2020/06/16 のログ
ご案内:「深夜の校内」に伊都波 凛霞さんが現れました。
伊都波 凛霞 >  
「はっ、はっ…!」

静まりきった、真夜中の校内、息を切らせて廊下を駆ける少女の影が、ひとつ
そしてそれを追うように、ひとつ、ふたつ──?よくわからない
いくつかの大小様々な影が──

「っ……ふう……」

階段手前、曲がり角を鋭角に滑り込み、壁を背にして呼吸を整え息を殺す
自分を追っていた?いくつかの影は……姿を見せなかった

ようやく呼吸も落ち着いてくれば、その気配がなくなったことに多少安堵し、ずるずるとへたり込む

「はー……何あれ… あんなの青垣山でも見たことないよ」

伊都波 凛霞 >  
最近ちょっとした噂になっている、夜の学校内に現れると噂の、怪異の影
これまでも何人か風紀委員が調査に入っていたもののまったく正体が掴めず、
青垣山で育ち相応に怪異に対しての知識もある自分が調査に、と立候補してみたはいいものの

どうも勝手が違うというか、とにかくよくわからない
応戦はしてみたものの、黒いモヤのかかったような影は霧散するばかりで手応えもなく
そのくせ、鋭さを感じる爪のような、鎌のような──そんな敵意剥き出しの攻撃を仕掛けて来る
キリがない、どころか応戦するうちどんどんその気配も増えていき、逃げに転じたのだが──
廊下は走るな?そのとおりだけど時と場合による

「……どっか行ったかな?」

そーっと曲がり角から顔を出して、夜の廊下へと視線を巡らせる
僅かに月明かりが差し込む程度の暗さ、そこに何かが蠢く気配はない

伊都波 凛霞 >  
「…はー……」

ずる、と壁に背を預けたまま、更にへたり込んだ
気配というか、避け勘だけで逃げ切ったけれど、制服のあちこちに鋭い裂け目が出来ている
少しでも気を抜いたら危なかった

「参ったね。正体すら掴めない…」

さすがにこれでは調査どころじゃない
ある意味、このまま噂が広がって誰も夜の学校に近づかないほうが平和、まである

厳格に夜の学校への進入禁止とするには相応の調査報告が必要だろうし

ご案内:「深夜の校内」にモノ・クロさんが現れました。
モノ・クロ > ひた、ひた、と。
素足で冷たい床を歩く音が聞こえる。
音が聞こえたから誰かしらいるのだろうか、と校内に侵入してみたけど、どうやら先客がいたみたい。

あらされてはいるけど、今の所気配はない。なら、残ってる人間探しますかね。

伊都波 凛霞 >  
新しい気配は感じない
いなくなったか、それとも様子をどこかで窺っているのか
どちらにせよ薄ら寒いものを背筋に感じて、まだ心臓の鼓動は落ち着かない

結局、噂以上のことは何もわかっていないというのがよろしくないが、これ以上続けても新しい発見があるかどうかは微妙なところだろう
せめて、どこから来るのかがわかればそれだけでも違うというのに

制服が台無しになってやや気落ちもしているし、今日はこんなところかな…と思った矢先、聞こえてくる足音
それも靴音ではない、普通に考えればおかしい状況である…と、いえる

再び息を殺して、気配を探る──

ご案内:「深夜の校内」に宵町 彼岸さんが現れました。
モノ・クロ > 「んー…こっちの方に逃げた形跡があるんだけど…どこ行ったかな?」
凛霞の目の前を横切る。凛霞には気付いていない。

