2022/02/16 のログ
ご案内:「第二教室棟 補習室」に八坂 良彦さんが現れました。
ご案内:「第二教室棟 補習室」にシャルトリーズ・ユニヴェルさんが現れました。
八坂 良彦 > 期末テスト後、バレンタインの熱冷めやらぬある日、少年はある教師を頼って勉強を見て貰う事に。
補習室で待ち合わせした相手は、シャルトリーズ・ユニヴェル先生、保健体育と基礎魔術の担当教諭だ。
どちらも…正確にはほぼ全教科の座学…赤点‏ぎりぎりで、内心色々あった少年が、頼み込んだ結果個別に教えてくれることに。

「せんせー、お待たせしました、八坂良彦、出頭しました」

呼び出されたわけではないので、出頭ではないのだが、何時も通りに小さなリュックと腰に水筒、手には鞄を持って入ってくる。
比較的狭い補習室の椅子に座ると、机の上にリュックと鞄を置いて、先生の言葉を待つ構えで待機する。

シャルトリーズ・ユニヴェル >  
補習室のテーブルに置かれた参考図書を捲りながら、
椅子の上にちょこんと座っている影がある。
その姿は、小さいながらも何処か威厳のある様子――
に見えなくもない。気の所為かもしれない。

身長129cmの彼女は、こう見えて常世学園の一教師である。
決して幼い生徒が補習室を偉そうに
陣取っている訳ではないのである。

「あらあら、八坂さん。いらっしゃいましたか~」

補習室の扉が開き、約束の相手が現れればそちらを見やり、
ほわほわとした笑顔を見せる。そうしてこく、と首を傾げれば
桃色髪がふわっと揺れる。

「八坂さん、今回はギリギリ赤点は免れていたと
 思うのですが~……。
 それでも補習を受けに来るとは、立派な心がけですねぇ~」

多くの生徒は、赤点さえ回避してしまえば、そのまま何事もなく
テストや勉強などというものを忘れて普段通りの学生生活に戻る
ものであろう。しかし、それではテストの意味がないのだ。

こういった学園のテストとは、ただ成績をつける為のものではない。自らの学習成績を顧み、
自らをより伸ばしていく為の通過点である――少なくとも、シャルトリーズはそう考えている。

だからこそ、シャルトリーズは目の前の生徒の心がけを褒めたいと
思ったのである。テストをきちんと有効活用する姿勢は、大変素晴らしいものだ。

「偉いです~っ」

ぱちぱち、と手を叩いて二、三度軽く拍手する。

八坂 良彦 > 褒められて、一瞬きょとんとした顔をした後で、照れたような顔で頭をかいて。

「これまでもぎりぎりだったんですけど…色々な人と話したりして、少し思う所が」

どちらかと言えば、肉体的なステータスに偏っている少年が、言うのだからある程度本気なのだろう。
授業中に寝ている事は基本無いのだが、偶にハンドグリップを握ったりしていたので、かなりの進歩なのかもしれない。

「それで、シャルトリューズ先生、結構基礎かっら教えてほしい、ですけど。
いいですか?」

逆に言えばある程度基礎をし直さないとダメだと思っている様子。

ちなみに少年の保健体育の成績というか、テストなどの結果は偏りがある。
身体構造や、骨格、人の急所になる場所などはしっかり覚えているのだが、他はいまいち。

魔術に関しては、本人が使えないのもあって、本気で基礎を覚えなければならないレベル。

シャルトリーズ・ユニヴェル >  
「赤点を取らなければそのままにしてしまう方も多いですから~。
 その、色々な方とお話されたということで~。
 きっと良い縁を沢山持たれているのでしょう~。
 その人達との関わり、大事にしてくださいね~。
 
 先生も昔、冒険に出ていた頃は、
 仲間達に何度も諭されたものです~……」

何やら顎に手をやって、目を輝かせながら
うんうんと頷いている!
そういえば、授業の際に
『先生になる前は、冒険者をやっていたんですよ~』
なんて言っていたのを聞いているかもしれない。

「ええ、喜んで~。基礎こそが大事ですから~。
 基礎を大事にしない人は、必ず何処かで躓きますので~。
 
 行き当たりばったりで何とか点が取れても、
 それは意味がないのですよ~。
 
 今からでも遅くないですから~、
 基礎からコツコツと、やっていきましょう~」

わー、と手を挙げて応援する構えをとるシャルトリーズ。
何ともゆるい動作である。

「さて、まずは今回のテストで躓いてしまったポイントを
 チェックしていきましょうか~」

そう口にして、今回八坂が提出したテストのコピーを取り出せば、
にっこり笑顔で机の上に置く。
そうして自らは、ふわりと宙へ浮かべば
ペンを取り出して、答案を示せる位置に移動した。

