2021/10/29 のログ
ご案内:「中庭」に霧島 孝介さんが現れました。
霧島 孝介 > (やっばいな…どしよ)

忘れ物を取りに寮から教室へと戻ってきた男。
近道だと思って、選択した中庭ルートが裏目に出てしまった。
中庭を通り過ぎようとしたら予期せぬ人物がそこに居て。

(風紀委員の人か…怖ぇなぁ…
 指導とかされたら厄介だし、引き返そうかなぁ…)

中庭に植えられている木の陰から、男性の様子を伺う少年。
身長178㎝の男が木の陰から男を見張る様子ははたから見れば完全に不審者であろう。
通り過ぎるか、素知らぬ顔して真っすぐ進むか。

悩みながらも、男を観察する。
風紀委員なら、ブランクはあろうとも視線くらいは気付くだろうか

飛鷹与一 > 「――ん?」

数ヶ月のブランクがあるとはいえ、狙撃をするポジションが多いので狙う・狙われる…つまり視線には敏感な方だ。
そちらへと顔を向ければ、何やら学生服の男が何故か木の陰からこちらの様子を窺っている。
…見覚えが無いのでおそらく初対面であろうか?ともあれ、目が合ったままでそうしている訳にもいかない。

「こんばんわ…えーと、そんな隠れないでも別に補導とか職質はしませんよ?
と、いうか今日の俺の風紀の仕事はもう終わって今はオフの時間なので…。」

と、一先ず敬語で喋りつつ軽く笑みを浮かべて会釈を一つ。基本的に礼儀はそこそこ正しい方だ。
風紀の制服のままなのと、傍らに細長いガンケースがあるので警戒させてしまっているのかもしれない。

とはいえ、先ほども口にした通り今はもう仕事も一区切りしてオフの時間だ。
公私は出来る限り分けているので、彼に何かあれこれ言うつもりは無い。

霧島 孝介 > 「ヒッ!」

流石に気配や視線を隠す技術を会得するまでには至っておらず
風紀委員の実力も相まって速攻でバレる。
此処で逃げたら余計怪しまれるだろう、というか完全に目が合って顔も格好も
バレてしまっているので、素直に木の陰から出てくる。

「そ、そうですか…ふぅ…よかった。
 いや、す、すいません…忘れ物を取りに来ただけなんですよ、ハハハ…」

冷や汗をかき、苦笑いを浮かべながら言い訳のようにそういう。
実際、風紀委員の制服とガンケースの圧に怖気づいているところはある。
狙撃銃より危ないものを扱ったことがあるにも関わらず、だ。

それほど、この少年の中では風紀委員という存在が、尊敬と畏怖の対象であるのだ。

飛鷹与一 > 「…いや、その…確かに風紀は避けられる事も多いですけど、別に取って食うわけでもないですよ?」

彼の露骨なビビりっぷりに、思わず苦笑を浮かべてしまうが基本的にこの少年は穏やか気質だ。
気心が知れた間柄なら多少砕けたりするが、初対面の相手に威圧的な真似などする気は無く。
とはいえ、仕事終わりにこちらに立ち寄っているので、制服と愛用の狙撃銃を修めたガンケースは傍らにある。

(…まぁ、確かに苦手な人は苦手だろうから無理も無いけど…。)

彼の気持ちも少し分かる。公安と役割は分割されてはいるが警察機構の代替みたいなものだ。
避けたがる、驚く、怖がるのも無理は無いだろうからあまりとやかくは言う気も無く。

「成程。まぁ、この学園は割と深夜帯でも教師以外にも生徒の姿は見掛けますからね。」

かくいう自分もその一人だ。あまり彼を刺激しないように務めて穏やかな声色で。
とはいえ、矢張り緊張されたままではこちらも居心地が悪いので何とか場の緊張を解したいものだが…

(うん、考えたら俺ってそういうのあまり得意じゃないんだよなぁ)

