2020/08/23 のログ
ご案内:「第三教室棟 屋上」に追影切人さんが現れました。
追影切人 > まだまだ暑さも中々に厳しい時間帯。屋上の日陰になった箇所にあるベンチに腰を下ろして、珍しく何やら本を読んでいるオッドアイのチンピラじみた男。
傍らに日本刀(刃は潰してある)を立て掛けつつ、時々難しい顔でページを捲っている。

「―――飽きた」

やがて、唐突にそう呟いて読んでいた本を脇に無造作にポイっと投げ捨てるように置いて一息。
読んでいたのは主に常世島特有の【怪異】に関する考察などを纏めた書籍だ。
一応、文字の読み書きはここ3年くらいでみっちり叩き込まれたので読む事は出来る。
――が、馬鹿なので内容は2、3割理解できていれば良い方だろう。馬鹿だからしょうがない。

「やっぱ、こーいうのはそういう専門家とか研究者に聞くしかねぇか?…俺の頭で理解できるかしらねーが」

ぼやく。そういう知人友人は身近に居ないから仕方ない。ぼんやりと空を仰ぐ。

追影切人 > 「しっかし暑ちぃな…どうせなら水とか氷を生み出す能力とか魔術でも使えりゃいいんだがなぁ」

生憎と、どちらも特殊性が高い上に監視対象なので絶賛封印中である。
監視対象で怪異になり掛けているとはいえ、人間は人間…暑いものは暑いのだ。

かといって、屋内の冷房が効いた場所でだらだら過ごすのも、それはそれで味気ない。
日の傾きに従い、影の位置がじわじわズレてくるがまだこのベンチの場所は平気そうだ。

「最近は風紀も一部が騒がしいみてーだが…ま、俺にゃあんまし関係ねーか」

どうせ自分が呼ばれる状況なんてロクでもないのは間違いないのだから。

追影切人 > まぁ、取り敢えず…飽きたとはいえ、本気で投げ捨てても一向に解決策は見当たらないだろう。
ノロノロとした仕草でさっきポイっと脇に投げ置いた怪異に関する書物を拾い上げてまた読み始める。

「――専門用語が多過ぎんだよなぁ。いや、まぁそういう本なのは分かるんだけどよぉ。
…用語解説集みたいなのねーのか、これ…。」

残念ながらそんな親切設計ではなかった。それでも、難しい顔でまた読み始める。
以前は多分、一度飽きて投げ捨てたら二度と読まなかっただろうが。まぁ多少進歩はしているのだろう。

「――つぅか、そもそも読書をこのクソ暑い外で、ってのが無理があったか」

まだまだ日陰ゾーンとはいえ、ぼやきながら一度本から周囲に視線を向ける。
さすがに、この時間帯に好き好んで屋上に来る奴はあまり居無そうだ。

ご案内:「第三教室棟 屋上」にセレネさんが現れました。
セレネ > 涼しい屋内から暑い屋外へと足を運ぶは、現在屋上で読書をしている黒い人とは対照的な色を持つ生徒。
室内にずっと居ては身体が冷えていく一方だし暑いのも日差しも苦手だけれど寒さで風邪を引くよりはと、ドアを開けて陽の光の下へ。
ジリジリと色の薄い肌を焼く感覚に、日陰のベンチは何処かと蒼をぐるりと見回しては。

先客と目が合った。まさか人が居るとは、と一瞬固まるも
暑さに耐えきれず逃げ込むように日陰の場――相手の所へと早足で向かおうか。

「こんにちは。
今日も暑いですねぇ。」

ベンチには座らず、とりあえずは日陰へ避難出来ればそれで良い。
挨拶も無しでは印象も悪かろうと思い、無難な言葉をかけてみる。

追影切人 > 「――あン?」

ガラの悪いノリは見た目に違わず。視線が合えば無意識にそんな声が漏れる。
生身の右目と、義眼である左目の色違いの目で相手を見遣る――見覚えは無い、初対面だろう…多分。

視線が合った瞬間、相手が一瞬だけ固まった気がするが特に気にはせず。
早足で日陰側…こちらへと向かってくる相手を眺める。美人だが見覚えは無い。
…と、なると矢張り初対面か。美人しかいないこの学園だがさすがに面識があれば顔くらいは覚えている筈だ。

「おぅ、確かにクソ暑ぃな。つーか、俺もアレだけどそっちもわざわざ外に出てくるとは物好きだな」

と、口は荒っぽいが気さくにそちらへと挨拶を返しつつ。と、そこで気付いた。
ベンチのど真ん中に座って読書をしていたのだ。まぁ別にそのままでもいいのだけど。

取り敢えず、何も言わずずりずりと左側の方へと体をずらしてスペースは空けておこうか。
ついでに、立て掛けていた刀も更に脇に追いやる。

セレネ > 普通の生徒であれば声を掛けるのに躊躇でもしそうな見た目のガラの悪さをしている相手だが、
慣れているので特に躊躇いも何もない。

相手の想像通り、初対面。
加えて人が居ると思っていなかったので驚きはしたがそれをわざわざ追及してこなかったのは少し有難かった。

「私冷え性なので、冷房の効いた場所にずっと居ると寒くてですね。
だから体温を戻す為に外に…。」

案外気さくに話を返してくれた。
物好きだと言われれば苦笑を浮かべるが、一応理由があっての事。
無言で陣取っていたベンチのスペースを空ける相手に数度目を瞬かせると有難う御座いますと礼を述べ。

