2020/07/19 のログ
ご案内:「第三教室棟 屋上」に九十八 幽さんが現れました。
九十八 幽 > 夕暮れ時の屋上で 茜差す空を見上げながら
ベンチに一人腰掛けて 制服を纏った影一つ

「今日も会えなかったね すこぉし残念
 でも仕方ないね これだけ広いんだもの。仕方ない」

暮れゆく空に向けて溜息一つ しかしその顔は穏やかな笑みを口元に
相も変わらず 男とも女ともつかない容姿の青年は
素敵な一日を思い返す様に ゆったりと物思いに耽っている

九十八 幽 > 「思い返してみれば 先生だって事しか知らないものね
 ルリエルもヨキも 学校に居る事は確かだけれど
 ……職員室に行けば分かるのかな きっと分かるだろうね」

けれども今は学生にとっても教師にとっても忙しい期間らしく
そんな中でわざわざ時間を割いて貰う事も無いと
幽は深海のような昏い藍色の瞳に朱を映しながらひとりごちる

「同じ場所に居るのだから いずれ会えるさ 会えるとも
 だから今は一日でも早く この学校という場所に慣れないとね」

転入を済ませひと月ほど 制服も次第に馴染んできたように
そんな姿を見せたい気持ちをそっと押さえながら
屋上でひとり 後の楽しみをしずかに積み重ねていく

九十八 幽 > 「──……よし よし
 今日はもう帰らないとね 怒られてしまうから
 明日は……お休みなんだっけ」

6月に入学したばかりの幽は 在学期間の短さから前期の試験は免除されていた
しかしその分だけ 学園の成り立ちといった説明に近い授業が特別に用意されている
このひと月ほどは学力基礎とその特別授業を座学で受け続け、
どうにか後期試験は周囲の生徒に追いつけるかといった具合

「それじゃあ明日はなにをしようか どこへ行こうか
 何が見れるかな 誰に会えるかな
 うふふ、楽しみだね すごくすごく楽しみだ」

だってそれだけ話せることが増えるから
明日への期待に笑みを強めながら ゆらりとベンチから立ち上がる
そうしてそのままゆらりゆらりと 屋上から立ち去って──

ご案内:「第三教室棟 屋上」から九十八 幽さんが去りました。