どちらかと言えば聞き役タイプなので、自分から積極的にガンガン話を振るタイプでもない。
なので、彼の言葉を引き継ぐように話題を展開してみるわけで。

霧島 孝介 > 「あはは~…いえ、雰囲気的に大丈夫そうな気はしたんでよかったです……はい…」

基本的にこっちの少年は小心者、ビビりだ。そして人見知りだ。
引きつった笑顔で、後頭部をかいて言葉を紡ぐ。
しかしまぁ、そんな彼でも目の前の風紀委員が悪い人ではないことは直感でわかっていたようで。

「へ、へぇ…
 ………

 ………」

穏やかな声色で話しかけられれば、少し緊張はほぐれたものの
やはりこの男、コミュ障ゆえに、初対面相手には話を繋ぐのが下手くそである。
生徒の姿を見かけるという言葉に『そうなのか…』程度の言葉を返し、間が空く。

「…あっ、俺、霧島孝介って言います!二年です!」

そして急に自己紹介を開始した!
流石、コミュ障。話のつなぎ方が下手である。
いや、ここまで行けば逆に上手いのかもしれない。
だって陽キャは気軽に他人に自己紹介してるもんね。うん。

飛鷹与一 > 「あー…外見や雰囲気が結構独特の人も多いですからね…まぁ、これは風紀に限らずなんですけど。」

彼と違って人見知り…は、若干あるかもしれないがそれ以外は割と普通?だ。
ただ、基本的に穏やかで波風立てない気質なので警戒心や威圧感を与える事は無い…と、思いたいけれど。

「…あ、ハイ。俺も同じく2年の飛鷹与一っていいます。
…と、いうか同級生ならお互い敬語はいらないかな。霧島君?も出来るなら喋り易い喋り方でいいよ。」

お互い自己紹介を返しつつ、同級生なら敬語はいらないかな?と、やんわりと笑顔でそう提案を。
まぁ、初対面の人間にこんな提案をされても困るかもしれないけれど。
同級生なら、別にラフな口調と態度で話すのも特に何も問題は無いと思うのだ。

ちなみに、彼の挙動不審さは勿論気付いているがそこを指摘する事は無い。
彼には彼なりのペースというものがあるだろうし、多少なりともこちらに慣れてくれればそれでいい。
その辺りの割り切り、というか判断は早いのは職業的なものもあるかもしれないが。

霧島 孝介 > 「…確かに。天使とかシスターとか…」

自分が出会ってきた人たちを思い返す。
天使とか近接戦に特化したシスターとか…あとは筋力やばいめっちゃ怖い人とか
思えば光属性の方々と会うことが多い気がする。もっと悪魔とか吸血鬼とかは居ないんだろうか?

「あ、同じなんですね。
 …ははは、いやぁ、何かこの島に来てから年上&先輩ばっかで敬語が癖になってしまってですね…
 慣れるまで敬語で行かせてください。飛鷹さん」

同級生であれば先ほどの緊張が一気に解けていくが、敬語は中々取れずにそのままで
しかし、彼と同じように笑顔で言葉を返す。
初対面相手にため口は余程の事が無いと使わないだろう。それこそ、敬語を使うとチョップをされるとか。

「というか…それ、なんですか?」

先ほどまでの挙動不審さは一応無くなり、ガンケースを指さす。
恐らく、彼が所有する武器だろうと予想し、更に打ち解けるきっかけとして話題にしようと。
それと少年自身、武器には目が無いという事もあるだろうか。

飛鷹与一 > 「…あー、俺はそのどちらも該当する知人友人は居ませんけど、まぁ種族的には何でもありですからね。」

そもそも、異世界出身の者達が暮らす異邦人街があるし、門を通じてこちらへ流れ着いた異世界人も少なくない。
そういう意味では色々な種族がいる。彼が遭遇した事の無い悪魔や吸血鬼だって勿論居るだろう。

「…うん、まぁ俺もその辺りの気持ちは何となく分かるから、霧島君のペースでいいと思うよ?」

彼の言葉に、まぁいきなり口調を崩すのも難しいよなぁ、と笑いながら頷いて。
自身もその辺りは経験というか心当たりがあるので、彼の気持ちもちょっと分かる。

「うん?ああ、これ?俺、風紀だと後方支援…えーと、スナイパーの役割が多くてさ?
だから、このガンケースの中身は狙撃銃だよ。とはいっても、試作品だけどね。
で、試作品だから俺はテスターも兼ねてるんだ。実際に使ってみて改善点とかの洗い出しをする感じの。」