異常なまでに白い肌に、異常なまでに張り巡らされたトライバルタトゥーのような紋様。しかして、一番に異常なのは…

四肢がない。それなのに、その先に紋様が続いていて、あたかもそこに腕と足があるかのように動いているのだ。

伊都波 凛霞 >  
──違う、明らかに先程まで対峙していた怪異とは別種の何か
横切ったそいつを見てそう直感する

息は殺したまま、気配も消したまま
独り言のように呟くその言葉は、逃げた人間──自分を探しているようにも聞こえる
なぜ探しているのか、それはわからないが…

委員会に提出する報告書の内容が増えそうだ、という思いと
このままどっかに行ってくれないかな…という思いで、壁を背に気配を殺し続ける

モノ・クロ > 「んー………こっちじゃないな」
キレイな廊下を見て、引き返す。少なくとも、この先ではない。

近くの教室の扉に手を掛ける。勿論鍵が掛かっている。

「…ふん」

鍵穴に呪紋を滑り込ませ、無理矢理解錠して侵入する。

伊都波 凛霞 >  
廊下に面した教室に入っていく気配を感じれば、一息

『アレ』が何者なのかはわからないが、多分先程までのやつらとは別の存在
一夜に二種類のヘンなモノに遭遇とか冗談じゃないと思いつつ、ゆっくりと物音を立てないように立ち上がり、廊下の様子を再び窺う

他に生徒がいなければ、とっとと校内から離脱が正しい選択だろう

宵町 彼岸 > 「んやぁ……ひどい目に合ったぁ」

明かりのついていない部屋の扉が音もなく開き、真っ暗な部屋の中から小柄な影がゆらゆらと湧き出すように廊下へと歩き出した。半分眠ったような表情のそれはゆっくりと月を見上げると猫のように目を丸くし僅かに笑みを浮かべた。

「よくねたぁ」

ちょっと迷子になった後保護されただけなのに先生と友人らしい人にすごく怒られたので、眠気覚ましに空き教室に舞い込みそのまますやすや。
目が覚めたらこんな時間だ。

「みんななんであんなに言うんだろぉ。たいしたことないのに」

荷物を何も持たずに迷子になったのでとりあえずリンクしてSNSに適当に投稿した後に朝まで放浪した挙句日向ぼっこで丸くなって猫の群れと一緒にすやすやしていたので人騒がせこの上ないが……本人に言わせれば夜中に放浪する事なんて日常茶飯事。
何も言わずに放浪していたら何も言われないのに、一言迷子と伝えるとあんなに怒られるのだから不思議だ。

「あー……めんどぉ」

保護された時にかぶせられたパーカーの袖で目をごしごしとこするとんー……と気の抜けるような声をあげ小さく伸びをする。
随分眠っていたようだし……

「ついでに”拾いに行かなきゃ”」

そういえば少し前に放ったモノの一部が”漏れ出て”徘徊していたはず。学校に来たついでにそれを回収するのもいいかなーとゆっくりと歩き出す。何人か食べたり刻んだりしてるかもしれないけど良いサンプルが取れていないかしら。

モノ・クロ > 「…………声。」
教室を探っていた怪異が、廊下を見る。

声がした。

人だ。

殺意が湧いてくる。

伊都波 凛霞 >  
──さて、廊下の様子を窺っていたら人影が現れた

学校に残っていた生徒…だろうか
だとしたら危険だが、どこかその雰囲気は普通の学生とは違って見える

「──……」

大きく溜息
仕方ない
だってもし普通の生徒だったら、危険があるかもしれないのに何もしないことになってしまう
それは、自分の思う風紀委員の在り方とは、真逆だったから

「ねえ、もう夜中だよ。危ないから帰ろう?」

意を決した、廊下へと歩み出て、ぱっと懐中電灯を明るめに照らしながらそう言葉を駆ける

宵町 彼岸 > 「どこからいこーかなぁ」

適当に歩いていたら行合うかななんてのんきに考えながらに三歩歩くと同時に
明かりがこちらに向けられた。

「わー」

突然の明かりにゆっくりと両手で顔を隠す。
暗い中で明かりを向けられるとなんだかすごく眩しい。
この時間に残っているのは夜間部の生徒か先生かそれとも……

「ふーきいいん?
 よるのがっこーはあぶないよー?」

逆光の中に赤い腕章を見出しのんびりと。

モノ・クロ > そしてその人影の後ろから、ガラリと。
教室の扉が開く。

閉じた目と、人のものではない赤い瞳が、宵町と後ろ姿の凛霞を捉える。

視線を合わせれば、そこから既に呪いは始まる。

『見られている。』

伊都波 凛霞 >  
「そう、夜の学校は危ないから、なんで残ってるのか知らないけど早く帰──」

ぞわりと
総毛立つような感覚を覚えて思わず言葉が途切れる

目の前の少女、でもなく
先程まで逃げていた黒い靄のような怪異でもなく
教室に入っていった、謎の存在

あれは、何か、迂闊に関わってはいけない存在
直感がそう叫ぶ

応戦する体勢を作るか否か、その判断が急速に求められ──凛霞の直感は、応戦を選んだ
身を低く伏せながら、長いポニーテールを靡かせればどこから取り出したのか、その両手に目に馴染みのなさそうな、刃もなにもついていない金属の柄が握られる

