2020/06/20 のログ
■矢那瀬陽介 > 「……あれ?これ、結構簡単じゃない?」
1年では理解もできないような問題かと思った危惧も裏腹。
涼やかな筆記音がプリントの上に走っていった。
■百鬼 ヒルコ > 「違いがあれば面白いのは紛うことなき。
されど我らは異端か田舎か言われるもんや。あてもそうやと思うてたんや……けどなあ。
そういう目ェされたら、そやろそやろと言えんものでなあ」
つい、と視線は右往左往。オマケのオマケに相手は己より頭が良いと来た。
……そういえばこのテスト、一年の時の復習とか何とか云っていた気がする。
「……あては習わんかった場所やからなあ、たぶんせやろ。
あてが分からん場所を解くなんて、兄さんは物知りやねえ、惚れてしまいそうやわあ」
内心、マジかこの子、というのはなるべく出さないようにしつつ、感心しきったように己は心の内で称賛していた。これで宿題はあてのモンや。
■矢那瀬陽介 > 「1年の俺が習って、ヒルコさんが習ってないってのは聴かなかったことにして。
まぁ、でも良かったよ。
喋り方で異端扱いされないよ。復活の影響で異邦人だらけになってるじゃないですか」
ガンアクションのように回るシャーペンを胸ポケットに差し込んでから立ち上がる。
「いいよ、いいよ。困ったときはお互い様。
それじゃ俺はそろそろ帰るけれどヒルコさんはどうする?」
席から立ち上がって気づく彼女の顔。表情こそでないが邪な気配を感じて。
「それと、プリントをこのまま提出したらダメですよ。ちゃんと自分の筆記体に直して下さいね先輩。
バレて困るのは先輩ですよ」
片目を瞑る所作に交えて念押しする。
■百鬼 ヒルコ > 「せやさかい。何や胡散臭い外人さんやら異世界?の人やら。あてら芸者には物珍しさに寄り付いて来るモンは大量におるけども。異聞は異聞で数多数えるのも億劫やねぇ。堪忍しておくれやす」
他人事のようにせせら笑いながら、和装の生徒は面白おかしく腹を抱えながら指を回す。
「……あてはもう少し……いやまあ解けたら速効帰るけども……もう少し頑張るテイを見せてから帰るわあ。それまではちぃと付きおうとくれな
■矢那瀬陽介 > 「あぁ、ヒルコさんの喋り方が異邦人にとって物珍しくて奇異な目で見られるってことか。
そりゃご愁傷さま。でも決して嫌な目で見てないと思うよ」
その後に何か喋ったようにも見えた。途中で聴覚には届かず。
付き合った方がいいのか、それとも残る方がいいのか。迷って左右に瞳を彷徨わすが。
「ごめんね。俺はもう行かなきゃ。
また何処かで遊ぼうね」
鞄を左手にもって肩に担ぎ、右手をひらひらと振りながら教室を後にした。
ご案内:「第三教室棟 教室」から矢那瀬陽介さんが去りました。
■百鬼 ヒルコ > 「はい、ありがとさん。兄さんもまた遊んでや」
ひぃらひぃらと手を振り返しながら、宿題というなの地獄に眼を向ける。
「……もう人肌脱いで頑張らなあ」
そうして生徒は己に科せられた宿題と言う名の業をその日中に何とか終わらせるのだった。
ご案内:「第三教室棟 教室」から百鬼 ヒルコさんが去りました。
ご案内:「第三教室棟 食堂」に富士 雅さんが現れました。
■富士 雅 > 遅れて食堂へと姿を現した男。
既に生徒の大半が食事を終えており、メニューも人気の品は売り切れ札が貼られている。
この時間に残っているのは所謂定番メニューだ。
限定商品になる程の人気は決してないが、安定して売れ続ける強さがある。
男はそんな限定商品の方が好みであった。
と言うより、ハイカラな食べ物飲み物がよく分からないと言うこともある。
「やっぱり、この味だろう。」
男が今食べているのは学食の定番であるラーメンだ。
具はメンマとナルトとネギとモヤシが僅か。
大半が麺のみである。
そして、スープもどこででも食べられる定番のスープ。
トンコツだのアゴダシといった手の込んだ味ではない。
だが、男にとってはこれで十分なのである。
ずるずると麺を啜り、レンゲを使ってはスープを味わい。
「…たまんねえな。」
ご案内:「第三教室棟 食堂」にアージェント・ルーフさんが現れました。
■アージェント・ルーフ > 「ん~っ、小腹減ったなぁ~」
時計の短針が正午より少し傾き、廊下での談笑も目立ってきた頃。ふと、食堂に銀の人影が現れる。
