に上昇し、発展の一助となるでしょう」

とはいえ、場合によってはアールマティそのものがバラバラに解体されるなんて事もありえる。
だから四方の判断で、アールマティの存在に関しては第四特別教室が一部秘匿しているという状態だ。
言ってしまえば、彼女のテクノロジーを隠し、目をつけられないようにしているという所である。

「喫煙は人体に悪影響を及ぼします。
 当機は副流煙によるボディへの影響はありませんが、嗜好品は自信の健康を判断して制限をかける事を推奨いします。

 ‥‥当機の、興味ですか?」

堅苦しい口調で言いながら、振られた質問を思案する。

「補給手段は経口摂取でなくても問題はありませんが、社会への適合の為に経口摂取を大曾根隊員に推奨されています。
 人間のように6~8時間毎の補給は必要ありませんが。
 興味深い味、という質問には、複雑な思考判断が必要になる為判断に時間を有しますが」

そう言いながら、無表情で固まる。
おそらく思考しているのだろう。それが顔に出る事はないが、機械である分他の動作が止まる等で変化があるのだろう。

鞘師華奈 > 「確かに、この世界的の文明レベルより高い水準の技術が使われてる、というのは私でも分かる。
あー確かにゾネさんがアルマの内部機構はまだ未解析、というかブラックボックスな部分が多いとか言ってたなぁ。」

彼女の解体、は勿論出来るだけ回避したいので第四の面子一同全員の意見の一致、そしてボスの判断で一部情報の秘匿と緘口令が敷かれている。
そこは女も理解している為、こうして二人きりで話していてもあまり具体的過ぎる所には突っ込んで触れたりはしない。

「あーー…うん、まぁアルマならそういう判断と推奨はするよね。大丈夫、健康を害するだけで嗜好品としては悪手なのは私自身がよく理解してるさ。」

と、苦笑いを浮かべながらも煙草はしまわずに1本取り出して口の端に咥える。
そのまま、ついでに一緒に取り出したジッポライターで先端に点火しながら。

「興味、と言えるかは分からないけどね。アルマも食物は或る程度の種類は摂取済みだろうから、栄養価だけじゃなくて味とか見た目とか、色々総合的に判断して好悪はある…と、私は思ってるんだけど。」

まぁ、複雑な判断思考になるのは仕方ないとは思う。自分の質問は彼女には地味に難解だろうから。
無表情のままピタリ、と動きを止めた彼女だがフリーズしているのではなく、思考演算にリソースを今は振っているのだろう。
こちらはその間に煙草を蒸かしながら、のんびりと彼女の”答え”が出るまで待つ構えだ。

アールマティ >  
「…栄養、という要素で判断するのであれば栄養補給ゼリー飲料がもっともバランスが良く、体組織再現に最適なものは動物繊維になります。
 動物繊維でも哺乳類のものが当機の分解再構築機構の効率が良く、体組織への変換が容易です。

 味覚に関しては、データが不足しており現状での判断になりますが。
 …‥‥」

長考。
長考に長考を重ね、答えを選ぶ。

実際、好みと言われる程に食料を摂取している訳でもなく、判断は迷っているようだが……
考えた末に、ポケットから一つ、何かをとりだした。

「此方でしょうか」

取り出されたのは、板チョコレート。
別段変なところもない、一般的なチョコレートだ。
シャルモン・アルフォンゾというお菓子メーカーのもののようだ。

鞘師華奈 > (まぁ、栄養素とか効率的な摂取に関しては兎も角、単純な味の好み、とかなると彼女的には判断は難解だろうなぁ)

人間にとっては当たり前にある味の好みあれこれも、それが機械や人工知能の類となると機械的な判断になるだろうし、だからこそ難しそうだ。
とはいえ、長考を重ねた結果彼女がポケットから何かを取り出した。それは――…

「…板チョコかい?まぁ、確かに私もチョコは嫌いじゃないけど。」

個人的には甘すぎるよりビター系のカカオ成分多めの方が好みだが、まぁこの際自分の好みはどうでもいい。
女でも一応は知っているお菓子メーカーのそれは当然見覚えはあるもので。

「まぁ、でもアルマの好みは分かったよ、ありがとう。」

煙草を蒸かしながら小さく笑って礼を述べる。大した話題でもないがこういう積み重ねは大事だと思う。
それは相手が人工知能を持つアンドロイドであっても変わりは無い。彼女も”仲間”なのだから。

(まぁ、現時点での彼女からの私への評価は少し気に掛かる所だけど、ね)

この前の朧車討伐でやらかした手前、その辺りは正直気になるが尋ねる気は無い。
やった事は仕方ないし…もっと頭を使うこと、そして周りを信じる事が私の課題だ。

「それで、この後も案内するけど今の時点でアルマが興味深い施設とかはあったかい?」

そして、続く質問は学園施設で彼女が何か興味深いものがあったかどうか、というもの。

アールマティ >  
「板チョコではありません。
 『鳳蓮-濃厚ミルクテイスト』
 シャルモン・アルフォンゾ社新作、ドライフルーツ6種入りミルクチョコです」

通常のミルクチョコではありません、と念を押される。
表情は変わらないが、なんとなく”圧”を感じるかもしれない……

「独自製法によって外面部をコーティングした数ミリ四方のドライフルーツを、劣化を起こさない低温で溶かしたチョコレートで包み込んだ品です。
 加工技術、アイデア、栄養バランス総てにおいて通常の市販チョコレートよりも優れています。
 販売価格100\でこのようなものが作成出来る事は、当機にとっては未知の領域でした。
 