ガンケースを軽く平手でぺちぺちと叩きながら笑って素直に答える。
風紀委員が武装しているのは別に珍しくも不思議でもないし、彼の様子からビビッているようにも見えない。

流石に、学園の中庭なので中身を見せるのは少し避けたい所ではあるけれど。

霧島 孝介 > 「確かに…なんでもあり…」

異邦人街を少し歩いたことがあるが、まるで異世界転生したかのような感覚に襲われたこともある。
生徒だけではない。怪異や魔物なんかもいい例だ。
もしかしたらドラゴンとか居るのかもしれない。

「あざすあざす。すいませんね、性分なもんでして…」

へへっとへらへらしながらそう返す。
口調はともかく、気持ちの方は警戒心を解いており
一応、彼の事は仲間であるという意識が芽生えている。

「ほう、狙撃手。…通りで俺に気付いたわけですね。
 試作品ですか。なるほど。
 …あー、聞いていいかわからないですけど、使ってみた感想どうでしたか?」

彼がガンケースの事について答えれば、それを咀嚼するように復唱する。
中身が見たい、見せて欲しいという気持ちが無いと言えば大嘘になるが
いきなり見せれるものではないということは重々承知で、遠回しに銃の事について触れてみる。
 

飛鷹与一 > 「まぁ、一昔前のファンタジー漫画や小説の登場人物達が普通に現実に居るみたいな感じだからね。」

フィクションの世界の登場人物達がそのままこちら側に来たかのような。
あながち間違いでも無いと思っている。流石にこの島にもう2年近く居るので慣れては来たが。

「いいって。人それぞれのペースがあるしね。
俺はそういうのに不満や文句は別に無いし、強制する趣味も無いし。」

ヘラヘラとした笑みを浮かべる彼に対して、肩を竦めながら笑ってみせる。
とりあえず、彼の様子を見る限りはある程度は打ち解けてはくれたようにも見えるが。

「まぁ、風紀の仕事をしてると勘もそれなりに磨かれたりするからね。
んー…そうだね。俺ってスコープとか使わないで狙撃するから普通のスナイパー基準とは違うかもだけど。

えーと、動作はボルトアクション式だね。一発一発ボルトを引いて装填するタイプ。
連射性能は低いけど、その分自動式より動作の確実性が上だから弾詰まりが少ない。
で、銃身の下側に折り畳み式の銃剣というかブレードを装着してて接近戦も対応してるよ。
これ、高周波ブレードっていう刃が振動して切断能力を上げるタイプのやつ。
で、スコープを俺は外してるから、そのスペースにブレードのバッテリーを増設してる。
あと、安全装置というか生体認証機能があって、俺の指紋と声紋登録がされてる。
だから、俺じゃないと基本的に使えない感じかな。

で、感想としては銃の造りが良いのか命中精度は悪くないと思うよ。
狙撃銃にしては結構軽めだし、特殊弾頭も撃てる仕様だから状況に応じた弾丸を使えるしね。」

と、スペックも付け加えつつ簡潔に使った感想を述べようか。
纏めるなら、”接近戦も対応可能で弾丸の使い分けも出来て動作の確実性が高い狙撃銃”という感じか。

霧島 孝介 > 「えぇ…ちなみに飛鷹さんはこれまでどういう人に会ってきましたか?
 いや、人というか…こう、生き物…?」

顎に手を添えて、そう質問する。
自分も、この島に来て2年目になるがまだまだ知らないことは沢山ある。
自分よりは様々な経験をしているであろう彼に、漠然とした質問を投げかける。

「さっすが、風紀委員は違いますね。
 もしかして、飛鷹さんってモテます?」

ここまでの優男はそう居ないだろう。
流石風紀委員。人間性が違うと納得しつつ、冗談交じりにそう聞く。

「ボルトアクション…なるほど、通ですね。
 高周波ブレードって奴、使う人居るんですね。というか開発されていたのか…
 なるほど、指紋と声紋なら確実ですね。ただ、声が出せない状況や、泥や出血で指紋が使用できない状況を
 想定するのならば網膜や静脈登録とかもあるといいか…?狙撃手ならリスクは薄いか…?

