2021/11/18 のログ
■神代理央 >
「いや、今日は休み…学校に来ているのに休みというのも変な話だが…。
まあ、委員会の仕事はお休みなんだ。普通に講義を受けていただけだよ」
犬の頭を撫でながら起き上がった少女に、柔らかく微笑んで頷く。
まあ、呆れた様な笑みも少し混じってしまうのは御愛嬌…だったのだが。
「……待て。お前達も同罪だろう!それと美奈穂、誤解を招く様な発言は控えてくれないか…?」
いやまあ、無罪とは言わないけれど。
こっちに視線を向ける陸上部員の面々には、がるる、と言わんばかりの威嚇。
そこから少女にもう一度視線を移して――勿論、袴を直すのを待ってから――困った様に眉をへの字にしてしまう。
頬を桜色に染める少女は、素直に可愛らしいと思うのだけれど。
「……こほん。まあ、チャレンジするのは立派だと思うけど。
美奈穂の身長なら、もう少し低く…というか、跳び箱くらいから始めた方が良いんじゃないかな?」
こほん、と気を取り直して少女に歩み寄りながら、ハードルに一度視線を向けて、もう一度その瞳を少女へと。
犬を撫でる少女に微笑ましいものを感じつつ、運動音痴ながら頑張ってアドバイス。
さっきの余波で、普段名字で呼ぶ少女の事を名前で呼んでしまっているのだが、まあ、いいかな、とかぼんやり思っていたり。
■幣美奈穂 >
ほむほむ。
小さく頷くのです。
てっきり、校舎に壁新聞を張りにきたのだと思っていたのですが、違うようです。
風紀委員の壁新聞部(違う)のお仕事も大変でしょうに。
校舎の掲示板で風紀委員からのお知らせポスターを見る度に、これが神代様のお仕事だと再認識している美奈穂です。
「わたくしは今日もお仕事ですわ。
とても忙しいのです」
どこかえっへんとした様子で胸を張るのです。
美奈穂、落第街の騒ぎをぜんぜん知らないのです。
そう、あの日も、今日も、お友達のお仲間さんたちが誰かを観察していることも。
え?、そうなのですか?
と、陸上部の方に顔ごと目線を向けるのですが、さっと目をそらされます。
え? そうなのですか?
次は確認の為に神代様にまっすぐな目を向ける美奈穂なのです。
そして、何が誤解を招く発言だったのか分からずに、はにゃりと首を傾げさせ瞬きする様を見せます。
「・・はい、気を付けます・・?」
何がいけなかったのでしょうかとレトリバー君にも顔を向ける美奈穂。
くぅんっとお声を頂けただけでした。
「そんなことありません!
わたくし、忍者の授業も受けたのですわよ・・?
先生も頑張ればできるようになるって言ってくださったもの。
――跳び箱・・えと、3段なら・・」
と、わんこさんの毛並みをなでながら、つい、視線を逸らす美奈穂です。
3段なら、たまに飛び越えられますから、ウソではありません。
■神代理央 >
「そうか…美奈穂は働きものだな。
でも、頑張り過ぎても良くない。偶に休むのも大事……とは言っても。
美奈穂は何時も楽しそうに仕事をこなしているものな。
無用な心配だったかな?」
忙しい、と告げる少女に忠告しようとして。
胸を張るその姿に、野暮なことだったかなと苦笑い。
寧ろ、そんな少女を褒める様な声色へと口調は変化する。
――落第街の件も、別に少女に語る事は無い。
あんな風景や血生臭い事件は、少女には相応しくない、と思うし。
「……前々から思っていたんだが、美奈穂は少し羞恥心…いや、警戒心が薄いというか…。
もう少し、男子の目を気にするべきだと思うがな。なあ、陸上部の諸君?」
目を逸らせる陸上部の面々をジロリ、と。
まあ、体格で負けているので何処まで威圧出来ているかは分からないが。
その後で、此方を真直ぐに見つめる少女に…困った様な微笑み。
可愛いなあ、と僅かに相好を崩すだろうか。
犬と顔を見合わせる様も、無邪気な様が強調されるようで、微笑ましい。
「………3段では、忍者になるのはまだまだ遠いかも知れないな。
とはいえ、体力はついているみたいだし…やっぱり、素直に背が伸びるなり、美奈穂が大きくなるのを待つべきじゃないかな?」
女性らしい一面を持つとはいえ、その体躯は小柄な少女のもの。
自分より頭二つほど低い少女に近付いて、ぽふぽふと頭を撫でようと腕を伸ばすだろうか。
少女と、少女に付き従うゴールデンレトリバーに許されれば、だが。
■幣美奈穂 >
「はいっ!
