2020/06/28 のログ
ご案内:「第三教室棟 廊下」に九十八 幽さんが現れました。
九十八 幽 > ら ららら らん らん ら

夕暮れ時。緋に染まる西の空。それに照らされる廊下
真新しい制服に身を包み、長く伸びた影の様な姿が歩いていく

る ら ららんら る ら

ゆったりと目を閉じて 胸に手を添えて
僅か開いた口から零れる歌声
異国情緒あふれるような 独特の調子のそれは

るら らら らんら らら る

実のところ誰もが知る様な ありふれた歌謡曲だったのだけれど
残念なことに 原形を留められないほど、九十八 幽は音痴だった

九十八 幽 > それでも しっかり一曲歌い切って
満足げに目を開けてから 夕陽の眩しさに目を眇めて

「ああ なんて素敵なんだろう
 あまりにも素敵だから、こうして着替えて 一日早く来てしまったのだけど」

自分が着ている制服を、さらりと撫でて微笑み一つ
ひと気のない廊下で、うっとりと目を伏せる

「明日から 生徒として
 こうして学校に来て、……──」

はた、と言葉が停まる
静かに一度口を閉じて、クマのこびりついた目をぱちくりと瞬かせ
再び口を開いて、言の葉を 紡ごうとして

「──……学校に来て、なにを するのだろうね?」

そんな疑問が 口から零れ落ちた

ご案内:「第三教室棟 廊下」に藤巳陽菜さんが現れました。
藤巳陽菜 > テストの前に渡しておきたい資料があると呼び出されそれについての色んな説明や世間話で既に夕方。
久しぶりの校舎にちょっと寂しい気持ちになりながら家路に向かっていると…

「歌?」

どこかで聞いたような、でもなんかメロディーが違うような…
そんな歌が聞こえてきた。

そこにいたのは真新しい制服を着た…女の子?男子??だった。

(新入生なのかしら…)

思わずまじまじと見てしまう。

九十八 幽 > 「ルリエルも、ヨキも 先生だって言ってたから訊いてみれば良かったね
 うん──学ぶ場所、勉強する場所。そう聞いていたけれど」

静かに足を止め、考え込む様に己の唇に指を当てる
学校は学ぶ場所 勉強する場所 では、勉強とはどうやってするものなのか
この場所でないと出来ないような、特別な手順を踏むのか

「──……まあ 明日になればわかるか」

らら ら るる ら、らら る ららら
考えることを放棄して、再び口から音楽を紡ぐ
楽しげにその場でくるりと アイススケーターよろしく一回転
その最中、こちらを見る姿に気付いて

「やあ こんにちは。いや、こんばんは かな
 君は学校の生徒かい?
 制服を着ているから、きっとそうなのだろうけれど」

にっこりと笑みを浮かべ 訊ねてみたのだった

藤巳陽菜 > 「えーと…、こんばんわ。」

外の赤さを見るにもうこちらの方がよいだろう。

「 はい、ここの生徒ですね。あんまり校舎の方には顔出してないですけど…。」

陽菜がこうして校舎の方に来るのは週に2~3回この島の一般的な学生と比べれば少ない方だ…
あまり、人と関わるべきではない…

「貴方はえーと…新しく学校に入学する人ですか?
 制服も新品って感じですし…。」

やっぱり性別は分からない…陽菜の知り合いに男子っぽい女の人もいたので余計に分からなくなってしまっている…。

九十八 幽 > 「ああ やっぱり、やっぱりだ
 だって制服を着てるもの 生徒なんだね 君も
 おなじ、おんなじだ 生徒なんだよ 明日から通うんだ」

自分の胸に手を当てて、恭しく一礼
一応男子用の制服を着てはいるものの、間近で見てもその性別は定まらない容姿

「九十八 幽というよ
 にたらずは九十八って書いて、かすかは幽霊の幽
 良ければ 君の名前も知りたいな 教えてくれないかしら」

すい、と一歩踏み出して距離を詰める
穏やかに微笑みながら返答を待って

藤巳陽菜 > 「明日から…じゃあ今日は一足先に学校の様子を見に来たって感じなのね。」

やっぱりわからない…不思議な子だなあ…

「それで、にたらず…珍しい苗字ね。
 私は藤巳 陽菜。藤の花の藤になんかこういう…己って字が埋まった感じの…でふじみ」

指で必死に形を説明する。
巳っていう感じの説明は凄い難しい。

「太陽の陽に菜の花の菜でひな。
 よろしくね九十八さん…さんでいいの?」

すいと一歩せまられれば気持ち後ろに下がりながら答える。
蛇の身体はあまり後ろに進むのは得意ではないのだ。

九十八 幽 > 「そう、そうだよ 一日早く見ておきたくて
 朝からずうっと見て回ってたのだけど 広いんだね学校は」

嬉しそうにうなずいて、それからじいっと藤巳を見つめる

「藤、巳……陽、菜。そう 陽菜、藤巳 陽菜が君の名前
 よろしく、陽菜。九十八でも、幽、でもどちらでも構わないよ
 でも、そうだな……幽、って呼んでくれる方が良いな
 なんだか 心が暖かくなるから」