「~♪」
上機嫌に鼻歌を奏でながら、お盆に乗ったサンドウィッチを腕に席を探す。生徒の数も疎らであり、席など迷う必要もないのだが、やはりこういう時に限っていい席で食べたくなると相場が決まっているのである。
ふと、そんな時校内の人気なメニューであろうラーメンを啜る男の後ろを通り過ぎる。ボクも異能を持つとは言え、それ以前に人間である。その時のボクも人の温もりに触れたかったのだろう。
「隣座っても大丈夫ですか~?」
こんな時でも、やはり口調は出てしまうのであろう、間延びした声で黒髪の男性に声を掛ける。
■富士 雅 > ズルズルとラーメンを啜っていると、鼻歌が聞こえてくる。
この学校はいつも個性的な生徒が多い。
ちなみに、男の認識では黒髪以外は全てハイカラである。
「別に構わねえが…。」
男は麺を一度食う手を止めると、椅子を動かし座りやすい様に。
寮で見かけた気はするが、授業ではあまり顔を見ることが無い。
恐らく、上級生と判断。
だからと言って男の対応に特段違いが出るわけではない。
呼び名が先輩になる位か。
「先輩も、今から食事かい。」
■アージェント・ルーフ > 「有難うございます~」
黒髪の男性から許諾の意を含んだ返答を得た為、遠慮なく隣の椅子を引き、座る。相手側もこちらの行動に沿うよう、自身の椅子を少し寄せている。一見、無愛想そうだなぁと外見で早計を行った自分に少しばかり喝を入れる。
ボクの事を『先輩』と呼ぶ当たり、年齢は上であるものの下級生の者らしい。しかし年齢で差別を図らないのは人と向かい合う職業である上での重要事項。敬語を使うかタメを使うか迷う所であるが、職業病の為、敬語を使う事にした。
「そうですね~、今日は少しばかり用事が立て込んでいたので…。貴方もやっぱり用事があったり?」
この時間に食堂にいる理由としては、やはりボクと同じく何かと用事があったのであろう。少しばかりの好奇心で、ボクは黒髪の男性に聞いてみることにした。
■富士 雅 > 男はラーメンを啜っている最中なので、口で応える代わりにコクコクと首を縦に振る。
上級生であると言うのに敬語が返ってきた。
こういう所が毎回男を悩ませる要因である。
所謂、年下の先輩がたっくさん居るのだ。
別世界から来たのだから仕方ないが。
「いや、特段用事があったわけじゃないが。
俺は大体この時間に来ることにしている。
でないとここの食堂は混むだろう? 飯くらいゆっくり食いたくてな。
先輩は何か忙しい用事があったのか。」
男が遅れて食事を取っている理由はなんとも身勝手な理由である。
人によっては呆れかえってしまうことだろう。
男はラーメンを食い終えると、お茶を飲みながら先輩の顔に視線を向ける。
「先に自己紹介をしておくか。
俺は一年の富士 雅。
保険課所属だから軽い怪我なら言ってくると良い。」
■アージェント・ルーフ > 黒髪の男性がラーメンを啜りながら首を縦に振り肯定の意を示す。食事の途中で申し訳ないと思いつつ、眼前にある綺麗な三角形に切り分けられた今回の食事に手を合わせる。
どうやら用事も特段なく、偶然ここで落ち合った形になるらしい。確かにここの食堂は味も上質であり、人気がある。
「確かに、ボクもここの食堂にはよく来ますからね~」
そう言いながら、最初にハムとキュウリの挟まれたスタンダードなサンドウィッチを口に運ぶと、こちらの用事の旨を聞かれた。そう言えば、こっち側の用事を話していなかったっけ…
「ボクは趣味でマジックをやっていましてね、少しだけ教室で友達に披露していたんですよ~」
男がラーメンを食い終え、自己紹介を持ち掛けてきた。名前も言うのも失念していたのを今になって思い出したボクに再び喝を入れながらもこちらも返答する。
「ボクは二年のアージェント・ルーフ、よっ…と」
職業柄、自己紹介の仕方も前から行ってきた方法で行おうと袖に仕込んでいるカードを虚空から出したかのように男性―いや、雅さんに見せかける。
「先ほど言った通り少しだけマジックを嗜んでいる者で、奇術部に入っています~」
■富士 雅 > 食事前に手を合わせる仕草はこっちでもよく見かける。
ひょっとしたら、ここの学園の生徒が礼儀正しいからで、島の外ではどうなのだろうとたまに思うこともあるが。
「だよな。 パンだのの取り合いや席の奪い合いが始まるだろ?