働き過ぎ・・あっ、でも12月に入りましたら。
月の半ばまではあまり大事なお仕事もありませんから大丈夫ですわ!」
働き者と言われまして、ぱぁっと花が咲いているような笑顔を見せます。
それに、お仕事が楽しいのも本当ですし。
有給っていうのを使ってみてもいいかもしれません!
ふと、そんなオトナなことを思っちゃうのです。
「!
そんなことありませんわっ!
ねぇ~?
そうですわよね?」
まずわんこさんに確認する美奈穂。
目をそらされます。
そのあと、陸上部の方々にも尋ねるのです。
目をそらされるかどうかは、陸上部の方々次第でしょう。
「忍者入門の授業、受けて見ればわかりますわ。
こう、麻を飛び越えたら合格頂けましたもの」
去年より伸びましたと主張するように、踵をあげて背伸びするのです。
バランスは悪くないはずなのになんかふらつかないか危なっかしい感じがするのはなぜでしょうか。
そっと、わんこさんが身体で支えてくれているのです。
頭に手が伸ばされますと、無意識に頭をちょっと寄せます。
なでなでは嫌いじゃない、うつろ大好きなのです。
レトリバーなわんこさんは、前のレオンベルガーのわんこさんと違い、警護ではないようです。
舌をだしてへっへっとくりっとした目で人懐っこいお顔を神代様にも見せています。
■神代理央 >
「…そうだな、もうすぐ12月か。あっという間だな、色々と。
半ばまでは忙しくなくても、年末年始はどのみち忙しくなる。
体調管理には、十分気を付けるんだぞ?
美奈穂は働き者だから、風邪でも引いたりしたら皆も心配する。
何時も元気な子が体調を崩すというのは、本当に心配するからな」
花咲く様な笑顔を浮かべる少女に、穏やかな笑みを返しながらも、ちょっとだけ忠告。
少女が体調を崩せば皆も…自分だって、心配はする。
「……まあ、そういう事にしておこう。
美奈穂は、自分が可愛らしい女の子だ、ということだけ、きちんと分かっていて貰えばいいさ」
陸上部の面々は…まあ、少女に視線を向ける事は無いのかもしれない。
悪気がある訳では無いだろう。単に、それに答えるのはちょっと…みたいな感じかもしれない。
まあ兎も角、説明役を引き受ける羽目になった己は、小さく溜息を吐き出して滾々と言葉を紡ぐ。
先ずは自分が魅力的な少女である事を自覚しろ、とは。
…これは、同性が忠告すべきなんじゃないかな?と思わなくもないが。
「麻……麻…?よ、良く分からないがその、頑張っているみたいだな。忍者修行。
とはいえ…最初はその、体幹から鍛えるべきじゃないかな…?」
レトリバーの健気な行動にちょっとだけ感動しつつ、いざとなれば此方も少女を支えられる様に構えておく。
そんな会話を続けながら、少女に伸ばした手は素直に受け入れられた。寧ろ、頭を寄せられた。
そうなれば、撫で心地の良い黒髪を梳く様に撫で始める。指先に絡めたり、丁寧に整えてみたり。
そうやって少女の髪を撫でていれば、レトリバーの視線に気が付いて。
「………おいで?」
それは、レトリバーに向けたものか。少女に向けたものか。
或いは、一人と一匹……いや、二人に向けたものか。
兎も角、少女を撫でている右手はそのままに、左手を差し出して。
両腕を広げる様な姿勢になるだろうか。
■幣美奈穂 >
「わたくしは大丈夫ですわ。
毎日、きちんとご飯食べておりますし。
風邪だってひいたことありませんもの!
――わたくしよりも理央お兄様、きちんと食べてられますか?