「──そこの人、後ろを振り返らず、こっちに」

正直どちらも普通の学生、どころか後ろのは人とも思えないけれど、再びそう声をかけた

宵町 彼岸 > 「例えば誰もいないはずの教室、例えば誰も弾いていないはずのピアノ
 例えば……そこにあるべきでないのにそこにいるモノ」

投げかけられる声が聞こえていないかのようにぼうっとした口調で言葉を紡ぐ。
途切れた言葉、いつでも武器を抜けるような姿勢、そう、この沈み込むような殺意
普通の生徒であれば全力で逃げ出すべき状況があちらからやってきた。

「そーんなのがこの島にはたくさんいるんだってぇ」

ないしょだけどね?と指先を口元に当て、いたずらに成功した子供のような笑みを浮かべた。
内心ではこうつぶやいていた。ああ、面白そうなシラナイモノがいる。

「こんなふーに」

こちらに武器を構える風紀委員のその真後ろからこちらをねめつける異形と
目を合わせながらも楽し気なその笑みは崩れることなく。

モノ・クロ > 「………ムカつく」
イラつく。
あいつは楽しんでいやがる。
あの笑顔を崩してやりたい。

「遊びたいなら遊んでやる。死ぬまで悔やめばいい」

ずる、と両腕の紋様が、宵町のみを狙って突き出される。

伊都波 凛霞 >  
──その反応から、見た目に反して?普通の学生ではない、そう判断も出来た、けど

「危ないっ!!」

自分を狙ったものではない
けれどその明らかに攻撃と見て取れる動作を見て、思わずそう叫んだ

同時に駆け出して──可能なら、その両腕の伸ばされるコースから外れるように突き飛ばそうか
人間の反応はどうしても一瞬は遅れる、間に合うかどうかは微妙なところだろうが
それでも、走った

宵町 彼岸 > 「あはぁ。ボク戦闘とか苦手なんだけどなぁ」

危機感の欠片もない声を上げながら後ろ手を組み数歩だけ後ろに。
目を合わせただけでも干渉系特有の背筋を櫛で掻くような感覚。
見たところ刻印型の魔力か術式か。
宿主と思われる素体が一部見えるが……術者かもしくはただの媒介か
ゆったりとした動きとは真逆に観察者の視線は方々へと奔る。
どうやらずいぶん気性が荒いようだ。ああ、面白い。

「きみもね」

警告と共にこちらへと飛び出し手を伸ばすヒトを柔らかく押し返すように手を伸ばす。
巻き込まれたら可哀想だもの。そんな気まぐれで。
その小さな体に文様が突き刺さるようにぶつかって……。

「……あれ?」

その勢いのままに数歩よろめいて立ち止まった。
肌を舐める脂ぎった手のような感触と同時に頭の中が”少々”騒がしい。が
……この感覚はとてもよく知っている。

「……精神汚染系統の術式かぁ」

その声色は見知った友人の手品を見たかのように穏やかで。

モノ・クロ > 「…………あ?なんだよ、澄ました顔しやがって」
ずる、ずる、とぶつかった箇所から紋様を広げ、呪いの範囲を広げていく。

既に凛霞のことなど眼中になかった。

伊都波 凛霞 >  
柔らかく押しのけられ、2つの影からはやや距離をとった位置へと
居残った普通の生徒なら、守らなければという思いが先走ったが──

「…ますます、夜中の学校には近づいちゃいけない問題が増えそう」

小さく溜息を吐きながら、警戒だけは怠らない
よくわからないが、この怪異は目の前の少女を敵として認識したらしい

こちらへの関心が外れたことを認識すれば、冷静に状況を伺う姿勢に入る

宵町 彼岸 > じわじわと体を這う文様とそれに比例するように広がる気持ちの悪い感触。
体中の関節に砂が噛んだかのように動きが鈍くなるのは興味深い。
飲み込まれれば飲み込まれるほど吐き気を催す感覚が広がっていく。