穏やかに微笑みながら、さらに一歩進んで両腕を広げる
幽にとっての『はじめまして』と『これからよろしく』の
二つの挨拶の意味を込めた抱擁を求めていると 気付けるだろうか

藤巳陽菜 > 「凄く広いわよ。3年とか4年とか通っても使わない場所の方がよっぽど多いくらい。」

校舎を全部使ってる人なんていないのではないだろうか??

「じゃじゃあ幽…何か初対面で下の名前で呼ぶの何か照れるわ…。」

距離感が近いタイプの子なのだろう。
そう、距離感が近いタイプの子だと思うけど…
おそらくハグを求めているのだろうその動きを見て固まってしまう。

常世島にはそういうコミュニケーションをする人もいる。
もちろんそういう挨拶をする人もいる。
でも、男の子か女の子かわからない人とそういうのは…
でも、流石に男の子なら初対面でハグはないのでは??
でも、でも、頭がぐるぐるなる…。

「え、えっと…」

迷いながら結局小さく手を広げて迎える。
恥ずかしいけれど…!だいぶ恥ずかしいけれど!!

九十八 幽 > 「そうなんだ それは楽しみだね
 何年かければ、全部使えるのかな」

うっとりと目を細め 廊下の奥を見つめる
学校はそういう所じゃないと 注意しておく必要があるかもしれない

「うふふ そうかな
 自分が自分である事を表すのが名前だから
 誰かに自分を認めて貰えているようで、認めているようで
 恥ずかしくなんか ちっともないよ、陽菜?」

相手の逡巡など想像だにしていないようで
慎ましやかに手を広げてくれた 陽菜の身体を静かに抱き締める
しっかりと抱き締めながらも その体は女性らしさと男性らしさが同居した感触で

「ふふ ありがとう、陽菜
 学校の中で初めて会った生徒が、陽菜みたいな素敵な人で良かった」

静かに身体を離すと にっこりと笑ってそう告げる

藤巳陽菜 > 「うーん…卒業せずに狙って授業をとっていたら行けるのかしら…。
 多分、無理だとおもうけど…。」

それでも数十年はかかるだろう…。
全部の教室を使うために授業を受け続ける生徒なんて怖い…

「そう、間違いなくその通りだと私も思うのだけど…」

それでも気恥ずかしさがある。
…逆にその通りだからこそ恥ずかしさがあるのかもしれない。

「……。」

ハグとかしたのいつぶりだろうか?
家族以外の人としたことなかったかもしれない…
幽の身体は固いような、柔らかいような鍛えてる女の人という感じだろうか?
やっぱり分からない…
すごく緊張してしまって顔が熱い…。

「…な、なんか、ナンパしてるみたいねその言葉。」

そうならハグと順番は逆だろうけど…

九十八 幽 > 「なるほど なるほど……
 無理かな?無理じゃないような気もするけれど
 でも ううん、きっと とても難しいんだろうね」

諦めるしかないのかなと 小首を傾げて

「そうだろう? ふふ、それでも恥ずかしいんだね
 陽菜 陽菜。陽菜はそういう人なんだね」

微笑ましく藤巳を見つめて ふと首を傾ける
聞いた事のない言葉が 彼女の口から発せられた気がして

「ナン パ? ナンパっていうのはどういうもの?
 することなんだね、陽菜とお話しするのをナンパというのかな?」

藤巳陽菜 > 「そもそも、自分のやりたいことやってたらそれだけで時間たりなくなっちゃうから…。
 わざわざ、色んな場所を使うために色んな授業受けるっていうのも…。」

時間の使い方としては有意義なものではない…。

「そうやって、何度も呼ぶ…。」

恥ずかしいけど少しずつ慣れてきた。
でも少し恥ずかしさはある。

「え…えーと、ナンパって言うのは…」

いざ聞かれると困ってしまう…。
えーと、何て答えたらいいんだろう…。
迷った結果、スマホを取り出して調べるという暴挙に出た。
持つべきものは文明の利器である。

「…えーと、ナンパとは面識のないもの(主に異性)に対して会話、遊びに誘う行為。ですって。
 …つまりやっぱりこれはナンパってことになるのかしら?」

なるほどナンパなのかもしれない。