 なるほど、ちなみに特殊弾頭っていうのはどういうものですか?
 効果は?重量は?使用による銃へのダメージは?
 後、他にこの銃の欠点と思う所は…はっ!」

彼の説明を全て聞いて、それを小さく呟いて自分の中で整理する。
ひとりごとのようにブツブツ呟いたあと、特殊弾頭の話になれば
水を得た魚のように目をキラキラさせて反応し、早口で質問攻めをする。
そして、銃の欠点について聞こうとしたところで目が覚めて

「あ…はは、すいません。武器…特に銃の話できる人が周りに居なくて、興奮しちゃいました。へへ…」

顔を赤くして、照れるように頭をかいて俯く。

飛鷹与一 > 「うーん、見た目からして露骨に人外!な人達はあまり居ないかも。
あ、知人友人には居ないって意味ね?異邦人街とかでは人じゃない姿の住人は珍しく無いからさ。」

あと、落第街も含まれるがその辺りは彼は一般学生であろうから濁すというか黙っておこう。
あと、モテるという言葉に数ヶ月前の『失恋』を思い返し、また胸がズキリと痛むが態度には出さず。

「いやー…ごめん、俺は別にモテないんだけど。
一応、女性との交際経験は一度だけあるけど今はフリーだしね。」

と、苦笑いを浮かべて。女性との交際経験があるだけマシなのだろうが。
少なくとも、現在進行形でモテている事は絶対に無い、とそこは主張しておきたい。

「あー、開発はされてるけど使い手は少ないみたいだよ?
で、そのブレードを折り畳み式に改造したのを狙撃銃に装着してる。
逆に考えれば、破損しても予備パーツは結構あるって感じなんだよね。
あと、生体認証機能は多くて3種類くらいまの搭載が限界みたいだよ。
複数の認証機能にリソースが割かれると、ブレードの動作とか他の機関の動作性が下がるし。
だから、追加出来るとしたら霧島君の意見で言うなら網膜パターンか静脈認証どちらか一つだね。。

弾頭は色々あるけど、徹甲弾、爆裂弾、麻酔弾、煙幕弾とかが俺はよく使うかな。
細かいのも含めると10週種類の特殊弾頭への互換性があるね。
で、一部の弾頭は威力が強い分、反動も強いから多少銃身に負荷はあるかも。
あと、ブレードも予備は備え付けが無いからその都度修理に出さないといけない。
個人的には、改善点として反動を抑制する装置とサイレンサーの標準搭載かなぁ。」

と、割と律儀に答えつつ。彼の食い気味の質問にも少し驚いたくらいで引いたりする事も無い。

「霧島君はもしかして銃火器とか好きなタイプかな?
俺はこっちに適性があるだけで、あまり詳しい訳じゃないんだけどさ。」

霧島 孝介 > 「確かに、俺もデモゴルゴンみたいな知人は居ないですし…
 そうですか。流石に飛鷹さんでも居ないっすよね!」

自分があった人たちのことを思い出しながら、そのように告げる。
一応、デモゴルゴンみたいな怪異に出会ったことはあるが、思い出したくないことで
そいつの姿がちらつくと嫌な気持ちになって一瞬顔を顰める。

「嘘ォ!?見る目ないっすねぇ~…
 いや、でも確かに、この島って神絵師が描いたんじゃないかくらい男の顔面偏差値高いっすからね…
 あ、飛鷹さんもイケメンっすよ?うん」

これ程の男をほっとくとは、余程、他の男はいい顔をしているのだろう。
そう結論付けつつ、飛鷹風紀委員の顔面も褒めておく少年。
フォローになっているかは、正直わからない。

「色々噂は聞くんですけど、使い手に会わなかったもんでして…そうなんですね。
 予備パーツは大事っすねぇ。互換性と予備は現代兵器の最大利点ですから。
 あ、そうなんですか。
 なら網膜認証を採用したほうがいいかもしれないですね。
 サイトとかに仕込めれば、覗いた時に認証から撃つまでのラグを極限まで少なくできますし
 狙撃手が目を失うことは無いっすからね。