 人間的感覚で言うのであれば『興味深い』に該当すると判断しました」

そうつらつらと語る少女の姿は、まるで好きなものを長々と語るようで。
無機質に見えるかもしれないが、ほんの少し”感情”というものを垣間見せた気がするだろう。

…とはいえ、別の話を振られればぴたりと止まるあたり、彼女の機械性もまた垣間見える気もするが。

「興味深い施設、ですか。
 施設ではないですが、”授業”という知識導入プロトコルには興味があります。
 当機は情報に関してはネットワーク上にあるものであれば検索によって把握する事ができますが。
 しかし、それでは学習できないもの、というのが存在する事を先刻理解しました」

鞘師華奈 > 「あ、あぁ…うん…成程ね?」

気のせいか無表情ながらも謎の”圧力”を感じた気がする。
好み、というか興味深いという感じに近い気がするが…煙草を咥えたままやや引き気味になりつつも頷いて。

(むしろ、そっち方面は私なんかより色々と調べてそうだよなぁ、この子)

女子の端くれではあるが、あまり甘味は自分から食べたりはしないのでそこまで詳しくない。
と、いうか流石人工知能。詳細を把握しすぎである。
ただ、まぁ無機質な彼女の顔の中に僅かに感情みたいなものを垣間見た気がして。

(…うん、まぁ多分良い傾向なんだろうな)

と、思いながら小さく笑う。少しずつ、彼女もこの世界の事を学んでいるのをちゃんと実感できた。

「――授業、ねぇ。ボスに頼んでアルマを学生として通わせてみる…は、早計か。
まぁ、機会があれば授業を体感させてあげたいものだけどね。アルマにとっても良い経験の一環になるだろうし。」

確かに、ネットワークでは分からない事、教えられない事が授業にはあるのだろう。
それを上手く言葉に置き換える事は未熟な自分には難しいのだけれども。
半分ほど吸い終えた煙草を咥えたまま、アルマから一度視線を茜色に染まりかけた空へと向けて。

「――まぁ、うん。こうやって相手を知る事は大事だよね…。」

何処か独り言のように呟いて、何やら一人納得したようにうん、と一つ頷いていた。

アールマティ >  
「知識とは情報です。
 他個体の情報を得、それにより行動を変化させることは知能を発達させた生物にとって生存にも深く結びつく重要な行動です。
 人間によって作られたと推測される当機にも、それは変わらないものです」

知識欲、に関して自身の見解を話す。

「事知性を発達させた人間は、特に個体情報において非常に多くの差異を生じさせています。
 それらを理解してゆく事は、自己の変化を促す重要なファクターとなり、重要視されるものでしょう。
 
 そういった意味で、当機は『相手を知るのは大切』という言葉に肯定します。
 
 ……カナは、当機を知る事ができましたか?」

一つの疑問。
知るのが大事、といった。
知る事が出来たのだろうか?
自分の思考結果は、目の前にある個体に影響を与えたのか?
単純な、疑問だった。

鞘師華奈 > 「――そうだね、少なくともアルマはチョコレート…あー、えぇと『鳳蓮-濃厚ミルクテイスト』を興味深いと思っていて、授業にも関心を示している。
それが分かっただけでも収穫だよ私にとっては。互いを知るっていう事は互いを理解すること。そして自分が変化して成長していく事に繋がる。
――機械的に言うとアップデート?自己進化っていうのかな?まぁ、そんな感じ。」

それに、と付け加えながら煙草の吸殻を取り出した携帯灰皿に捻じ込む。
さすがにポイ捨てはしない。喫煙者として最低限度のマナーは守っているつもり。

「――暫くは君と私のコンビで動く事になるだろうし、お互いの事を知っておくに越した事は無いからね。

だから、君の疑問にはこう答えるさ――「君について少し理解できた」ってね。」

少しだけおどけるように笑い掛けて。まだまだ目を離せない危なっかしい同僚だが…案外上手くやれそうな気もする。

アールマティ >  
「はい、アップデートです。
 
 そうですか、では……
 当機も、カナについて”理解”を深めたいです」

言葉を、返し。
それはまるでひよこが親鳥の行動を見て学ぶように、相手の言葉をそのまま返すような返答だったが。
『知りたい』という意識が、根底に確かに存在する事を示している。

この先、この機械の少女はどんな事を知っていくのだろうか。
知っていくことで、まだまだ機械的な彼女は、どのように変化していくのだろうか。
それはまだ、わからない。

鞘師華奈 > 「それは全然構わないけど、私を理解して知って貰っても、アルマに良い影響があるかどうかは分からないなぁ。」

苦笑気味に。自己評価は基本的に低い女なので、ついついそんな卑下、とは言わないが控えめな言葉が出てしまう。
だが、自分の事を理解したい、と率直に述べてくれる彼女の言葉は有り難いものだ。

