2021/10/18 のログ
ご案内:「第二教室棟 屋上」に深見 透悟さんが現れました。
深見 透悟 > 『ヘイヘイヘーイ、急速潜航ー!』

すっかり冷え込んできつつある日没直後の屋上。幽霊の深見透悟は物質をすり抜けるという幽霊の特性を活かして潜水艦ごっこで遊んでいた。
生前は健全な高校生だった深見である。遊びのレベルが若干低い気がしないでもない。

『よく考えたらこうやって床とか壁とか天井の中を自由に動けるって最強じゃね!?
 暗殺屋とかやってみようかなー、殺す手段がねーんだけど!!』

あひゃひゃひゃ、と何が愉快なのか高らかに笑っている。
空元気なのかもしれない。きっとそう。

深見 透悟 > 『暗殺といやあ、呪いとか祟りとかってどーやってんだろうなぁ。
 いや誰かを呪ったりとか祟ったりとか、全然する気ねーけど。
 幽霊を触れる人間が居るみたいに、生者に干渉できる幽霊ってのも居るのか……?まあ俺みたいなのでも物には普通に干渉出来るしな……。』

屋上の床を背泳ぎで徘徊しながら独り言。
毎度の事ながら通常声量の、独り言にしてはだいぶ大きな声だが、これが無いと深見自身が自分自身を見失いそうになるのだ。

『いっぺんどうやって呪ったりすんのか見てみたいけどなー
 深夜になると湧いてくる傍目にもヤバそうな連中とか。
 でもあいつらあんまり近づき過ぎると何か引っ張られてこえーんだよ。取り込まれそう。』

ざぱーん、ざぱーん、と背面クロールしていたらうっかり屋上から飛び出していた。

深見 透悟 > 『やべっ、落ち……死ッ!?
 

 ……あ、落ちねーや。ついでにもう死んでたわ。
 あぶねーあぶねー、うっかりしてたぜー。』

屋上から少し離れたところで気が付き、空中で華麗にターンを決めてバタフライ泳法で屋上へと戻る。
こんなこと出来るのも、幽霊なお陰だよなーとか本人は大変気楽に考えていたり。
ここまで気楽だといつか酷い目に遭いそうな気もするが、その時はその時。

『うーん、季節外れの寒中床水泳も飽きて来たな。
 そろそろ本格的に夜って来たし、校舎の中も人減って来てんだろーなー。』

はてさてどうしたものか、床から顔だけ出した状態で夜空を見上げてみるが、案など浮かばず、そのうち星が綺麗ーだーとか言い出す始末。

ご案内:「第二教室棟 屋上」にアージェントさんが現れました。
アージェント > 「さっ……むいなぁ……」

濡羽色の空の下、間延びした声でありつつも、気温に見合った少し凍えた声がふと響く。
季節にして暦の上では秋であるはずなのに、ここまで温度の調整を盛大に間違える神様は何処にいるのだと心の中で反芻しつつ、ふと思い立ったかのような足乗りで屋上への階段を上る。

屋上からの景色を見るのは何時ぶりだろうか、久々に見てみたいなぁと思ったが数舜
寒空にさらされた屋上へと自分の足は動いていたのである。なんともマイペースというのは自覚せざるを得ない。

最後の一段を踏みしめ、自分の背丈よりかなり大きいドアを開く
瞬間、自分の吐息の道筋が明確に分かるようになると共に、ポツポツと淡黄の光――夜景が手すりの奥に見える。

あぁ、マイペースも悪くない。
こういった都合よさも自分の単純なところだなぁと思いつつ、ふと呟きが漏れる。

「……綺麗だなぁ…」

深見 透悟 > 『お?おっおっおっ?
 こんな時間にこんなとこに来るとは無軌道な若者がタバコでも吸いに来たか~?』

友人に一人居るので、どれ一つ脅かしてやろうかと床からサメのヒレよろしく顔だけ出して声のした方へと進む。
知り合いでは無かったし、どうやら無軌道な若者っぽい感じもしなかったが、人が来た以上何もしないで帰すのは幽霊の沽券にかかわる。

というわけで

『ヘーーーイ!!足元から失礼するゾ~!
 天体観測会の方ですかな?そんな会があるのか知らねえけど!
 今日は結構冷え込むらしいから、油断してっと風邪ひくぜ!気を付けてね!』

少年の、足元で、全力で叫ぶ。
勿論自分の姿なんて見えてないのは自覚済み。
ただでさえ寒い夜にさらに肝を冷やしてもらおうという幽霊なりの気遣いだ。三か月ほど遅い。

アージェント > 手すりにもたれ、瞳に夜景を反射させてほぅと息を吐く、世間はこれをエモーショナルと言うのだろう。
上の星空にも注目しようか――その瞬間だった。

「!?!!?!!?」

声無き絶叫が出てしまった。真下から誰かしらの大声が何の気配もなく響いてきたのだ。
たたらを踏みつつ、このエモーショナルな雰囲気を明後日に飛ばしてくれた犯人を見てやろうと下を見る。


――下?