八坂 良彦 > 冒険者をやっていたと聞いて、尊敬の眼差しをで見ながら。

「それじゃ、おねがいします…えっと」

赤点ぎりぎりなので、躓いた場所は多い。
其処を指摘され、判らない時は内容を細かく聞いていく。

基礎迄さかのぼるような内容も結構多く、時間があっという間に過ぎる。
頼んだ本人が、勉強になれていないのもあって、集中力も途切れてきている様子。

体力液には問題がないのは普段の少年の事をしっていれば判りやすい。

「せんせい、切りも良いし少し休憩したいです、いいですか?」

精神的な疲れからか、最初の頃に比べると、声に張りがないように聞こえる声で、提案してくる。

シャルトリーズ・ユニヴェル >  
「ま、一旦こんなところでしょう~。
 八坂さん、よく頑張りましたね~!」

シャルトリーズの解説は、懇切丁寧。
基礎の基礎からがっちりと答えにまで導く。
決して安易に答えを教えることはせず、
生徒自身に考えさせて答えを出させ、
間違っていればまた基礎からやり直し、
それが正解であれば精一杯の称賛を送るのである。

彼の体力は十二分。
しかし、慣れないことは疲れるものだ。
そのことをよく知っているものだから、
彼が申し出た休憩を快く受け入れ、小さな拍手を送るのだった。

「よいしょ~、それじゃ失礼しますね~」

ふわふわと浮かんでいたところから椅子に着地すれば、
懐から煙管を取り出してすぱぁ~、と吸い出す。
授業でも見られる光景である。
これが、彼女にとって効率の良い魔力補給だ。
決して喫煙を楽しんでいる訳ではない。

「ぷはぁ~~」

多分。

八坂 良彦 > 「はい、ありがつございます」

終了を告げられて、机に突っ伏す様にお礼を言ってから、体を起こすと。
横に置いてあったリュックへ手を伸ばす。

「先生って、よく煙管すってるのみるね。
んー、所でバレンタインの時手伝わされて作った菓子とかあまってるん、ですけど」

偶に言葉に引っかかるのは丁寧語や敬語が苦手な様子。
余ってると言って取り出したのは、チョコレートマフィンや、チョコクッキー。

「先生も良かったら、食べますか?
俺からの遅いバレンタインとか」

そんな事を冗談ぽくいいながら、マフィンやクッキーを机に並べていく。

「あ、食べ物出したらまずかった、ですか?」

出しといて今更な質問を添えて。

シャルトリーズ・ユニヴェル >  
「これは魔薫草という、よーく魔力を蓄えた植物を
 乾燥させたものを燃しているのですよ~。
 特に害はないので安心です~。
 浮遊《フロート》の魔術もタダでは使えませんからねぇ~」

害はなくても見た目は最悪である。

「おおっ!? バレンタインデーのお手伝いですかぁ~。
 素敵ですね~、バレンタイン……」

口に咥えていた煙管がカクリと落ちかける。

「バレンタイン……」

まるで灰色に煤けたようなシャルトリーズは、
遠くを見るような目でその言葉を繰り返した。

そう、今年のバレンタイン。
最高に輝く筈だったバレンタイン。
あろうことか、採点の疲れから寝過ごしてしまったのである。

大量に買い込んだチョコレートのダンボールは
今も部屋に置かれている。
部屋の有り様を思い浮かべただけで気が滅入るのだ。
しかし、それも一瞬のこと。

「わぁ~! 本当ですか~っ! 良いんですか~っ!
 甘いものは大好きなので~、嬉しいですよ~!」

彼が並べるお菓子を見て、
まるで乙女のように目を輝かせるシャルトリーズ。
大丈夫、バレンタインはここに在ったッ!