「……うぇぇ」

可能ならば全身を火にくべてしまいたい。
生きる事が絶叫しそうなほど厭わしい。
空気が汚泥にでもなったかのように息苦しい。
常人なら間違いなく数秒と持たず狂気に陥っているだろう。

「……”よりにもよってこのタイプ”かぁ」

しかし口から零れるのは少々の落胆。
……そんなこと、もう十数年前からずっとだ。
何十人、何百人と怨嗟と怒号をこの身に宿して
狂気を正気と装う事すら意識しなくともできるようになった。
……死ねるなら、殺してほしいのに。
最も相手から見ればただ理解できない怪物にしか見えないかもしれないけれど。

「そうだねぇ……夜のガッコは危ないねぇ…」

制止するようにこちらをうかがうヒトに腕を向けたまま呟く。
こちらをねめつけ投げつけられる滴るような声は
健全に生きている者への怨嗟で満ちていて

「そっかぁ……」

だからこそしみじみと呟く。

「キミは生きたくてしょうがないんだねぇ」

何人も感情を、生き方を模倣しても
何人の記憶を喰らってもその感覚が理解できない。

モノ・クロ > 「あぁ!?」
図星だった。『ソレ』自身こうなるまで死を望むほど苦しんで…今になって『他人の身体を借りてまで自由を得たがった』。本人は自覚してはいないが。

しばらくすると、様子がおかしくなる。

「うるせえ!んなこたわかってる!あぁ?」
まるで見えない誰かと、話しているようで。

そして、急に動きが代わる。ほろ、と解けるように、宵町に繋がる紋様がちぎれる。

何故か、一礼。

そして、背を向け走り去っていった。

ご案内:「深夜の校内」からモノ・クロさんが去りました。
伊都波 凛霞 >  
このままこの状況を放置して校外に逃げることは容易いけれど
校舎への被害やなどお可能性を考えると、見過ごすのも如何なものか

状況的に考えて、最初に遭遇した四肢なき少女…
こちらを拘束できれば恐らく事態は収拾する、が──

などと様子を見ていれば、突然その四肢なき少女は何かを喚き散らし、その場から立ち去ってしまった

「……えー、あー、ちょっと色々一気に起こりすぎて整理が追いつかないんですけど、うーーーん、見たまま、あったまま、報告するしかなさげ…?」

ため息まじりに、残された少女へと視線を送る

宵町 彼岸 > 「あれ?」

様子がおかしくなったそれを見て首をかしげる。
どうやら”相性が悪い”ことは間違いないようだけれど……
吐き出される言葉だけで見れば共存タイプの術式の様子。だとすると宿主と思惑が一致しているのだろうか。

「……さぁ、苦しんでおいでぇ?
 いつかその痛みを分かってくれる人が現れるまで」

小さく呟く。それは理解では無く共感に近かった。
もっともっと沢山の人にその恨みを吐き出して
気が済むまで同じ苦しみを味合わせて
そうしないと飲み込めない痛みにのたうち続ける。
そんな方法でしか癒せないものもこの世界には数多くある。

「うーん、ボクも整理ついてなーい」

にこっと明るい表情を浮かべながら振り返る。
場面だけ見ればよくわからないけれどなんか襲われてなんかどこかに行っただけ。
何とでも言い分けられるだろう。実際遭遇したのは偶然なのだから。

「怪異なんて人の理論では動かないだろーしよくわかんないねぇ。
 あはー、良かった気が変わって逃げてくれて―。
 ボクひ弱だから危うく怪我しちゃうとこだったー。あっははー」

そんな風にのんきに笑って見せて。

伊都波 凛霞 >  
「何かされてたみたいだったけど…大丈夫なの?」

とりあえず敵意はなさそう…判断して話しかける
──怪異には撃退法がつきもの、ではあるけれど、今の場合何がそうさせたのか
二人の間で交わされた会話の中にヒントはありそうだったが…判断材料としては些か乏しい