「わっわっわわわ!?」
間延びした口調は何処へやら、青い顔でコンクリートの地面を見つめ、続いて広々とし障害物がない屋上を見渡す。

コンコンっと地面を靴で叩いてみるも、無機質な音が鳴るのみ。

「…ひゅ」

力無い悲鳴を上げながら、手すり伝いにスーッと出入口の方へ忍び足で向かう…

深見 透悟 > 『ひゃっほーう、期待通りのリアクションサンキュー!
 あ、待って待って帰らないで。大方予想してる通りだけど、取って食ったりしねえって。
 ちょーっと脅かすのが日課なだけで、日課というか、ライフワークみたいな?』

ずるりと床から這い出ようとしたら危うく踏まれそうになり、うおっ危ねっ、と靴を回避しつつ浮かび上がる。
あーあー、と発声を確認して、こほんと咳払い一つ。

『いやー、脅かしてすまんかったね!
 俺、お察しの通り幽霊の深見 透悟。見ての通り透明。透明人間ならぬ透明幽霊!
 なもんで姿を見せてやれないんだけど、ご理解頂けたかしら?』

もうすぐハロウィンだからね、と実際は何の関係も無いことを告げつつ。
逃げ出そうとしている少年へと気さくに声を掛けてくる自称幽霊。

アージェント > 静粛に屋上から降り、家に爆速で帰り、布団ガードを展開しようとした所、さっきと同じ声が聞こえてくる。

「なっ、ななっ、なるほどぉぅ」

変に平常心を取り戻そうとしているせいで、日本語の能力が若干危うくなってることは露知らず
声の発生源に目を向け、一応自己紹介を返す。

「あっ、どうも人間のアージェント・ルーフです、ご覧の通り人間です。所謂ヒューマンとかそういうっ」

なんか同じ事を三回言った気がすると思いつつ、緊張を解そうと深呼吸をする。

深見 透悟 > 『いやー、やっぱ幽霊を自称するからにゃ人を脅かしとかないとな?
 つーか普通に声掛けても驚かれるから、それならいっそ……って感じの方は強いんだけど。
 悪いなぁビビらせちまって。腰は抜けてないみたいだけど、チビってねーか?ん?』

少年、アージェントから見れば何もない空間から声がするのは変わらず。
しかし声の出どころは先程の床よりも高い位置になっていることは分かるだろう。

「ほーむほむ、アージェント、ルーフ。……また外人さんか?
 おう、見りゃわかるから安心しろー?いや、見た目だけじゃ分からんのがこの学校か。
 まあ何にせよ一旦落ち着こうや。大丈夫?おっぱい揉む?』

注:軽快に飛んでくる声はどう聞いても男の物である。

アージェント > 何とかロデオマシンに乗ってキャッキャッしている心臓を落ち着かせ、一つ大きく息を吐く、
彼――透悟さんのような幽霊が居るのもこの学園においてでは至って普通である。

「ふぅ…、ここまでアクティブな幽霊は初めてですよぉ…、後胸はいいですっ」

何ともジョーク好きな幽霊を目の前にしつつ、顔を百面相の様に変化させる。周りから見たらちょっとアレな光景である。

「にしても、こんな所に幽霊が居るというのも珍しい気もしますねぇ、やっぱり、夜景です?」

やっと本調子を取り戻しつつ、こんな天真爛漫な幽霊が夜景などと思いながらも質問してみる。

深見 透悟 > 『そうかあ?割といると思うぞ、気付かないだけで。なんたって幽霊だし。
 何だよ、遠慮すんなって。お前も男なら揉んでみたいだろ?
 隠さなくても分かるんだぞ、俺も男だから。俺も揉みたいから。
 それとも胸より腰や足派だった?』

と相手の困惑を主体とした感情の坩堝も何のその。
至って自分のペースで喋り倒す幽霊である。ある意味アージェントとは真逆のタイプのマイペース。

『んぁ?んー……まあ夜景や星も綺麗だなーとは思ったけど。
 もしかしたらダチに会えっかなーってのもあった。
 ま、一番は寒中床水泳しに来たってのが理由だな、おう!』

そもそもこの幽霊が屋上に来たのは夕暮れ時だったりする。
その頃は星空も夜景もまだ今ほどではなかったから。

アージェント > 何とも饒舌な幽霊である、自分のペースは乱される事はないものの、その周りをタップダンスしながら囲われる様な――カオスである。

また、透明+会話の流れから考えて、透悟さんの幽霊への道のりが何となく分かってしまうのには目を瞑り、
相手の返答を心の中で復唱する。

(確かに、一般的には幽霊となってから、亡くなった知人を探し始めるのも分かる気がするなぁ…、やっぱり透悟さんも例には漏れず…かなぁ?)

今思えば『幽霊』という言葉の意味は死者が成仏できずにこの世に留まり続ける存在という、なんともシリアスな雰囲気になりそうな単語である。

(そう思えば寒中床水泳…かぁ、小さい時にもやったけど、やっぱり何かとき

思考を中断する、今思えば寒中床水泳等と言う競技を自分はやった事がない。というか無理である。
…どうやらこの人はシリアスという言葉を聞いた事がないのかもしれない。

「寒中床水泳…変わったスポーツですねぇ」

口に出して猶更可笑しく感じてしまい、微笑を浮かべて話す。