 徹甲弾!麻酔!いいですねぇ!最高じゃないですか!
 ふむ、やっぱり、反動負荷はどうしても強くなっちゃいますよね。
 …ブレードも結構コストかかるんですね…
 なるほど、サイレンサーは技術開発部か何かに頑張ってもらうとして
 反動を抑制する装置についてはバイポットを採用くらいしか思いつかないっすね…」

彼の発言を聞けば、同時に引いてないことも確認できて安堵する。
そして、興が更に乗ったのか銃の改善点や更なる性能追及の案をいくつか出す。
内容としては技術者というよりかは銃を扱う使用者寄りのものであるが実現可能性に沿っているだろう。

「あぁ、はい…というか俺の異能が、これなもんで」

少年が言葉を発した瞬間、虚空から蒼い光の粒子が舞い。
掌に収束すれば、その手には拳銃が握られていて。

飛鷹与一 > 「……まぁ、でも。妖怪とかいわゆる怪異っていう存在がこの島には普通に居るからね。」

ぽつり、と付け加えるように。職業柄、そういう類に遭遇する事も稀にあるのだ。
それに、転移荒野とかあの辺りは普通にモンスター的なのは出没したりもする。

「あはは、俺がイケメンかどうかは分からないけどね。
むしろ、男女どちらも平均的にレベル高いんじゃないかな?」

と、やんわり自分はそこまでの容姿では無いと謙遜しつつも、男女のレベルは高いと述べて。
正直、自分の容姿への自己評価はそこまで高くないのでそんな感想にもなる。

「俺は刃物は短刀くらいしか使った事無いから、高周波ブレードはあくまで銃剣もどきの使い方だけどね。
流石に予備のブレードを本体に収納は出来ないから、ガンケースの空きスペースに仕込むくらいかなぁ。
あーー…うん、俺はサイトとかスコープは”逆に邪魔になるから”そこは意図的に省いてもらってる。」

裸眼かつ観測手や照準器無しで長距離狙撃を普通にこなすレベルではある。
狙撃に必須な気象条件も勘だけで把握するので構えてから撃つまでの速度も異常に速いのだ。

取り敢えず、アタッチメント式で銃口部分にサイレンサーは付けて貰おうかなって。
反動抑制は取り敢えず、拳銃でもあるんだけど銃身の一部に穴を開けて発射時のガスを逃がす方式かな。
外付けでもいいんだけど、重量が嵩むのは持ち運びに影響するからなるべく避けたい。
あと、バイポッドの類も俺はいらないかな。”走りながら狙撃”もするから。」

と、何か一部におかしな事が含まれているが別に嘘は言っていないのである。
取り敢えず、消音器と反動軽減、網膜認証の追加をテスターとして今度進言しておこう。

「…へぇ。銃火器を創り出す感じかな?創造(クリエイト)系の異能…あ、でもそうなると銃火器だけじゃないかな?」

この手の異能の持ち主は何人か居るだろうが、それぞれ創り出す分野が違ったりする。
彼の場合は銃火器か、もしくは武器特化辺りだろうか?

霧島 孝介 > 彼の呟いた言葉を聞けば、(この人もか)と思考する。
妖怪や怪異に遭遇している人物は自分だけではないと分かってはいるが
実際そういう類と沢山戦ってきたであろう人物が目の間に居ることを改めて実感する。
が、闇が深い過去があるかもしれない。深くは突っ込まずに聞こえなかったフリをして。

「こう、性格がイケメン的な?謙遜は大丈夫ですよっ 
 …確かに、天使みたいな女の子や不良っぽいけど可愛い女子は居るな…」

笑顔で彼に応えると、男『女』の顔面偏差値の話になる。
思えば、自分が出会ってきた男女は全員顔が良かった気がする。
と、思考する少年も目の前の彼と同じく、自己評価が高くない…というか極端に低いのであった。

「確かに…遠距離から撃ってても安心できないのがこの島ですからね
 急スピードで詰められた時の対策は持っておかないと不安っすよね…
 はは、もしかして現代のシモ・ヘイヘだったりします?」

彼の言葉を聞いて、笑顔で答えるがさして冗談とは思っておらず。
もうこの島なんてなんでもありなんだ。なんなら目を瞑っていても当てれるって言われてもなんら驚かないし、冗談とも思わない。

