2019/02/13 のログ
ご案内:「教室」に小鳥遊 日和さんが現れました。
小鳥遊 日和 > あのね…確かに先生は皆に喜んでもらいたいって思ったけど…。
この格好、本当に皆が求めたものなの…?
(教壇側に近い扉から、不安げな声が響く。 問いかけに応え、
 そして急かすかのように生徒たちは一糸乱れぬ精度で足を踏み鳴らした。)

…はい、じゃあ、先生皆に言われたとおりの服着てきたけど、笑ったりしないでね…。
(恐る恐る告げてから、ゆっくりと教壇側の扉が開かれる。
 現れたのは、ダークブラウンのブレザーにチェックのスカート…常世学園で使用される、
 女生徒用の制服パターンの一つ…を身に着けた教師であった。
 生徒たちの視線を浴びながら、恐る恐る教壇に立つ。 恥ずかしさにがんばって耐えながら、
 手元のメモを読み上げ始めた。)

『女生徒の制服姿でチョコレートを渡してくれたら、めっちゃ授業にでます』
『ちょっと大人びた先輩風にチョコレートを渡してほしいです。授業にぜったいでます』
『先生が彼女面でチョコを食べさせてくれたら授業に絶対出席します』
……もう一回、念の為に聞くけど、みんな本当にそう思って先生にリクエストをくれたんだよね…?
(縋るような目で生徒たちを見る。 冗談だと言ってほしかったが、皆の目は真剣だった。
 穏やかな表情になると、そのままゆっくりとうなずく。 生徒たちが喜んで
 授業を受けてくれるのなら、難しいことは考えないようにしよう。)

小鳥遊 日和 > じゃあ、今日の授業始めるね? 今日は季節柄、カカオを題材にしてお話するね。
カカオの生産地といえば…うん、南米やアフリカがすごく有名だよね。
だけど、もともとは環境的には中央アメリカが一番強かった。
じゃあ、今は中米は…と言われると、あんまり有名じゃないよね。
どうしてそうなったのか、というお話をしていくね。
(いざ授業が始まれば、恥ずかしさに悶えている時間なんてない。
 熱弁を振るい、気がつけば授業は終わりに近づいていた。)

…というわけで、中米のカカオは病害にて激減。 
似たような環境である南米やアフリカに大規模なプラントを立てて、
そこでカカオを育てることになって今に至る、というわけなんだね。
この辺で今日の授業は終わりかな…。 次回は病害について話すからね。
(「今日の授業は終わり」 その言葉を聞いた途端、生徒たちがそわそわし始める。
 そんな素直な生徒たちの様子がちょっと微笑ましくもあり、色んな意味で心配でもあり。)

心配しなくてもちゃんと用意してあるから、安心してね。 
(えいやと机の上に乗っけたバスケットには、個別包装を施した小さめのガトーショコラ。
 そして紙コップと、大きめの魔法瓶である。)

なんていうか、親しい人にチョコレートを上げるっていうのは全然いいんだけど、
それ先生がこんな格好する必要、あったのかなあ…。 あ、皆立たなくていいよ!
(バスケットを持って、生徒たちの所に赴く。 一人ひとりにガトーショコラと
 お茶を手渡しては「いつも聴講してくれてありがとう」とか「テスト応援してるよ」とか、
 「この前見せてくれた標本、すごく良く出来てた」とか声をかけて回る。
 格好はともあれ、生徒たちが学問に興味を持ってくれるのが嬉しい。
 それだけは変わりようのない事実なのだ。)

小鳥遊 日和 > よしっ、これで品切れ、ぴったり!
(最後のガトーショコラを渡し終え、同時に魔法瓶に入れておいたお茶もぴったりなくなる。
 ご満悦の表情でバスケットを片付けながら、生徒たちに小さく手を振った。)

みんなが喜んでくれて、先生すっごく安心したよ、ありがとう!
それじゃあ次回の授業でねー!
(ばいばーい、と元気よく生徒たちに手を振ってから、教室を後にするのでした。)

ご案内:「教室」から小鳥遊 日和さんが去りました。