「って、よくわからないけど貴女は生徒?
 ダメだよこんな時間まで残っちゃ…ヘンなの湧いてくるんだから、この学校」

言い草も言い草だが、そうとしか形容できないのも実際にいるので仕方がない

宵町 彼岸 > 「うん、向こうが引いてくれたみたい。
 なーんにもされなかったよ」

実際は精神汚染の感触はあったし影響がなかったわけでは無いけれど……
今のところまだ”未遂”にとどめておいた方がよさそうだと判断し
笑顔のままかぶりを振る。

「うんー、せーとだよぉ。
 でもいちおう夜間部もかねてるよぉ?研究員だしぃ……」

実際に出たので何とも言えないところがあるものの
この島はある意味眠らない島であり、その中心がこの学校でもある。

「ほら、なーんにもなかったし、またせんせにつかまってお小言は……
 やだなー、みのがしてほしーなぁ……なんてぇ……。だめ?」

両手を合わせて上目遣いでお願いしてみたり。

伊都波 凛霞 >  
「う、うーん…巻き込まれた形だし被害も実際なかったわけだけど…」

夜間部の研究員、なら別に不当に校内に残っていたわけでもない
それはそれで、件の怪異が発生すれば危険な感じもするが……

「じゃあ…注意に留めておきます。
 もしかしたら聞いたことあるかもしれないけど、真夜中の校内に変な噂があるの
 怪我してる生徒なんかもいるから、なるべく夜中までに帰るとか、気をつけて欲しいな」

お願いされてしまうと、弱いタイプである

宵町 彼岸 > 「ね?そうでしょ?」

まさか普段がふわふわ過ぎて夜中に学校にいる方が安心されるなどと本人すら忘れているが
実際研究員には昼は研究棟で研究し、夜は学業に励む者も珍しくはない。
むしろ研究員の中には怪異と遭遇する為に計画的に徘徊する物すらいる。
……事を踏まえても

「……変な噂しか聞かないからどれのことかよくわかんないやぁ」

すこしばかり本音と思しきものが漏れる。
実際この島は噂と都市伝説を羅列しただけでとある有名な辞書と同じくらいの厚さの本が書けると思うほど多い。

「キミは平気なの?」

さっきの怪異なんかも普通に出会ったら無事では済まないだろう。
既に壊れている結果精神汚染に耐性があるなんていくら狂犬の群れ(風紀委員)でもそう多くはないだろうし。
というか風紀委員って精神脆いヒトがむしろ多いですし……。

伊都波 凛霞 >  
「…ま、まぁ元々ヘンな噂ばっかりだけど最近また増えたというか…その調査に来てたんだけどね」

それ自体は肯定しつつ、新しいなんかちょっと危ないっぽいのがあるよ、と
ものすごくざっくりとした説明をしつつ

「私はまぁ、青垣山に住んでてそういうのに慣れてるから…苦手な人は苦手だろうけどね。
 さっきのれはちょっと、そういうのとは毛色が違いそうだったけどね…、
 …あ、一応名前聞いても大丈夫かな…?私は伊都波凛霞、風紀委員だよ」

腕章はつけてきているけど一応そう名乗って
それなりに学内では名前が売れているほう…だけど、まあ知らない人は知らない
平常成績に興味のない人や、裏事情に精通していない人なんかも、大勢いるのだ

宵町 彼岸 > 「へんなのにかんしてはひとのこといえなーい」

ケラケラと笑う。
冗談半分で飛び切りの変人と名指しされることが多いし、
実際もはや怪異であることも間違いない。
目の前のこの人は……肉付きは程よく恐らく整った容姿なのだろう。
話し方から見てもイイヒトそうだしきっと変人とか言われないに違いない。

「……んと。」

たっぷり数秒は固まる。自分の名前を思い出すのに時間がかかっているなど
まさか大抵の人は思いつきもしないだろうけれど……

「あー……えっと、
 ……あ、カナタだよぉ。宵町彼方
 医学博士と魔医術師の資格持ってる。うん」

何時かと同じように答える。
この間のせいでしばしば偽名を疑われるが……
純粋に自分の事を思い出すのに骨が折れると言ったら
この人はきっと困ったような笑みを見せるのだろう。

「いとわ…いとわ……
 ……あは。うん。”初めまして”。
 いろいろゆーめーだよね。姉妹二人とも」

ああ、あの人だ。と一人思い当たる人物が居た。
色々な意味で男女ともに有名な人物だ。
結構な騒動の渦中にいた人物でもあり、確か”アイスコーヒーとカラオケが好き”な人。