「だーいじょうぶですよ~、食べ物くらい~。
 しかし、バレンタインのお手伝いだなんて~。
 八坂さんは、そういうのいける方なんですねぇ~」

八坂 良彦 > 「そんな植物もあるん、ですね」

その言葉に煙に顔を近づけて、害はないが煙なので微妙にむせて。

「けほっ…うん、て先生?」

落ちかける煙管に反射的にてをのばして支えようとする、無駄に言い反射神経と反応速度のたまもので。

「うん、いいですよ…今回のお礼と、今まで迷惑かけてたでしょうし。
どうぞ」

嬉しそうにしてくれる目の前の少女の様な教師へ微笑みながら、勧めて。

「家事全般はできる、んです…特に菓子作りとかは好きで。
それを知られて手伝わされた、けど」

チョコ入りのはそれだけですけど、と苦笑し。
水筒を開けて、中のコップを先生の前に置く。

「あとこれ、ミルクココアです、よかったら」

小さなコップに水筒に中身を注いでいく、まだ少し湯気が出て暖かそう。

シャルトリーズ・ユニヴェル >  
「煙は煙なので、そこまで顔を近づけるとむせちゃいますよ~」

ちょっと煙管を遠ざけつつ。


「いやはや、ちょっと色々思い出すところがありましてね~、
 申し訳ない~。
 うーん、しかし反射神経の方は抜群ですねぇ~。
 体育教師からタイコバンを捺しときます~」

落ちかけた煙管に見せた反射神経は見事なものだ。
のへー、とした顔をしつつ。

「へぇ~。
 いや……八坂さんのことは授業で見かけるくらいでしたが~、
 そういったイメージはなかったもので~、少し驚きました~。
 なんかこう、がっつりスポーツが趣味! って感じのイメージ
 だったもので~。
 ま、でもそういうギャップは周りからモテそうですねぇ~……」

ぷかぷか煙を浮かべながら、自らの後頭部に腕を回す
シャルトリーズ。

ミルクココアを出されれば、お礼を言って一口飲みつつ。

「んー、甘いものにミルクココア! 最高のひと時ですねぇ~」

八坂 良彦 > 「はい、焚火とかで吸い込む煙と少し感じちがいました、けど」

自分は水筒のふた部分でココアを飲んで、咳を抑えつつ、マフィンを口へ運ぶ。
ふぁ、っと落ち着いたような声をあげ、飲み込んでいく。

「いや、色々あるのはだれでも、ですし。
近接系ですから、そこは。
あれ、あぁ保健体育だから体育教師でしたっけ」

体育教祖と言われて、一瞬首をひねる、そう言う印象がなかったのだろう。

「おれは、先生の事けっこう気にして、みてましたねぇ。
煙管とかの光景を近くではあんま見て無かったですけど。
それほどずれてないイメージだと思います、体動かすのはすきですし。
ギャップでいえば先生も結構ギャップが、煙管とか」

家事は必要だったから、菓子は自分で作ったほうが安いからとかそんな理由もあったりする。

シャルトリーズ・ユニヴェル >  
「そうですよ~? 八坂さんは保健と魔術の授業のみを受けてらっしゃいますけど~。
 ちゃーんと体育の授業だってやってるんですからね~」

ふすー、とちょっと得意げ。
可愛らしい仕草にも見えるが、
口から紫煙を漏らしているので台無しである。

「ほほーう、この私を気にして見るとは~。
 ふっふっふ、八坂さんいけませんよぉ~?
 ダメですよぉ~、教師と生徒ですからぁ~」

なんか自意識過剰なことを言い出した!

くいっと手首のスナップを効かせれば、
煙管からの煙は消える。
魔力の補給は十分にできたらしい。

「はは~、その辺りはよく言われますねぇ~。
 ま、私のは~? あまりいいギャップではないと
 思うので~」

自覚はあるらしかった。

八坂 良彦 > 「先生のは確かに保険と魔術だけでしたね。
体育の時も今度いってみていいです?」

紫煙を吐きながら得意げな顔をしている先生を見て、少し苦笑いしつつ。

「男ですし、そういう気持ちがゼロ課と言われれば違いますけど」

教師と生徒と言われ、頬をぽりぽりとかきながら、否定と肯定が混ざった感じの物言いで。

手首のスナップだけで簡易とはいえ魔術と思わしき現象を見ると少し驚く。

「まぁ、個人的には実年齢がきちんとしてれば煙管や酒は問題ないとは。
学校内で、だとあれかもですけど」

自信も外見と年齢があって無いので、そういった事にはある程度肝要で。

「ちなみに、気にしてた理由のは…あー、俺より小さくてかわいいから、だったりします」

外見10歳男子は、自分より小さい相手が気になる様子。

シャルトリーズ・ユニヴェル >  
「まぁ、単位はあげられませんがいらっしゃる分には
 拒む理由はありませんよ~。うぇるかむです~」

ふいふい、と手をゆるーく振りつつ彼の問いかけに
応じるシャルトリーズ。

「ありゃー、見る目があると思ったんですけどねぇ~……」

遠い目をしつつ、顎に手をやり枯れた笑顔を浮かべる。


「ま、実年齢ならちゃんとこの世界でいう成人にあたります
 ので、何も問題ないですよぉ~」

そう、成人。
間違っても68歳とは言わないのである。


そうして。