「サイレンサーは必須ですね…せっかくスコープ使ってないんだから、光でバレたくないですもんね。
 あぁ、マズルブレーキっすか!いいですね。ボルトアクションだと結構主流ですし!
 確かにバイポだと移動が多い時の負担になりますし、高周波ブレードと干渉して…

 え?走りながら……?」

彼の言葉を一つずつまとめ、その利点を整理しているととんでもないワードが飛んできて、フリーズする。
え、狙撃って止まってするものでは?
走りながら狙撃って戦車やんそれ…と頭を抱えるが、あり得なくもないとも思ってしまって。

「えぇ、所謂、無から有を作り出す。創造系の異能ですね。
 一応、ナイフとか剣とか、銃火器以外も対応できます。
 察しのいい飛鷹さんなら分かると思いますけど、武器や装備に特化した創造系の異能っすね」

そう説明しつつ、拳銃を光の粒子にして消し去る。
銃火器は勿論のこと、剣も作り出せることや、『装備』と更に作り出せる範囲が広いことを示唆して。

ご案内:「中庭」に飛鷹与一さんが現れました。
飛鷹与一 > 異能者や異世界の種族だけでなく、もっと身近で同時に遠い存在――怪異の存在。
勿論、ピンからキリまであるが強力な怪異では精鋭の風紀が10人掛かりでも勝てるか怪しいだろう。
勿論、ただの人間でもフツーにとんでもない実力者や犯罪者は普通にこの島には居るが。

「…うーん、性格は別にそこまで…と、いうか一応普通の範疇な気はするんだけどなぁ俺。
…あはは、確かに女子は可愛いから美人まで幅広いよね…。」

何か主に女子のレベルの高さの話に移行しているような気がしたが、小さく笑いながらも律儀に合わせて。
ともあれ、そろそろ寮に戻らないと寝過ごしそうだ、と思ったのか傍らのガンケースを掴んでベンチから立ち上がり。

「いや、この島に来て気付いたんだけど…俺、射撃とか狙撃の才能があるらしくてさ?
一応、風紀の精鋭部隊にもスカウトされた事はあるけど…。」

と、いうか一時期所属していた。まぁ今は一般の風紀委員に戻っているが。
照準器無しで走りながら目標に正確に狙撃可能、という常人離れした技能。
口には出さないが、静止目標だけでなく動体…動く目標にも狙い撃ち可能な域である。

(まぁ、その代わりに近接戦闘は課題だらけだけどね)

と、内心で呟きつつ。

「うん、狙撃手は狙撃ポイント割り出されると致命的だしね。
移動しながら撃つ方が色々と効率的なんだよ。まぁ同僚には『お前変態だろ』って言われたけど。」

実際変態的な腕前ではあろうか。常に移動しながら正確に急所を狙い撃ちしてくるとか、相手からすれば冗談ではないだろうから。
しかも、移動しているので狙撃ポイントを割り出されても既にその場には居ないのだ。

「装備特化の創造能力…成程、単純な銃火器や武器だけじゃないって事だね。
…そうなると、日常よりも戦闘に比重が傾いた異能になるのかな。」

特化型ではあるが楯や鎧みたいな防御装備も作りだせるのだろう。
そうなると、日常に応用も出来はするだろうが矢張り戦闘で輝く能力な気もする。

「あ、と。ごめん、明日も授業あるし俺はそろそろ寮に戻るよ。
えーと、霧島君は忘れ物取りに来たんだっけ?何か足止めしちゃったみていで悪いね。
取り敢えず、また今度ゆっくり話したいねー。」

と、笑いつつも申し訳無さそうにそろそろ引き上げる旨を伝えようと。

霧島 孝介 > 「いやぁー…まぁ、安心してください。初対面の人にそんなに話が続くのなら俺より上です。
 えぇ、こんな美男美女の中に混じっていいのか。不安ですよ俺…」