だから俺はいつでもこの時間帯だ。」
サンドウィッチか…これもまた定番だったなと思い出し。
普段はラーメンばかりだし、次に来た時は頼んでみるかと思い至る。
「ほう…手品か。 手品人気だろうな。」
学生の間では手品なんて注目を集めそうだ。
男も昔、挑戦しようとして地味に練習や準備が大変で諦めた過去を思い出す。
「やるなあ先輩。 日ごろから仕込んであるのか?」
茶をすすっては、突然カードを出して見せる相手の顔を見やる。
「奇術部なんて部活もここにはあるのか。
なんでもアリだな。 人体切断なんてやったりするのか?」
男は手品の類が大好きだった。
少しだけ、前のめりになっていく。
■アージェント・ルーフ > 相手が手品について興味を持ってくれた為、努力の甲斐があったとこちらも悦に浸る。
「そうなんですよ~、やっぱり情報化が進む中でもアナログな演舞というのは人気がありますねぇ」
というのも、実際こう言った不思議な物を好むというのは知恵を持つ人間という生物が故である。雅さんとて、例外ではないのだろう。ボクがカードをしまっている間仕込みについて聞かれるが、ここでタネなどを大っぴらにひけらかしてはマジシャンとして二流である。
「さぁ…ホントに虚空から出したのかもしれないですよ~?」
相手側もよほど興味があるのか、こちら側の顔を覗き見てくる。二つ目のサンドウィッチ、卵とマヨネーズが混ぜ合わさったものを口に運びながら頬を綻ばさせる。
さて、マジシャンともなると「帽子から鳩出して!」やら「千円札を一万円札に変えて!」と言ったリクエストが沢山来る。無論、雅さんが現に質問している人体切断もその一つである。人前で言うのはタブーであるが、タネあってのマジックである為、タネがなければ当然出来ないこともあるのである。よって、ここで変に出来ますと強気に出て、今実践する羽目になるよりかは、おどける様に言うのが得策だろう。
「やる時はやりますよ~、最も今ここでやってもいいですけど…、今入ってる保険の確認をしてからの方がいいかもしれませんね~」
一見するととんでもないことを言っている様ではあるが、ボクは少し笑いながら発言する。
■富士 雅 > 「情報化かぁ~、難しい言葉が出てきたな。」
先輩の言わんとすることは男でもなんとなくだが分かった。
ただ、男自身はハイテク機器にちょっとした抵抗があるのでそれこそ先輩の言う
アナログの方が馴染みがある。
そして、マジシャンが簡単にタネを明かすわけではないこともよく知っている。
「おいおい、それじゃあタダの異能じゃねえか。
それでいいなら俺でも出来るぞ。」
と、ここで男は突然右手に煙管を持って見せる。
煙こそ出ていないが、異能で呼び出した煙管はそれこそ文字通り"虚空"から出した品で。
用事もないのに出して誤解を受けては困るので、すぐに消してしまうが。
しかしまあ、美味しそうに食べている。やはり今度食べてみるとしよう。
「そうだな、その時は俺も双子でも用意してくるか。」
ククっと不敵な笑みを浮かべる男。
かつて興味があっただけに多少手品のタネなどは知っている。
■アージェント・ルーフ > 雅さんがカードを唐突にカードを出すという自分の行動に対して、恐らく異能の一つであるのか、動作無しに煙管を取り出す。
「おぉ、愛煙家でしたか~。ボク未成年でまだ嗜めないですけど、手を出してみたい分野ではありますね~」
多趣味である自分にとってはちょっとばかり目を引くものであった。すぐに消えた煙管を持っていた右手を見つめながらも、相手側の視線に気づく、視線の先は――サンドウィッチ。流石にこのまま残り二つのサンドウィッチをムシャムシャと食べるのは愛想が無さすぎる。ボクは二つのうちの一つ、フルーツサンドを手に持ち、
「…一つ食べますか?」
残りの一つ、ツナサンドを雅さんに勧めた。
■富士 雅 > 「どうだろうなあ。 これは異能だし、こっちの世界は喫煙者に厳しいんだろう?
