2020/06/21 のログ
ご案内:「第三教室棟 屋上」にヨキさんが現れました。
■ヨキ > 夕刻。
屋上のベンチに腕組みをして腰掛け、うつらうつらと舟を漕いでいる。
傍らには空になったブラックコーヒーの缶が置かれている。
コーヒーのカフェインでも、毎日の仕事から来る眠気を取り去ることは出来なかったようだ。
「……………………、」
やたらと姿勢がいいので考え事をしているようにも見えるが、しっかり眠っている。
■ヨキ > 時刻はちょうどマジックアワー。
自然が作り出す、美しい金色の光が島中を淡く照らしている。
薄明の光は、ヨキをも等しく包み込んでいる。
日中の暑さが和らぎ、風に夜の涼やかさが交じる、心地よいひととき。
ご案内:「第三教室棟 屋上」にカラスさんが現れました。
■カラス > 生徒達の下校の声や音が遠くに聞こえるだろう、
なんてことないこの島の日常の一コマ。
光に陰が落ちるこの時間、逢魔が時。
そんな時間のまどろみに……バサリと、羽ばたきの音。
「はぁ……。」
小さな溜息を零す羽ばたきの主の音は、
ヨキの意識を叩くだろうか?
はたまた、眠りへと招く手に身を委ねたままだろうか。
■ヨキ > 風が吹く。
カラスの大きな翼が、視界の端に陰を落とす。
「……うん?」
翼の音に、眉間に小さく皺を寄せる。
薄らと目を置ける――どうやら、自分でもよく眠ってしまっていたようだ。
心なしかすっきりとした顔で、周囲をきょろきょろと見渡す。
そこいらの鳥たちよりも大きく聞こえた、羽ばたきの主を捜して。
■カラス > 音の主は、屋上に降り立った所であった。
学生鞄を引っ提げ、制服を着た青年。
暑さが鳴りを潜めた夕方の風に黒い髪が揺れる。
急にその場に現れた要因を示すかのごとく、腰から生えた翼があった。
青年は若干憂いを持った表情であった。
普段あまり顔を出さない学園に、今日は僅かばかり登校したのだ。
若干の人酔いも手伝い、下校の時刻に皆に混じるでもなく、
ここに逃げてきたようだった。
■ヨキ > 翼の持ち主を見つける。
頭のてっぺんから大きな翼に視線を移し、そして靴のない足元を見る。
青年の表情に疲弊の色を察して、声を投げ掛ける。
「――やあ、こんにちは」
長身の男――ヨキが、ベンチの空いた隣を示しながらカラスに笑い掛けている。
「美術を教えているヨキだ。
一日頑張ってくたびれたかね? ここで少し、休んでお出でよ」
■カラス >
ヨキの声に青年はひぇっと肩を竦めた。
どうやら他に人が居るとは思っていなかったようだった。
開かれた眼はヒトのそれではなく、縦に割けた瞳孔が目立つ赤眼だ。
明らかな人間では無い異形の容姿ではあるが、
おどおどした表情も相まってか、ヨキに威圧感を与えることは無いだろう。
「あ、こん…にちは。先生。」
20cmを優に超える身長差は、ヨキが座っていることで多少は緩和されていた。
ぺこりと頭を下げ、顔を上げると耳羽根がぴこりと動いた。
「ありがとう、ございます…久しぶりの登校でちょっと…。
俺は、一年生で、カラスって呼ばれてます…。」
■カラス > 相手が先生だと名乗れば、警戒心も無い様子で
促されるままに近くに座るだろう。
■ヨキ > 異形の生徒にも慣れている様子で、取り立てて困惑する様子は見受けられない。
カラスのおっかなびっくりな挨拶に、こちらも会釈を返して。
「一年生の、カラス君だね。どうぞよろしく。
君は背中側はあまり見えないだろうが、ヨキからは夕日が照り返して綺麗に見えるよ」
隣に座ったカラスの、足元を改めて見遣る。
「だが……カラスというには、少し変わった足元だね。
何か、他の種族が交じっていたりするのかね?」
■カラス >
美術を教えているヨキにとって、
青年を己の授業で見ることは無かっただろう。
もしかしたら、職員室等に保護者連れで来た時に見かけているかもしれないが。
普通の学校で言う保健室登校にも近いのだが、
青年は少々特殊な扱いの生徒となっており、
学園に通うこと自体、頻度は低い。
ベンチに腰掛ければ座高の差で高くなった相手の碧眼を見る。
あどけなく、臆病さが伺える青年には、
不釣り合いな大きな黒の首輪と枷のようなリストバンドが目立った。
不真面目なアクセサリーを付けるには少々態度が似合わない。
「あ、えっと、…"竜"、混じりです…。
学園には、合成獣(キメラ)で、届け出、してます…。」
■ヨキ > カラスの様相を間近で見る。
見分すれども、不躾にはならぬ程度に。
「キメラ……人為的に合成されたもの?
誰かが君をキメラたらしめた、ということかな。
ふむ。
カラスと竜というのも、変わった組み合わせだ」
何の気なしに微笑んで、少し考える。
「…………。
君を造った人間の趣味にしては、種が離れている印象があるね。
カラスに成りきれなかった。
あるいは、竜になるはずだった?」
■カラス >
好奇の目に晒される事自体はよくあることで、
居心地の悪さというのはどうしても抜けきらないが、
相手は学園の先生である故に、僅かに赤眼を彷徨わせるに留める。
ただ、相手の言葉に対しては、しょんぼりと耳羽根の先が下を向き、
申し訳なさそうに翼を縮こませては、隻手が己の首輪を撫でた。
「あ……えっと、竜になるはずだった…です。
いろんな竜の力を持つはずだったと、"お父さん"から、聞いています…。」
ヨキは常に魔力を溢れさせているようだが、自身の魔力感知自体はどうなのだろうか?
もし魔力の流れが分かるならば、
その首輪がヨキ自身が身に着けている指輪と似た魔力に親和性のある素材だと分かるかもしれない。