彼を見て気になったのは手に持っている本と傍にある刀。
どっちも興味がある事だが、何方を先に話題とすべきか。
少し考えた後

「貴方は何を読んでいらっしゃるので?」

こんな所で読書とは、と緩く首を傾げながら
折角空けてくれたベンチの端に腰を下ろし。

追影切人 > 仮に彼女が物怖じしていたとしても、それはそれで特に態度は変えたりしなかっただろう。
良くも悪くも男は自然体だ。取り繕ったりするのは面倒だしかったるい。

「冷え性…あーそういや女に多いとか言うな、それ。まぁ冷え過ぎたら、それはそれで体調崩しそうだしな」

ふーん、と相槌を打ちながら納得したように。馬鹿だが流石に冷え性くらいは分かる。
あまり歯に衣を着せない物言いを良くも悪くもするので、彼女の苦笑も特に気にしない。

「別に礼はいらねーよ……あ?これか?…常世島特有の怪異とかそれに類する現象の考察とか記録?を纏めたやつ。」

彼女がこちらの本について言及すれば、そちらへと本の表紙が見えるように右手で掲げて。
【怪異考察録】と、シンプルな字体のタイトルにハードカバー調のそこそこ厚みある書物だ。

「ちっとばかり訳ありで怪異について理解を深めておく必要が出来てな。
ま、普段読書しねーし、俺ぁ馬鹿だから内容なんて殆ど理解できねーんだが…少しは知識入れとかねぇとな、って」

セレネ > 彼の雰囲気は何となく、懐かしさを感じるもので少しばかり目を細め。

「夏でも風邪は引きますからね。」

どうやら納得してくれた様子。
もう少しで後期が始まるのだからこんな所で風邪は引いて居られないし。

「お気遣いだけでも感謝したかったのです。
――怪異、ですか。」

わざわざ表紙を見せてくれる様に題名を目で追う。
今の時期、そういった話は特に色々と話題に上がる。
怪談話とかあったなぁとか思いながらも話に耳を傾け

「退魔師というか、そういう感じのお仕事なのです…?
内容が理解出来ずともそういった気持ちを持つのはとても素晴らしい事だと思いますよ。
知識は0より1でも2でもあった方が役に立ちますから。」

面倒だからと何もやらないより、そう思っていても行動に移しているのは好感が持てる。

追影切人 > 僅かに目を細める様子に、何だ?と、思うがまぁ多分そんな大した事でもないだろう、と即断即決で気にしない方針。
風邪を患った経験が全く無いが、夏風邪についてはちょくとく小耳には挟むもの。

「ふーん、律儀っつぅか…そうそう、怪異。ま、こんなの目を通した所で付け焼刃にすらなるか怪しいけどよ」

肩を竦める。それなりに分かり易く噛み砕かれてはいるが、考察や記録を纏めた書籍なので専門用語もそれなりに多い訳で。
だから、彼なりに真面目に読んではいるが、それでも2,3割行くかどうかの理解度である。

「いや、ちげーよ。俺は一応風紀の所属みてーなもんだが、怪異とやり合ったりする事もあってな。
…んで、対処法っつーかそういうのも何かしら覚えておこうかとな」

そこは流石にやや誤魔化す。実際は、今自分自身が怪異になりかけているので、その解決法を探す糸口を見つけたいだけだ。
が、流石にいきなり初対面の相手に「俺は怪異になりかけてんだ」と言ってもアレだろう。
変人と思われるか、もしくは遠巻きにされるか。大体この2つのパターンのどちらかだろう。

「――ま、馬鹿にゃ難し過ぎたけどな。読まないよりはマシっつーやつだよホント」

専門用語集とか欲しい所なんだよなぁ、と独り言のように呟きつつ。
実際の所、言動や仕草の端々は嫌々というのが丸分かりだが、一応最後まで目を通すつもりではあるらしい。

セレネ > 「本当なら何度も読み返すのが一番なのでしょうけど…
怪しくとも読んでおいて損はない筈です。多分どこかしらで読んでおいて良かった、と思う時が来るかもしれませんし。」

片手の人差し指を立てながら話す。
考察や記録であれば、類似する怪異等は複数あるかもしれないし。
その時に知識があれば対処法も分かるだろうから、と。

「風紀の方だったのですね。」

以前風紀と公安の親睦会パーティにこっそり忍び込んだ事があったがその時に彼は居ただろうか。
個性的な人ばかりであまり覚えて無いなぁ…なんて記憶を掘り返しつつ。
尚、己自身人間ではないので仮にそう言った話をされたとしても驚く事はない。

「もう少し難易度の低いものを読んだ方が頭に入りそうですね。」

チョイスミスか、またはその本しかなかったか。
勉学や読書は、嫌いな人はとことん嫌いだから仕方ないよなと相手の雰囲気に再び苦笑を浮かべながら思う。

追影切人 > 「――ま、無駄にならねーとは思うがよ。正直読書なんてまともにした事が殆どねーからな。
そもそも、読み書きなんてここ3年くらいみっちり叩き込まれてやっと覚えたくらいだしよ」

肩を竦める。まぁ、まともな教養を受けてない上に元・二級学生なのでそうなる。
風紀の方、と言われれば頷くが――正直びみょーな立場だから何とも言えない。

「難易度ねぇ。怪異の書物ってのは、どーも初心者向けみてーなのがあまり見掛けねーんだよなぁ」

図書館とかも探した事があるが、怪異に特化した書物となると数はお世辞にも沢山ある、とは言えない。
何故かそちらだけ黒い革手袋を嵌めた左手で眉間をとんとんと軽く叩きつつ。

「――あ、そーいや名前聞いてなかったわ。俺ぁ2年の追影切人ってんだ。切人でいい。そっちは?」

とんとん、と叩いていた手を止めてふと顔をそちらへと戻してそう問い掛ける。
別に律儀に自己紹介する必要もないのだろうが、少なくとも名前が分かったほうがお互い呼び易くはあろうかと。