2022/10/17 のログ
■紅李華 >
『ん~、ドラゴンにのって交通事故――よく有った事故だよね。
でも、うーん――これが殺人扱いになってるの、よくわかんないね?』
第2の事実が正しい記録であるとしたら、公務執行妨害は逃れようがないとおもう。
もし、この罪状に対して反論するなら、巡査Sがどれだけ車両、つまりドラゴンに対して不公平な扱い――無知的、感情的な取り扱いをしたかかな。
巡査Sにそういう知識的だったり、感情的な過失があるようなら、減刑に持っていく事は不可能じゃないと思う。
だけど――。
『殺人――?』
わからない。
当時の法律を調べる限り、記載されている『小型竜型搭乗生物』の飛行場所による速度制限を含めた交通法が整備されていなかった。
だけど、地球人の常識にに則って考えれば『時速300㎞』での移動は、明らかに非常識。
つまり被告人が、そういった地球人的な常識に沿った判断の下で運転していたかどうか――そこが議論の根に当たると思う。
■紅李華 >
『300kmで移動してたら、ヒトにぶつかったら、大抵のヒトは死んじゃうよね。
でも、それはあくまで地球人的な常識。
当時は法律による制限が出来ていなかった事を考えると――違法行為である、とは言えない、かなぁ』
だって、法律で制限されていないなら、それは違法じゃない。
法を破ったわけじゃないんだから。
だから、尋常じゃない速度での移動を行っていた、その事実自体は罪に問えない、はず。
『そしたら、うーん。
過失運転致死傷罪、運転過失建造物損壊罪は、被害から見ても避けようがないよね?
逃れられる理由が思い浮かばないしー――』
そこは、当時の法律でも言及できる。
今でこそ、超常生物――ここで『被告人車両』とされてるドラゴンも、法的分類がされて関連するルールが定まってきているけど。
当時はあくまで『車両』扱いだもん。
クルマで事故した結果って考えたら、妥当だよね。
『でも――殺人ー?』
あんまりにも突拍子のない罪状だと思う。
もし、被告人が『通行人A』に対して明確な殺意を持って『被告人車両』に搭乗し、非常識な速度での運転を行っていたのなら。
って、前提になる条件が整っていなくちゃ、殺人の罪状はなんだか気持ち悪い。
被告人が殺人した、って事にしたいなら、被告人が殺意を持っていたってゆう、証拠が必要になるはず――だよね、さだはる。
■紅李華 >
『哎呀ー!』
むー、さだはるってば、ほんっとーにいじわる!
『んー、そっか、当時の法律だと、あくまで被告人の所有物だもんね――えーっと、ペットがヒトを殺しちゃったときの判例ってないかなぁ』
当時の法律でも、犬や猫、それ以上に取り扱いに注意が必要な愛玩動物、つまりペットによる殺傷事件なら前例があったはずだと思う。
それなら、そういう判例をさかのぼって確認すれば、殺人罪の妥当性が分かるかも。
■紅李華 >
『あった、これだー!
民法七百十八条、1、動物の占有者はその動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、動物の種類及び性質に従い、相当の注意をもってその管理をしたときは、この限りではない。
2、占有者に代わって、動物を管理する者も、前項の責任を負う!』
んーと、つまり、ペットの責任は飼い主の責任!
この方に照らすと、車両であっても『動物』の占有者の『被告人』は、動物の種類及び性質に従った注意をしてなくちゃいけなかった。
その義務を怠って、人を襲う可能性の高い『動物』に搭乗した状態で異常な速度で移動してた――对对。
『殺意の有無はともかく、ヒトを殺傷する可能性を知りつつ搭乗、その上で非常識な行動をしていたら――殺人である、って攻められてもおかしくないかも?
それでもちょっと、具体的な根拠に乏しい気はするけど、うーん――でも、妥当なのかなぁ』
被告人があまりにも無知で、安全意識どころか常識に欠けていて、精神状態も異常。
正常な判断ができないような――つまり責任能力に問題があった場合でもなかったら、殺人が着いてもおかしくないかも。
■紅李華 >
『むう、さだはるでも、『殺人』でない事の根拠は出せなかったんだぁ。
でも、ちゃんと減刑できたの、すっごいなぁ』
車両――ドラゴンが処分されちゃった事はかわいそうだけど仕方ない。
当時の法律、当時の情勢で、そんな危険な生き物を保護しきれるはすがないもん。
『文字に意味を持たせるのが法学――』
あり得ない、は存在しない。
それは軍に居た時に、これでもかーってくらい実感してる。
本人の実験で何人が――実験成果で何百人が――研究成果で何千人が――死んじゃったかわかんない。
本人がどんな『つもり』で実験研究をしたって――それが『ありえない』ような使われ方をしたら。
簡単に大虐殺が行えちゃうのです。
この間の『闘争の種子』だって――。
『つねに『疑う』こと――』
ヒトの言う事、文書を考えないで鵜呑みにしないこと、だと思う。
哥哥にもよく言われた気がする。
本人は、すぐにヒトを信じちゃうって。
『――うん、ちゃんとお勉強して、身を守れるようにしなくちゃ』
だって、やっと外に――哥哥が自由にしてくれたんだもん。
ちゃんとルールを覚えて、使えるようにして。
何かがあっても、自分とか大切なヒトを守れるようにならなきゃ。
『――ぁふ』
ともかくー、十五分きゅうけいー。
さだはるの講義ってすーっごい勉強になるけど。
すーっごく疲れちゃう――あ、もうブドウ糖がないや。
『購買部いってこよーっと』
糖は脳の栄養!
沢山採って、沢山動かさなくちゃ!
ご案内:「第二教室棟 保健室」から紅李華さんが去りました。