2022/10/16 のログ
ご案内:「第二教室棟 保健室」に紅李華さんが現れました。
紅李華 >  
 ――保健室。
 養護教員が普段待機している教室であり、生徒や教職員など、学園関係者に怪我や不調があった時に稼働する応急処置施設。
 応急とはいえ。
 常世学園の保健室は設備も一級であり、養護教員も特別な資格を持っていたり、当たり前に医師であったりなど色々なので。
 応急で終わらず病院並みの処置がされることもしばしば。

 とはいえ、年中そんな生徒が運ばれてくるわけでもなく。
 多くの場合、養護教員が待機という名目で休息を取っていたり。
 生徒や教職員が体調不良の名目でサボタージュに来たりするのだ。

 そして今は。
 養護教員である『紅李華』は、自身のデスクに備え付けの大型デバイスで、同僚の講義を受講していた。
 

紅李華 >  
 
『――好一朵茉莉花~♪』

 本人は、同事の上课は喜欢。
 とくにりもーと、はとっても重宝。
 ――えへん。
 日本語の勉強ばっかりで、考えるのにも言葉が混ざっちゃった。

『んふー、さだはるの声、やっぱりいいなー』

 今しがた、第一教室棟――つまり、隣の棟で講義している、教員の同僚――というより學哥?
 さだはるが喋るたびに、同時に本人の母国語に翻訳されて、字幕が映る。
 日本語の講義はヒアリングだけでも大変だけど、リモート講義はこういう所が便利だと思う。

『もー、さだはるってば、またいじわるな事いってる』

 今、法学の講義をしている同僚は、異邦人と異能者と怪異――つまり、純粋な地球人以外は大っ嫌い。
 もちろん、本人の事も嫌いって言う。
 何回も、面と向かって言われてる。
 でも、そんな事を言っても、さだはるはとても――本当に残酷なくらい、ルールの上では公平で情けがない。

『――だから、安心できるんだけど――さだはる、わかってないもんなー』

 好き嫌いに関係なく、感情を隠す事もなく、その上で公平に接してくれる。
 それがどれだけありがたい事かは――きっと不公平な世界で生きて来たヒトにしかわからないんだと思う。