好き嫌いとか、お肉嫌い直さないといけませんわよ?」
子ども扱いされたのに気付き、ちょっとほっぺが膨らむのです。
そして、お食事についてお小言を返すのです。
そう、美奈穂の中では、神代様はお野菜が好きでお肉嫌いという感じな認識なのです。
「――そうですの?」
可愛らしい、というお言葉にきょとんとしたお顔を見せ、
そして陸上部員の方々にも「?」という感じで目を向け、小首を傾げさせるのです。
容姿とか気にしたり比べる事がない美奈穂です。
にゃんこさんの毛並みとかなら拘りますが。
「毎日きちんと鍛錬してます」
頭を撫でられて、目を細めて嬉しそうにくすぐったそうなお顔になります。
なでられてご機嫌がすぐに直ってしまったようです。
「? はい」
言われて、警戒心とかまるでなく、もっと身体を寄せます。
少し甘いミルクのような香りがふわりと。
そして大きなレトリバーなわんこさんも尻尾を振って近づき、後ろ足で立ち上がりのしっと。
平均よりも大きなその体躯、体重は美奈穂よりあります。
尻尾を盛大に振りながら、神代様のお顔を嘗めたそうな表情を見せています。
美奈穂は横が天然な毛皮であったかくて嬉しいのですが。
■神代理央 >
「…むぅ、それを言われると…その、弱いな。
嫌い、というわけじゃないけど…その…うん…」
一転攻勢、と言うべきか。
確かに、自分は食が細い方だ。
栄養さえ取れれば何でもいい。極論、完全栄養食でも問題ない。
少女の認識が強ち間違えていないからこそ、返す言葉は急激に弱くなる。
お見舞いの時に振る舞われたモノが、頭をよぎる。
「…………ええと。自覚が無かったのか?
いやまあ…そうか。美奈穂くらいの年齢だと、周りの男子もまだそういう年齢では無いのかな」
恋だ愛だ、と騒ぐのは自分達の年齢くらいからだろうか。
少女の年齢の同級生の男子だと、花より団子。女子よりロボット。
恋よりヒーロー…な感じなのかな、と。
それとも、良い友人に恵まれてがっつりガードされているのだろうか。…その可能性の方が高い気がしてきた。
「鍛錬を継続するのは大事だな。三日坊主にならなければ極論何でもいい。
まあ、その辺は美奈穂なら心配ないだ――」
と少しだけ偉そうな声色になり始めた言葉は、甘い香りで中断される。
「……えぇと、その。そこのワンちゃんを呼んだつもり、だったんだけど…」
まあ、レトリバーだけ仲間外れは良くないし。
レトリバーを愛でるなら飼い主(?)の少女も混ざるだろうとは思っていたが。
流石に、身体を寄せられればちょっとだけ慌てた様な表情。
それでも、少女の髪を撫で続けながら、きちんとレトリバーの頭から背中にかけてよしよしと撫でていり。
――レトリバーが、顔を舐めようとする視線と表情には、まだ気付いていない。
気付いていないから、警戒もしていない。
■幣美奈穂 >
お弁当を時々持って行ってあげてますのに、全部食べているか心配です。
お肉残したりしてないかが特に。
お肉率をもっと増やした方がいいかもしれません!
今度、監査してみたほうがいいかもしれません。
とか、思っている美奈穂です。
あとは黒焼きも入れておきませんと!
「・・普通だと思いますわ?
受付のお姉様たちとかとても綺麗ですし・・」
言葉に出しませんが、大人っぽいっ!
美奈穂も大人っぽくなるために、オトナポイントをせっせと貯めているはずなのですが。
去年より背が伸びたといっても、周りと比べますと、同年齢ではまだ十分低い方なのです。
まだ思春期にも入れていない美奈穂なのです。
「もちろん、毎日、朝にしてますし。
時々、パンダさんにも手伝ってもらってます!」
自信満々に答えるのです。
なぜそこに大熊猫が、という話なのですが。
最近、クマ科とも仲を深めているのです。
後ろ足立って前足を伸ばすと、美奈穂と大して違いがない高さになるレトリバー君です。
きゅんきゅんっと甘える声を出すレトリバー君。
背中を撫でられますと、喜んで一生懸命嘗めようと顔を近づけるのです。
ぺろぺろぺろっ。
あと地味に前足の爪が服にひっかかっているのも問題かもしれませんが。
一生懸命なわんこさんの様子にくすくすっと楽しそうに小さく笑い。
そしてマネをして、背伸びをして神代様のほっぺを嘗めようとする美奈穂です。
そんな様子を、陸上部の方々がどんな目で見ているのでしょうか・・!
