2021/10/17 のログ
ご案内:「第二教室棟 屋上」に霧島 孝介さんが現れました。
霧島 孝介 > 拝啓、お母さんへ。

ご無沙汰しております。
貴女の息子の霧島 孝介です。

僕は今、この常世学園の2年生として生活しています。
この学園の授業や特色、一人暮らしにも慣れてきました。

しかし、僕は今大きな悩みを抱えています。

霧島 孝介 > 「うわ、僕の友達、増えてなくない……?」

屋上で頭を抱え込む少年が1人。
既に暦は10月の後半。しかし、日差しが照れば汗ばむ季節。
そんな中、暑さとは違うベクトルで汗をかいている少年がいた。

「いや…うん、これは授業が忙しいのが悪いよね、うん。僕のせいじゃないよね」

兼ねてより『友達を増やそう!』を目標に行動していた少年だが、中々行動を起こせずに1年が経ってしまったのである。

霧島 孝介 > この1年間を振り返れば、まぁ、ヤバいの一言である。
まずグループワークが最悪である。
とりあえず他人の意見に同調が多かった。

『えっ、あ、○○さんのい、けんが良いと思うよぉぉ…?』

「いや、きしょすぎる!!主体性を持て!俺!!!」

まず一人称が安定してないのが悪い。
どっちだよ!僕なのか俺なのかはっきりせい!
他人の前では僕で一人の時は俺か!?

いや、なんかイキリオタクみたいで尚更キモイわ!!

霧島 孝介 > 「アルバイトでも、友達増えなかったし…」

歓楽街方面のコンビニでアルバイトをしているものの
あの場所って、割とおばちゃんとか母国語話す外人が働いてたりするんだよね…
友達って言うか、バイト仲間?
バイト中は割と話すけど、プライベートなやり取りはしない的な?

実際、バイト仲間とのメール履歴を見ればシフト提出や欠勤連絡の方が多い。

「…いいなぁ、恋愛とか青春とか…俺には縁がないんかなぁ…」

ここでなら主人公に…までにはなれずとも、レギュラーキャラ、いや、準レギュラーキャラくらいなら…と思ったけれども。
能力が少し強くても、コミュ力がなければ生き残れないのが現代社会である。

実際、コミュニケーション能力を重視する機関は増えているしね。

霧島 孝介 > 「…これじゃ、ダメよな。『蒼装』…」

掌を上に向ければ、そこには蒼い光の粒子が渦巻く。
これが彼の『異能』。

「はぁ…よし、落胆するのは辞めておこう。おう」

立ち上がって、大きく伸びをする。
せっかくお母さんが健康な身体で生んでくれたんだから大きく胸を張るべきだ。
それが人前でなくてもね。

「『蒼装』の訓練でもしようかな~……いや、今日は新連載の日だったか!?」

大きく天を仰ぎながら、そのようなことをブツブツと話す。

霧島 孝介 > ってかこの男、うるさい。
一人だとブツブツと話し出すし、正直それが人を寄せ付けない理由なのかもしれない。
オタクくん特有の独り言早口を披露した後に、結論に至る。

「…ま、身体と同じで、異能も使わんと錆びついちゃうからね」

手を伸ばせば、その軌跡に沿って蒼い光の粒子が走る。
彼の動きに従って湾曲の輪郭を描く。

「俺の能力って芸術みたいだな。…お、今のセリフかっこいいなぁ!」

今度キメ台詞にしよう。うん。

そんなことを考えていれば、ちょっとかっこいいポーズを取り、手を前に突き出す。
手に蒼い光が集えば、それは剣の形となり、発光を伴った後に。

鉄の剣が、彼の手中に収まっていた。

霧島 孝介 > 「…やっぱり、ビジュアルだけで言えば結構かっこいいよな。俺の異能」

剣を逆手に持ち、腕を組んでムフフと笑みを浮かべる。
見た目だけで言えばイルミネーションのそれに近いものがある。
それが何の役に立つかはわからないが。

「現代兵器…銃とかで無双!もいいけど、例えば剣だけでバトルってなった時に使えなかったらヤバイからな」

剣の振り方だけでも訓練しておこうと構えを取る。
剣術についてはそれに関する授業と書籍、訓練を積んでおり、凡人程度には扱えると自負している。
その凡人程度に扱える事こそ、彼、ひいては彼の異能に重要である。

「せいっ!」

風を切る剣戟を披露し、剣の稽古…とまでは行かない素振りを始める。

霧島 孝介 > その後は時間を忘れ、剣の修行に没頭し、気付いたら辺りは真っ暗になっていた―――――
ご案内:「第二教室棟 屋上」から霧島 孝介さんが去りました。