まぁ、こちらの理解を深めて貰うのも、自分がアルマをもっと理解するのもどちらも大事なのだが、その前に――…

「まぁ、それもなんだけどアルマには社会というか一般常識、ももう少し学んで貰わないとね。」

ボスがコンビを今回組ませたのは、そこら辺りの学習も考慮しているのは少なからずあるのだろうし。
まぁ、自分がどの程度社会常識を彼女に教えられるのかは分からないけれど。

「――アルマ。…第四の同僚…いや、”仲間”は今の君にとってどういう存在かな?」

そろそろ休憩も切り上げて案内を続けないと夜になってしまう。だから、最後に一つそんな質問を彼女に投げ掛ける。

アールマティ >  
「それを判断するのは当機なので、全く問題ありません」

影響は自分で判断する。
思考できる存在であるからこそ、それを行うのは、当然である、と。
そう言いながら、華奈の言葉を受け、そちらへ視線を向ける。

真っ直ぐな、瞳。

「当機にとっての第四特別教室。
 破損し自己修復不能状態に陥っていた当機を回収し、ボディを提供、アールマティという固有名称と個体存在を認可して頂いた組織です。
 当機は第四特別教室に存在保証を受け、現状常世島での活動を許可されています。
 それは当機にとって、この常世島へと転移された際最も良い事態であったと認識しています。

 人間に合わせて言うならば『命の恩人』と呼ぶのが正しいでしょう」

自分を拾い、そして共に居てくれる存在。
彼女の言葉は機械的だが、しかしそこには、仲間意識のようなものや、恩を感じるかもしれない。
少なくとも、今ここにいる事を……彼女は肯定的に思っているのだろう。

「当機はメモリを破損し、製造目的、製作者、常世島以前の命令総ての情報を喪失しています。
 阿頼耶室長代理はそれを当機から説明した際『じゃあどうしたい?』と当機に対し質問をしました。

 当機は、喪ったメモリを補完、再認識したいと答えました。
 阿頼耶室長代理、大曾根隊員、夢莉隊員は、それを承諾してくださりました。

 第四特別教室は、当機の存在と、思考を容認して下さる存在です。
 当機は、それを貴重な存在だと、認識しています。

 当機にとって、唯一無二の存在です」

鞘師華奈 > 「――ハハ、そういう真っ直ぐな瞳は眩しいなぁ。」

彼女の言葉と真っ直ぐな視線に微苦笑を浮かべて。前向きになった、とはいえ自分はまだまだだ。
彼女のように、真っ直ぐに躊躇無く言葉に出来るほどの信頼はおそらく自分には無いのだろう。
新人だから、とかそんな言葉は言い訳にもならない。
私はまだ、根本的に他者を信じ切れていないのだろう…ボスに指摘された言葉が身に染みる。

「――命の恩人、か。……そっか。」

うん、と何かを考え思うように目を細めてアルマを見つめていたが、ややあってからゆっくりと頷いて。
自分のような中途半端よりも、彼女のほうがよっぽど第四の皆を仲間として見ている気がした。

(ああ――本当、自分自身に腹が立つなねこれは)

内心で呟きながら、ゆっくりと己を落ち着かせるように呼気を漏らす。
今の自分の気持ちをアルマに吐露してもしょうがないだろう。ぐっと押し込めながら。

「よーーし!じゃあ案内を続けようか。それが終わったら何か食べてから帰ろう。
アルマが食べてみたい物があれば私が奢るよ?まぁ、あまり高すぎないと有り難いけどね?」

と、少し空元気気味だが、それでも態度や表情には出さずに明るくそう努めて彼女に声を掛けてから歩き出そうと。

――彼女を少し理解できた。同時に自分の課題もまた浮き彫りになった。
それを、少しでも直せるように頑張っていかないといけない。
改めて、そう思いながらアルマと共に屋上から屋内へとまた戻れば、残りの施設も案内していこうかと。

アールマティ >  
「では『鳳蓮-クルミたっぷりホワイトテイスト』でお願いします」

奢る、といえば即座に要望を出す。
その内容は……子供のようなものだが。

そう言いながら、共にほかの施設の見学へと向かうだろう…

「そういえば先ほどはカナ個人を含めていませんでしたが。
 当機として、初となる第四特別教室での後輩と阿頼耶室長代理には伝えられました。

 なので、当機はカナを後輩として認識しております」

鞘師華奈 > 「…そうなると、私は第四の末の妹になるのかなぁ。」

そして僅か三日とはいえ仲間だった”彼”は末弟になるんだろうな、とか。彼女の子供じみたちゃっかり要望に笑いつつ二人で屋上を立ち去るのである。

ご案内:「第二教室棟 屋上」から鞘師華奈さんが去りました。
ご案内:「第二教室棟 屋上」からアールマティさんが去りました。