おまけに税金まで取られるって言うじゃねえか。
わざわざ健康に害が出る煙草なんて手を出さない方がいいと思うがな。」
文字通り、"愛煙家"の能力なので男はいつでもどこでも好きなだけ煙草を吸える。
この学園の生徒の中には男の煙草のおかげで傷を癒して貰っていたりするため、あまりとやかく言われることは無い。
が、一般的な煙草となると世間は厳しいと聞く。
男は先輩に微妙な表情を浮かべると、首を傾げた。
「あ~、そういうつもりだったわけじゃねえんだが。
折角だし、頂くよ。」
差し出されたツナサンドを手に取り、口にする。
「うめえな、こりゃ。
やっぱり今度頼んでみるか。
それはそうと、初対面なのに奢ってもらって申し訳ないな。
なんかお礼しないとな、先輩。」
■アージェント・ルーフ > 雅さんが自分の勧めたツナサンドを受け取り、美味しそうに食べている。奢るというのはほぼ初体験に近いものだったので、新鮮な気持ちで頬が赤く染まる。
「いえいえ、気に入ってもらえてよかったです~」
空になったサンドイッチが乗っていたであろう皿に手を合わせ、お手拭きでパンの屑を落とす。
「では食事も終わったことですし、ここらでお暇しますね~。相席有難うございました~」
ボクは席を立ち、空いた皿を乗せたお盆を返却口に置きながら出口へ足を運ぶ。
「次会った時にはマジックの方も披露しますので、また会いましょうね~」
ボクは雅さんに別れの句を告げながら、出口の先にある曲がり角を曲がっていった。
ご案内:「第三教室棟 食堂」からアージェント・ルーフさんが去りました。
■富士 雅 > 「またな、先輩。」
サンドイッチを咀嚼しながら左手で振って先輩を見送る。
今度は何か差し入れでもお礼に持っていくかと、紙の手拭きで手や口元を拭いながら漠然と考え。
男は食べ終えた器を返してから、いずこへと向かっていった。
ご案内:「第三教室棟 食堂」から富士 雅さんが去りました。
ご案内:「第三教室棟 保健室」に富士 雅さんが現れました。
■富士 雅 > 保健室の椅子に座り込んで、半ば意識が昏睡しつつある男。
初めて座った時、こっちの椅子はこんなに性能がいいのかと驚くばかりであった。
背もたれの角度を変えることができ、おまけに座り心地も悪くない。
毛布だのを持ってきたらそのまま眠れそうな位。
と言っても、眠るわけにはいかない。
今は保険課の一人として怪我をした生徒達を相手に治療などを行っている。
既に数人の生徒に異能での治癒を施したり、簡単な傷なら絆創膏を張ってあげたり。
第一波が過ぎ去り、今は男一人。
気が抜けた男は、人目を憚ることなく欠伸をしていた。
■富士 雅 > 「…ん、あぁぁ。」
二度目、あるいは三度目の欠伸をして。
視界が涙で塞がってしまう。
「今日は暇だな。 折角の週末だってのに皆品行方正じゃねえか。」
■富士 雅 > 持ち回りの時間を終えると、交代要員がやってくる。
「おお、今日は暇だぞ。」
まだまだやる気に満ちた生徒にそんなことを言うと、
男は気だるげに去って行く。
ご案内:「第三教室棟 保健室」から富士 雅さんが去りました。