2020/10/31 のログ
ご案内:「第二教室棟 屋上」に日下 葵さんが現れました。
■日下 葵 > 夕刻。
太陽が傾いて、街全体が暖かい色に包まれる時間帯。
休日の教室棟の屋上には誰も人はいなかった。
そんな場所に、出入り口の扉が開く。
「お、誰も居ませんねえ。
これはゆっくりできそうです」
誰もいない屋上を見れば、少し嬉しそうに笑った。
世の中はハロウィン。
若者の多いこの島は仮装だなんだと大盛り上がりで、
歓楽街や常世渋谷の通りは愉快な格好をした者達で騒がしかった。
そしてそういう喧騒を好まない者達は、
常世神社に出向いたり山を登ったりして紅葉を楽しんでいるようだった。
「大時計塔もそうですが、こういう高い場所は街を一望できていいですねえ」
時折風に流されて聞こえてくるイベントの音、
そして眼前に広がる紅く染まった山や街路樹。
街の様子を見るにはとても都合の良い場所だった>
■日下 葵 > どれくらい経っただろうか。
気が付けば西の空が色彩を失い始めていた。
賑やかな音を届けてくれていた風も、温度を失って肌に触れると冷たい。
「さて、風邪をひいてもいけませんし、そろそろ帰りましょうか」
腰かけていたベンチから立ち上がれば、ぐーっと背伸びをする。
遠くの山には、小さく建物がみえた。
たしかあれば常世神社だったか。
「そういえば来週には紅葉狩りとやらで神社で催し物があるんでしたっけ」
また警備とかの仕事が回されるのかなぁ。
頭に思い浮かんだのはそんなことだった。
もし何も仕事が舞い込んでこないようであれば、
誰か友人を誘って紅葉狩りに行ってみても良いかもしれない。
そんな様子で来週末のことを考えながら、屋上を後にした>
ご案内:「第二教室棟 屋上」から日下 葵さんが去りました。