■神代理央 >
…そんな、自分の食への並々ならぬ思いは露知らず…知らないのだが、何故だか危機感を感じる。
何に危機感を覚えたかは分からないが、取り敢えず食事はもう少しまともに取ろう、と。
少女が作ってくれるお弁当は完食しているが、もう少し普段の食事にも肉類を増やしてみるか、と。
地味に決意を固めているが……恐らく、甘味最優先だ。
「大きくなれば、美奈穂も他の女子に負けないくらい綺麗になるさ。
無理に背伸びする必要は無い。時間なんて、望もうと望まなくともやってくるんだからな」
かくいう自分だって、成長期待ちなのだ。
出来ればあと20㎝…いや、15㎝でも構わない。
大きくなりたい、という思いは、此方だって同じ事。
だから、少女に投げかける言葉は穏やかだがちょっとだけ本音混じりの気迫が籠っている…かもしれない。
「わ、わかった。わかったから!美奈穂は凄いな、うん!
だからちょっと……わ、わっ!人懐っこいなお前!」
動物は嫌いではない。だから、制服に爪が引っ掛かろうが顔を存分に舐められようが。
けらけらと笑いながら、それを受け入れるのだろう。少女の髪を撫でていた手も退けて、両手でレトリバー君を可愛がる姿勢。
…だから、対応が遅れた。背伸びした少女への、対応が。
「………?」
「……………!?」
「ま、待て!美奈穂、お前は駄目だ!色々と、駄目だ!
良いのはコイツだけ、わんこだけだ!
いや、別にお前が駄目とか嫌いとかじゃないけど駄目だ!」
頬に粘着質な柔らかな感触と、甘い香りが一層鼻腔を擽って。
その正体に気付いた時――飛び上らんばかりに、というか、飛び上った。
ずざざ、と5歩くらい一気に離れて、頬をちょっとだけ赤らめてぜいぜい、と乱れた息を整える。
「……き、急用を思い出したから、帰る!
陸上部諸君は、練習頑張れ!美奈穂に練習させるなら、絶対に怪我をさせないようにすること!」
「それと美奈穂は、さっき言った事をちゃんと復習…というか気を付けること!」
「……それだけだ!」
其の侭、鞄を抱えて早足でグラウンドを後にする少年。
らしからぬ、なんてレベルではない。
普段の尊大で傲慢な態度は消え失せて。怒ったような困った様な表情に、少しだけ朱を添えて。
少年は、あっという間にグラウンドから消えていった。
■幣美奈穂 >
また、とある筋から大物なのを仕入れて・・!
とか、決意したかもしれません。
「お、大きくなってますもの・・」
唇を尖らせながら、ちょっと頬を染めます。
身長より、ちょと胸が大きくなってきているのは気になってますので。
ですが、本気具合を感じ、共感したのかうんうんっと真顔で小さく頷きます。
「本当ですわよ?
本当なんですからね?」
毎日欠かさず鍛錬、してます。
他の人からはお遊戯と見えますが、よ~~~く見れば、ぶれずとても綺麗なゆったりした動きなのですけど。
背伸びしますと、神代様のほっぺが近く。
ぺろぺろしてちゅっ💕
と、可愛らしくした美奈穂なのです。
逆側の頬は、わんこさんがべろべろ涎つけまくりかもしれません。
「きゃっ!?」
飛びあがるご様子に、びっくりして目を大きくした美奈穂です。
なに?なにがありましたの?、と。なんで神代様が驚いたのか判っていないのです。
そして急に帰るというお言葉。
「えっ、あ、はい。ごきげんようですわ?」
何が起こったのか分からず目をぱちぱちとさせ首を少し傾げさせながら見送ります。
そして、陸上部員の皆様方が神代様を見る目は――。
その後、陸上部を後にした美奈穂は、わんこさんを連れたまま学内の常世祭見回りの続き。
先生にレトリバー君を返してから、風紀委員会本庁にと戻る美奈穂なのでした。
ご案内:「第二教室棟 教室」から神代理央さんが去りました。
ご案内:「第二教室棟 教室」から幣美奈穂さんが去りました。