2021/02/03 のログ
ご案内:「第二教室棟 ロビー」に杉本久遠さんが現れました。
杉本久遠 >  
「だはー!
 寒い寒い、今日も冷えるなー!」

 教室棟のロビーに飛び込んでくる生徒が一人。
 ジャージ姿に一風変わったスキー靴のような赤いブーツを履いて、硬質な足音をさせながら、自販機まで駆け寄っていく。
 

杉本久遠 >  
 自販機で『HOTゆずレモン』を買うと、運良く一つ、空いてるテーブルの椅子に座る。
 ボトルの蓋を開けて一口飲むと、温かさが内側から広がっていくようだ。

「──ふう」

 そして一息着くと、ウェストポーチから手帳を取り出して、メモを取り始めた。
 

杉本久遠 >  
「むむ、やはりこう寒くなってくると、屋外は厳しいなぁ。
 走ってる間はいいが、やめた途端、体が冷え切ってしまう」

 ロビーの中は暖房がしっかりと効いている。
 汗が引くまではここで休んでいるべきかもしれない。
 

杉本久遠 >  
 放課後のロビーは、相応に生徒や教師の姿があって賑わっている。
 どこも数人のグループでテーブルを使っていて、久遠が現れた事でテーブルは全て埋まってしまった。
 空いている椅子も、久遠のいるテーブルに備えられた椅子くらいのモノだった。

「いつもより多いな。
 みんな試験勉強でもしてるのか?」

 それにしては少し時期が早いようにも思える。
 よく見れば、どことなく女子のグループが多いような気がした。
 久遠は特に気にならない性分だが、男子には少々居づらい雰囲気があるかもしれない。
 

ご案内:「第二教室棟 ロビー」に雨見風菜さんが現れました。
雨見風菜 > そんなロビーに、水筒を持って現れた風菜。

「あら、どこも埋まっているんですね」

どの席も埋まってしまっている。
そう判断して、寮にさっさと帰ろうかなと思ったところで、一つの空き席を見つける。
だが、そのテーブルには知らぬ男子が座っている。

「すみません、相席よろしいですか?」

空き席に近づき、座っている彼に声をかける。

杉本久遠 >  
 身体を冷やさないようにしていたら、声がかかったのは女子生徒から。
 見覚えは、あるような無いような。

「ああ、かまわないぞ。
 っと、もしかしたら少し、汗臭いかもしれないが」

 大丈夫だよな、と言うような様子で自分の鼻を鳴らしてみたり。
 実際、それほど強い体臭は臭っていないが。
 敏感な生徒なら多少、気になるところはあるかもしれない。
 

雨見風菜 > 風菜は彼を、彼のやっている競技を知らない。
もしかしたら、何かの折に姿を見られていたのかもしれないが。
それとも、公認状態で出回っているブロマイドか。

「ありがとうございます。
 汗臭い……何か、肉体労働か運動でもしておられたのです?」

許可を得て、遠慮なく座る。
相手の汗の匂いは、特に気になるレベルではない。
それはさておき、そう自称する程に汗をかいたということ。
今の季節は寒く、ならば肉体労働か運動で体が温まったのかと思い。
水筒のコップにコーヒーを注ぎながら、そう尋ねる。

杉本久遠 >  
「おお、少し走ってきたところだ。
 しかし、この時期は汗をかくと冷えるからなぁ。
 慌てて避難してきたってわけだ」

 笑いながら答える。

「走ってる間は良いんだがなあ。
 普通に走るなら、この時期はジムにでも行くべきなんだろうな」

 そう話ながら、手帳に幾つか数字を書き加えた。
 

雨見風菜 > 「なるほど。
 確かに、屋外で走るとなると冷える季節ですしね」

『物体収納』により、淹れたての状態を保ったコーヒーを一口。
その様は、見るものに清楚な印象を与える振る舞い。

「暖房がかかっていますしね。
 寒さが嫌なら、そちらのほうが良いかもしれません」

手帳になにか書き込んでいるのを、気になりつつも何も問わない。
手の動きから何を書いてるのか読み取るような技術もない。

杉本久遠 >  
「そうなんだよなあ。
 普通に走るんならそれでもいいんだが。
 これを履いたままじゃ、ランニングマシーンも使えないのが難点なんだ」

 そう言いながら自分の足元を、履いている赤いブーツを叩く。
 久遠が履いているのは普通の靴ではなく、シャープに足先が尖った形状のブーツ。
 スキー靴のような印象があり、よりメカニカルにしたように見えるだろうか。
 

雨見風菜 > 彼の足元に目を向ければ、見慣れぬブーツ。
見た覚えはあるものの、さてそれはどこで見たのだったか。
どうにも思い出せない。

「……普通の靴で走れば良いのでは?
 それにしても、そのブーツは一体?」

当然の疑問と、ブーツへの疑問を並べる。

杉本久遠 >  
「だはは、それはその通りなんだよなあ。
 ただ、そればかりというわけにもいかないんだ」

 軽く上げて見せた足を降ろすと、床に当たり少し硬質な音が鳴った。

「これは競技用の魔道具、って言えばいいかな。
 これを履いて競技をするわけだから、これを履いた状態で体を作っておく必要があるわけだ」

 そして、ロビーの掲示板を指で示して、

「エアースイム、って言うんだが、噂に聞いたりしてないか?」

 掲示板には、『エアースイム常世島冬季大会』と描かれた大きめのポスターが貼りだされている。
 

雨見風菜 > 「競技用の魔道具、ですか。
 選手さんは大変ですねえ」

他人事のように言う風菜。
風菜とて水泳に本腰を入れれば選手として鍛錬に精を出していたのかもしれないが。
だがそれは彼のような魔道具を使う競技ではない。

「エアースイム……ああ、成程。
 チラシに見覚えがある、程度ですね。
 自前で飛べますし、興味がそそられなかったので思い出せなかったのでしょう」

風菜は普段から己の異能で飛び回る。
異能の操作において、他人から妨害を受ける由もなければ暴走するような異能でもない。
故にエアースイムには興味を持てていないのだった。