腕を組んで何故自身満々に彼に告げる。
そろそろ自分も帰らねばならないかと腕の時計を確認しようとしたところで彼が立ち上がり

「スカウト!?
 俺なんて飛鷹さん以外に風紀委員の人と話したことないですよ!?
 うわぁ…もっと射撃の腕磨こ……」

風紀の精鋭部隊。詳しいことは分からないがただ事じゃない事は理解して
自分もいつか風紀委員とか、自分の異能が活かせることをしたいと考えている手前
目の前の男が相当すごい人物であることを再確認して、頑張らないとと頭を抱える。

「確かに…いや、それは変態ですね。はい」

彼の同僚の言葉に賛同しつつ、敵にしたくないなどと思考する。
同時に、この男性が敵であった場合、どうするべきだろうか。などということも考えてしまっている自分がいる。
近接で短期決戦が一番望ましいが高周波ブレードが…などといった具合に。
所謂、この少年の癖のようなものだ。

「どれだけできるか、幅を広げようとは思ってるんですけど…頭使う異能で苦労しますよ。
 ただ、戦闘で困ったら何時でも呼んでください。
 恐らく、俺と飛鷹さん、相性めっちゃいいんで」

銃火器の知識と使用について熟達した風紀委員の彼と、武器や装備を作り出せる少年。
二人が組めば、たいていの敵は乗り越えられるだろう、などと高をくくって
自信満々に己を指さして。

「あぁ、オッケーです。こっちこそすいません、長々と引き留めて…
 えぇ、今度ゆっくりお願いします!」

こちらも申し訳なさそうに礼をすれば、そそくさと忘れ物を取りに教室へ向かう。
久しぶりに話の合った人を見つけられて楽しい時間を過ごせた。
次に彼に会うのはいつになるだろうか。それは誰も知らないことだろう――――

飛鷹与一 > 「…いや、霧島君も普通に顔面偏差値高いと思うよ?
あくまで俺の主観だけどさ?」

と、何故か自信満々に腕組をして告げてくる彼に笑顔でやんわりとそう答えて。
まぁ、世の中容姿だけではないのだが、真っ先に見られるのも容姿な訳で。

「今は一般の風紀委員に戻ったけどね。軍隊ぽい所よりも俺は一般委員の方が気楽だよ。」

スカウトされても精鋭部隊がどうのこうのより、もうちょっと肩の力を抜きたい。
まぁ、それでも射撃の腕前が風紀でも上位レベルと判断されてしまっているので、よく駆り出されるのだが。

「俺も魔術方面でこう、一時的に魔力で作った銃火器を具現化させる術を生み出そうとしてたんだけどね。
ある程度の所までは成功したんだけど、コストが見合わないから今は試行錯誤中かなぁ。」

魔術で銃火器を作り出し、それを武器として用いる。
まだ色々と課題が多いので戦闘レベルに用いるには至っていないが。
「頭を使う異能となると、場数を踏んだり可能なら魔術も何かしら覚えておくといいかもしれないね。」
と、彼にアドバイス?になるかは分からないがそう告げておこうと。
装備を作り出し、そこに魔術を織り交ぜれば単純に戦術の幅と手数が増えるのだし。

「…まぁ、俺がやってる狙撃や射撃が普通じゃないのは流石に理解してるけどね。
変態的、と言われるのは何かこう抵抗があるというか…うん。
あーー。相性が割と良さそうだしね、俺と霧島君の戦闘方面の能力や技能って」

少なくとも後方支援…射撃や狙撃によるフォローならそれなりの自信はあるつもりだ。
とはいえ、その場合は前衛は彼に任せる形に自然となってしまう訳だが。

「いや、同級生の男子にあまり知人友人が居ないから楽しかったし気晴らしにもなったよ。
またどっかで会えたらゆっくり話そう。模擬戦闘とかしてみるのもいいかもしれないね。」

と、去り際に軽く右手を挙げつつそう口にして。
流石に心の中は読めないので、彼が自分を仮想敵にして対策を考えているとは知らず。
とはいえ、仮に気付いたとしても彼自身の成長に繋がるのだから特に文句も無いのだけど。

「それじゃ、また学園か島の何処かで。」

と、笑みを浮かべて手を振ればガンケースを背負いつつゆっくりと中庭を後にしよう。

ご案内:「中庭」から霧島 孝介さんが去りました。
ご案内:「中庭」から飛鷹与一さんが去りました。