2020/07/02 のログ
■バジル > 「ボクは諸君らの先生だからねっ!
助けを求めその手を伸ばすならば、ボクは何を差し置いても救いに向かう用意があるッ!
忘れないでくれたまえよ? 諸君らは独りではない…
ボクをはじめ周りには頼れる先生方が諸君らをサポートしてくれている…
さあ、どんどん頼ってくれたまえ…
ボクも胸襟を開いて諸君らの悩みを聞こうじゃあないかっっ!!」
そこまで喋り通して、生徒の一人から『授業をしないのですか、先生』とツッコミが入った。
テスト期間直前であり大事な時期でもある。そろそろ雰囲気が怪しいものになってきたところで…
「ああっと!そうだったね、これは失敬ッ!では、授業を始めることとしよう。
教科書の73ページを開いてくれたまえ。
えー、では座席表から一番右の、キミ……名前は確か―――」
こうして、3年生向けの物理の授業は、やかましくせわしなく進行していくのだった。
■バジル > そして、規定の時刻に合わせてチャイムが鳴る。
本日の日直の号令に、生徒一同が授業の終了を表す一礼を行うのだった。
そこから先は休み時間である。男は次の授業の準備をすべく、教室を後にしようとしたのだが、
そこで生徒に呼び止められる。どうやら質問があるようだった。
「ふむ。授業に関する相談かなっ?
結構結構ッ!今扱っている範囲は十全を期して進めているつもりだが、
各々の理解度に合わせたフォローは必要であろうっ!
さ、ボクにどこが分からないのか、その口から説明してみたまえ…
なに、恥ずかしがることはない……
聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥とも言うだろう?
それとも、それができないくらい知識が備わってないと言うのなら、
これはボクの責任だろうね…」
男の表情が曇る。自分の授業で、まさか、伝わっていないところがあったのかと不安になったのだ。
それを見た生徒が否定しようとしたところ、男は何かひらめいたのか急に先の調子を取り戻し…
「いいや!構わないともっ!
ボクも今の話で良いことを思いついてしまったからねっ!
ああっ、これはオフレコなのだがね。
キミの今話した範囲について、急遽課題を発行することを決定したッッ!!
なに心配することはないっ!これで諸君らの理解を今一度っ、
把握することができるというものさっ!
では来週を楽しみにしてくれたまえっ!ハッハッハッハッハッ!!―――」
高笑いをした男が、嵐のように、その教室から去っていく。
多数の怨嗟と悲しみの声をそこに残して…
ご案内:「第三教室棟 教室」からバジルさんが去りました。